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農林水産省

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試験方法

作成日:平成29年4月7日
更新日:令和4年12月26日

4.1. 大腸菌

4.1.1.定性試験

4.1.1.1. 野菜
(1) 
     腸管出血性大腸菌O157

プラスチックフィルム製の袋に採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、到着から1週間以内に試験に供しました。調製試料25 gをノボビオシン加mEC培地225 mLと混合し、24時間、42±1℃で培養しました(増菌培養)。増菌培養後の培養液1 mLを、免疫磁気ビーズ(O157抗原用)を用いて濃縮、Cefixime Potassium Tellurite - Sorbitol MacConkey(CT-SMAC)寒天培地及びクロモアガーO157寒天培地に塗抹し、24時間、36±1℃で培養しました(分離培養)。分離培養後の各培地上に発育した腸管出血性大腸菌O157と疑われる5集落を、普通寒天培地、Cellobiose Lactose Indole β-D-Glucuronidase(CLIG)寒天培地、Triple Sugar Iron(TSI)寒天培地及びLysine Indole Motility(LIM)寒天培地に接種して確認培養し、大腸菌であるかを判定しました(鑑別同定)。

(2)
     腸管出血性大腸菌O26


プラスチックフィルム製の袋に採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、到着から1週間以内に試験に供しました。調製試料25 gをノボビオシン加mEC培地225 mLと混合し、24時間、42±1℃で培養しました(増菌培養)。増菌培養後の培養液1 mLを、免疫磁気ビーズ(O26抗原用)を用いて濃縮、Cefixime Potassium Tellurite - Rhamnose MacConkey(CT-RMAC)寒天培地及びCT-SMAC 寒天培地に塗抹し、24時間、36±1℃で培養しました(分離培養)。分離培養後の各培地上に発育した腸管出血性大腸菌O26と疑われる5集落を4.1.1.1.(1)と同様に鑑別同定しました。

   ※野菜試料の調製方法

レタス
  採取した試料の外葉を1から2枚程度除去した後、その直下の葉2枚を採取し、6玉分(計12枚)をミキサーで良く混合して調製試料としました。
キャベツ
  採取した試料の外葉を1から2枚程度除去した後、その直下の葉2枚を採取し、5玉分(計10枚)をミキサーで良く混合して調製試料としました。
ネギ
  採取した試料について、土壌が付着している場合には滅菌手袋で除去した後、可食部を白色部位と緑色部位に分け、白色部位については外皮1枚を、緑色部位については全体を裁断した後ミキサーで良く混合して調製試料としました。
トマト
  採取した試料について、土壌が付着している場合には滅菌手袋で除去した後、果実内側のゼリー状部分を除き、外側の部分をミキサーで良く混合して調製試料としました。
きゅうり
  採取した試料について、土壌が付着している場合には滅菌手袋で除去した後、可食部分の外皮を滅菌したピーラーで剥皮し、その外皮部分をミキサーで良く混合して調製試料としました。

4.1.1.2. 水
(1)
     大腸菌(衛生指標菌)


採水容器(チオ硫酸ナトリウム五水和物が入ったもの)に採取した試料(1 L)を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、到着から1週間以内に試験に供しました。試料100 mL を孔径0.45 µmのメンブランフィルターで濾過し、メンブランフィルターをEC培地15 mL に入れて震盪し、24 時間、44.5℃で培養しました(増菌培養)。増菌培養後、ガスが発生した試験管の培養液をEosin Methylene Blue(EMB)寒天培地に塗抹し、培養しました(分離培養)。大腸菌と疑われる集落をSulfide Indole Motility(SIM)寒天培地、ブドウ糖リン酸ペプトン水、Voges-Proskauer(VP)半流動寒天培地及びシモンズクエン酸寒天培地に接種して確認培養し大腸菌であるかを判定しました(鑑別同定)。

(2)
     腸管出血性大腸菌O157


容量1 L強の容器に採取した試料(1 L)を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、到着から72時間以内に試験に供しました。試料1 Lを孔径0.45 µmのメンブランフィルターで濾過し、メンブランフィルターをノボビオシン加mEC培地15 mLに入れて震盪し、24時間、42℃で培養しました(増菌培養)。増菌培養後、免疫磁気ビーズ(O157抗原用)を用いて濃縮しました。濃縮液0.1 mLをCT-SMAC寒天培地及びクロモアガーO157寒天培地に塗抹し、18時間、36℃で培養しました(分離培養)。分離培養後の各培地上に発育した腸管出血性大腸菌O157と疑われる5集落をCLIG寒天培地に接種し、確認培養するとともに、病原性大腸菌免疫血清を用いてO157抗原を確認しました。その後、腸管出血性大腸菌O157と疑われる集落をTSI寒天培地、シモンズクエン酸寒天培地、LIM培地、VP半流動培地に接種して確認培養し、大腸菌であるかを判定しました(鑑別同定)。

