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農産物生産費統計の概要

調査の目的

農産物生産費統計は、米、小麦、二条大麦、六条大麦、はだか麦、大豆、原料用かんしょ、原料用ばれいしょ、てんさい、さとうきび、なたね及びそばの生産費の実態を明らかにし、農政(経営所得安定対策、生産対策、経営改善対策等)の資料を整備することを目的としている。

調査の沿革

  1. 米生産費統計
    米生産費統計調査は大正10年の米穀法の制定を契機として、大正11年から帝国農会により開始された。その後、農林省米穀局において昭和7年から米生産費調査が実施され、昭和8年米穀統制法の施行に伴って米価安定のための政府買入価格である「最低米価」の算定資料を得ることを目的として実施された。
    その後、食糧管理局(現、農林水産省政策統括官)において調査を実施してきたが、昭和23年には農林省統計調査局(現、農林水産省大臣官房統計部)に移管されて各種農産物の生産費調査と統一的に実施されることとなった。
    統計調査局では、米生産費調査について昭和24年から調査体系及び調査方法の抜本的な改正と調査農家数を拡充し、また昭和35年からは生産者米価の算定に「生産費及び所得補償方式」が採用されたことに伴う調査規模の拡充を行うとともに、これを機に統計法(昭和22年法律第18号)に基づく指定統計第100号(昭和35年4月1日付け行政管理庁告示第23号)に指定され、米生産費統計調査規則(昭和35年農林省令第13号)に基づき実施されることになった。
    その後は昭和51年には家族労働の評価基準を、昭和61年には集計対象農家の下限基準を改定するなど、稲作をめぐる情勢の変化に対応するよう見直されてきた。さらに、平成2年から3年にかけて農産物生産費調査の見直し検討を行い、その検討結果を踏まえ、平成3年には農業及び農業経営の著しい変化に対応できるよう調査項目の一部改正を行った。
    平成6年には、水稲作生産技術の平準化を踏まえて集計対象の改定を行うとともに、農業経営の実態把握に重点を置き、多面的な統計作成が可能な調査体系とすることを目的に、従来、別体系で実施していた農家経済調査と農畜産物繭生産費調査を統合し「農業経営統計調査」(指定統計第119号)として、農業経営統計調査規則(平成6年農林水産省令第42号)に基づき実施されることとなった。
    平成7年から農業経営統計調査の下「米生産費統計」として取りまとめることとなり、同時に間接労働の取扱い等の改定を行い、また平成10年から家族労働費について、それまでの男女別評価から男女同一評価(当該地域で男女を問わず実際に支払われた平均賃金による評価)に改正が行われた。
    平成16年には、食料農業農村基本計画等の新たな施策の展開に応えるため農業経営統計調査を、営農類型別地域別に経営実態を把握する営農類型別経営統計に編成する調査体系の再編整備等の所要の見直しを行った。
    これに伴って米生産費統計についても、平成16年産より農家の農業経営全体の農業収支、自家農業投下労働時間の把握の取りやめ、自動車費を農機具費から分離表章する等の一部改正を行った。
    平成19年産から平成19年度税制改正における減価償却計算の見直しを行った。
    また、平成21年産に平成20年度税制改正における減価償却計算の見直しを行った。

  2. 小麦生産費統計
    麦類の生産費調査は古くから帝国農会によって行われていたが、農林省では昭和7年に小麦増殖奨励5か年計画事業の一環として府県農務課を通じて麦類生産費調査を初めて実施した。
    その後、昭和15年から農林省が帝国農会に「麦生産費調査」を委嘱して実施したが、昭和17年に米穀統制法に代わって食糧管理法が施行され、食糧管理局によって麦類(大麦、裸麦、小麦)の生産費調査が実施されることとなった。そのため、農林省の帝国農会に対する委嘱調査は中止されたが、帝国農会では昭和17年から独自の立場で同じ方法による調査を継続実施した。昭和23年には食糧管理局の麦類生産費調査が統計調査局に移管され、併せて帝国農会の調査も各種農産物の生産費調査とともに農林省統計調査局に移管された。
    統計調査局は昭和24年から調査方法等を理論的に整備統一し改正を加えた上、上記麦類について調査を実施した。その後、麦の政府買入価格算定の資料とするため、昭和28年から調査対象を全国に拡充して実施することとなった。
    その後は昭和63年から平成元年にかけ小麦の調査対象を拡充するなど、麦作をめぐる情勢の変化に対応し見直しを加えながら調査を実施し、平成3年に米生産費統計調査と同様に農産物生産費調査の見直し検討を行い、調査項目の一部改正を行った。平成6年には、「農業経営統計調査」として農業経営統計調査規則に基づき実施されることとなり、麦類生産費についても、平成7年から新たな調査体系の下で「麦類生産費統計」として取りまとめることとなり、同時に間接労働の取扱い等の改定を行い、また平成10年から家族労働費についてそれまでの男女別評価から男女同一評価に改正が行われた。
    平成16年には、農業経営統計調査の再編・整備を行い、米生産費統計と同様に平成16年産から、農家の農業経営全体の農業収支、自家農業投下労働時間等の把握を取りやめ、平成17年産から六条大麦、裸麦及びビール大麦の生産費の廃止、小麦生産費については自動車費を農機具費から分離・表章する等の一部改正を行った。
    平成19年産から平成19年度税制改正における減価償却費計算の見直しを行った。
    また、平成22年産に平成20年度税制改正における減価償却計算の見直しを行った。

