ホーム > 組織・政策 > 消費・安全 > 食品中のクロロプロパノール類に関する情報 > クロロプロパノール類に関する日本の取組 > 含有実態調査結果の概要について


ここから本文です。

 

更新日:平成24年9月14日

含有実態調査結果の概要について

農林水産省では、平成16~18年度にしょうゆ及びアミノ酸液を対象に、クロロプロパノール類の含有実態調査を行いました。

また、平成21年度及び平成23年度には安全性向上対策の有効性を検証するための調査を行いました。

平成16年度:しょうゆ及びアミノ酸液中の含有実態調査(3-MCPD)

本醸造方式によるしょうゆ

調査試料の104点のうち、93点(89%)が定量限界以下で、最大値でも0.008 mg/kgと、全体的に低濃度でした。本醸造方式によるしょうゆは、アミノ酸液を使用しないため、基本的にクロロプロパノールが含まれないことを確認しました。ごく微量に検出された事例は、本醸造方式によるしょうゆとアミノ酸液を混合して製造するしょうゆを製造する際に、同じ施設(タンクやパイプ)を利用したため、アミノ酸液由来のクロロプロパノールが本醸造方式のしょうゆに混入したことが原因と推察されました。

混合醸造方式又は混合方式によるしょうゆ

120点の試料のうち、110点(92%)が0.05 mg/kg以下と、ほとんどのものが低濃度でしたが、最大値のものは7.8 mg/kgを示すなど一部の試料には比較的高濃度の3-MCPDが含まれていました。120点のうち、原材料に使用しているアミノ酸液が「販売用アミノ酸液(下記参照)」であることが確認された45点の平均濃度は0.016 mg/kg、最小濃度0.004 mg/kg及び最大濃度 0.036 mg/kg であったことをコーデックスに提出(PDF:104KB)しました。

表1. しょうゆ中の3-MCPD濃度(LOQ(定量限界):0.004 mg/kg)

しょうゆ中の3-MCPD濃度 調査点数 LOQ未満の点数 最小値(mg/kg) 中央値(mg/kg) 最大値(mg/kg) 平均値(mg/kg)
本醸造方式によるしょうゆ 104 93 <0.004 <0.004 0.008 0.003
混合醸造方式又は混合方式によるしょうゆ 120 1 0.004 0.016 7.8 0.21

アミノ酸液

我が国で使われているアミノ酸液は、その流通形態から見ると、以下の二つのグループに分けられます。
 (1)加工食品等の原材料として、食品事業者への販売を目的として大規模に製造されるもの(=販売用アミノ酸液
 (2)しょうゆ製造事業者が主としてしょうゆの原材料として自社工場で製造するもの(=自製アミノ酸液
このの調査結果から、販売用アミノ酸液(148点)の3-MCPD濃度は、自製アミノ酸液(9点)に比べて明らかに低いことがわかりました。

表2. アミノ酸液中の3-MCPD濃度(LOQ:0.004 mg/kg)

アミノ酸液中の3-MCPD濃度 調査点数 LOQ未満の点数 最小値(mg/kg) 中央値(mg/kg) 最大値(mg/kg) 平均値(mg/kg)
販売用アミノ酸液 148 0 0.004 0.049 0.14 0.047

自製アミノ酸液

9 0 0.10 2.7 44 8.4

平成16年度の実態調査の詳細については、こちらの調査報告書(PDF:256KB)をご覧ください。

平成17年度:自製アミノ酸液及び自製アミノ酸液が原材料に使用されたしょうゆ中の含有実態調査(3-MCPD及び1,3-DCP)

平成16年度の調査において明らかに高い3-MCPD濃度を示した自製アミノ酸液の調査点数はわずか9点と、実態を把握するには十分な試料数ではなかったことから、自製アミノ酸液40点及び自製アミノ酸液が原材料に使用されたしょうゆ(混合醸造方式又は混合方式)40点について、あらためて3-MCPDと1,3-DCPの含有実態を調査しました。

自製アミノ酸液

自製アミノ酸液中の3-MCPD濃度は、販売用アミノ酸液と比べて高濃度であることがあらためて確認されましたが、試料によって比較的低濃度のものもあれば、高濃度のものもありました。1,3-DCPの含有実態について初めて調査を行った結果、アミノ酸液では3-MCPDに比べると極めて低い濃度であり、40点の試料のうち、30点では定量限界未満でした。1,3-DCPの濃度と3-MCPDの濃度には正の相関関係があり、3-MCPD濃度が高い試料では1,3-DCPの濃度が高く、3-MCPDの濃度が低い試料では、1,3-DCP濃度は低いことがわかりました。

