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農業組織経営体経営調査の概要 

 調査の目的

農業組織経営体経営調査は、農家以外の農業事業体及び農業サービス事業体(以下「農業組織経営体」という。)における経営収支及び農産物の生産費の実態を明らかにし、農業組織経営体育成等の農業施策の資料を整備することを目的としている。

 

 調査体系

本調査では、農業組織経営体の経営収支の状況を把握する経営統計及び農産物の生産費を把握する生産費統計を作成している。
平成14年(産)調査から調査体系の見直しを行った。食料・農業・農村基本計画においては、農業生産に関する課題として、麦及び大豆について生産組織や担い手の生産規模の拡大、作付地の団地化、合理的な作付体系の確立等により、生産の安定化・多収化及び生産コストの3割程度の低減を通じ、国内産の麦及び大豆の需要を拡大するとともに、生産の大幅な増大を図るとしている。このため、麦及び大豆に係る生産性向上に向けた生産対策、育成すべき経営体の経営安定に関する各施策のより的確な実施等に資する必要があり、米に加えて麦及び大豆の生産に取り組んでいる農業組織経営体についての経営動向の実態把握を強化するため、調査体系の見直し、調査の重点化を図った。
調査体系の見直しの概要については、次のとおりである。

  1.  経営統計においては、13年調査までは稲作、麦類作、雑穀・いも類・豆類作、工芸農作物の各部門の農家以外の農業事業体、及び水稲作全作業受託を行う農業サービス事業体を調査対象としていたが、14年調査から稲作、麦類作、大豆作の各部門の農家以外の農業事業体を調査対象とし、農業サービス事業体に係る調査については廃止した。
  2. 生産費統計においては、農家以外の農業事業体については、13年産調査までは米、小麦、大豆を作付けしている農家以外の農業事業体のうち、協業経営体を対象としていたが、14年産調査から米、小麦(又は六条大麦)、大豆を作付けしている農家以外の農業事業体を調査対象とした。
    また、農業サービス事業体については、13年産調査までは米について全作業受託組織及び部分作業受託組織を対象としていたが、14年産調査から米、小麦、大豆について全作業受託組織を調査対象とし、部分作業受託組織に係る調査については廃止した。

注:1 農家以外の農業事業体とは、経営耕地面積が10a以上あるもの又は経営耕地面積がそれ未満であっても、調査開始日前1年間の農産物販売金額が15万円以上あるもので、世帯(農家)以外のものをいう。また、協業経営体とは、複数の世帯が一定の協定に基づき組織化し、生産、販売及び収支決算を共同で行い、収益を分配しているものをいう。

注:2 農業サービス事業体とは、農業事業体(農家及び農家以外の農業事業体)から委託を受けて農作業を行う事業所をいう。また、受託組織とは、複数の農家が組織化し、組織内又は組織外の農作業を担うが、生産物はすべて個別農家に帰属するもの(共同利用・栽培協定組織を含む。)をいい、これを主要な作業の全部を受託しているもの(全作業受託組織)と部分作業を受託しているもの(部分作業受託組織)とに区分した。

 

農業組織経営体経営調査の体系

 

 

 調査の対象

1.  調査の対象

全国の農家以外の農業事業体(販売目的)及び農業サービス事業体のうち以下の条件にあてはまるものとする。

(1) 経営統計(農家以外の農業事業体)

ア 稲作〔稲作販売金額1位かつ経営耕地面積10ha以上〕

イ 麦類作〔麦類の作付があり、かつ経営耕地面積5ha以上〕

ウ 大豆作〔大豆の作付があり、かつ経営耕地面積3ha以上〕

(2) 生産費統計

ア農家以外の農業事業体

(ア) 米〔水稲作付面積5ha以上〕

(イ) 小麦(又は六条大麦)〔小麦(又は六条大麦)作付面積3ha以上〕

(ウ) 大豆〔大豆作付面積3ha以上〕

イ 農業サービス事業体

(ア) 米〔水稲作全作業受託を行うサービス事業体〕

(イ) 小麦〔小麦作全作業受託を行うサービス事業体〕

(ウ) 大豆〔大豆作全作業受託を行うサービス事業体〕

2.  全国の標本数及び規模別標本数の配分

(1) 経営統計

全国の標本数を、「稲作」は法人格を有する組織(以下「組織(法人)」という。)75組織、非法人の任意組合(以下「組織(任意)」という。)45組織、「麦類作」は組織(法人)27組織、組織(任意)53組織、「大豆作」は組織(法人)24組織、組織(任意)26組織とした。これを2000年世界農林業センサス(以下「2000年センサス」という。)結果による農家以外の農業事業体の経営耕地面積規模別組織数を基に、原則として比例配分により経営耕地面積規模別に配分した。

