このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

更新日:平成28年3月2日

レギュラトリーサイエンス新技術開発事業で終了した試験研究課題

食品安全関係

課題番号 課題名 研究期間 委託機関 研究概要 成果概要 成果報告書
2201 米菓等のアクリルアミド低減技術の開発 H22~H23
(2年)

新潟県農業総合研究所食品研究センター


 

岩塚製菓(株)

  食品中のアクリルアミドは、ヒトに対して神経毒性や発がん性があると考えられており、現在、コーデックス委員会で策定された低減のための実施規範等に沿って、食品中の含有濃度をできるだけ低くするための取組が世界的に進められている。しかしながら、我が国特有の食品では、アクリルアミドの低減技術開発が進んでいない状況。

  本研究では、米菓について、アクリルアミド生成に影響する製造条件を特定し、馬鈴薯や穀類の加工品で用いられている低減技術の適用可能性を検証する。

  米菓におけるアクリルアミドの主要生成工程は、蒸練工程や乾燥工程でなく、膨化終了後の焼き色付け以降の工程であることを解明した。

  モデル試験で、主原料であるコメに関し、同じ焼成条件では玄米の混合比率を増やすとアクリルアミド濃度が有意に高くなること、コメの精白度の違いによって焼き色のつきやすさが異なりアクリルアミド濃度に影響することを明らかにした。

  副原料としては、ごまや大豆を添加した場合にアクリルアミド濃度が有意に高くなる可能性、乳酸カルシウムの添加によりアクリルアミド濃度を低減できる可能性を明らかにした。また、同じ焼き色を目指した場合、上白糖の添加により焼成時間を短くでき、アクリルアミド濃度の増加を抑えられる可能性を明らかにした。 

(PDF:361KB)

2202 食品中の3-MCPD 脂肪酸エステルの分析法開発 H22~H23
(2年)
(一財)日本食品分析センター

  3-MCPD脂肪酸エステルは、体内で加水分解された場合に遊離する3-MCPDによる健康影響が懸念されており、JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)でのリスク評価が予定されている。

  食用植物油中に3-MCPD脂肪酸エステルが含まれるが、既存の分析法は、エステル類を加水分解し、生じた3-MCPD濃度からエステル濃度を推定するものであり、個別のエステル分子種ごとの濃度は不明である。また、前処理の工程で3-MCPD脂肪酸エステル以外の物質が3-MCPDに変換されて3-MCPDとして検出される可能性も指摘されている。

  このため、食用油脂及び食品中の3-MCPD脂肪酸エステルの個別成分の直接分析法を開発する。  

  LC/MS/MS(液体クロマトグラフィー質量分析法)を用いた食用油脂中の3-MCPD脂肪酸エステル類の直接分析法を開発し、各種性能パラメータ(真度(回収率)、併行精度、検出下限、定量下限)を評価し、開発した分析法について、市販の食用油脂10種類を対象に、適用性を確認した。

(開発した分析法では、3-MCPD脂肪酸エステルの1,2-ヘテロジエステル体(脂肪酸として、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸)のうち、C1位とC2位の脂肪酸種が入れ替わったペアについては分離が困難であり、各ペアの総量として定量)

 

PDF(PDF:709KB)

2203 肉用鶏農場のカンピロバクター汚染低減技術の確立等に関する研究 H22~H24
(3年)

北里大学獣医学部

  カンピロバクターは、日本では食中毒の発生件数が第1位である細菌性食中毒菌である。2009年食品安全委員会の評価では、肉用鶏農場において汚染非汚染鶏群を区別する統一的な検査方法の開発や農場汚染率の低減につながる研究が必要などの提言がされた。

  このため、実態調査により肉用鶏農場へのカンピロバクターの侵入経路を推定特定し、侵入経路と推定特定された生産資材等について実行可能な管理方法を開発するとともに、出荷前に農場で鶏群単位での感染の有無を確認する検査法を開発する。  

  汚染鶏群の区分処理実施に有効な鶏盲腸便からのカンピロバクター・ジェジュニ/コリの遺伝子検査法(リアルタイムPCR)を用いた迅速検出法を開発した。

  農場への侵入経路については、生鳥かごや捕鳥業者の出入りが農場間での汚染拡大の要因の一つとなり得ることが示唆された。

 

(PDF:1,481KB)

 

 

2204 野菜類のカドミウム濃度低減技術の開発 H22~H24
(3年)
(国研)農業環境技術研究所

  野菜におけるカドミウム(Cd)低減技術の開発については、コメ等に比べて遅れている状況であり、主要産地での栽培体系等に適合したカドミウム低減技術を早急に開発する必要がある。

  本研究では、国内で生産される主要野菜類のうち、ヒトのCd摂取量への寄与度や産地形成の状況等を踏まえ、低減技術を開発する必要性が高いと考えられる品目について、調理に伴う非食部位の除去等によるカドミウム濃度の変動を解析するとともに、品種間または品目間でのカドミウム吸収能の差異を解析する。 

  調理に伴うカドミウム濃度の変動の解析では、ニンジン及びサトイモは、外皮Cd濃度が可食部Cd濃度より高いほか、ネギについては、鞘部(白色部)のCd濃度は、葉身部(青色部)に比べて高い傾向を確認した。

  また、品種間におけるカドミウム吸収能の差異の解析では、野菜7品目(タマネギ、ニンジン、ニンニク、サトイモ、ホウレンソウ、ネギ、オクラ)において、主要品種間におけるカドミウム吸収能の差異を明らかにした。

