このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

実施中の試験研究課題

  • 印刷
平成29年8月29日更新
 農林水産省では、安全な農林水産物を安定的に供給し、食の安全及び消費者の信頼を確保するため、食品安全、動物衛生、植物防疫等の分野の行政施策・措置(法令・基準・規則等)の決定に必要な科学的知見を得るため、「安全な農林水産物安定供給のためのレギュラトリーサイエンス研究」委託事業を実施しています。本事業で実施中の試験研究課題は以下のとおりです。

食品安全関係

課題
番号
課題名
委託機関
研究
期間
研究概要
2701-1 アクリルアミド濃度の目安となる指標等の開発(アクリルアミド濃度の目安となる指標の開発)
(国研)農研機構(高度解析センター)
H27~H29
(3年)
  食品中のアクリルアミドは、神経毒性及び動物実験で遺伝毒性発がん性が報告されており、食品を通じて長期間アクリルアミドを摂取し続けることでヒトの健康に悪影響を及ぼすことが懸念されていることから、食品中の濃度をできる限り低減するための取組が国際的に進められています。また、農林水産省は、食品関連事業者が自主的に行う食品中のアクリルアミド低減の取組を支援するため、「食品中のアクリルアミドを低減するための指針(平成25年11月)」を策定し、普及に努めています。
  食品関連事業者がアクリルアミドの低減に取り組むに当たり、自社製品中のアクリルアミド濃度を測定するためには、複雑な手順や高価な分析機器が必要なため時間やコストがかかります。このため、食品製造現場で簡便かつ安価に測定でき、アクリルアミド濃度の目安となる指標(色調など)を開発します。
2701-2 アクリルアミド濃度の目安となる指標等の開発(穀類中の遊離アスパラギンの分析法プロトコルの開発)
(一財)日本食品分析センター
H27~H29
(3年)
  食品中のアクリルアミド濃度の低減に向け、アクリルアミド前駆体(アスパラギン、還元糖)濃度の低い原料の使用を検討するためには、原料に含まれるそれら前駆体の濃度を知る必要があります。穀類の場合は、含まれる遊離アスパラギンの濃度を知ることが重要となりますが、現在、妥当性が確認された標準的な分析手順がない状況です。
  このため、食品関連事業者が自主的に穀類中の遊離アスパラギン濃度を把握するために活用できる分析法プロトコルを開発します。
2802    スプラウト原料種子の検査手法の確立
(一財)東京顕微鏡院   
H28~H30
(3年) 
 これまで、海外では有害微生物に汚染されたスプラウトを原因食品とする食中毒の発生が毎年のように確認されています。多くのスプラウトは、加熱せずに生のまま食べられているため、スプラウトを原因とする食中毒を防ぐために、スプラウトの生産、流通、販売、消費までの過程で、スプラウトを衛生的に取扱い、食中毒を起こす微生物の侵入やまん延を防ぐことが重要となります。
 特にスプラウト生産施設での工程の衛生管理を充実するためには諸外国から輸入されてくるスプラウト原料種子の安全性を確保することが重要となります。
 本研究では、スプラウト原料種子の有害微生物による汚染を迅速に把握し、生産施設への有害微生物の侵入を防止するため、適切な衛生指標菌を選定し、迅速、簡便な衛生指標菌の検査法を確立します。
2901 油脂を用いた加熱調理が、食材中の3-MCPD脂肪酸エステル類及びグリシドール脂肪酸エステル類の生成に及ぼす影響を把握するための分析法の開発
ハウス食品グループ本社(株)
H29
(1年)
 3-MCPD脂肪酸エステル類(3-MCPDE)及びグリシドール脂肪酸エステル類(GE)は、油脂の脱臭精製工程で意図せず生成する化学物質です。動物試験では、3-MCPDEが体内で分解されて生じる3-MCPDは腎臓や雄の生殖器官に悪影響があること、GEが体内で分解されて生じるグリシドールは遺伝毒性発がん性があることが報告されています。