  3. 二条大麦、六条大麦及びはだか麦生産費統計
    平成22年から、農業者戸別所得補償制度の推進に必要な資料を整備するため、「なたね、そば等生産費調査」(一般統計調査)を新設し、二条大麦、六条大麦及びはだか麦の生産費について、平成21年産は遡及して調査・把握を行った。
    また、平成22年産に平成20年度税制改正における減価償却計算の見直しを行った。
    なお、平成24年から、一般統計調査として実施していた「なたね、そば等生産費調査」を、基幹統計調査の「農業経営統計調査」に統合し、実施している。

  4. 工芸農作物等生産費統計
    (1) 昭和8年に帝国農会の指導の下、経営改善資料として全国道府県農会において、「主要農作物経済調査」として工芸作物等の農作物を含めた生産費調査が開始された。
    昭和12年には、かんしょ及びばれいしょがアルコールの原料として配給統制と価格公定されたのを契機に農林省農務局による生産費調査が開始されたが、昭和18年に後述の「主要農産物生産費調査」に統合された。
    昭和14年には戦時経済の進行に伴い、物価上昇を抑制することを目的に「価格統制令」が公布され公定価格設定に生産費を基準とすることになり、翌15年から帝国農会において農林省委託の「主要農産物生産費調査」が開始され、昭和23年まで実施された。
    なお、昭和23年に農林省統計調査局(現、農林水産省大臣官房統計部)に移管されたが、調査は継続され集計を統計調査局で行い、昭和24年から統計調査局において調査機構の整備と各種の生産費の調査方式の併存から、これらを一元的に統合し「重要農産物生産費調査」として実施することとなった。昭和42年からこの名称を廃止し、「工芸農作物等の生産費調査」と呼称した。
    その後、「農産物価格安定法」等の制定、政策上の要請の変化等により、調査項目、標本数等に所要の変更を加え調査を実施してきた。更に、平成2年から3年にかけて農産物生産費調査の見直し検討を行い、その検討結果を踏まえ、平成3年には農業及び農業経営の著しい変化に対応できるよう調査項目の一部改正を行った。
    平成6年には、農業経営の実態把握に重点を置き、農業経営収支と生産費の相互関係を明らかにするなど多面的な統計作成が可能な調査体系とすることを目的に、従来、別体系で実施していた農家経済調査と農畜産物繭生産費調査を統合し「農業経営統計調査」(指定統計第119号)として、農業経営統計調査規則(平成6年農林水産省令第42号)に基づき実施されることとなった。
    平成7年から農業経営統計調査の下「いも・豆類、工芸農作物生産費統計」として取りまとめることとなり、同時に間接労働の取扱い等の改正を行い、また、平成10年から家族労働費について、それまでの男女別評価から男女同一評価(当該地域で男女を問わず実際に支払われた平均賃金による評価)に改正が行われた。
    平成16年には、食料・農業・農村基本計画等の新たな施策の展開に応えるため農業経営統計調査を、営農類型別・地域別に経営実態を把握する営農類型別経営統計に編成する調査体系の再編・整備等の所要の見直しを行った。
    これに伴って、いも・豆類、工芸農作物生産費統計についても、平成16年産から農家の農業経営全体の農業収支、自家農業投下労働時間の把握を取りやめ、自動車費を農機具費から分離・表章する等の一部改正を行った。
    なお、価格安定対象作物以外の工芸農作物等(小豆、いんげん、らっかせい、こんにゃくいも及び茶)の生産費統計及び畳表の経営収支は、平成15年をもって調査を終了し、平成16年から「品目別経営統計」に移行し、調査・把握を行うこととなった。(「品目別経営統計」については平成19年の調査をもって終了した。)
    平成19年産から平成19年度税制改正における減価償却計算の見直しを行った。
    また、平成21年産に平成20年度税制改正における減価償却計算の見直しを行った。