  品目間におけるカドミウム吸収能の差異の解析では、可食部のCd濃度は、ホウレンソウに比べて、コマツナ、ミズナ、フダンソウのほうが有意に低いことが明らかとなった。 

(PDF:180KB)

2301 食品の加工調理がフラン濃度に及ぼす影響の把握 H23~H24
(2年)
(一財)日本食品分析センター

  フランは、2010年2月のJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)で、代謝物に遺伝毒性発がん性があり、MOE(暴露マージン)が小さく健康への悪影響が無視できないと評価された。食品中の生成機序は十分に解明されておらず、低減技術も未確立な状況であるが、一部の食品では加熱や撹拌によって揮発させることで低減できることが報告されている。

  本研究では、フラン濃度が比較的高い食品である、大豆や魚の缶詰、レトルトパウチ、しょうゆ、みそ、コーヒー、ベビーフードを対象に、加熱、調理によるフラン濃度への影響を調査し、その結果を基にフラン低減に効果的な加熱調理方法を検証する。 

  大豆缶詰、魚類缶詰、レトルトカレー、ベビーフード、しょうゆ、みそ、缶コーヒー、レギュラーコーヒーを対象に、食品の加熱調理等による二次生成の可能性、撹拌や加熱後の放置によるフラン濃度への影響、食品の形状や保存条件(温度、保存期間、容器包装)の違いによるフラン濃度の変化、について基礎データを収集した。

 

(PDF:1,451KB)

 

 

 

2302 採卵鶏農場におけるサルモネラ汚染低減技術の確立 H23~H25
(3年)
(一財)生物科学安全研究所

  サルモネラによる食中毒は、1990年代後半に大きく増加し、ピーク時には年間800件、患者数1万人超の発生があった。こうした状況から、1998年11月に食品衛生法施行規則一部改正、ガイドラインの策定などの食中毒予防対策が講じられ、サルモネラ食中毒の発生件数及び患者数ともに減少傾向にあるが、依然として細菌性食中毒の発生件数ではカンピロバクターによる食中毒に次いで多い状況。

  本研究では、採卵鶏農場におけるサルモネラワクチンの免疫持続期間等の有効性評価、生産方式(飼育密度、鶏糞処理方法等)の相違がサルモネラ汚染低減に及ぼす影響を検証し、研究成果を「鶏卵の生産衛生管理ハンドブック」(2012年6月消費・安全局作成)に反映させるなど、農場段階での汚染低減対策の実施に資する。

  市販のサルモネラワクチンについて、少なくとも誘導換羽期までサルモネラに対する免疫が持続することが農場レベルで明かにされた。また、換羽誘導において、絶食法ではサルモネラの感染防御効果の低下がみられ、一方、誘導換羽用代替飼料では糞便中のサルモネラ菌量が絶食法に比べて低かった。

  フード型排気及び一般型排気を有する鶏舎を比較したところ、フード型鶏舎の鶏糞乾燥工程によりサルモネラの増殖又は死滅効果がもたらされた。

  また、サルモネラ汚染鶏糞を様々な条件下で調べたところ、3~37℃、鶏糞含水率70%以上の条件下においては、一定期間増殖することが認められ、鶏舎内に排出された鶏糞は可能な限り速やかに除去することが必要であることが明らかとなった。

(PDF:434KB)

2303 有毒藻類の培養による各種貝毒標準品の製造技術の確立 H23~H25
(3年)

「有毒藻類培養による貝毒標準品製造技術」共同研究機関
国研)水産総合研究センター

(株)トロピカルテクノセンター

  貝毒の検査については、動物愛護等の観点から国際的に従来のマウス法から機器分析法へ移行してきている。機器分析には貝毒の標準品が必要であり、標準品を安定供給するには、毒化した二枚貝からの分離精製では対応できず、貝毒原因プランクトンの培養等により効率的に標準品を製造することが必要。

  このため、貝毒原因プランクトンを大量培養し、主要な下痢性脂溶性貝毒及び麻痺性貝毒の標準品を大量かつ安定的に製造する技術を開発し、機器分析法の導入に資する。

  下痢性脂溶性貝毒及び麻痺性貝毒生成プランクトンの候補株を選抜し、大量培養技術を確立するとともに、貝毒生成プランクトンから毒を効率的に抽出精製する技術を開発した。

  また、麻痺性貝毒の代謝物質を有毒プランクトンが生産した毒から化学的に変換させる条件を確立した。

  本事業で得られた技術は、今後、貝毒標準品の製造等に活用できる。

1(PDF:1,693KB)

 

2(PDF:1,433KB)

2401

加工、調理及び保管過程におけるコメ中のヒ素の化学形態別濃度の動態解析

 

H24~H25
(2年)

(国研)農研機構(食品総合研究所)


 

(一財)日本食品分析センター

  日本人が農産物から摂取するヒ素の比較的多くがコメ由来。また、コーデックス委員会において、コメ中ヒ素に関する汚染防止低減のための実施規範作成の検討や最大基準値策定の検討が進められているところ。コメ中ヒ素に係るリスク管理措置の検討や摂取量の評価に当たって、国内産米中ヒ素の加工、調理及び保管過程における化学形態別の濃度変化を把握することが必要。