表3. 自製アミノ酸液中のクロロプロパノール濃度
自製アミノ酸液中のクロロプロパノール濃度 調査点数 LOQ未満の点数 最小値(mg/kg) 中央値(mg/kg) 最大値(mg/kg) 平均値(mg/kg)
3-MCPD濃度 40 0 0.019 3.6 33 6.1
1,3-DCP濃度 40 30 <0.004 <0.004 0.070 0.005

自製アミノ酸液が使用されたしょうゆ

自製アミノ酸液が使用されたしょうゆの3-MCPD濃度は、試料によっては比較的低濃度のものもあれば高濃度のものもありました。これらは、混合された自製アミノ酸液そのものの3-MCPD濃度の違いが大きな要因となっていると推察されました。1,3-DCPについては、3-MCPDに比べると低濃度であり、試料の83%では定量限界未満でした。

表4. 自製アミノ酸液が使用されたしょうゆ中のクロロプロパノール濃度

自製アミノ酸液が使用されたしょうゆ 調査点数 LOQ未満の点数 最小値(mg/kg) 中央値(mg/kg) 最大値(mg/kg) 平均値(mg/kg)
3-MCPD濃度 40 0 0.014 1.5 17 2.3
1,3-DCP濃度 40 33 <0.004 <0.004 0.022 0.003

平成17年度の含有実態調査の詳細については、こちらの調査報告書(PDF:198KB)をご覧ください。

平成18年度:自製アミノ酸液及び自製アミノ酸液が原材料に使用されたしょうゆ中の含有実態調査(3-MCPD及び1,3-DCP)

平成17年度に引き続き、自製アミノ酸液81点及び自製アミノ酸液が使用されたしょうゆ(混合醸造方式又は混合方式)54点を対象に3-MCPDと1,3-DCPの含有実態を調査したほか、新たにアミノ酸液の製造方法についても調査しました。

自製アミノ酸液

自製アミノ酸液の3-MCPD濃度は、平成17年度の結果と同様に、試料によって大きな濃度差がありました。自製アミノ酸液の製造方法によるクロロプロパノールの濃度の違いを調べるため、製造工程で「アルカリ処理」されたかどうかに分けた解析したところ、「アルカリ処理」されていないものでは3-MCPDの平均濃度が11 mg/kgであったのに対し、「アルカリ処理」されたものでは0.099 mg/kgと100分の1程度と大きく低減されていることがわかりました。

1,3-DCP濃度についても平成17年度の結果と同様に3-MCPD濃度との相関関係が確認され、3-MCPD濃度が3 mg/kg以下であった50点の試料からは1,3-DCPは検出されませんでした。

表5. 自製アミノ酸液のクロロプロパノール濃度

自製アミノ酸液 調査点数 LOQ未満の点数

最小値(mg/kg)

中央値(mg/kg)

最大値(mg/kg)

平均値(mg/kg)

3-MCPD濃度 81 0 0.009 2.2 57 6.6
  自製アミノ酸液のうち「アルカリ処理」されたものの3-MCPD濃度 31 0 0.009 0.053 0.30 0.099
  自製アミノ酸液のうち「アルカリ処理」されていないもの3-MCPD濃度 50 0 0.13 3.3 57 11
1,3-DCP濃度 81 66 <0.004 <0.004 1.0 0.020

自製アミノ酸液が使用されたしょうゆ

自製アミノ酸液が使用されたしょうゆの中に、クロロプロパノール濃度が高いものと低いものがある主な要因は、しょうゆの原材料となった自製アミノ酸液には「アルカリ処理」されたものと、「アルカリ処理」されていないものがあり、クロロプロパノールの濃度が高くなる主な要因は「アルカリ処理」されていない自製アミノ酸液が使用されているためと推察されました。
したがって、クロロプロパノールの濃度が高いしょうゆの場合、自製アミノ酸液の製造工程に「アルカリ処理」を導入するか、「アルカリ処理」されたアミノ酸液(例えば販売用アミノ酸液)を導入し、原材料に使用するなどの低減対策を講じれば、その濃度は大幅に低減が可能と推察されました。

表6. 自製アミノ酸液が使用されたしょうゆ中のクロロプロパノール濃度

自製アミノ酸液が使用されたしょうゆ 調査点数 LOQ未満の点数 最小値(mg/kg) 中央値(mg/kg) 最大値(mg/kg) 平均値(mg/kg)
3-MCPD 54 0 0.010 0.83 20 2.2
1,3-DCP 54 48 <0.004 <0.004 0.023 0.003
平成18年度実態調査の詳細については、こちらの調査報告書(PDF:408KB)をご覧ください。

