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農林水産省

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地鶏農場の菌保有状況調査

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平成27年11月26日更新

 

作成日:平成27年6月25日

2.1.1.1. 肉用鶏農場

2.1.1.1.3. 地鶏農場の菌保有状況調査(平成22年度)

地鶏農場の鶏群のカンピロバクター保有状況や、衛生対策の実施状況の傾向を把握するために、21農場において、各農場で1鶏群を対象にカンピロバクターの調査と、衛生対策の実施状況についてアンケートを行いました。その結果、今回調査した地鶏農場では、衛生対策の実施状況はブロイラー農場と異なる傾向がみられましたが、地鶏農場(鶏群)のカンピロバクター保有率(1~3月)は38%であり、ブロイラー農場(鶏群)のカンピロバクター保有率(1~2月:約3割)と同程度でした。

(1) 目的

地鶏は、飼育期間が長く、28日齢以降の飼育密度が低いなどブロイラーと異なる方法で生産され、品種も異なるので、地鶏農場の鶏群のカンピロバクター保有状況や、衛生対策の実施状況の傾向を把握する。

 

(2) 試料採取・アンケート

平成23年1~3月に、地鶏生産者4社の21農場において、1農場につき1鶏群(計21鶏群)の新鮮盲腸便を鶏舎内の床の5か所から(1鶏群につき試料5点)採取しました。鶏群は、出荷まで2週間以内のものを対象としました。

また、各農場に、衛生対策の実施状況についてアンケートを行いました。

 

(3) 微生物試験

新鮮盲腸便を試料としてカンピロバクターの定性試験(3.1.1.1(1) )を行いました。この試料のうち1点でもカンピロバクターが分離された鶏群は、陽性(カンピロバクター保有)と判定しました。分離されたカンピロバクターについては、生化学的試験及びPCR法により菌種(Campylobacter jejuni, C.coli)を同定(3.1.3.1 )しました。 

 

(4) 結果

今回調査した地鶏農場では、衛生対策の実施状況はブロイラー農場(2.1.1.1.1 , 表2)と異なる傾向がみられましたが(表5)、地鶏農場(鶏群)のカンピロバクター保有率(1~3月)は38%(08月21日)であり、ブロイラー農場(鶏群)のカンピロバクター保有率(1~2月:約3割)と同程度でした。なお、調査で新鮮盲腸便から分離されたカンピロバクター9株のうち、8株はC.jejuni、1株はC.coliでした。
表5:地鶏農場の衛生対策の実施状況(対象:21農場)

衛生対策

実施率(%)

 農場出入口で車両を消毒している。

67

 作業服を毎日交換している。

86

 作業靴を鶏舎ごとに消毒(はき替え)している。

67

 毎日死亡鶏を除去している。

81

 ネズミ等の駆除を少なくとも4ヶ月間隔で行っている。

10

 消毒した飲用水を鶏群に与えている。

76

 農場単位のオールインオールアウトを行っている。

95

 出荷ごとに鶏舎を洗浄・消毒している。

95

鶏舎周辺へ生石灰又は消石灰を散布している。

67

 

 



指導者・事業者の皆様へ

調査農場数は限られていますが、地鶏を飼養する21農場(21鶏群)のカンピロバクター保有率(1~3月)は38%であり、ブロイラー農場(鶏群)のカンピロバクター保有率(1~2月:約3割)(2.1.1.1.1)と同程度でした。食鳥処理場1か所において、カンピロバクター陽性の14鶏群と陰性の10鶏群から製造された鶏肉のうち、カンピロバクターに汚染されていた鶏肉のほとんどが陽性鶏群から製造されたものであったこと(2.1.1.2.1)を考慮すると、農場でカンピロバクターの保有率を下げることによって、鶏肉の汚染率が下がり、食中毒の発生の減少につながると期待できます。農場において有効と考えられる衛生対策を「鶏肉の生産衛生管理ハンドブック」(生産者編・指導者編)で紹介しています。ご自身の農場における衛生対策の再確認や、食中毒を防ぐための追加の対策を検討したい方の参考になれば幸いです。

なお、鶏は、カンピロバクターに感染しても症状を示すとは限らないので、自分の農場の状況を知るにはカンピロバクターの検査を行う必要があります。

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課
担当者:危害要因情報班
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ダイヤルイン:03-6744-0490
FAX:03-3597-0329