  農林水産省が食品中のこれら化学物質の含有実態を調査したところ、我が国で流通する油脂や油脂を含む一部の加工食品に含まれることが判明しました。これらの物質は、油脂を含む幅広い加工食品にも含まれる可能性がありますが、複数試験室間で妥当性が確認された分析法(3-MCPDE及びGEの総量を定量する分析法)が確立されていません。また、これらの物質は、家庭調理も含め食材を高温で加熱した際に新たに生成している可能性がありますが、高温調理による濃度の増減に関する知見が不足しています。
  そこで、食品を通じた3-MCPDEやGEのより現実的な摂取量を推定し、食品の安全性を向上させる措置の要否を判断するため、食品の加工・調理で3-MCPDEやGEが新たに生成するかどうかを検証する必要があります。このため、油脂を用いた加熱調理を経て製造される加工食品を対象として、調理前及び調理後の各々の場合に3-MCPDE及びGEを定量できる分析法を開発します。
2902 麻痺性貝毒の機器分析法の高度化及びスクリーニング法の開発
麻痺性貝毒スクリーニング法研究グループ
(国研)水研機構(中央水産研究所)
(地独)北海道立総合研究機構
北海道立衛生研究所
岩手県水産技術センター
(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所
大分県農林水産研究指導センター
熊本県水産研究センター
日水製薬(株)
H29~H31
(3年) 
 有毒プランクトンが発生すると、それを摂食したホタテガイなどの二枚貝類が毒化し、食中毒の原因となることがあります。このため、我が国では、食品衛生法に基づき、麻痺性貝毒及び下痢性貝毒の規制値を定めるとともに、生産段階については、農林水産省が貝毒モニタリングや出荷自主規制に関する通知を発出し、各都道府県が生産監視体制を構築し、食品安全を確保してきたところです。
 従来、貝毒の検査については、マウス試験法で実施されてきましたが、国際的にはより高感度・高精度な機器分析法の導入が進められており、我が国においても、平成27年に下痢性貝毒の公定法が機器分析法となりました。麻痺性貝毒についても、機器分析法を用いた検査法を検討する必要があります。
 また、麻痺性貝毒をより迅速・簡便に検出するためには、簡易分析法等による実用的なスクリーニング法の導入が求められています。
 このため、国内の二枚貝類特有の毒成分を検出するための機器分析による検査法を開発するとともに、低コストで迅速に結果が得られる麻痺性貝毒簡易分析キットを開発します。
2903 食品中のピロリジジンアルカロイド類を網羅的に検出できる分析法の開発
(国)千葉大学
H29
(1年) 
 ピロリジジンアルカロイド類(PA)は、ピロリジジン環構造を持つアルカロイド類の総称で、非常に多くの種類(約600種)があり、キク科、ムラサキ科等の植物に含まれる天然毒素として知られています。海外ではPAを含む食品の摂取による深刻な健康被害(主に肝疾患)が多数報告されており、2015年にはFAO/WHO合同食品添加物専門家会合によるリスク評価が行われ、コーデックス委員会がリスク管理措置の検討を行っています。
  しかし、現時点では、国産の農畜産物やその加工品に含まれるPAの種類についての十分な知見が得られていません。PA含有が未知の食品を対象にPAを定量するためには、あらかじめ多くの種類の分析用PA標準試薬を用意する必要があるほか、入手可能な標準試薬がない場合には新規開発が必要となるなど、分析には大きなコストがかかります。
 また、PAの種類毎の毒性の強さについても十分な知見がないことから、健康被害の発生を未然に防ぐためには、分析用標準試薬が入手可能で定量可能なPAだけでなく、食品に含まれるPAの総量を把握した上で、PAの総量をできる限り低減する必要があります。
 そこで、我が国で流通する農畜産物及びその加工品に含まれるPAの含有実態を把握し、リスク管理措置の必要性を検討するため、PAの存在を確認したり、PAの総量を推定したりする方法として、多種類のPA標準試薬が入手できない場合でもPAの基本骨格に着目して定量を行う間接的な分析法の検証・改良等により、幅広い種類のPAを検出・定量できる分析法を開発します。
 