(2) 生産費統計

ア 農家以外の農業事業体

全国の標本数を米80組織、小麦43組織、六条大麦7組織、大豆50組織とし、2000年センサス結果による農家以外の農業事業体の対象作物作付面積規模別組織数を基に、原則として比例配分により対象作物作付面積規模別に配分した。

イ 農業サービス事業体

全国の標本数を米40組織、小麦28組織、大豆30組織とし、2000年センサス結果による農業サービス事業体のうち、対象作物の全作業受託を行うサービス事業体の対象作物作付面積規模別組織数を基に、原則として比例配分により対象作物作付面積規模別に配分した。

3.  取りまとめセンター等別標本数の配分

(1) 経営統計

2.の(1)で配分した全国の経営耕地面積規模別標本数を、地方農政局取りまとめ統計情報センター等(地方農政局が所在する府県にあっては地方農政局、北海道にあっては北海道統計・情報事務所及び北海道取りまとめ統計・情報センター、沖縄県にあっては沖縄総合事務局。以下「取りまとめセンター等」という。)別に原則として2000年センサスによる経営耕地面積規模別組織数に比例して配分した。

(2) 生産費統計

2.の(2)で配分した全国の対象作物作付面積規模別標本数を、取りまとめセンター等別に原則として2000年センサスによる対象作物作付面積規模別組織数に比例して配分した。

4.  調査組織の抽出方法

2000年センサス結果において調査対象に該当した組織を、経営統計においては取りまとめセンター等別経営耕地面積規模別に経営耕地面積規模の大きいものから順に、また、生産費統計においては取りまとめセンター等別対象作物作付面積規模別に対象作物作付面積規模の大きいものから順に配列したリストを作成し、同一規模階層に属する組織を上記3.で定めた規模別標本数で除して等分し、等分した各区分から1組織を無作為に抽出した。
また、複数の統計の調査対象に該当する組織のうちの一部について、同一組織を複数の統計の調査組織として共用した。共用は、経営統計の複数の調査部門の共用、生産費統計の複数の調査作物の共用の他、経営統計と生産費統計の両方の共用も行った。

 

 調査事項

1. 経営統計

(1) 法人

ア 経営の概況……………………構成農家数、経営耕地面積、農業投下労働時間等

イ 財産の状況(貸借対照表)……資産、負債、資本

ウ 損益の状況(損益計算書)……農業・農外・事業外収入及び費用

エ 投資と資金……………………期中投資額・資金調達等

(2) 任意

ア 経営の概況……………………構成農家数、経営耕地面積、農業投下労働時間等

イ 農業経営等収支………………農業・農外収入及び費用

2.  生産費統計

(1) 生産の概要・経営の概況……構成農家数、経営耕地面積、作付実面積等

(2) 生産費………………………生産活動を維持・継続するために投入した費目別の費用

 

 調査の時期

1.経営統計

調査年1月から12月までの1年間である。

2.生産費統計

(1)米及び大豆生産費統計は、調査年1月から12月までの1年間である。

(2)麦類生産費統計は、調査年9月から翌年8月までの1年間である。

 

 調査の方法

農家を対象とした農業経営統計調査生産費統計に準じ、調査組織の代表者による所定の調査簿への記帳(自計申告)とセンター(注)職員の面接による聞き取り調査を併用した。
注:センターとは地方農政局統計・情報センター(地方農政局取りまとめ統計・情報センターを除く。)、北海道統計・情報事務所統計・情報センター(北海道取りまとめセンターを除く。)、沖縄総合事務局統計・情報センター及び取りまとめセンター等の地域課をいう。

 

 集計・推計方法

調査結果の取りまとめと統計表の編成

1. 調査結果の取りまとめ方法 

(1) 経営統計

ア 取りまとめ時期

調査期間である平成15年1月から12月までの1年間の経営収支状況が分かる決算資料や財務諸表等(貸借対照表、損益計算書等)が整備される決算期とした。

イ 対象組織の範囲

調査の途中で何らかの事由によって調査を中止した組織及び経営耕地面積が調査の下限基準を下回るなど調査対象に合致しなかった組織を集計から除いた。
なお、平成15年調査の対象組織数は、「稲作」は組織(法人)では調査組織75組織のうち73組織、組織(任意)では同45組織のうち42組織、「麦類作」は組織(法人)では調査組織27組織のうち25組織、組織(任意)では調査組織53組織全て、「大豆作」は組織(法人)では同24組織のうち22組織、組織(任意)では調査組織26組織全てが該当した。