  本研究では、国内産米の加工、調理及び保管に伴う含有ヒ素濃度の変動を化学形態別に解析し、加工係数の算出等を行う。

  国内産米の加工、調理及び保管に伴う含有ヒ素濃度の変動を化学形態別に解析し、以下の結果を得た。

 コメ中の総ヒ素濃度及び無機ヒ素濃度について、精米(玄米に比べて90%の重量にした場合)にすることにより、玄米に比べて30~50%程度減少した。

 精米をイオン交換水で3回洗米した後の洗米中の総ヒ素濃度及び無機ヒ素は、洗米前に比べて20%程度減少した。

 無洗米中の総ヒ素、無機ヒ素、DMA(ジメチルアルシン酸)の各濃度は、90%精米を3回洗米した後の洗米中の各濃度とほぼ等しかった。

 玄米や精米、無洗米を電気炊飯器で炊飯した結果、炊飯後のコメ中の総ヒ素、無機ヒ素及びDMAの各濃度は、炊飯前の各濃度とほぼ等しかった。

 15℃及び25℃で1年間貯蔵したところ、総ヒ素、無機ヒ素及びDMAの各濃度は安定していた。

(PDF:1,373KB)

 

2402 肉用牛農場における腸管出血性大腸菌及びカンピロバクター低減技術の開発 H24~H26
(3年)

(一財)東京顕微鏡院


 

(株)三菱総合研究所

  2011年4月の富山県等の焼肉店で提供されたユッケを原因食品とした腸管出血性大腸菌による集団食中毒事件では、死者5名を含む患者数が約200名にのぼった。農林水産省では、同年8月に農場段階における食中毒菌の汚染低減のための「牛肉の生産衛生管理ハンドブック」を発出したが、今後、より効果の高い対策を提示していくことが求められている。 

 本研究では、肉用牛農場での腸管出血性大腸菌・カンピロバクターの汚染実態や伝播を解析するとともに、生菌剤や食品添加物等の微生物制御物質の排菌抑制効果、衛生対策の汚染低減効果を検証するほか、肉用牛における当該菌の保有率・保有量と牛肉における保有率・保有量の関連性を分析し、研究結果を「牛肉の生産衛生管理ハンドブック」に反映させるなど、汚染低減対策の実施に資する。 

  腸管出血性大腸菌O157は、農場内で同一遺伝子型の汚染が継続的・全体的に広がっていること、各個体で排菌・非排菌が繰り返されていることが示唆された。また、敷料・土壌・ハエが、肉用牛から排出されたO157に汚染されて次の感染源になる可能性が示された。カンピロバクターは、農場内で複数の遺伝子型の汚染があり、汚染の伝播が複雑であることが示唆された。

  また、混合飼料・飼料添加物やラクトフェリンの給与による肉用牛腸内の当該菌への影響及び消石灰散布による敷料中の当該菌への影響について試験したところ、様々な給与・散布条件でさらに検討する必要があると考えられた。

  農場における衛生対策が、どの程度当該菌による食中毒の発生を低減させる効果があるか定量的に把握するための確率論的リスク評価モデルを構築した。

1(PDF:1,920KB)

 

2(PDF:1,914KB)

 

2403 寄生虫(クドア・セプテンプンクタータ)に対するリスク管理に必要な技術開発 H24~H26
(3年)

クドアのリスク管理技術開発共同研究機関

(国研)水産総合研究センター

(国)東京大学大学院農学生命科学研究科

 愛媛県農林水産研究所

大分県農林水産研究指導センター

  2011年、薬事・食品衛生審議会において、生鮮食品による病因不明の有症事例について、ヒラメ寄生虫のクドア・セプテンプンクタータの関与が示唆された。また今後の課題として、ヒラメの養殖段階でのクドア保有稚魚の排除、飼育環境の清浄化、養殖場における出荷前のモニタリング検査等の対策が必要であるとされたところである。

  本研究では、ヒラメの種苗生産・養殖施設において、クドア・セプテンプンクタータの生活環や感染経路を解明し、飼育方法、宿主である環形動物の除去、供給水の殺菌等の効果的な感染防除策を開発するほか、ヒラメ成魚の検査法の改良、ヒラメ稚魚での検査法の開発、ヒラメの鮮度を落とさないための冷蔵によるクドア失活法を開発する。

  クドアの感染環については、一部の環形動物や海水からクドア遺伝子を検出し、クドアの感染時期やヒラメのサイズによる感染の違いについて明らかにした。

  また、ヒラメの種苗生産・養殖施設等でのクドア感染防除策として飼育水を砂ろ過と紫外線照射で処理する感染防除法を確立した。さらに、感染したヒラメの検査方法として、感染2週目以降には心臓、筋肉及び血液からクドア遺伝子をが検出できることを明かにするとともに、養殖中又は出荷時にヒラメを殺さず検査する方法として、注射針を用いて魚体から筋肉を採取し、検鏡検査する方法を開発した。

  商品価値を低下させずにクドアを冷蔵等により失活させる処理方法として、急速冷凍し、貯蔵、解凍の条件を検討し、商品として受容される可能性が高い処理方法を開発した。 

 養殖ヒラメ以外の魚種におけるクドアの感染状況の実態調査を行った。

(PDF:1,433KB)

 

 

2501 高温加熱により生成する有害化学物質を低減した調理法の評価・検証 H25~H26
(2年)

低減調理コンソーシアム

(国研)農研機構(食品総合研究所)

女子栄養大学短期大学部

東京家政学院大学

  食品中のアクリルアミドは、ヒトに対して神経毒性や発がん性があると考えられており、現在、コーデックス委員会で策定された低減のための実施規範等に沿って、食品中の含有濃度をできるだけ低くするための取組が世界的に進められている。また、家庭等で調理される食品からの暴露も無視できないことを示唆するデータが報告されている。