(3)
     腸管出血性大腸菌O26


容量1 L強の容器に採取した試料(1 L)を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、到着から72時間以内に試験に供しました。試料1 Lを孔径0.45 µmのメンブランフィルターで濾過し、メンブランフィルターをノボビオシン加mEC培地15 mLに入れて震盪し、24時間、42℃で培養しました(増菌培養)。増菌培養後、免疫磁気ビーズ(O26抗原用)を用いて濃縮しました。濃縮液0.1 mLをViRX O26寒天培地及びCT-RMAC寒天培地に塗抹し、24時間、36℃で培養しました(分離培養)。分離培養後の各培地上に発育した腸管出血性大腸菌O26と疑われる5集落を普通寒天培地に接種し、確認培養するとともに、病原性大腸菌免疫血清を用いてO26抗原を確認しました。その後、腸管出血性大腸菌O26と疑われる集落を4.1.1.2.(2)と同様に鑑別同定しました。

4.1.1.3. ふん便 
(1)
     腸管出血性大腸菌O157


容器に採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、動物の捕獲から1週間以内に試験に供しました。試料25 gをノボビオシン加mEC培地225 mLと混合し、24時間、42℃で培養しました(増菌培養)。試料採取量が25 g未満の場合は、試料をノボビオシン加mEC培地で10倍希釈して行いました。増菌培養後、免疫磁気ビーズ(O157抗原用)を用いて濃縮しました。濃縮液0.1 mLをCT-SMAC寒天培地及びクロモアガーO157寒天培地に塗抹し、18時間、37℃で培養しました(分離培養)。分離培養後の各培地上に発育した腸管出血性大腸菌O157と疑われる5集落をCLIG寒天培地に接種して確認培養するとともに、病原大腸菌免疫血清を用いてO157抗原を確認しました。その後、腸管出血性大腸菌O157と疑われる集落を4.1.1.2.(2)と同様に鑑別同定しました。

(2)
     腸管出血性大腸菌O26


容器に採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、動物の捕獲から1週間以内に試験に供しました。試料25 gをノボビオシン加mEC培地225 mLと混合し、24時間、42℃で培養しました(増菌培養)。試料採取量が25 g未満の場合は、試料をノボビオシン加mEC培地で10倍希釈して行いました。増菌培養後、免疫磁気ビーズ(O26抗原用)を用いて濃縮しました。濃縮液0.1 mLをCT-RMAC寒天培地及びクロモアガーO26寒天培地に塗抹し、18時間、37℃で培養しました(分離培養)。分離培養後の各培地上に発育した腸管出血性大腸菌O26と疑われる5集落をCLIG寒天培地に接種して確認培養するとともに、病原大腸菌免疫血清を用いてO26抗原を確認しました。その後、腸管出血性大腸菌O26と疑われる集落を4.1.1.2.(3)と同様に鑑別同定しました。

4.1.1.4. 野菜 
  腸管出血性大腸菌O157

採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、試験室への到着から24時間以内または採取から72時間以内に試験に供しました。調製試料25 gを緩衝ペプトン水225 mlに混合したものを試料溶液とし、ISO 16654:2001に従って検査しました。ただし、一部の検体については、増菌培養に、Modified tryptic soy broth with Novobiocin(ノボビオシン加mTSB)培地の代わりにノボビオシン加mEC培地を用いました。

※野菜試料の調製方法
レタス
  採取した試料の外葉を1から2枚程度除去した後、その直下の葉2枚を採取し、5玉分(計10枚)を、滅菌した包丁等で全量を1~2 cm角に裁断した上で、よく混合して調製試料としました。
トマト
  採取した試料について、滅菌した包丁等で、ヘタ及び果肉内側のゼリー状部分を除き、全量を約1 cm角に裁断した上で、よく混合して調製試料としました。
きゅうり
  採取した試料について、滅菌したピーラーで外皮を剥皮し、滅菌した包丁等で、外皮部分を約1 cm角に裁断した上で、よく混合して調製試料としました。
はくさい
  採取した試料について、その外葉を1から2枚程度除去した後、その直下の葉2枚(5玉分計10枚)を、滅菌した包丁等で全量を1~2 cm角に裁断した上で、よく混合して調製試料としました。