ウ 1組織当たり平均値の算出方法

平均値は各調査組織について取りまとめた個別の結果(様式は巻末の「個別結果表」に示すとおり)を用いて、全国、全国農業地域別及び規模階層別の集計対象とする区分別に次のように算出した。

1組織当たり平均値の算出方法

 

ウエイトは、取りまとめセンター等別経営耕地面積規模別に抽出時における調査組織数をセンサス結果による対象組織数(調査組織の抽出がない階層分は隣接する調査組織の抽出がある階層に加算)で除した値(標本抽出率)の逆数とし、調査組織別に定めた。

エ 農業経営費の取り扱い

会計処理法等が異なる組織(法人)と組織(任意)並びに農家を対象とした農業経営統計調査部門別統計との比較ができるように、農業経営費について次のとおり取りまとめた。

(ア)算出の概念図

経営統計では、組織(法人)及び組織(任意)の調査結果を個別経営(農家)と比較できるよう、次の概念で取りまとめている。

 

算出の概念図

 (イ)組織(法人)

当該会計上の農業費用から、構成員に支払われた農産物生産に関わる労務費、事務に関わる給与、地代及び負債利子を除外して農業経営費とした。

(ウ)組織(任意)

利益金の内部留保となる減価償却費の積立が認められていないため、償却計算を行っていないのが通例であることから、本調査では、当該会計上の農業費用に別途把握した減価償却費の農業負担分を加えて農業経営費とした。

オ 分析指標等の算出

統計表の表側項目における分析指標等の算出方法は次式のとおりである。

分析指標等の算出

 

(2) 生産費統計

ア 生産費の計算期間と計算範囲

計算期間は、調査作物の生産を始めてから収穫、調製が終了するまでの期間とし、計算範囲は、その間の総費用とした。
なお、流通段階の諸経費(販売費、包装費、搬出費等)は、生産費計算の対象としない。

イ 生産費計算の対象組織の範囲

調査結果の集計は、農家以外の農業事業体及び全作業受託組織ともに調査の途中で何らかの事由によって調査を中止した組織及び作付面積が調査の下限基準を下回るなど調査対象に合致しなかった組織を集計から除いた。収穫が皆無であった組織、さらに米については、平年作に対する調査年の収量の増減が20%以上であった組織、麦類及び大豆については、平年作に対する調査年の収量の増減が70%以上であった組織を集計から除いた。
なお、平成15年産の各調査の対象組織数は、「米生産費」は農家以外の農業事業体では調査組織80組織のうち61組織、全作業受託組織では同40組織のうち34組織、「麦類生産費」は農家以外の農業事業体では同43組織のうち40組織、全作業受託組織では同28組織のうち21組織、「六条大麦生産費」は農家以外の農業事業体では同7組織全て、「大豆生産費」は農家以外の農業事業体では同50組織のうち46組織、全作業受託組織では同30組織のうち23組織が該当した。

ウ 平均値の算出方法

平均値は各調査組織について取りまとめた個別の結果(様式は巻末の「個別結果表」に示すとおり)を用いて、全国、全国農業地域別及び規模階層別の集計対象とする区分別に次のように算出した。

(ア)1組織当たり平均値の算出

米生産費、麦類生産費及び大豆生産費は次の算式により平均値を算出した。

1組織当たり平均値の算出

ウエイトは米生産費、麦類生産費及び大豆生産費については、取りまとめセンター等別作付面積規模別に抽出時における調査組織数をセンサス結果による対象組織数(調査組織の抽出がない階層分は隣接する調査組織の抽出がある階層に加算)で除した値(標本抽出率)の逆数とし、調査組織別に定めた。
六条大麦生産費は単純平均値を算出した。

(イ)計算単位当たり生産費の算出

計算単位当たり生産費の算出

計算単位は主産物計算単位及び作付面積10aの2通りとしそれぞれについて計算単位当たり生産費を算出した。

(ウ)計算単位

各作物別の主産物単位当たり生産費における計算単位は、次のとおりである。

計算単位

エ 収益性指標(所得及び構成員労働報酬)の計算

収益性指標は、本来は組織の経営全体の成果を計算し求めるべき性格のものであるが、ここでは、調査作物と他作物との収益性を比較する指標として該当作物部門についてのみ取りまとめているので、利用に当たっては十分留意されたい。

(ア)所得

生産費総額から構成員労働費、自己資本利子及び自作地地代を控除した額を粗収益から差し引いたものである。
所得=粗収益-〔生産費総額-(構成員労働費+自己資本利子+自作地地代)〕
ただし、生産費総額=費用合計+支払利子+支払地代+自己資本利子+自作地地代