  このため、家庭調理におけるアクリルアミドによるリスクを低減するための調理法を評価・検証する。

・野菜(13品目)の炒め調理について、品目毎に加熱の程度や前処理の異なる調理品を調製してアクリルアミド濃度を測定し、アクリルアミドを低減できる調理条件を明らかにした。

・もやし炒めときんぴらごぼうについて、アクリルアミド低減のための具体的な助言を与えたレシピにより調理された調理品のアクリルアミド濃度を測定し、助言内容に効果があることを明らかにした。また、調理品の好ましさについても大半の人に受け入れられることを確認した。

・上記の結果から、家庭で野菜を炒め調理するときにアクリルアミドの生成をできるだけ低くするためのポイントとして、炒める前に切った材料の水さらしを行う、炒め時の撹拌速度を速くする、加熱工程の一部を煮る、蒸す等に置き換えること等を提案した。

1(PDF:1,368KB)

 

2(PDF:1,327KB)

 

 

2502 ピロリジジンアルカロイド類分析用標準試薬の作製と分析法の検討 H25~H26
(2年)
(国)千葉大学大学院(薬学研究院)

   ピロリジジンアルカロイド類は、野草・山菜類等に含まれ、強い肝毒性を示す自然毒であり、WHOは含有植物を摂取しないよう勧告している。しかしながら、ピロリジジンアルカロイド類の標準試薬は、市販されているものは少ない又は入手困難であり、日本における含有実態調査を行うことは現時点では困難な状況。

  このため、実態調査に必要なピロリジジンアルカロイド類の標準試薬を作製するとともに、分析法を検討する。

・各種文献データベースを活用し、ピロリジジンアルカロイド類の含有についての報告がある植物種(キク科、ムラサキ科、マメ科等)と、含まれる各ピロリジジンアルカロイド類の構造等の情報を網羅的に収集し、リスト化した。

・日本で栽培又は採取される植物のうち、ピロリジジンアルカロイド類を含有する既知植物であるコンフリー*(Symphytum officinale)及びフキ(Petasites japonicus)、並びに含有の可能性があるモミジガサ(Parasenecio delphiniifolius)及びスイゼンジナ(Gynura bicolor)を選定し、各植物試料を収集して詳細なピロリジジンアルカロイド類の探索を行った。
  実態調査に必要な分析用標準試薬として使用できる高純度のピロリジジンアルカロイド類合計16種(コンフリーから12種、フキから4種)を単離し、これらのうち新規のピロリジジンアルカロイド類2種については構造を決定した。なお、今回の研究では、モミジガサ及びスイゼンジナ中にピロリジジンアルカロイド類の存在を認めなかった。

・ピロリジジンアルカロイド類の分析法の予備検討では、LC-MS/MSにおいて、m/z 120(マススペクトルの横軸)のピークがピロリジジンアルカロイド類の存在の確認に有用であることを明らかにした。また、薄層クロマトグラフィーにおいて、Mattocks-Molyneux試薬が発色試薬としてピロリジジンアルカロイド類の存在の確認に効果的である可能性を示した。

*国内では、コンフリーの食利用が現在禁止されているが、ピロリジジンアルカロイド類を含有することが明らかであり、標準試薬を入手する上で重要であるため、研究対象とした。

 

1(PDF:1,196KB)

 

2(PDF:1,190KB)

 

3(PDF:914KB)

 

4(PDF:1,599KB)

 

 

 

動物衛生関係

課題番号 課題名 研究期間 委託機関 研究概要 成果概要 成果報告書
2205 薬剤耐性菌の全国調査に関するプロトコールの開発 H22~H24
(3年)
(国研)農研機構(動物衛生研究所)

  家畜に抗菌剤を多用することで出現した薬剤耐性菌が人に伝播し、細菌感染症の治療を困難にすることが懸念されている。また、薬剤耐性菌について、コーデックス委員会でもリスクアナリシスのガイドライン策定作業が開始された。食品安全委員会から、リスク管理機関に対して、抗菌性物質の使用と薬剤耐性率の増加の因果関係を解明するため、実効性のあるモニタリングシステムの構築が求められている。

  本研究では、過去10年間にわたる国内畜産農家での薬剤耐性菌モニタリング結果を統計解析し、抗菌性物質の使用と薬剤耐性率との因果関係を解析するとともに、海外の薬剤耐性菌モニタリングプロトコールを収集して比較を行い、実効性あるモニタリングシステムを構築する。

  過去の薬剤耐性菌のモニタリングの実施方法や成績を分析し、検体を採材する場所、採材方法、検体数、検体に関する情報及び分析結果のデータベース化など、現行の薬剤耐性菌モニタリングシステムの改善点を整理した。さらに、米国、欧州のモニタリングシステムの調査結果も踏まえて、より実効性のある薬剤耐性菌モニタリングシステムを構築するためのポイントを取りまとめた提案書を作成した。 (PDF:468KB)
2206 豚繁殖・呼吸障害症候群の新たな診断方法の開発 H22~H24
(3年)
(国研)農研機構(動物衛生研究所)

  豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)は、ウイルス感染により肥育豚の呼吸障害や、母豚の死流産などの繁殖障害を起こす伝染病で、世界各国の養豚業に大きな被害を与えている。ウイルスの遺伝子型は、北米型と欧州型に大別されるが、日本ではこれまで北米型のみの発生であったため、北米型の検査法とワクチンしか用意されていない。しかしながら、野外ウイルスの遺伝子解析で欧州型も存在することが分かった。