4.1.2. 定量試験

4.1.2.1. 野菜・土壌 
  大腸菌(衛生指標菌)

プラスチックフィルム製の袋に採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、到着から1週間以内に試験に供しました。3管法による最確数(MPN)法を行うため、試料(野菜の場合は調製試料。4.1.1.1. 野菜の※を参照)25 gをEC 培地225 mL と混合し、3段階の希釈液各3本を、24 時間、44.5℃で培養しました(増菌培養)。ガスが発生した試験管の培養液について、4.1.1.2. と同様に鑑別同定を行い、菌数を算出しました。

4.1.2.2. 野菜・土壌 
  大腸菌(衛生指標菌)

容量250 mL強の容器に採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、到着から72時間以内に試験に供しました。3管法によるMPN法を行うため、採取した試料を原液として5段階希釈した各3本のEC発酵管に接種し、24時間、44.5℃で培養しました(増菌培養)。ガスが発生した発酵管の培養液をEMB寒天培地平板に塗抹し、培養しました(分離培養)。糞便系大腸菌群と疑われる5集落(1発酵管当たり)を乳糖ブイヨン発酵管及び普通寒天斜面培地で培養し、糞便系大腸菌群であるかを判定しました。糞便系大腸菌群と判定されたものについて4.1.1.2.(1) と同様に大腸菌の鑑別同定を行い、菌数を算出しました。

4.1.2.3. 野菜・土壌
  大腸菌(衛生指標菌)

採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、試験室への到着から24時間以内または採取から72時間以内に試験に供しました。試料(野菜の場合は調製試料。4.1.1.1. 野菜の※を参照)25 gを0.1%ペプトン加生理食塩水225 ml に混合したものを試料溶液とし、ISO 16649-2:2001に従って検査しました。最終的に、全ての培地で大腸菌の集落が得られなかった場合を陰性(不検出)としました。

4.1.2.4. 水
  大腸菌(衛生指標菌)

採取容器に約1.5~2.5 L採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、試験室への到着から24時間または採取から72時間以内に試験に供しました。資料200 mLを原料溶液とし、試料溶液をペプトン加生理食塩水で10倍に希釈した希釈液を作り試料溶液及び10倍希釈液を用いてISO 16649-2:2001に従って検査しました。最終的に、全ての培地で大腸菌の集落が得られなかった場合を陰性(不検出)としました。

4.1.2.5. 水 
  大腸菌(衛生指標菌)

容量250 mL強の容器に採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、到着から24時間以内に試験に供しました。試料250 mLを、孔径0.45 μmのメンブランフィルターで濾過し、メンブランフィルターを1/4に裁断したうえでストマッカー袋に入れ、2.5 mLの0.1%ペプトン加生理食塩水を加えて、手でよく振り混ぜ、混合したものを試料溶液とし、試料溶液1 mL及び0.1 mLを各2枚のシャーレに分注し、ISO 16649-2に従って検査しました。

4.1.3. 性状解析

4.1.3.1.シガ毒素遺伝子の型・亜型や病原遺伝子の有無の確認のための遺伝子増幅法(PCR法)

試料から分離された腸管出血性大腸菌について、特異的プライマーを用いたPCR法(以下の文献を参照)により、シガ毒素1型遺伝子(stx1)及び2型遺伝子(stx2)の有無やシガ毒素遺伝子の亜型を確認するとともに、病原性に関わる遺伝子であるインチミン遺伝子(eae)及びエンテロヘモリシン遺伝子(hlyA)の有無を確認しました。

Wang et al. Journal of Clinical Microbiology. 40(2002): 3613-3619. Detection in Escherichia coli of the genes encoding the major virulence factors, the genes defining the O157:H7 serotype, and components of the type 2 Shiga toxin family by multiplex PCR.

4.1.3.2.シガ毒素の蛋白の産生の有無を確認するための逆受身ラテックス反応法 

試料から分離された腸管出血性大腸菌について、市販の逆受身ラテックス反応法キットにより、シガ毒素1型(Stx1)及び2型(Stx2)の蛋白の産生の有無を確認しました。