(イ)1日当たり所得

所得を構成員労働時間で除し、これに8(1日を8時間とみなす。)を乗じて算出したものである。
1日当たり所得=所得÷構成員労働時間×8(1日換算)

(ウ)構成員労働報酬

生産費総額から構成員労働費を控除した額を粗収益から差し引いたものである。
構成員労働報酬=粗収益-(生産費総額-構成員労働費)

(エ) 1日当たり構成員労働報酬

構成員労働報酬を構成員労働時間で除し、これに8(1日を8時間とみなす。)を乗じて算出したものである。
1日当たり構成員労働報酬=構成員労働報酬÷構成員労働時間×8(1日換算)

(オ) (参考)奨励金を加えた場合

調査作物の生産・販売に係る奨励金を主産物価額に含めた場合の収益性を参考として算出した。

  

 用語の解説

1. 経営統計

(1)  組織の構成員

ア 組織(法人)の場合

 組織(法人)の構成員とは、法人への個人出資者のことである。また、出資者の世帯員が組織の事業に従事している場合には出資名義者のみを構成員とした。

イ 組織(任意)の場合

組織(任意)の場合は、基本的に世帯(農家)が構成単位となっており、また出資制を採っているケースも少ないことから、当該組織の事業に従事する構成世帯員はすべて構成員とした。

(2) 専従換算農業従事者数

組織の農業部門及び調査部門において投下された構成員及び雇用者の農業労働時間を2,000時間(8時間×250日)で除して算出した。

(3) 構成農家の主副業別区分

組織を構成する農家の主副業については、以下により区分した。

構成農家の主副業別区分 

(4) 経営耕地団地数

組織が作業単位としている地続きの耕地を1団地とした団地数である。

(5) 減価償却費

組織経営体の所有する施設・機械等の減価償却費については、国又は都道府県等の補助金を取得価額から控除して計算した償却額を減価償却費として計上したが、この場合、実際に投入された補助金は回収されないため、その分だけ利益を生じることとなる。このため、補助金を圧縮しなかった場合の経営成績についても把握できるよう、参考として「圧縮計算しなかった場合の減価償却費」についても計上した。

(6) 構成員帰属分(分配金)

組織(任意)の場合には、利益金の内部留保となる減価償却費の積立が認められないため、経営体収入から減価償却費を含めない費用を控除して計算した額を「構成員帰属分(構成員分配金)」として算出した。

2.  生産費統計

(1) 農産物生産費の概念

農産物生産費調査において「生産費」とは、農産物の一定単位量の生産のために消費した経済費用の合計をいう。ここでいう費用の合計とは、具体的には、農産物の生産に要した材料(種苗、肥料、農業薬剤、光熱動力、その他の諸材料)、土地改良及び水利費、賃借料及び料金、物件税及び公課諸負担、労働費(雇用・構成員(生産管理労働を含む。))、固定資産(建物、構築物、農機具、生産管理機器)の財貨及び用役の合計をいう。

(2) 主な約束事項

ア 生産費の種別(生産費調査においては、「生産費」を次の3種類に区分する。)

(ア) 「生産費(副産物価額差引)」

調査作物の生産に要した費用合計から副産物価額を控除したもの。

(イ) 「支払利子・地代算入生産費」

「生産費(副産物価額差引)」に支払利子及び支払地代を加えたもの。

(ウ) 「資本利子・地代全額算入生産費」

「支払利子・地代算入生産費」に自己資本利子及び自作地地代を擬制的に計算して算入したもの。

イ 物財費

調査作物を生産するために消費した流動財費(種苗費、肥料費、農業薬剤費、光熱動力費、その他の諸材料費等)と固定財(建物、農機具、生産管理機器の償却資産)の減価償却費の合計である。

(ア) 自給物の評価

自給物は、農業組織経営体においては、農家に比べ組織としての自給生産の比重が低く、むしろ構成員が組織に対して生産資材を提供することの方が多いことから、すべて市価評価を行い計上した。
建物修繕、農機具修繕及び農機具補充の自給については、その生産・修繕に用いた自給材料を生産費の該当費目に計上し、それに関わる労働時間は、間接労働時間として労働費に評価計上した。

(イ) 償却資産の評価

建物、農機具、生産管理機器のうち取得価額が10万円以上のものを償却資産として取扱い、減価償却計算を行った。償却計算の方法は「定額法」とするが、10万円以上20万円未満の資産については、3年間で均一に償却することとした。
なお、作物間の費用の配分(負担分)については、建物は使用延べ面積の作物割合、農機具と生産管理機器は、使用時間の作物割合によった。
また、償却資産の更新、廃棄等に伴う処分差損益は、その調査作物の負担分を減価償却費に計上した。