平成21年度:アミノ酸液及び混合醸造又は混合方式のしょうゆの実態調査(3-MCPD)

アルカリ処理の導入等の製造工程の改善によるクロロプロパノール類の低減対策の効果を検証し、その見直しの必要性を検討することを目的に、平成21 年12 月~平成22 年3月にアミノ酸液及び混合醸造方式又は混合方式のしょうゆに含まれる3-MCPD 濃度の調査を行いました。

調査試料は、過去の調査時に自社調整したアミノ酸液を原材料に用いて混合醸造方式又は混合方式のしょうゆを製造していた全国の事業者から、関係団体を通じて入手しました。加えて、該当する事業者に対し、クロロプロパノール類の濃度を下げるための対策の実施状況について、関係団体を通じてアンケート調査を実施しました。

表7. 平成21年度におけるアミノ酸液及びアミノ酸液使用しょうゆ中の3-MCPD濃度

  調査点数 LOQ未満の点数 最小値(mg/kg) 中央値(mg/kg) 最大値(mg/kg) 平均値(mg/kg)
アミノ酸液 48 0.017 0.14 10  1.3 
アミノ酸液使用しょうゆ 55 0 0.009  0.069 4.6 0.49

平成21年度の結果を平成18 年度の調査結果と比較すると、アミノ酸液、しょうゆのいずれも中央値は約10 分の1 以下、最大値や平均値は約5 分の1 の水準に下がったことが確認されました。

また、事業者に対するアンケート調査結果から、「アミノ酸液の調製工程でアルカリ処理等の措置を実施」、「自社調製アミノ酸液の全量又は一部をクロロプロパノール類濃度が低い販売用アミノ酸液に切り替え」など、クロロプロパノール類の低減対策が実施されたことが確認できました。製造工程における事業者のこうした取組の推進が3-MCPD 濃度の低下に繋がったと考えられます。

この調査から、製造工程の改善等による安全性向上対策がクロロプロパノール類の濃度を下げるのに有効であることが改めて確認されました。

平成21年度の実態調査の詳細については、こちらの調査報告書(PDF:291KB)をご覧下さい。

平成23年度:アミノ酸液及び混合醸造又は混合方式のしょうゆの実態調査(3-MCPD)

平成21年度と同様に、アルカリ処理の導入等の製造工程の改善によるクロロプロパノール類の低減対策の効果を検証し、その見直しの必要性を検討することを目的に、平成23年11月~平成24年1月にアミノ酸液及び混合醸造方式又は混合方式のしょうゆに含まれる3-MCPD濃度の調査を行いました。

調査試料は、平成18年度の調査時に自製アミノ酸液を原材料に用いて混合醸造方式又は混合方式のしょうゆを製造していた製造業者から、関係団体を通じて入手しました。加えて、該当する製造業者に対し、クロロプロパノール類の低減対策の実施状況等について、関係団体を通じてアンケート調査を行いました。

表8. 平成23年度におけるアミノ酸液及びアミノ酸液使用しょうゆ中の3-MCPD濃度

  調査点数 LOQ未満の点数 最小値(mg/kg) 中央値(mg/kg) 最大値(mg/kg) 平均値(mg/kg)
アミノ酸液 44 0.009 0.070 5.0  0.67 
アミノ酸液使用しょうゆ 55 0 0.008  0.087 3.4 0.45 

平成23年度の結果を平成18年度の調査結果と比較すると、アミノ酸液、しょうゆのいずれも平成21年度調査と同様に、低い水準にあることを確認しました。

また、製造業者に対するアンケート調査結果から、多くの製造業者が平成21年度以降も継続して「自製アミノ酸液の製造工程にアルカリ処理を導入」、「自製アミノ酸液の全量又は一部を購入アミノ酸液に切り替え」などの対策を実施し、一部の製造業者は、平成21年度以降さらなる対策を実施していることがわかりました。

この調査から、製造工程の改善等による安全性向上対策がクロロプロパノール類の濃度を下げるのに有効であり、かつ、製造業者が継続的に実施することが可能であることが確認されました。

平成23年度の実態調査の詳細については、こちらの調査報告書(PDF:312KB)をご覧ください。

Adobe Readerのダウンロードページへ

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

ページトップへ

農林水産省案内

リンク集


アクセス・地図