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農林水産省

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更新日:平成28年3月4日
担当:消費・安全局植物防疫課



「第2回ジャガイモシロシストセンチュウ対策検討会議」(議事概要)

開催日時・開催場所

  • 平成28年3月4日(金曜日)14時00分~16時00分
  • 三番町共用会議所   第3・4会議室 

議事概要

1. 土壌調査の結果

昨年の夏に実施した植物検診の結果、ジャガイモシロシストセンチュウ(Gp)が確認された網走市の2地区について、過去にばれいしょを生産した実績のあるほ場の全てについて、土壌調査(土壌を採取して線虫の有無を確認)を実施した。これまでに得られた結果は以下のとおりであった。

(1) 調査対象ほ場:190 ほ場(約600 ha)

(2) うちGp確認ほ場:49 ほ場(約190 ha)

Gp未確認ほ場において、Gpが発生していないことを保証するものではい。

なお、土壌調査の結果、ジャガイモシロシストセンチュウのほ場内における発生密度は低密度であり、直ちに農作物に被害が生じるレベルとは考えられなかった。

一方、ジャガイモシロシストセンチュウの発生時期や他地域への発生の広がりについては、以下のような見解が示され、現時点での情報のみでは、定見を示すことができなかった。

(1)  発生密度及び地区内の複数ほ場で発生していたことを踏まえると、最初のほ場への侵入から10年程度の時間が経過しており、網走市内の他地区等に発生が拡大している可能性があると推定できる。

(2) ほ場内の分布は偏りがあり、かつ、ジャガイモシロシストセンチュウしか発生していないほ場があったことを考えると、ジャガイモシロシストセンチュウは、ここ数年の間に新たにほ場に侵入したものであり、発生地域はそれほど広がっていない可能性があるとの推定もできる。 

また、地区内にまん延した原因として、利用している資材、土壌の搬入等に原因がある可能性が考えられるため、検証すべきとの指摘があった。

 

2. 発生要因調査等

(1) 遺伝子解析

網走市で確認された本線虫の遺伝子解析の結果、南米が起源で、現在、欧州、米国等で発生しているものと遺伝的に近い関係にあることが判明した。ただし、どこの国からどのように侵入したかを判断するためには、更に、情報を収集する必要があるとの見解が示された。

(2) 生産状況等の調査

昨年夏に本線虫が確認されたほ場については、土の移動を防止する等のジャガイモシストセンチュウ対策が実施されており、また、海外との人的交流や外国で生産された資材の投入は確認されていない。

今回の調査から、昨年夏に本線虫が確認されたほ場が発生源というよりは、それ以外のほ場が発生源である可能性が浮上したが、発生要因を特定するための情報は少ないことから、引き続き、発生要因調査を継続していく必要があるとの見解が示された。

3. 平成28年度の調査及び防除の方針について

(1) 調査方針

今回の土壌調査結果を踏まえると、近隣の地域にも、本線虫が発生している可能性は否定できない。特に、ジャガイモシストセンチュウの発生地域では、必ずしも線虫の同定が行われていないことから、当該線虫がジャガイモシロシストセンチュウである可能性も否定できない。

このため、網走市内及び近隣市町村の発生状況を把握するため、以下の調査を実施することが妥当との結論が得られた。

ア 春季調査

網走市内全域を対象に、抽出で、土壌調査を実施する(4月下旬~5月上旬)。

イ 夏季調査

網走市近隣で、かつ、ジャガイモシストセンチュウの発生が確認されている7市町(北見市、大空町、置戸町、清里町、訓子府町、小清水町及び斜里町)を対象に、栽培中のばれいしょを抜き取り、植物検診を実施する(7月中下旬)。

ウ 疑義情報への対応

ジャガイモシロシストセンチュウに関する疑義情報があった場合は、試料の同定を行うとともに、必要に応じ、現地調査を実施する。

(2) まん延防止・駆除対策

現在、本線虫を対象とした実行性の高い防除技術は確立されていないため、早急に、本線虫に対する防除技術の確立を推進する。併せて、発生地域からのまん延防止の徹底を図るとともに、発生ほ場においては、本線虫の密度低減を図る防除を、営農に配慮しつつ、行うこととする。

具体的には、

ア 防除技術の確立

ジャガイモシストセンチュウで効果が確認されている土壌消毒剤について本線虫に対する農薬登録の適用拡大を速やかに行う。

また、土壌消毒、対抗植物を活用した実行性のある防除体系を確立するため、現地における実証試験を実施することとし、土壌消毒などに関して得られた成果については、今秋の収穫後から速やかに普及していくこととする。

イ 既発生地区におけるまん延防止対策

発生ほ場においては、ばれいしょを作付けしないことが科学的には理想であるが、来年度実施する実証試験において防除技術が確立されるまでの間は、農家の経営に配慮しつつ、ばれいしょ以外の作物への転換を要請するとともに、少なくともばれいしょは連作しないよう指導する。また、引き続き、発生地区における機械・車両の洗浄など土の移動防止対策を指導することで、発生地区からのまん延防止の徹底を図る。

さらに、昨年度同様、収穫期において、発生地区からのばれいしょ及びてんさいの移動について、植物防疫官による検査の実施を検討する。

 

(3)今後の駆除対策

お問合せ先

消費・安全局植物防疫課
担当者:国内防除第1班
代表:03-3502-8111(内線4564)
ダイヤルイン:03-3502-5976
FAX:03-3502-3386

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