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農林水産省

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食品の分析に関する3つのポイント

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平成22年12月21日更新

食品中に含まれる化学物質の濃度は、いつ誰がどうやって測定しても、いつもぴったり同じ結果…?

分析値は100%信じて大丈夫…?

 

実はそういうわけではありません。このページでは食品の分析に関して、ぜひ知っておいて欲しい3つのポイントをご紹介します。

食品の分析値は一致しない!

食品中に含まれる化学物質の濃度を測ると、その分析値は、分析法、機器、試験者の技能、測定環境(試験室や気象)などによって、様々な値をとります。また、同じ試験者が、同じ試料を、同じ機器、同じ方法で、同じ日に繰り返し分析したとしても、その値は必ずある程度ばらつきます。

近年は、分析機器の進歩により、食品分析の分野でも自動化が進んでおり、試験者の経験や技能によって生じる分析値のばらつきを小さくする取組が進んでいます。それでも、食品を分析に適した状態に調製する前処理、分析機器の操作とその維持・管理には必ず人間の手を介した作業が入ります。分析値はそれらの積み重ねによる誤差や様々な偶然の誤差に左右されるため、ばらつきを完全に避けることはできません。

なお、食品は、水などと違い、多種多様な成分を含む上に試料の不均一性が大きいため、特に分析が難しい素材の一つであり、他の分析対象と比べて含まれる化学物質の濃度等の分析値にばらつきが生じやすいと考えられます。

 

微量の物質の濃度を分析したときほど分析値のばらつきが大きい!

近年、分析機器の性能が向上したことにより、以前では難しかった、食品に含まれるごく微量の物質の濃度まで測定できるようになりました。

例えば、ごく微量の物質の濃度を示す際によく用いられる、「mg/kg」という単位は、100万分の1を意味しており、残留農薬等のポジティブリストにおいて厚生労働省が用いている「ppm」も100万分の1を示す単位です。ポジティブリストで一律基準として採用されている0.01 ppmは、食品1 kgに対して0.01 mgというごくわずかな量を測定しています。

実は濃度が低くなればなるほど、その値を精確に測定するのは困難を極めます。分析対象とする食品や化学物質の種類ではなく、測定しようとする濃度が低いほど、分析値のばらつきは大きくなることが経験的に確認されています。

 

食品に含まれる本当の濃度は誰にもわからない!

目的とする物質が食品に含まれている本当の濃度を「真値」と言います。この真値は実は誰にもわかりません。いわば、”神のみぞ知る値”なのです。

確立された精度が高い分析法を用いて、熟練した試験者が測定を行っても、必ずばらつきが存在し、どんなに分析技術が進歩したとしても、その分析値が真値と一致することを証明することはできません。分析値とは、真値の理論上の推定値に過ぎないのです。

この分析値に対して、真値が存在すると考えられるばらつきの範囲のことを「不確かさ」といいます。「不確かさ」とは「確からしさ」の尺度を表わすものであり、一般的に、測定しようとする濃度が低いほど分析値のばらつきは大きくなるため、不確かさも大きくなります。

 


 

以上の3つのポイントを考慮すると、分析した結果(分析値)だけでは、その結果がどの程度の確からしさをもって真値を反映しているのかを評価することができません。そのため、分析機関には、分析値の信頼性を客観的に証明できる体制の整備が求められており、様々な品質保証の取組が行われています。詳しくはこちらをご覧ください。