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農林水産省

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更新日:平成29年3月31日

作成日:平成27年6月25日

緒言

なぜ食中毒を防ぐ必要があるのでしょうか

厚生労働省の食中毒統計によると、わが国では、毎年2~4万人が食中毒にかかっていると報告されており、そのほとんどの原因は細菌やウイルスなどの微生物です。また、実際にはこの報告数の何十倍もの人が食中毒にかかっていると推定している研究報告もあります。食中毒事案が起きると、健康被害がでるだけでなく、原因と疑われる食品への信頼が失われ、関係する産業が経済的に大きなダメージを受ける可能性もあります。事業者が食中毒を防ぐための対策をとることは、消費者の健康を守るだけでなく、事業者の損失を防ぐことにもつながります。

畜産関係者や食品事業者は、農場や加工施設等において、家畜の伝染病や食品の品質劣化、そして人の食中毒の発生を防ぐための衛生対策をすでに実施しています。ただし、人の食中毒の原因となる微生物(以下、「有害微生物」といいます。)に感染しても家畜が症状を示すとは限らないこと、あらゆる工程で有害微生物の汚染や増殖が起きてしまうことなどから、食中毒の発生を防ぐことは難しいため、衛生対策を引き続き実施することが必須です。

 

食肉を例に挙げると、農場等において家畜が有害微生物に感染すると、その有害微生物が家畜の消化管の中で増えたり、ふん便が付くことによって体表を汚染したりします。そしてと殺・解体時に、剥いだ体表が触れたり、消化管から漏れたふん便が付いたりすることにより、有害微生物は食肉を汚染します。なお、一部の有害微生物には、家畜に感染し、筋肉又は内臓の中を汚染するものもあります。もともと汚染されていなかった食肉も、汚染された食肉や機械・器具等に触れると、汚染されてしまうかもしれません。

汚染された食肉を生のまま又は十分に加熱せずに食べて有害微生物を生きたまま摂取してしまったり、加熱によって有害微生物が死んでも、それが産生した耐熱性の毒素を摂取してしまったりすると、食中毒にかかる可能性があります。

食中毒を防ぐための衛生対策の指導等に「結果集」をご活用ください

有害微生物による食中毒を防ぐために、農林水産省消費・安全局は、国内の農場や加工施設等における家畜の感染状況や、汚染経路になり得る周辺環境の汚染状況、畜産物の汚染状況等といった有害微生物の実態を調査しています。この「結果集」は、調査で得られたデータの解析結果を提供しており、指導者・事業者の方が衛生対策の重要性を再認識したり、自らの生産・製造方法や衛生対策を見直したりするのに役立つと考えられます。また、今後継続して調査することにより、汚染状況等の変化が明らかになれば、「結果集」を通じてお知らせします。この「結果集」が、より安全な畜産物の生産・製造に取り組まれている指導者・事業者の方の助けになれば幸いです。

 

調査結果

 

農林水産省消費・安全局は、鶏肉・鶏卵・牛肉の生産者や指導者向けに、「生産衛生管理ハンドブック」を作成・公表しています。この「結果集」をご覧になった後、ご自身の農場(肉用鶏・採卵鶏・肉用牛)における衛生対策の再確認や、食中毒を防ぐための追加の対策を検討したい方の参考になれば幸いです。 

また、消費・安全局は、実態調査に協力してくださる指導者・事業者を探しています。実態調査によって得られた情報は、食中毒を防ぐための施策の検討や、日本の実態を反映する国際的な実施規範等の作成に用い、それ以外の目的には用いません。得られた情報は、協力してくださった方に還元し、了承を得た上で科学論文や「結果集」等により原則公表しています。消費・安全局が実施する実態調査の目的や内容をご覧になり、実態調査への参加に関心をお持ちになった方はご連絡いただけると幸いです。 

(連絡先)

農林水産省 消費・安全局 食品安全政策課 危害要因情報班

電話:03-6744-0490

FAX:03-3597-0329 

地方自治体や農業者団体等が、農場における衛生対策の実行可能性や有効性を検証できるよう、交付金による支援も行っています。

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課
担当者:危害要因情報班
代表:03-3502-8111(内線4457)
ダイヤルイン:03-6744-0490
FAX:03-3597-0329