動物衛生関係

課題
番号
課題名
委託機関
研究
期間
研究概要
2702 農場HACCP認証基準の見直しに向けた研究
農場HACCP評価研究グループ
 (国)東京農工大学
 静岡県(畜産技術研究所)
 西村獣医科クリニック(H27)
H27~H29
(3年)
  農林水産省は、畜産農場における衛生管理の向上により畜産物の安全性を向上させるため、平成21年度に農場HACCP 認証基準を策定しました。
  本基準策定から5年が経過したことから、これまでの運用上の成果や課題が蓄積されてきたところであり、本基準の見直しについて検討する必要があります。
  このため、農場HACCP認証農場における畜産物の安全性及び生産性向上の実態とその要因を明らかにし、本基準の見直しに資するとともに、農場HACCPの更なる推進を図ります。
2703 コロナウイルスによる豚の下痢を呈する伝染性疾病(PED等)の検査手法の開発及び体内動態解明に係る研究
(国研)農研機構(動物衛生研究部門)
H27~H29
(3年)
  豚流行性下痢(PED)は、平成25年10月我が国で7年ぶりに発生が確認されたあと、全国的に発生が拡大し、平成26年8月末までに38 道県817 農場で、同年9月以降、28都道県230農場(27年6月末時点)で発生が確認されています。
  本病の感染確認は、臨床検査やRT-PCR法等を用いて総合的に判断していますが、より精度が高く、多検体処理が可能な検査手法の開発が必要となっています。さらに、今般我が国で分離されたPEDウイルスは米国や中国で分離された株と非常に近縁であることが判明していますが、本分離株自体の最小感染量や豚の体内での動態等は依然として不明なままとなっています。
  このため、PEDのより高精度かつ効率的な検査手法の確立に向けた研究を実施するとともに、豚の下痢性疾病の原因ウイルスを用いて感染実験等を実施し、最小感染量の特定や豚生体におけるウイルスの動態(検出部位、排泄量、排泄期間等)等を解明します。
2803    家畜の伝染性疾病に関する実態を踏まえたサーベイランス手法・検査診断手法の研究
(国研)農研機構(動物衛生研究部門)
H28~H30
(3年)
 家畜の伝染性疾病については、その発生状況、病性、検査手法、現場の実態等を踏まえ、効果的・効率的な総合的なサーベイランス体制を構築する必要があります。このため、本研究では、国内外におけるサーベイランスの実態を踏まえて、対象疾病の選択や報告する情報の検討など、新たなサーベイランスの検討を行います。
 また、「越境性動物疾病」の代表例ともいえるアフリカ豚コレラは、近年、東欧地域でも発生が確認されており、国際的な人・物の往来が増加していることから、現在、本病ウイルスが我が国に侵入するおそれが高まっている状況にあり、本病の防疫措置に支障を生じないよう検査体制を確立する必要があります。このため、本研究では、海外の流行株を収集し感染実験を行うことにより本病の病態や診断法等を検討します。
2904 アルボウイルス感染症の発生予察調査手法の開発
(国研)農研機構(動物衛生研究部門)
H29~H31
(3年) 
 家畜の異常産等を引き起こす節足動物媒介性ウイルス感染症(アルボウイルス感染症)については、平成10年以降、その流行を予察するため、都道府県の協力の下、アカバネ病、チュウザン病、アイノウイルス感染症、イバラキ病及び牛流行熱の全国的な検査を実施しています。
 このような中、平成27年には鹿児島県において同県では昭和63年以来となる牛流行熱の発生が確認されるなど、病原体を媒介する節足動物の生息域や生息時期の変化により、病原体の多様化も含めアルボウイルス感染症の発生状況が変化してきていることが懸念されています。
 このため、発生状況の変化等に対応した的確なアルボウイルス感染症の発生予察調査手法を早急に開発するとともに、調査結果を迅速に生産現場で活用できる体制を構築しなければならない状況にあります。そこで、アルボウイルス感染症の新たな発生予察体制を確立するため、生産現場における発生予察調査の具体的方法、調査結果の収集・分析方法及び分析結果の生産現場へのフィードバック方法を開発します。
 