  このため、我が国の欧州型ウイルスの湿潤状況を調査し、北米型と欧州型を区別できる遺伝子検査法(PCR法)や血清学的検査法(ELISA法)を開発する。 

  欧州型PRRSウイルスの浸潤状況調査の結果、研究期間中においては、初発農場以外で欧州型ウイルスは確認されなかった。

  また、欧州型PRRSウイルス遺伝子を簡便かつ特異的に検出する遺伝子検査法(one step リアルタイムRT-PCR法)を開発するとともに、欧州型PRRSを診断するための免疫組織化学検査に用いる抗血清及びELISA法に用いる組換えタンパク質を作出した。

(PDF:427KB)
2207 牛白血病ウイルス(BLV)の感染拡大防止のための総合的衛生管理手法の確立 H22~H24
(3年)

(国研)農研機構(動物衛生研究所)


(地独)北海道立総合研究機構畜産試験場  

 

広島県立総合技術研究所畜産技術センター

  近年我が国では、牛白血病の発生が増加傾向にあるが、原因ウイルスの特性から、ワクチンはなく、有効な治療法も存在しないため、本病の対策には、的確な衛生管理手法を確立し、感染拡大を防止することが重要である。

  本研究では、感染牛と非感染牛の分離飼育等の飼養管理による感染低減効果の評価、乳汁による感染伝播リスクの評価等を行い、その研究成果を基に、衛生管理ガイドラインの素案をとりまとめる。

 

  牛白血病ウイルス(BLV)の水平感染リスクは吸血昆虫によるものが最大であると推察され、また、感染牛と非感染牛の分離飼育が本病の感染予防に効果的であることが示唆された。また、感染リンパ球を含む初乳や常乳を介したBLV伝播が成立することを確認した。さらに、受精卵移植技術を用いることで、BLV感染牛から非感染牛の後継牛を作出できることが明らかになった。

  また、本事業で得られた知見及び国内外の牛白血病対策についての情報を収集し「牛白血病ガイドライン」の素案を作成した。

PDF
2208 家畜の伝染病に関する野生動物疾病サーベイランスの検討 H22~H24
(2年)
千葉科学大学
(北里大学獣医学部)

(国)帯広畜産大学


 

日本大学生物資源科学部

  近年の鳥インフルエンザの広域流行を踏まえ、国際獣疫事務局(OIE)では、通報すべき野生動物疾病の明確化等について検討しているところ。

  本研究では、野生動物から家畜への伝播可能性が指摘されている豚コレラ、オーエスキー病、ニューカッスル病、鳥インフルエンザ等について、国内外のサーベイランス実施状況及び実施体制を調査するとともに、国内畜産農場周辺の野生動物の実態調査を行い、家畜疾病を伝播する可能性のある野生動物種、伝播経路を特定し、伝播リスクを評価する。その結果から、野生動物を対象としたサーベイランス方法を検討する。 

  野生動物で監視対象とすべき感染症をきめる手順(序列化、ファクトシート作成、監視方法等)を明らかにし、また、北米、欧州、オセアニアの主要国の野生動物の監視体制等を調査した。

  野生動物疫学調査を行うためのサーベランス方法について、具体的に検査対象疾病、サンプリング対象動物種等を選定した。

 

 (PDF:708KB)
2304 口蹄疫の伝播リスクと防疫措置の評価に関する疫学的研究 H23~H25
(2年)

(国研)農研機構(動物衛生研究所)


 

 

(公)大阪市立大学


 

日本獣医生命科学大学


 

エム・アール・アイ リサーチアソシエイツ(株)

  2010年4月、宮崎県で口蹄疫が発生し、約29万頭の家畜が殺処分された。今後、口蹄疫の防疫対策の充実を図るためには、今回の口蹄疫の伝播の特徴と防疫対策の効果について、疫学的手法を用いた詳細かつ多角的な分析を行うことが重要。

  本研究では、宮崎県での口蹄疫発生事例を用いて、口蹄疫の伝播リスクの解明と防疫措置の効果や効率性について経済的な面も含めて複合的な評価を行う。

  ケースコントロールスタディによって、宮崎県で発生した口蹄疫の伝播要因について明らかにし、ワクチン接種が口蹄疫流行に与えた影響や防疫措置に伴う事故の発生状況などについて詳細に分析した。また、最新の科学的知見を網羅的に集積した口蹄疫のリスクプロファイルを作成した。

  発生した口蹄疫について、時空間的に解析し、口蹄疫流行の特徴を地理的・地形的に視覚化して明らかにした。また、処分家畜の埋却地や埋却ルートが発生に与えた影響について疫学分析手法を用いて解析した結果、有意なリスク要因とはならないことが明らかとなった。

  発生した口蹄疫の流行を再現するモデルを構築し、様々な防疫対策の効果を評価するとともに、経済損失の算出システムを組み込んだ経済評価を実施した。また、口蹄疫発生に伴う経済損失と防疫措置に要する費用を推定するための算出フレームを構築した。

  消毒薬の効果に与える環境要因を明かにするとともに、野外で応用されている噴霧による方法や凍結防止剤の混入が消毒剤の効果に与える影響について明らかにした。また、口蹄疫ウイルスの不活化について、各種の消毒薬の性状や効果など最新知見を文献等により収集整理した。

PDF
2305 弱毒タイプ高病原性鳥インフルエンザウイルスの家きん肉内への出現の検証 H23~H24
(2年)
(国研)農研機構(動物衛生研究所)

