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農林水産省

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環境保全型農業推進農家の経営分析調査の概要

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 調査の目的

環境保全型農業推進農家の経営分析調査は、稲作の環境保全型農業に取り組んでいる農家の多様な生産・販売等の実態や通常栽培(慣行栽培)との比較による収益性等の経営実態を明らかにすることを目的としている。

 調査の沿革

平成4年6月に農林水産省が示した「新しい食料・農業・農村政策の方向」において、我が国農業全体として環境保全型農業の確立を目指すこととし、平成6年度に省内に環境保全型農業推進本部が設置され、各種施策が総合的に推進されることとなった。

これを受け、稲作で環境保全型農業に取り組んでいる農家の経営収支等を明らかにし、同農業を推進するための普及・指導並びに同農業の持続的・継続的な発展を図るための基礎資料を整備するため、平成10年と平成15年に本調査を実施した。

調査の根拠法令

統計報告調整法(昭和27年法律第148号)第4条第1項に基づく承認統計調査として実施した。

調査の対象

調査対象は、稲作の環境保全型農業に取り組んでいる農家(販売農家)のうち、各栽培形態別に次のとおりとした。

1. 有機栽培

平成15年3月時点において、JAS法に基づく有機JAS生産行程管理者として認定を受けた者であって、有機JAS格付主位部門(販売金額が最も大きかった部門)が水稲の農家

2. 無農薬・無化学肥料栽培

2000年世界農林業センサスにおいて、環境保全型農業に取り組んでいる販売農家(経営耕地面積が30a以上又は農産物販売金額が50万円以上の農家)であって、環境保全型農業を行った作物のうち稲の販売金額が最も多い農家のうち、1の有機栽培の調査対象を除く農家(以下の3~5において同じ。)で、「無農薬・無化学肥料栽培」、「無農薬栽培」、「無化学肥料栽培」及び「減農薬又は減化学肥料栽培」の各栽培形態別作付面積のうち、無農薬・無化学肥料栽培による作付面積が最も大きい農家

3. 無農薬栽培

各栽培形態別作付面積のうち、「無農薬栽培」による作付面積が最も大きい農家

4. 無化学肥料栽培

各栽培形態別作付面積のうち、「無化学肥料栽培」による作付面積が最も大きい農家

5. 減農薬又は減化学肥料栽培

各栽培形態別作付面積のうち、「減農薬栽培」又は「減化学肥料栽培」による作付面積が最も大きい農家

抽出方法

上記5の調査対象農家について、「有機農業」、「無農薬・無化学肥料栽培」、「無農薬栽培」、「無化学肥料栽培」及び「減農薬栽培又は減化学肥料栽培」の各栽培形態ごとに道府県別にリストを作成し、そのリストから栽培形態別に無作為に抽出した。

調査事項

1. 農家の経営概況

2. 環境保全型農業に係る事項

 (1)経営収支
 (2)米の生産及び販売状況
 (3)肥料・農薬の使用状況
 (4)農機具等の整備状況
 (5)作業別労働時間
 (6)上記事項に係る通常栽培との比較
 (7)その他関連事項

このうち、通常栽培に係る経営収支・作業別労働時間については、環境保全型による栽培を行っているほ場において、通常栽培(慣行栽培)を行った場合の経営収支・作業別労働時間について調査を行った。

調査の時期

15 年調査は、平成14年産米の生産及び販売について、平成15年7月に行った。

調査の方法

農林水産省-地方統計組織の系統で、職員が調査票を配布し、調査農家が記入する自計調査の方法及びセンター職員による面接・聞き取り調査の方法を併用して実施した。

集計・推計方法

1. 農家1戸当たりの平均値の算出

 農家1戸当たり平均値の算出式

 

2. 10a当たり平均値の算出

 

        10a当たり平均値の算出式

 

用語の解説 

1. 環境保全型農業

本調査における「環境保全型農業」とは、化学肥料又は農薬の使用を地域の慣行的に行われている栽培より50%以上節減することにより、環境への負荷の軽減を図っているものをいう。

 2. 化学肥料

「化学肥料」とは、化学的な方法によって、無機質原料から製造された肥料をいう。

 3. 農薬

「農薬」とは、農作物等を害する菌、線虫、だに、昆虫、ねずみその他の動植物又はウイルスの防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤その他の薬剤及び農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤その他の薬剤をいい、防除のために利用される天敵も農薬に分類される。

本調査においては、前記のうち、化学的に合成されたものを「化学合成農薬」、それ以外を「非化学合成農薬」とした。

 4. 有機栽培

「有機栽培」とは、JAS法に基づく有機JAS生産工程管理者として認定を受けている栽培をいう。

 5. 無農薬・無化学肥料栽培

「無農薬・無化学肥料栽培」とは、水稲の生産過程(生産者による種子、育苗及び収穫物の調製を含む。)及び前作の収穫後から水稲作付けまでの期間のほ場管理(以下「生産過程等」という。)において、農薬及び化学肥料を使用しない栽培をいう。

 6. 無農薬栽培

「無農薬栽培」とは、生産過程等において、化学肥料は使用しているものの農薬は使用しない栽培をいう。

 7. 無化学肥料栽培

「無化学肥料栽培」とは、生産過程等において、農薬は使用しているものの化学肥料は使用しない栽培をいう。

 8. 減農薬栽培又は減化学肥料栽培

「減農薬又は減化学肥料栽培」とは、次の(1)~(3)の栽培形態をいう。

(1) 減農薬栽培

「減農薬栽培」とは、生産過程等における農薬の使用回数を、地域の慣行的に行われている使用回数の50%以上節減している栽培をいう。(無化学肥料栽培を除く。)

(2) 減化学肥料栽培

「減化学肥料栽培」とは、生産過程等における化学肥料の使用量を、地域の慣行的に行われている使用量の50%以上節減している栽培をいう。(無農薬栽培を除く。)

(3) 減農薬・減化学肥料栽培

「減農薬・減化学肥料栽培」とは、生産過程等における農薬の使用回数を、地域の慣行的に行われている使用回数の50%以上節減している栽培で、なおかつ、化学肥料の使用量を、地域の慣行的に行われている使用量の50%以上節減している栽培をいう。(無農薬・無化学肥料栽培を除く。)

 9. 栽培形態の区分及び対象農家分類表

    栽培形態の区分及び対象農家分類表

 

利用上の注意

(1) 本調査は環境保全型農業(稲作)推進農家について、全国を単位として各栽培形態別に経営分析を行うことを目的に設計した調査である。したがって、本報告書に掲載した農業地域別の統計については、集計戸数が少なく、事例的な値としての性格を有するものであり、利用に当たっては十分注意されたい。

(2) 統計表に使用した記号

統計表に使用した記号は、次のとおりである。

「-」:該当のないもの

「…」:事実不詳又は調査を欠くもの

「0」:単位に満たないもの

「△」:負数又は減少したもの

(3) 実績精度(標準誤差率)

本調査における主な項目の標準誤差率は、以下のとおりである。

表。実績精度(標準誤差率)

利活用事例

環境保全型農業を推進するための普及・指導並びに同農業の持続的・継続的な発展を図るための各種施策の推進、評価等の資料。

お問合せ先

大臣官房統計部経営・構造統計課
担当者:農業組織・集落営農経営統計班
代表:03-3502-8111(内線3638)
ダイヤルイン:03-6744-2243

 

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