4.2. サルモネラ

4.2.1. 定性試験

4.2.1.1. 野菜 

プラスチックフィルム製の袋に採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、到着から1週間以内に試験に供しました。調製試料(4.1.1.1. 野菜の※を参照)25 gを緩衝ペプトン水225 mLと混合し、24 時間、35±1℃で培養しました(一次増菌培養)。一次増菌培養後の培養液0.1 mLを、Rappaport-Vassiliadis(RV)液体培地10 mLと、培養液1 mLをTetrathionate(TT)培地10 mLと混合し、24 時間、42±1℃で培養しました(二次増菌培養)。二次増菌培養後のそれぞれの培養液をDesoxycholateHydrogen Sulfide Lactose(DHL)寒天培地及びクロモアガーサルモネラ寒天培地に塗抹し、24 時間、35±1℃で培養しました(分離培養)。分離培養後の各培地上に発育したサルモネラと疑われる3集落をTriple sugar and iron(TSI)培地及びLysine indole motility(LIM)培地に接種して確認培養し、サルモネラであるかを判定しました(鑑別同定)。

4.2.1.2. 水 

容量1 L強の容器に採取した試料(1 L)を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、到着から72時間以内に試験に供しました。試料1 Lを孔径0.45 µmのメンブランフィルターで濾過し、メンブランフィルターを緩衝ペプトン水15 mLに入れて震盪し、24時間、37℃で培養しました(一次増菌培養)。一次増菌培養後の培養液0.1 mLを、それぞれRV液体培地10 mLに、TT培地10mLに接種し、18~20時間、42℃で培養しました(二次増菌培養)。二次増菌培養後の培養液0.1 mLをノボビオシン加DHL培地及びESサルモネラ寒天培地IIに塗抹し、24時間、37℃で培養しました(分離培養)。その後、4.2.1.1.と同様に鑑別同定しました。

4.2.1.3. ふん便 

容器に採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、動物の捕獲から1週間以内に試験に供しました。試料25 gを緩衝ペプトン水225 mLと混合し、24時間、35℃で培養しました(一次増菌培養)。試料採取量が25 g未満の場合は、増菌培地を試料採取量に合わせて10倍希釈したものを一次増菌培養液としました。一次増菌培養後の培養液0.1 mLを、それぞれRV培地10 mLと、Hajna-Tetrathionate(HTT)培地10 mLと混合し、24時間、42℃で培養しました(二次増菌培養)。二次増菌培養後のそれぞれの培養液0.1 mLをMannitol Lysine Crystal Violet Brilliant Green(MLCB)寒天培地及びクロモアガーサルモネラ寒天培地に塗抹し、24時間、37℃で培養しました(分離培養)。なお、残りのHTT培地は、さらに7日間培養し、HTT培地と混合し、24時間、42℃で培養し(遅延二次増菌培養)その後同様に分離培養を行いました。そして、4.2.1.1.と同様に鑑別同定しました。

4.2.1.4. 野菜 
採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、試験室への到着から24時間以内または採取から72時間以内に試験に供しました。試料(野菜の場合は調製試料。4.1.1.4.野菜の※を参照)25 gを緩衝ペプトン水225 mlに混合したものを試料溶液とし、ISO 6579:2002により検査しました。

4.2.1.5.

採取容器に約1.5~2.5 L採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、試験室への到着から24時間または採取から72時間以内に試験に供しました。試料1 Lを孔径0.45 µmのメンブランフィルターで濾過し、メンブランフィルターを緩衝ペプトン水15 mLと混合したものを、24時間、37℃で培養しました(一次増菌培養)。一次増菌後の培養液を用いてISO 6579:2002に従って検査しました。

4.2.2. 性状解析

4.2.2.1. 血清型同定試験

試料から分離されたサルモネラについて、サルモネラ免疫血清を用いてO抗原及びH抗原を特定し、血清型を決定しました。

4.3. リステリア・モノサイトジェネス

4.3.1. 定性試験

4.3.1.1. 水 
容量1 L強の容器に採取した試料(1 L)を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、到着から72時間以内に試験に供しました。試料1 Lを孔径0.45 µmのメンブランフィルターで濾過し、メンブランフィルターをハーフ・フレーザー液体培地10 mLに入れて震盪し、24時間、30℃で培養しました(一次増菌培養)。一次増菌培養後の培養液0.1 mLをフレーザー液体培地10 mLと混合し、48時間、37℃で培養しました(二次増菌培養)。一次増菌培養及び二次増菌培養後の各培養液0.1 mLをクロモアガーリステリア寒天培地及びパルカム寒天培地に塗抹し、48時間、37℃で培養しました(分離培養)。分離培養後の各培地上に発育したリステリア・モノサイトジェネスと疑われる5集落を、 Triptone Soy Yeast Extract Agar(TSYEA)寒天培地で再分離し、グラム染色、カタラーゼ試験、運動性試験、糖分解試験及びChristie, Atkins, Munch-Peterson(CAMP)試験を行い、リステリア・モノサイトジェネスであるかを判定しました(鑑別同定)。