  我が国では、貿易相手国で低病原性鳥インフルエンザの発生があった際は、家きん肉内からウイルスが検出される可能性があるため、当該国からの家きん肉の輸入停止措置をとっている。

  しかしながら、国際獣疫事務局(OIE)が、低病原性鳥インフルエンザは家きん肉が感染源となるリスクが低いとみなしていることから、国際基準(OIE基準)においては、低病原性鳥インフルエンザ発生国からの家きん肉は輸入停止の対象とはされていない。このため、家きん肉内からウイルスが検出される可能性について。科学的根拠を得るため、低病原性鳥インフルエンザウイルスの家きん肉内への出現を検証する。

(注)弱毒タイプ高病原性鳥インフルエンザは現行の家畜伝染病予防法においては、「低病原性鳥インフルエンザ」という。(2011年7月1日改正) 

 (1)H5亜型の低病原性鳥インフルエンザウイルス7株及びH7亜型の低病原性鳥インフルエンザウイルス3株をそれぞれ9羽の鶏に経鼻又は気管内接種し単独感染実験を行い、その増殖性を踏まえH5及びH7亜型の低病原性鳥インフルエンザウイルスそれぞれ2株及び1株を選抜した。

 (2)選抜したウイルスそれぞれについて、白色レグホン4週齢雄各9羽を用い、ウイルスの単独感染実験及びウイルスとマイコプラズマの共感染実験を行った。

  以上の2通りの実験系について、ウイルス分離、力価測定及びリアルタイムPCRにより筋肉及び各臓器におけるウイルス出現・増殖を検証した。

 

(PDF:1,286KB)
2306 野鳥が保有するニューカッスル病ウイルスに関する研究 H23~H24
(2年)
(国研)農研機構(動物衛生研究所)

  ニューカッスル病は高病原性鳥インフルエンザと同様、野鳥による伝播が主要な感染ルートとして考えられているが、我が国では野鳥のサーベイランスがあまり行われていないことから、野鳥におけるウイルス保有状況と発生との関連性は明らかでない。このため、

(1)全国規模の野鳥におけるニューカッスル病ウイルスのサーベイランスを実施

(2)分離されたニューカッスル病ウイルスについて、遺伝子レベルでの解析ならびに国際基準に沿った病原性試験を実施

することにより、我が国の野鳥内における本ウイルスの保有状況及びその性状を明らかにする。

  2011~12年の2年間の調査で、1021検体のハトの糞便から1株、614検体の水禽類糞便から5株のニューカッスル病ウイルスを分離した。

  ハトから分離されたウイルスは、分子系統樹解析の結果、Class II Genotype6であり、ロシアや韓国で分離されたウイルスに近縁であることがわかった。また、当該株は、野外ハト間で維持されている可能性が示唆された。

  一方、水禽糞便から分離された5株のNDVはそのF蛋白開裂部位のアミノ酸配列は全て非病原性株(弱毒型)の配列であった。同遺伝子を用いた分子系統樹解析の結果、平成23年度に分離された3株はClass II GenotypeIの系統でり、平成24年度に分離された2株はClass I Genotype5の系統であった。ClassIに属する株の分離は我が国では初めてである。今回分離された株は、ロシアや韓国で分離されたウイルスに近縁であることから、これらの国からウイルスの侵入が示唆された。

(PDF:235KB)
2307 ヨーネ病の早期診断技術の開発と実用化に関する研究 H23~H25
(3年)
(国研)農研機構(動物衛生研究所)

  ヨーネ病の診断は、主に細菌検査法(分離培養法)と血清学的検査法(ELISA法)により実施されている。しかしながら、分離培養法では検査に時間が掛かること、また、ELISA法では感染後期にしか抗体が検出されないことや非特異反応が起こるなどの問題がある。

  このため、分離培養法については、それに代わる迅速な早期診断法として遺伝子検査法を確立し、また、ELISA 法については、遺伝子組換え抗原を用いて特異性が高くかつ高感度な血清学的検査法を開発する。

  遺伝子検査法(リアルタイムPCR)によるヨーネ菌遺伝子検査成績と寒天培地及び液体培地を用いるヨーネ菌培養検査成績を集積し、遺伝子検査法の信頼性を確認し、同検査法の実用化に貢献した。

  また、ヨーネ菌用液体培地による培養とリアルタイムPCRを併用し、培養したヨーネ菌を同定・定量する細菌検査法を確立した。その結果、従来の寒天培地によるヨーネ菌分離培養法に比べ、培養期間が短縮され、分離率が向上した。

  さらに、現行のELISA抗体検査法よりも感度・特異度が高いヨーネ菌の遺伝子組換え抗原を用いるELISA法を確立した。

(PDF:380KB)
 2406 代替動物を用いたワクチンの有効性確認試験プロトコールの開発  H24~H25
(2年)
(国)東京大学大学院農学生命科学研究科

  近年、アジア熱帯地域から侵入した病原体による感染症で牛の異常産が増加しており、その防あつにはワクチンの開発が必要だが、牛の妊娠牛を用いた感染及び効果試験は、場所や供試牛の制約が多い状況。 

 本研究では、山羊等を用いた病原体の感染試験及びワクチンの効果試験を行い、代替動物を用いたワクチン有効性確認試験プロトコールを開発する。

  牛の代替としてシバヤギを用いてワクチン有効性確認試験を行った。ワクチンにより、シバヤギは免疫を付与されたにもかかわらず、攻撃ウイルスの胎子移行を防御できなかったことから、シバヤギは牛の代替動物として用いることができないと判断され、シバヤギを代替動物として用いたワクチン有効性確認試験プロトコールの開発には至らなかった。

