ホーム > 組織・政策 > 消費・安全 > 食料・農業・農村基本計画(平成22年3月閣議決定)(抄) ―消費・安全局関連―
更新日:平成22年12月1日
1.食料の安定供給の確保に関する施策
(1) 食の安全と消費者の信頼の確保
[1] 食品の安全性の向上
「後始末より未然防止」の考え方を基本とし、国産農林水産物や食品の安全性を向上させる。このため、食品中の危害要因の含有実態調査を実施するとともに、科学的根拠に基づく安全性向上のための取組を指針等として提示する。これらの食品の安全性の向上に加え、安全な生産資材の確保や動植物防疫の推進等の幅広い分野において、安全性向上に活用するための調査研究とその結果の科学的解析を組み合わせ、それに基づく施策・措置とその企画や立案を推進する。
また、科学的知見・データ等の積極的な提供等を通じ、国際基準・規範の策定に貢献する。
さらに、リスク評価機関の機能強化や、リスク管理機関を一元化した「食品安全庁」について、関係府省の連携の下、検討を行う。
[2] フードチェーンにおける取組の拡大
国産農林水産物や食品の安全性の向上のため、生産者・食品産業事業者が、フードチェーンにおいて、科学的知見に基づく取組等を確実に実施できるような体系を構築する。
ア 生産段階における取組
農業生産工程管理(GAP)については、生産者の主体的な取組が進んだが、いまだ産地の導入は限定的な状況にとどまっている。また、国内に様々なGAPが存在するとともに、科学的知見や消費者・実需者のニーズを踏まえた取組への対応も十分に進んでいない状況にある。
このような実態を踏まえ、食品安全に加え、環境保全、労働安全のように幅広い分野を対象とする高度な取組内容を含むGAPの推進は、消費者・生産者双方がメリットを享受できるものと考えられることから、その共通基盤づくりを進めるとともに、産地における更なる取組の拡大と取組内容の高度化を推進する。
また、安全な食品の安定供給のために、安全な生産資材(肥料・農薬・飼料・動物用医薬品)の確保を図るとともに、その適正な使用を推進する。
イ 製造段階における取組
危害分析・重要管理点(HACCP)についても、GAPと同様に、消費者・事業者双方に有意義なものと考えられることから、その導入を推進していく必要があるが、導入費用がかさみ、中小規模層において取組が進んでいない実態を踏まえ、「食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法」に基づく長期低利融資に加え、食品の製造実態に応じた低コストで導入できる手法を構築し普及するとともに、現場責任者等の養成のための取組を強化する。
また、HACCP手法の導入が困難な零細規模層に対して、HACCP手法の前提となる一般的衛生管理を徹底する。
ウ 輸入に関する取組
輸入食品における有毒、有害物質の混入事案が相次いで発生していることにより、輸入検疫体制の強化等、輸入食品の安全性の確保は重要な課題となっており、国民の関心も極めて高い。このため、輸出国政府との二国間協議や在外公館を通じた現地調査等の実施、情報等の入手のための関係府省との連携の推進、監視体制の強化等により、輸入食品の安全性の確保を図る。
エ 流通段階における取組
食品に係るトレーサビリティについては、「米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律」に基づき、米穀等の取引等の記録の作成・保存の義務化を内容とするトレーサビリティ制度の導入を円滑に進める。さらに、国民の健康保護、適正な流通や表示を目指す観点から、米穀等以外の飲食料品についても、米穀等に係る制度の実施状況を踏まえ、入出荷記録の作成・保存の義務付け等について検討し、その結果に基づいて制度的な対応措置を講じる。また、対応の遅れている農林漁業者や中小食品産業事業者における取組の拡大を図る。
[3] 食品に対する消費者の信頼の確保
米穀等以外の飲食料品についてのトレーサビリティ制度の検討等に加え、消費者にとって分かりやすい食品表示のあり方について検討を進めるとともに、加工食品における原料原産地表示の義務付けを着実に拡大する。
また、JAS規格の策定と見直しの手続の透明化を積極的に推進するとともに、インターネット通信販売等における食品情報の標準的な提供方法等新たな規格について検討し、可能なものからJAS規格化する。
さらに、食への信頼向上に向けた食品産業事業者の主体的な活動を促すため、食品の品質管理や消費者対応等の取組に関する情報の積極的な提供を働きかけるとともに、この取組が取引先や消費者により適正に評価される機会を増大させる。
(2) 国産農産物を軸とした食と農の結び付きの強化
[1] 国民との結び付きの強化
(略)加えて、日本型食生活の推進をはじめ、食生活の改善や食の安全を確保するためには、日常の食生活や農林水産物・食品の生産・流通現場における体験等を通じて食のあり方を考えることが重要であることから、引き続き食育を推進する。
なお、食育推進基本計画の見直しの際には、以上の考え方を十分踏まえて検討する。
(3) (略)
(4) 総合的な食料安全保障の確立
[1] 生産資材の確保等生産面における不安要因への対応
(略)輸入検疫や国内防除・防疫措置の強化については、植物の病害虫や家畜等の伝染性疾病の海外からの侵入や国内のまん延の防止と、他国への拡大の防止を徹底するため、的確なリスク評価と管理措置を実施する。