    (2) 平成22年から、農業者戸別所得補償制度の推進に必要な資料を整備するため、「なたね、そば等生産費調査」(一般統計調査)を新設し、なたね及びそばの生産費について、平成21年産は遡及して調査・把握を行った。
    また、そばは平成21年産、なたねは平成22年産に平成20年度税制改正における減価償却計算の見直しを行った。
    なお、平成24年から、一般統計調査として実施していた「なたね、そば等生産費調査」を、基幹統計調査の「農業経営統計調査」に統合し、実施している。 

調査の根拠法令

調査は、統計法(平成19年法律第53号)第9条第1項に基づく総務大臣の承認を受けて実施した基幹統計調査である。

 調査の体系

調査の体系は次のとおりである。

調査体系 

 調査の対象

本調査における調査の対象は次のとおりである。

米生産費:水稲を作付けし、玄米を600kg以上販売する経営体
小麦生産費:小麦を10a以上作付けし、販売する経営体
二条大麦生産費:二条大麦を10a以上作付けし、販売する経営体
六条大麦生産費:六条大麦を10a以上作付けし、販売する経営体
はだか麦生産費:はだか麦を10a以上作付けし、販売する経営体
大豆生産費:大豆を10a以上作付けし、販売する経営体
原料用かんしょ生産費:原料用かんしょを10a以上作付けし、販売する経営体
原料用ばれいしょ生産費:原料用ばれいしょを10a以上作付けし、販売する経営体
てんさい生産費:てんさいを10a以上作付けし、販売する経営体
さとうきび生産費:さとうきびを10a以上作付けし、販売する経営体
なたね生産費:なたねを5a以上作付けし、販売する経営体
そば生産費:そばを5a以上作付けし、販売する経営体

なお、「経営体」とは、2010年世界農林業センサスの農業経営体のうち、世帯により農業経営を行い、農作業の受託事業のみを行う農業経営体を除く経営体のことである。

抽出(選定)方法

  1. 米生産費統計
    ア 全国の標本数及び作付規模別標本配分
    北海道平均の米60kg当たり資本利子・地代全額算入生産費(以下「全算入生産費」という。)の標準誤差率2.0%、都府県平均の60kg当たり全算入生産費の標準誤差率1.0%を目標精度に設定し、それぞれの標本数を計算し(現行の調査における全国の標本数は1,034経営体)、2010年世界農林業センサスによる全国水稲作付規模別米販売経営体数を基に、最適配分により作付規模別に標本数を配分した。

    イ 都道府県別の標本配分
    全国の作付規模別標本数を、都道府県別に、2010年世界農林業センサスによる水稲作付規模別米販売経営体数に応じて比例配分した。

    ウ 調査対象経営体の抽出
    2010年世界農林業センサスにおける米販売経営体について、都道府県別水稲作付規模別に水稲作付規模により昇順に配列したリストを作成し、同一規模階層に属する経営体を上記イで定めた作付規模別標本数で除して等分し、等分した各区分から1経営体を無作為に抽出した。

  2. 小麦生産費統計
    ア 全国の標本数及び作付規模別標本配分
    北海道平均の小麦60kg当たり全算入生産費の標準誤差率3.0%、都府県の平均の60kg当たり全算入生産費の標準誤差率2.5%を目標精度に設定し、それぞれの標本数を計算し(現行の調査における全国の標本数は554経営体)、2010年世界農林業センサスによる全国小麦作付規模別小麦販売経営体数を基に、最適配分により作付規模別に標本数を配分した。

    イ 都道府県別の標本配分
    全国の作付規模別標本数を、都道府県別に2010年世界農林業センサスによる小麦作付規模別小麦販売経営体数に応じて比例配分した後、さらに、田作畑作別の経営体数に応じて田作畑作別に比例配分した。
    なお、小麦作付面積に占める田作畑作別面積は、割合50%を境として分けた。

    ウ 調査対象経営体の抽出
    2010年世界農林業センサスにおける小麦販売経営体について、都道府県別小麦作付規模別に小麦作付規模により昇順に配列したリストを作成し、田作畑作別に同一規模階層に属する経営体を上記イで定めた作付規模別標本数で除して等分し、等分した各区分から1経営体を無作為に抽出した。

  3. 二条大麦、六条大麦及びはだか麦生産費統計
    ア 全国の標本数及び作付規模別標本配分
    全国平均の調査対象麦計算単位当たり(二条大麦及び六条大麦:50kg、はだか麦:60kg)全算入生産費の標準誤差率を二条大麦は6.0%、六条大麦及びはだか麦は8.0%を目標精度に設定し、それぞれの標本数を計算し(現行の調査における全国の標本数は、二条大麦生産費は75経営体、六条大麦生産費は48経営体、はだか麦生産費は40経営体)、2010年世界農林業センサスを基に情報収集した結果による全国作付規模別販売経営体数を基に、最適配分により作付規模別に標本数を配分した。