  また、動物医薬品検査所配付のアカバネウイルスの病原性をマウス及びシバヤギを用いて病原性を確認し、当該ウイルスがワクチン有効性確認のための攻撃ウイルスとして適していることを明らかにした。

(PDF:1,259KB)
 2504 死亡牛BSEサーベイランスのデータ解析及び新たなサーベイランス計画の検討  H25
(1年)
(国研)農研機構(動物衛生研究所)

  死亡牛のBSEサーベイランスについては、現在、24か月齢以上のものについて検査を実施しているところであるが、2013年5月に、OIE(国際獣疫事務局)により日本のBSEのステータスが「無視できるBSEリスク」の国として認定されたことを受け、我が国における新たな死亡牛BSE検査のあり方について検討しているところ。

  このため、これまでに行ったBSEサーベイランスのデータ解析を行うとともに、新たなBSE検査計画のシミュレーションを行うことにより、本検査計画の検討に資する。

  我が国のBSEサーベランスの検査実績及び感染牛の摘発状況に基づいて、日本におけるBSEの感染状況の推定と将来の発生予測をシミュレーションにより行い、死亡牛BSEサーベランスのデータ解析及び新たなサーベランス計画について報告書としてとりまとめた。

  また、システムの安定性、継続性、利便性等を考慮した、新たな死亡牛サーベランスのデータベースシステムを構築した。

(PDF:352KB)
2404 高病原性鳥インフルエンザの野生動物による感染の確認及び消毒方法の開発 H24~H26
(3年)
(国)鳥取大学

  2010年の高病原性鳥インフルエンザの発生は9県24農場におよび、国内最大の事例となった。農林水産省が設置した疫学調査チームの中間とりまとめでは、感染拡大の要因としてねずみ等小型野生動物の関与が示唆された。このため、ねずみ(イエネズミ)等が鳥インフルエンザウイルスの感染源となり得るかどうかを明らかにする。

  また、鳥インフルエンザは冬の厳寒期に発生する傾向があるが、低温下での消毒薬効果、消毒薬に不凍液を添加した場合の消毒効果への影響を明らかにし、低温下での効果的な消毒方法を開発する。 

  イエネズミ(ハツカネズミ、クマネズミ及びドブネズミ)の高病原性鳥インフルエンザウイルス感染に対する感受性とウイルス排出の実態を実験的に解明した。さらに、イエネズミから鶏への伝播の可能性を実験的に評価するとともに、イエネズミの農場内での行動の一端と野生動物の農場内への侵入状況を明らかにした。

  また、低温下における本ウイルスに対する市販消毒薬の効果について、0℃から-30℃で、不凍液等添加の有無、有機物の有無による消毒効果の違いを明かにし、低温下で本ウイルスに有効な消毒方法を確立した。

PDF

 

植物防疫関係

課題番号 課題名 研究期間 委託機関 研究概要  成果概要 成果報告書 
2209 ハクサイ土壌病害虫の総合的病害虫管理(IPM)体系に向けた技術確立 H22~H24
(3年)

(国研)農業環境技術研究所


 

長野県野菜花き試験場


 

群馬県農業技術センター


 

(国)九州大学


 

(国研)農研機構(北海道農業研究センター)

  土壌病害の発生には、病原菌だけではなく、センチュウの発生等その他の要因も影響しており、その予測が困難である。

  このため、農業現場では予防的に農薬を施用することが多く、農薬に過度に依存しない総合的な土壌病害虫の防除方法(IPM)を確立するためには、その防除要否を判断する手法を確立する必要がある。

  本事業では、ハクサイで大きな問題となっているハクサイ黄化病とその助長要因と思われるキタネグサレセンチュウを対象として、黄化病の発生が多い土壌と少ない土壌を採取し、土壌微生物相を遺伝子検査法(PCR-DGGE法)で解析する。

  これにより、黄化病の発生における病原菌(バーティシリウム菌)とキタネグサレセンチュウの発生量の影響を明らかにするとともに、防除時期や要否判断のための指標を明らかにする。

 

  キタネグサレセンチュウがハクサイ黄化病の発生助長要因であることや、ハクサイ黄化病菌とキタネグサレセンチュウの相関性(両方検出された圃場では発病が多く、また、どちらかが検出された場合には発病が中程度である等)を明らかにした。

  また、防除時期や要否を判断するための指標として、PCR-DGGE法に加えて前作の発病度や土壌群を用いた発病予測方法を確立し、「ハクサイ黄化病の次世代土壌病害診断マニュアル」としてとりまとめた。

 

(PDF:1,408KB)
2210 国内未発生の植物病害虫が侵入した場合の経済的影響の予測・評価及び的確な管理措置の実施のために必要な要因の分析 H22~H24
(3年)

(国研)農研機構(中央農業総合研究センター)


 

(国研)農業環境技術研究所

  近年、貿易拡大、気候変動などにより、未確認病害虫の侵入可能性が高まっている。万一侵入した場合に早急に検疫措置を講じられるよう、病害虫危険度評価の手法を高度化する必要がある。

  このため、その経済的影響の評価手法の開発、SPS協定(衛生植物検疫措置の適用に関する協定)で認められている「適切な保護の水準」の設定根拠として、侵入の許容度やまん延した場合の要防除水準設定のための基礎理論を検討する。

 

