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平成23年12月26日更新

英国食品基準庁

英国食品基準庁(FSA)は、2007年12月、トランス脂肪酸の最新の摂取量における健康への影響、英国の食品業界の自主的なトランス脂肪酸低減対策の実施状況、外国(デンマーク及びニューヨーク)で既に取られている規制措置に関して調査を行いました。そして、英国保健省に対して次のように勧告しました。

  • トランス脂肪酸の健康影響に関する入手可能な証拠を検証した結果、食品中のトランス脂肪酸がCHDリスクの増加に中程度の影響を及ぼすことを裏付ける一貫性のある証拠がある一方で、トランス脂肪酸とがん、肥満及び糖尿病の関連についての証拠は不十分であるか、又は矛盾がある。
  • CHDリスクに及ぼすトランス脂肪酸の悪影響について、入手可能な証拠に基づく栄養に関する科学諮問委員会の助言は、「トランス脂肪酸の平均摂取量は、最大でも総エネルギーの2%を超えないようにすべきである」というものである。英国の消費者を対象とした最新のトランス脂肪酸の平均摂取量の推計は、総エネルギーの1%と最大目標値(2%)の半分であるため、懸念があるものではない。このトランス脂肪酸の摂取量は上限の推計であり、実際の摂取量はもっと低いと思われる。
  • 食品・油脂業界から提供されたデータは、英国の食品製造で使用されている植物油脂中のトランス脂肪酸を1%未満という最小まで減らすために、包括的な対策が講じられていることを示している。この水準は、デンマークで導入されているもっとも厳しい規制の水準よりも低い。英国の油脂の供給では、さらなるトランス脂肪酸の低減の見込みはない。強制的な規制措置を導入する一方的な対策を導入したとしても、すでに英国の製造者が実施している(自主的な)行動を形式化するだけであり、消費者の健康に対してさらなる便益はもたらさないであろう。
  • 心疾患が最大の死因を占めるニューヨークで行われている対策は、総エネルギーの約2.6%という英国の2.5倍以上に相当するトランス脂肪酸の過剰摂取によって健康への懸念があることに起因している。
  • デンマークのトランス脂肪酸の平均摂取量は、英国と同程度である。デンマークで2003年に取られた規制措置は、トランス脂肪酸による健康への悪影響に加えて、2000-2001年に一般的ないくつかの食品に高水準のトランス脂肪酸がデンマークで見つかったことが原因となった。トランス脂肪酸の平均摂取量は総エネルギーの2%を超えないようにすべきとのSACNの助言に基づけば、最新の摂取量は懸念があるものではないとここで勧告しているように、英国の状況は異なっている。加えて、産業界のデータから、原材料の油脂中のトランス脂肪酸は最小まで低減されており、英国の食品製造における人工的なトランス脂肪酸の水準はこの数年で劇的に減少している。
  • 部分水素添加油脂を食品から除くことによる最大の懸念は、潜在的に飽和脂肪酸の含有量が増えることである。というのも、食品からの飽和脂肪酸の摂取量(13.3%)は現時点で最大摂取目標値である総エネルギーの11%を上回っているからである。それゆえ、トランス脂肪酸の水準を増加させることなく、食品中の飽和脂肪酸を減らすための食品産業の取組みを早期に進めることが最優先である。

英国保健省

FSAの勧告に対して、英国保健省(DH)は消費者の健康保護により重要な影響を与える食品中の飽和脂肪酸の低減対策に焦点をあてることに同意するとともに、FSAの取組が成功し、トランス脂肪酸の低減対策を維持しつつ、食品事業者による自主的な飽和脂肪酸の低減が進むことを熱望するとコメントしています。

トランス脂肪酸(国民保健サービス(NHS)ホームページ "Fat: the facts"内の解説)New

  • 低濃度のトランス脂肪酸は、肉、乳製品などの食品に自然に含まれています。また、水素添加された植物油を使った食品にも含有する可能性があります。
  • 水素添加された植物油は、トランス脂肪酸を含有する可能性があります。もし食品に水素添加油が使われていれば、そのことを原材料表示に記載することになっています。
  • 飽和脂肪酸と同じように、トランス脂肪酸は血中のコレステロール値を上昇させる可能性があります。そのため、トランス脂肪酸の摂取量は、私たちが食事から摂取するエネルギー量の2%までにすることが推奨されています。これは、大人の場合、一日当たり約5g以下に相当します。
  • 英国のほとんどの人々はトランス脂肪酸をそれほど多く食べていません。平均では推奨されている最大摂取量の半分程度の摂取量です。英国の多くの食品事業者は、すでに自社製品に水素添加された植物油を使用していません。
  • 英国では、トランス脂肪酸よりも飽和脂肪酸が大量に食べられています。ですから、食生活において脂質の量に注目する場合には、飽和脂肪酸の量を減らすことに着目することがより大切です。

参考リンク