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農林水産省

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オーストラリア・ニュージーランド

 更新日:2021年11月5日

オーストラリア及びニュージーランドでは、国民がトランス脂肪酸から摂取する平均的なエネルギー量が、世界保健機関(WHO)が提案した目標値である総摂取エネルギー量の1%未満であること、また、食品事業者によるトランス脂肪酸の低減対策が進んだことから、食品中のトランス脂肪酸について規制していません。

なお、加工食品に含まれるトランス脂肪酸の表示は義務ではありませんが、任意で表示することができます。ただし、コレステロール、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、ω3脂肪酸、ω6脂肪酸又はω9脂肪酸について強調表示する場合には、トランス脂肪酸の量を表示する必要があります。

両国政府は、2019年より、肥満に関連する慢性疾患を減らすため、食品成分を改善する活動を進めています。その検討対象の一つにトランス脂肪酸があり、トランス脂肪酸をとり過ぎている一部の国民の健康を保護する観点から、表示も含めた規制措置やその他の自主的な措置の必要性を検討することとしています。

(参考)これまでの主な経緯

オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)は、2009年、トランス脂肪酸から摂取するエネルギー量が総エネルギー摂取量に占める割合の平均を、オーストラリアでは0.5%、ニュージーランドでは0.6%と推定しました。これはWHOが勧告している総エネルギー摂取量の1%未満よりかなり少なく、その他の国と比較しても少ないとしています。 また、両国においては、トランス脂肪酸摂取量の60-75%が天然由来だとしています。

一方で、トランス脂肪酸と飽和脂肪酸から摂取する合計のエネルギー量が、総エネルギー摂取量の14-16%と、両国の推奨基準(8-10%未満)より高いと報告しています。これは飽和脂肪酸の摂取量が多いためであり、栄養表示で飽和脂肪酸の含有量を確認し、バランスの良い食生活を送ることが推奨されています。

両国政府は、飽和脂肪酸を増やすことなく、食品中のトランス脂肪酸を削減するため、心臓病学会、食品業界団体、FSANZ等の規制当局からなる「トランス脂肪酸共同計画」を2007年に設立し、自主的な低減の取組を進めました。

2009年には、その取組の効果を確認するためのレビューをFSANZが行った結果、事業者による低減の取組が進んだため、両国における油脂の加工由来のトランス脂肪酸の摂取量は2007年と比べて25-45%減少したと結論しました。これを受け、2009年10月、両国の食品規制閣僚評議会は、引き続き、トランス脂肪酸について規制を設けず、自主的な取組により低減を進めていくことで合意しました。

その後、2013年にFSANZが調査した結果、食品中のトランス脂肪酸濃度は2009年当時と同等な水準で、国民がトランス脂肪酸から摂取する平均的なエネルギー量は、引き続きWHOの目標値より低いと報告しました。このため、2015年1月、両国の食品規制閣僚評議会は、トランス脂肪酸の義務表示は不要と結論しました。

さらに2017年にFSANZが輸入された油脂を調査した結果、トランス脂肪酸を高濃度で含む可能性がある加工油脂の輸入量が大幅に減少したこと、また、植物油やマーガリン中のトランス脂肪酸濃度が過去の調査結果と同等の水準であったことから、これらに由来するトランス脂肪酸の摂取量は低減傾向にあると報告しました。

参考リンク

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課

担当:化学物質管理班
代表:03-3502-8111(内線4453)

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