  我が国の植物検疫制度と状況に合わせた、かつ、植物検疫の国際基準で定めるPRA(病害虫リスクアナリシス)の枠組みに則し、PRAの評価項目である「入り込み」「定着・まん延」「経済的重要性」の評価要素や保護水準決定の考え方を含めたPRAの手順を策定した。

  また、未侵入の病害虫が我が国での潜在分布好適度を推定するためのアプリケーションを開発した。 

(PDF:638KB)
2308 サツマイモ等の重要害虫であるイモゾウムシの根絶のための実用的な光トラップの開発及び防除モデルの策定 H23~H25
(3年)

(国)岡山大学


 

(国研)農研機構(九州沖縄農業研究センター


 

沖縄県農業研究センター


 

鹿児島県農業開発総合センター

  南西諸島ではサツマイモ等の重要害虫であるイモゾウムシやアリモドキゾウムシが発生しているため、サツマイモ等については南西諸島から本土に持ち出すことが植物防疫法に基づき規制されている。アリモドキゾウムシについては、種特異的な誘引物質を利用したトラップ(捕獲装置)と不妊虫放飼法を組み合わせた根絶方法が確立されているが、イモゾウムシについては、有効な誘引物質がないため、効果的な根絶方法が確立されていない状況である。

  本研究では、イモゾウムシの誘引方法として有望と考えられている光(LED)を利用したトラップを開発するとともに、光トラップを活用した防除モデルを策定する。

  サツマイモのほ場では、誘因力の非常に強い光トラップの開発まで至らなかったが、イモゾウムシは、光を拡散させたUV-LEDに最も誘引されること、光強度が強い光に対しては誘引効率が落ちること、UV-LEDの光源位置を高くしたトラップで誘引効率が上がるといった光トラップ開発に資する知見が得られた。

  イモゾウムシがサツマイモのほ場において誘引されない一因としては、降雨や散水などのかく乱が生じないとイモゾウムシは動かないという防除体系の確立に資する行動生態学的な知見が得られた。

  また、光トラップを活用した実験の結果、捕獲率を用いて本虫の発生密度推定が可能であるという示唆が得られたことから、沖縄県の根絶防除事業を実施している地域において活用が見込まれている。

(PDF:1,475KB)
2309 我が国の重要な農作物に被害を与えるウイロイド病の侵入リスク管理措置の確立 H23~H25
(3年)
(国研)農研機構(中央農業総合研究センター、花き研究所)

  我が国において未発生であったウイロイド病害のトマト退緑萎縮ウイロイド(TCDVd)が2006年広島県内において、また、ポテトスピンドルチューバーウイロイド(PSTVd)が2008年福島県内において確認された。これらの新規ウイロイド病害は、我が国の重要な農作物であるナス科植物を中心として様々な植物に感染し、海外から輸入された農作物の種苗類を介して国内に侵入したと疑われている。 

 本研究では、ウイロイド病害について、感染リスクが高い種苗リスト及び科学的に裏付けされた検疫措置を確立し、輸入農作物種苗を介した新規ウイロイド病害の侵入防止に資する。

  侵入のおそれがあるウイロイド4種について、トマト、馬鈴薯、野菜、花き類にウイロイドを接種して感染評価を行い、それぞれの被害程度や感染の有無を明らかにした。

  また、植物におけるウイロイドの汚染部位を明らかにするとともに、ウイロイド4種の遺伝子検査法(RT-PCR)による検定方法を開発した。

  これらの成果を踏まえて「侵入警戒を要するポスピウイロイド対策ハンドブック」を策定した。

(PDF:1,477KB)
2607 ジャガイモシストセンチュウの根絶を目指した防除技術の開発と防除モデルの策定 H24~H26
(3年)

(国研)農研機構(北海道農業研究センター)


 

(国)北海道大学 


 

(地独)北海道立総合研究機構


 

長崎県農林技術開発センター


 

雪印種苗(株)

  馬鈴しょ等ナス科作物の重要害虫であるジャガイモシストセンチュウは、環境耐性等があるため、既存の防除技術では発生密度の低下は図れるものの、根絶は困難な状況となっている。このため、発生地域の拡大防止及び根絶技術の開発が喫緊の課題となっている。

  本研究では、ジャガイモシストセンチュウの防除効果が高い技術を開発し、既存の防除技術と組み合わせて、根絶を目指した防除モデルを策定するとともに、ジャガイモシストセンチュウを高感度に検出するための技術を開発し、根絶を確認するための手法を構築する。

  センチュウの発生ほ場において、トマト野生種又はハリナスビを休閑緑肥として栽培することにより、ほ場内のセンチュウ密度を20%以下に、また、センチュウ抵抗性品種連作と非寄主作物を組み合わせた輪作を実施することにより、土壌から次世代の線虫の増殖が確認されない程度にまで、センチュウ密度を低減できることを実証し、今後、根絶に向けた防除のモデルとして発生地域における防除への活用が見込まれる。

  また、線虫の検出方法に関して、労力が軽減できる土壌のサンプリング法や、ふ化促進物質法とカップ検診法を組み合わせ高精度に生存線虫を検出する方法等、根絶確認に資する技術を開発した。

PDF(PDF:1,479KB)

New 

 

 

 ※成果報告書については、順次掲載します。

 

お問い合わせ先

消費・安全局食品安全政策課食品安全技術室
担当者:レギュラトリーサイエンス対応推進班
代表:03-3502-8111(内線4451)
ダイヤルイン:03-3502-5722
FAX:03-3597-0329