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農林水産省

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作成日:平成27年11月6日
更新日:平成27年12月1日

国際がん研究機関(IARC)による加工肉及びレッドミートの発がん性分類評価について

国際がん研究機関(IARC)の加工肉等の発がん性についての発表(2015年10月26日)を受けて、様々な報道がされています。一方、3日後に世界保健機関(WHO)は、IARCの報告について、「がんのリスクを減らすために加工肉の摂取を適量にすることを奨励したものであり、加工肉を一切食べないよう求めるものではない」と発表しました。

農林水産省は、これまでも健全な食生活のため、食品をバランス良く食べることが大切だと提唱してきました。消費者の皆様がこのページを、各種の報道の中で正しい情報を選択する際に役立ていただけると幸いです。

IARCの発表の概要(2015年10月26日)

10月26日、世界保健機関(WHO)の研究機関である国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer : IARC)は、加工肉及び「レッドミート」の摂取により大腸がんのリスクが増加すること、及び加工肉を「グループ1」(人に対して発がん性がある)に、「レッドミート」を「グループ2A」(人に対しておそらく発がん性がある)(注)に分類することをプレスリリース(PDF:42KB)(外部リンク)及びQ&A(PDF:52KB)(外部リンク)によって公表しました。この発表に関して参考となる情報をまとめましたのでご紹介します。今後、IARCの評価書が公表されれば、その概要を紹介します。

(注)IARCによる発がん性の分類

国際がん研究機関(IARC)は、世界保健機関(WHO)の一機関で、発がん状況の監視、発がん原因の特定、発がん性物質のメカニズムの解明、発がん制御の科学的戦略の確立を目的として活動しています。

IARCは、主に、人に対する発がん性に関する様々な物質・要因を評価し、5段階に分類しています。IARCによる発がん性の分類は、人に対する発がん性があるかどうかの「根拠の強さ」を示すものです。物質の発がん性の強さや暴露量に基づくリスクの大きさを示すものではありません。

IARCによる発がん性の分類の概要について当省でまとめていますので、こちらをご覧ください。

 IARCは、Q&A(PDF:52KB)(外部リンク)の中で、以下のとおり説明しています。 

 加工肉とは?「レッドミート」とは?

加工肉とは、「塩漬け、塩せき、発酵、燻煙、その他香りや保存性を高めるための加工をした肉」を指し、豚肉又は牛肉を含むものが多く、それ以外の「レッドミート」、鶏肉、臓器、血など副生物を含む場合もあります。「フランクフルト、ハム、ソーセージ、コンビーフ、ビーフジャーキー、塩味の切り干し肉、缶詰肉、食肉調製品(ソースを含む)」が例としてあげられています。

「レッドミート」とは、牛肉、豚肉、羊肉(ラム、マトン)、馬肉、山羊肉を含む全てのほ乳類の肉を示します。鶏肉や七面鳥などの家きん類の肉は含みません。

加工肉及び「レッドミート」の摂取量と発がん性の関係について

加工肉について10件の研究成果を評価し、「毎日継続して1日当たり50グラム摂取するごとに、大腸がんのリスクが18%増加する」としています。また、同じ研究成果から、牛肉、豚肉、羊肉(ラム、マトン)、馬肉、山羊肉などについては、「加工肉ほど強い証拠が見出せませんでしたが、関連があるとすると、毎日継続して1日当たり100グラム摂取するごとに、大腸がんのリスクが17%増加する」としています。

WHOの見解

2015年10月29日にWHOは、「WHO statement : Links between processed meat and colorectal cancer」(外部リンク)と題するコメントを発表し、

  • 「IARCの評価は、WHOが2002年に公表した食事、栄養及び慢性疾患予防に関する報告書(2002)(外部リンク)の内容を再確認するものであり、がんのリスクを減らすために加工肉の摂取を適量にすることを奨励したものである。加工肉を一切食べないよう求めるものではない」

