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食用の部分水素添加油脂の食品への使用規制にあたっての米国の摂取量推定やコスト・ベネフィット推計

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  • FDAは、2012年において、2歳以上の米国人は、部分水素添加油脂由来のトランス脂肪酸を、1人当たり1日当たり平均で1.0 g, 90パーセンタイル値(上位10%の人の値)で2.0 g摂取しており、これはそれぞれ一日当りの総エネルギー摂取量(2000 キロカロリーの食事として)の0.5%, 1.0%に相当すると推計しています。

 また、2010年から2012年の間に、部分水素添加油脂由来のトランス脂肪酸摂取量は、約23%減少、2003年と2012年では、約72%減少したと推計しています(2003年の段階では、部分水素添加油脂由来のトランス脂肪酸摂取量は1日当たり4.6 gで、総エネルギー摂取量の2.0%に相当)。

  • 一方、FDAは、GRASとして取扱うかどうかに関する決定は、「安全といえるかという点に関しての専門家のコンセンサスがあるかどうか」というGRASの定義に基づいて決まるものであり、こうした摂取量推計の結果とは関係ないとしています。
  • そして、トランス脂肪酸の安全性に関しては、各種学術論文について解析を行った結果、低摂取量であってもトランス脂肪酸の摂取量が増加すると血中のLDLコレステロール濃度が増加する(比例関係)こと、また、トランス脂肪酸摂取量が増えるとHDLコレステロールが低下することを指摘しています。

(参考1)

2013年に、アメリカ国立衛生研究所の専門家パネルは、以下のように評価しています。

総エネルギー摂取量に対するトランス脂肪酸の摂取量を1.0%他の脂肪酸と置き換えると、

血中のLDLコレステロール濃度は、一価不飽和脂肪酸に置き換えた場合では1.5 mg/dl(dl: デシリットル)低下し、多価不飽和脂肪酸に置き換えた場合では2.0 mg/dl低下する。

血中のHDLコレステロール濃度は、飽和脂肪酸に置き換えた場合では0.5 mg/dl、一価不飽和脂肪酸に置き換えた場合では0.4 mg/dl、多価不飽和脂肪酸に置き換えた場合では0.5 mg/dl増加する。

(参考2)

FDAによるパブリックコメントでは、総エネルギー摂取量の1%未満に相当する少ないトランス脂肪酸摂取であってもトランス脂肪酸摂取量とLDLコレステロールの増加が比例関係(線形関係)にあり冠動脈性心疾患(CHD)のリスクがあるというFDAの見解に対し反対意見も寄せられています。

この点について、FDAは、

総エネルギー摂取量の0.4%から2.8%に相当するトランス脂肪酸摂取量でLDLコレステロール濃度の増加が示されていること

1995年から2010年にかけて発表された複数の学術論文が一貫してトランス脂肪酸の摂取とCHDのリスクを示唆する報告をしていること

低摂取量であればトランス脂肪酸の摂取量とLDLコレステロール濃度の増加が比例関係(線形関係)にないとの研究もあるが学術論文として発表されておらず、低摂取量であれば「安全であると一般的に認識されている」との専門家のコンセンサスがあるとは言えないこと

等を指摘しています。

  • また、FDAは、例えば、トランス脂肪酸を35%含む部分水素添加油脂を他の油脂(豆油、キャノーラ油、綿実油、高オレイン酸ひまわり油、パーム油(アブラヤシ油)、ラード、バター、高オレイン酸大豆油のいずれか)に代替し、総エネルギー摂取量の0.5%に相当するトランス脂肪酸を減らした場合、CHD発症リスクが0.4~6.4%低下すると推計しています。また、これは毎年、3900~58210件のCHD発症(1620~23350件のCHDによる死亡を含む)を予防することに相当すると推計しています。
  • その結果、今後20年間に生じるコストとベネフィットに関し、食品事業者における部分水素添加油脂の他の油脂・原料への切替えや表示切替えのコスト、消費者におけるレシピ変更等の社会的なコストを差し引いても、トランス脂肪酸低減によるCHDのリスク低減によるベネフィットは、複数のモデルケースで推計した平均で1300億ドル、少なく見積もって50億ドル、多く見積もって4300億ドル見込まれるとしています。

参考リンク