植物防疫関係

課題
番号
課題名
委託機関
研究
期間
研究概要
2704 IPMを推進するために必要な経済的効果の指標及び評価手法確立
(国研)農研機構(中央農業研究センター)
H27~H29
(3年)
  農林水産省は、総合的病害虫・雑草管理(IPM)を推進するため、国は推進の基本的な考え方をまとめたIPM 実践指針等を策定しました。
  このような中、国際的には、OECD(経済協力開発機構)において、2017年にIPMの経済的な効果を含めた指標案を取りまとめ、加盟国に提示することとして検討が進められており、我が国にも情報提供を求められていますが、現在、我が国にIPMの経済的効果を測る指標はない状況となっています。
  このため、今後、OECDで取りまとめられる国際的なIPMの指標に反映させる必要があることから、我が国のIPMの経済的効果を測る指標及び評価手法を確立します。また、農家等へIPMの実践を促すには、防除効果とともに経済的な効果を示すことも求められており、国のIPM推進に関する支援に、本指標を用いた新たな事業評価指標を導入します。
2804    ジャガイモシロシストセンチュウの効果的な防除法の開発
北海道
(国研)農研機構北海道農業研究センター
(地独)北海道立総合研究機構(農業研究本部北見農業試験場)   
H28~H30
(3年)
 平成27年8月に、北海道網走市の一部地域において、わが国で初めてジャガイモシロシストセンチュウの発生が確認されました。本線虫は、世界的にばれいしょの生産に重大な被害をもたらす病害虫として知られています。特に、ばれいしょを基幹作物として輪作を行っている北海道における本線虫の発生は、ばれいしょ生産及び輪作体系の崩壊を招きかねない重大な問題であり、本線虫のまん延を防止するためには、直ちに本線虫の防除技術を開発し、発生地域における根絶を図る必要があります。
 このため、本線虫の発生地域において、大規模なほ場における輪作体系の中でも実効性がある防除体系を確立するとともに、根絶確認手法を開発する必要があります。
 本研究では、本線虫発生地域の大規模ほ場での輪作体系に対し、線虫類の防除に有効な既往の各種技術を導入してその効果を検証するとともに、防除に掛かる経費のシミュレーション等を行い、それらを組み合わせた効果的な農家が受け入れられる防除体系マニュアルの作成を行います。
2905 クロバネキノコバエ科の一種の総合的防除体系の確立と実証
キノコバエコンソーシアム
(国研)農研機構(農業環境変動研究センター、中央農業研究センター、野菜花き研究部門)
(国研)森林研究・整備機構
(国)静岡大学
埼玉県農業技術研究センター
埼玉県大里農林振興センター
群馬県農業技術センター
H29~H31
(3年) 
 埼玉県北部のねぎやにんじんの産地では、平成26年より、クロバネキノコバエ科の一種による甚大な被害が発生し、これらの作物の栽培が困難な事例も認められています。
 仮に本種によるねぎ、にんじんへの被害が他の地域に拡大した場合は、農業生産収益を大きく減少させるおそれがあります。また、本種は国内未記録種である可能性が高く、生態や防除方法が不明であり、現在のところ、有効な防除方法が確立されていません。
 このため、本種に対する総合的な防除体系を確立し、生産現場に普及することで、本種のまん延を防止するとともに生産現場における被害を最小に抑える必要があります。そこで、本種について、発生・分布状況を把握する手法及び各種防除技術の開発を行い、総合的な防除体系を確立します。
 

お問い合わせ先

消費・安全局食品安全政策課食品安全技術室
担当者:レギュラトリーサイエンス対応推進班
代表:03-3502-8111(内線4451)
ダイヤルイン:03-3502-5722
FAX:03-3597-0329