4.3.1.2. ふん便 
容器に採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、動物の捕獲から1週間以内に試験に供しました。試料25 gをハーフ・フレイザー液体培地225 mLと混合し、24時間、30℃で培養しました(一次増菌培養)。試料採取量が25 g未満の場合は、試料をハーフ・フレイザー液体培地で10倍希釈して行いました。一次増菌培養液の0.1 mLをフレイザー液体培地10 mLと混合し、24時間、30℃で培養しました(二次増菌培養)。一次増菌培養及び二次増菌培養後の各培養液0.1 mLをAgar Listeria according to Ottaviani and Agosti(ALOA)寒天培地及びパルカム寒天培地に塗抹し、48時間、30℃で培養しました(分離培養)。分離培養後の各培地に発育したリステリア・モノサイトジェネスと疑われる5集落を、TSYEA寒天培地で再分離し、グラム染色、カタラーゼ試験、運動性試験、糖分解試験及びCAMP試験を行い、リステリア・モノサイトジェネスであるかを判定しました(鑑別同定)。

4.3.1.3. 野菜
採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、試験室への到着から24時間以内または採取から72時間以内に試験に供しました。試料(野菜の場合は調製試料。4.1.1.4. 野菜の※を参照)25 gをハーフフレイザー液体培地225 mLに混合したものを試料溶液とし、ISO11290-1:1996/Amd.1 2004(E)により検査しました。ただし、一部の検体については、鑑別同定における溶血性試験は実施しませんでした。

4.3.1.4. 水

採取容器に約1.5~2.5 L採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、試験室への到着から24時間または採取から72時間以内に試験に供しました。試料1 Lを孔径0.45 µmのメンブランフィルターで濾過し、メンブランフィルターをハーフフレイザー液体培地10 mLと混合したものを、24時間、37℃で培養しました(一次増菌培養)。一次増菌後の培養液を用いてISO11290-1:1996/Amd.1 2004(E)に従って検査しました。

4.3.2. 性状解析

4.3.2.1. 血清型同定試験 

試料から分離されたリステリア・モノサイトジェネスについて、リステリア免疫血清を用いてO抗原及びH抗原を特定し、血清型を決定しました。

4.4. カンピロバクター

4.4.1. 定性試験

4.4.1.1. 水

容量1 L強の容器に採取した試料(1 L)を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、到着から72時間以内に試験に供しました。試料1 Lを孔径0.45 µmのメンブランフィルターで濾過し、メンブランフィルターをプレストン増菌培地10 mLに入れて震盪し、微好気条件下で24時間、42℃で培養しました(増菌培養)。増菌培養後の培養液0.1 mLをModified Cefaperazone Charcol Desoxycholate Agar(mCCDA)培地に塗抹し、さらに微好気条件下で48時間、42℃で培養しました(分離培養)。分離培養後のmCCDA培地上に発育したカンピロバクターと疑われる2集落を、運動性試験、グラム染色及びオキシダーゼ試験を行った後、血液寒天培地に継代し、微好気条件下で48時間、25℃、37℃及び42℃で培養しました。その後、カタラーゼ試験及び酢酸インドキシル加水分解試験を行い、カンピロバクターであることを判定しました(鑑別同定)。

4.4.1.2. ふん便 

二酸化炭素を充填した容器に採取した試料を、冷蔵条件下で試験室に搬入・保存し、動物の捕獲から1週間以内に試験に供しました。試料3 gをmCCDA培地に塗抹し、微好気条件下で48時間、42℃で培養しました(直接培養)。一方、試料1 gをプレストン増菌液体培地9 mL と混合し、微好気条件下で24時間、42℃で培養しました(増菌培養)。その後、増菌培養後の培養液0.1 mL をmCCDA 培地に塗抹し、さらに微好気条件下で48時間、42℃で培養しました(分離培養)。直接培養又は分離培養後のmCCDA培地上に発育したカンピロバクターと疑われる3集落を4.4.1.1.と同様に鑑別同定しました。

4.4.2. 性状解析

4.4.2.1.菌種同定のための生化学的試験及び遺伝子増幅法(PCR法) 

試料から分離されたカンピロバクターについて、馬尿酸塩加水分解試験及び生化学的試験並びに市販のPCRキットにより、菌種(C.jejuniC.coli)を同定しました。

お問合せ先

消費・安全局農産安全管理課

担当者:安全企画班
代表:03-3502-8111(内線4521)
ダイヤルイン:03-3502-7569