と言っています。

2002年にWHOは、「食事、栄養及び慢性疾患予防に関する報告書(2002)」(外部リンク)を出しています。この中で、

  • 「加工肉、塩漬けの食品、塩、熱い飲料・食品の摂りすぎは、発がん性のリスクを高める可能性のある要因である」

と言っています。

詳細は、WHOウェブサイト(外部リンク)をご覧ください。

バランスの良い食生活について

農林水産省は、多くの種類の食品をバランス良く食べることが大切だと考えています。私たちの健康な生活のために必要な栄養素を摂ることが重要です。加工肉だけをたくさん食べるなど、特定の食品の食べすぎは控えましょう。以下のウェブページも参考にして、バランスの良い食生活を心がけましょう。

これからも、消費者の皆様の健全な食生活に役立つ情報を適時提供いたします。

 

参考情報 

食品安全委員会の見解

2015年10月27日に食品安全委員会は、同委員会の公式Facebookの中で、「red meat」と加工肉に関するIARCの発表について」(外部リンク)と題するコメントを公表し、

  • 「ヒトの健康に影響を及ぼす可能性のあるものをハザードといいます。・・・(略)・・・リスクは、ハザードの毒性影響の大きさにヒトへのばく露量(食べる量)を考慮して評価します。」
  • 「この分類は、発がん性を示す根拠があるかどうかを重視しており、したがって、ハザードの毒性影響の強さや暴露量が及ぼす影響(定量的な評価)はあまり考慮されておりません。」
  • 「今回の評価では、これをもって、すなわち「食肉や加工肉はリスクが高い」と捉えることは適切ではないと考えます。」
  • 「食品の安全性に関する様々な情報が発信されています。そして、健康な食生活を送っていくためには、それらの情報の正確さや食生活への影響の大きさを見分けるのは難しいことです。それらに振り回されず、多くの種類の食品をバランスの良く食べることが大切です。」

と言っています。

また、2015年11月30日に、「レッドミートと加工肉に関するIARCの発表についての食品安全委員会の考え方」(外部リンク)を公表し、 改めて詳しく解説しています。

詳細は、食品安全委員会ウェブサイト(外部リンク)をご覧ください。

 国立研究開発法人 国立がん研究センターの情報

2015年10月29日に国立がん研究センターは、「赤肉・加工肉のがんリスクについて」(外部リンク)を公表し、上記のIARCの発表についての解説と、同センターが2011年に発表した多目的コホート研究:赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて(外部リンク)の情報を提供しています。同センターは、

  • 「IARCの評価の基となった全世界地域の論文の赤肉摂取の範囲はおおむね一日50-100 gで、中には200 g以上にわたる非常に高い地域もありました。2013年の国民健康・栄養調査によると日本人の赤肉・加工肉の摂取量は一日あたり63g(うち、赤肉は50g、加工肉は13g)で、世界的に見て最も摂取量の低い国の一つです。」
  • 大腸がんの発生に関して、日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さいと言えます。
  • 「赤肉はたんぱく質やビタミンB、鉄、亜鉛など私たちの健康維持にとって有用な成分もたくさん含んでいます。飽和脂肪酸も含まれ、摂りすぎは動脈硬化、その結果としての心筋梗塞のリスクを高めますが、少なすぎると脳卒中(特に、出血性)のリスクを高めることが分かっています。日本においては心筋梗塞より脳卒中の罹患率の方が高いことから、総合的にみても、今回の評価を受けて極端に量を制限する必要性はないと言えるでしょう。がんをはじめとした生活習慣病予防、総合的健康の観点からは、まずは「日本人のためのがん予防法」で定められた健康習慣全般に気を配ることが大切です。」

と言っています。

詳細は、国立研究開発法人国立がん研究センターウェブサイト(外部リンク)をご覧ください。

 

お問い合わせ先

消費・安全局食品安全政策課
代表:03-3502-8111(内線4453)
ダイヤルイン:03-3502-8731
FAX:03-3597-0329