ウ  労働費

調査作物の生産のために投下された構成員労働の評価額と雇用労働に対する支払額の合計である。

(ア) 構成員労働の評価

調査作物の生産のために投下した構成員労働については、「毎月勤労統計調査」(厚生労働省)の建設業、製造業、運輸・通信業に属する5~29人規模の事業所における賃金データ(都道府県単位)を基に算出した単価を投下労働時間に乗じて計算したものである。
なお、平成10年産の生産費統計から、それまでの男女別評価から男女同一評価(当該地域で男女を問わず実際に支払われた平均賃金による評価)に改正した。

(イ) 労働時間

労働時間は、直接労働時間と間接労働時間に区分した。
直接労働時間は、食事・休憩などの時間を除いた調査作物の生産に直接投下された労働時間(生産管理労働時間を含む。)であり、間接労働時間は、建物や農機具の自己修繕等に要した労働時間の調査作物の負担部分である。
なお、次に示す時間は、直接労働時間としてそれぞれの作業に含めた。

a 庭先における農機具の調整及び取付け時間、住居からほ場までの往復時間。

b 調査期間外の労働(例えば、秋の田起こしなど)で、調査作物の作付けを目的とする投下労働時間。

c ごく小規模な災害復旧作業時間。

d 簡易な農道の改修作業時間。

エ 費用合計

調査作物を生産するために消費した物財費と労働費の合計である。

オ 副産物価額

副産物とは主産物(生産費集計対象)の生産過程で主産物と必然的に結合して生産される生産物である。生産費調査においては、主産物生産に要した費用のみとするため、副産物を市価で評価(副産物価額をもって、副産物の生産に要した費用とみなす。)し費用合計から差し引くこととしている。

カ 資本額と資本利子

(ア) 資本額

a 流動資本

「種苗費、肥料費、農業薬剤費、光熱動力費、その他の諸材料費、土地改良及び水利費、賃借料及び料金、物件税及び公課諸負担、建物修繕費及び購入補充費、農機具修繕費及び購入補充費、生産管理費」の合計に1月2日(平均資本凍結期間6か月)を乗じたものを流動資本としている。平均資本凍結期間を6か月としているのは、農作物の生産に当たって投下される個々の資産はすべて生産開始時に投下されるものではなく、生産過程の中で必要に応じて投下されるものである。流動資本については生産過程における資本投下がほぼ平均的であることから、資本投下から生産完了までの平均期間が全体では1月2日年間であるとみなしていることによる。

b 労賃資本

「構成員労働費」と「雇用労働費」の合計に1月2日(平均資本凍結期間6か月)を乗じたものを労賃資本としている。

c 固定資本

「建物及び構築物、農機具、生産管理機器」の調査作物の負担部分現在価を固定資本としている。負担部分現在価は、調査開始時現在価に調査作物の負担割合を乗じて算出した。負担割合は、建物では調査期間中の総使用量(総使用面積×使用日数)から調査作物の使用量(使用面積×使用日数)割合により、農機具では調査期間中の総使用時間から調査農作物の使用時間割合により算出した。

(イ) 資本利子

a 自己資本利子

総資本額から借入資本額を差し引いた自己資本額に年利率4%を乗じて計算した。

b 支払利子

調査期間内に支払った調査作物の負担部分の支払利子額を計上した。

キ 地代

(ア) 自作地地代

自作地については、構成員が組織に提供(貸付も含む。)した作付地及び組織所有の作付地であり、その評価については、近傍類地(調査対象作物の作付地と地力等が類似している作付地)の小作料による。また、調査作物の作付地以外の土地で調査作物に利用される所有地(例えば、建物敷地など)については、同様に類地賃借料によって計上した。
なお、転作田については、転作田の類地小作料により評価した。

(イ) 支払地代

支払地代は、実際の支払額による。調査作物の負担率は、一筆ごとに調査期間内における作物別の粗収益又は調査作物の占有面積の割合により負担率を算出し、これを支払地代総額に乗じて負担地代を求めた。

(3) 全作業受託組織の収益概念

全作業受託組織については、収穫物の帰属が委託者(委託農家)にあることから、全ての販売金額が把握できない場合がある。
この場合、調査対象作物の主産物生産数量(収穫量)を基に、主産物、副産物の販売数量を推計し、類似する品種、品質の市価評価を用いて販売金額を算出した。

 

 

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ダイヤルイン:03-6744-2243

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