    イ 都道府県別の標本配分
    全国の作付規模別標本数を、都道府県別に、2010年世界農林業センサスを基に情報収集した結果による二条大麦、六条大麦及びはだか麦作付規模別販売経営体数に応じて比例配分した。

    ウ 調査対象経営体の抽出
    2010年世界農林業センサスを基に情報収集した結果における販売経営体について、都道府県別作付規模別に調査該当麦作付規模により昇順に配列したリストを作成し、同一規模階層に属する経営体を上記イで定めた作付規模別標本数で除して等分し、等分した各区分から1経営体を無作為に抽出した。

  4. 工芸農作物等生産費統計
    ア 全国の標本数及び作付規模別標本配分
    対象作物計算単位当たり全算入生産費について、目標精度を設定して標本数を計算し、2010年世界農林業センサスによる全国の対象作物作付規模別販売経営体数を基に、得られた標本数を作付規模別に最適配分した。

    【表 工芸農作物等生産費統計の目標精度と標本数】

    区分

    イ 都道府県別の標本配分
    上記アで配分した対象作物作付規模別標本数を、2010年世界農林業センサスによる対象作物作付規模別販売経営体数に応じて比例配分した。この結果、原料用かんしょ生産費統計の標本は全て鹿児島県、原料用ばれいしょ生産費統計及びてんさい生産費統計の標本は全て北海道、さとうきび生産費統計の標本は全て鹿児島県・沖縄県へ配分した。
    なお、大豆生産費統計については都道府県別に配分した標本数を、田作畑作別の経営体数に応じて、さらに田作畑作別に比例配分した。また、大豆作付面積に占める田作畑作別面積は、割合50%を境として分けた。

    ウ 調査対象経営体の抽出
    2010年世界農林業センサスによる対象作物販売経営体について、都道府県別対象作物の作付規模別に対象作物作付規模により昇順に配列したリストを作成し、同一規模階層に属する経営体を上記イで定めた標本数で除して等分し、等分した各区分から1経営体を無作為に抽出した。 

調査事項

  1. 調査作物の生産活動を維持・継続するために投入した費目別の費用、労働時間、品目別原単位量(調査作物を生産するのに要した肥料等生産資材の消費数量等の物量。ただし、二条大麦、六条大麦、はだか麦、なたね及びそばを除く。)、主産物及び副産物の収穫量と価額

  2. 農業就業者数、経営耕地面積、作付実面積、投下資本額、農機具の所有台数等

調査の時期

調査期間は以下の1年間である。

  1. 米、大豆、原料用かんしょ、原料用ばれいしょ、てんさい、そば :  当年1月1日~当年12月31日
  2. 小麦、二条大麦、六条大麦、はだか麦及びなたね :  前年9月1日~当年8月31日
  3. さとうきび :  当年4月1日~翌年3月31日

調査の方法

  1. 現金出納帳、作業日誌
    現金出納帳及び作業日誌(毎日の現金収支(家計部分を除く。)、家計又は農業生産関連事業に使用した生産物、使用した資材量、労働時間等を調べる調査票)については、地方農政局等の職員が配布(協力が得られる調査対象経営体に対しては、電子化した調査票を配布。)し、調査対象経営体が自ら調査票を記入し、職員の訪問、郵送又は調査対象経営体が所有する端末からインターネットを使用し、資料等を添付して送信することにより回収する方法により実施した。

  2. 経営台帳
    経営台帳(世帯員の状況及びその異動、財産の増減等を調べる調査票)については、地方農政局等の職員による面接聞き取りの方法を基本とし、協力が得られる調査対象経営体に対しては、調査対象経営体に、前年の経営台帳データに当年の異動の状況等を加筆修正してもらい、職員の訪問又は郵送により回収する方法により実施した。

なお、上記1及び2について、調査対象経営体が決算書類(調査対象経営体が磁気情報として作成しているものを含む。)を整備しており、当該書類により把握できる情報がある場合は、これに限って、当該書類の提供をもって調査票の報告に代えることが出来るものとした。

集計・推計方法

各調査対象経営体ごとにウエイトを定め、集計対象とする区分ごとに加重平均法により算出した。この場合のウエイトとは、都道府県別作付面積規模別に抽出時における調査対象数をセンサス結果等から求めた農業経営体数で除した「標本抽出率」の逆数としている。

用語の解説

  1. 家族労働費
    家族労働時間に「毎月勤労統計調査」(厚生労働省)の「建設業」、「製造業」及び「運輸業,郵便業」に属する5~29人規模の事業所における賃金データ(都道府県単位)を基に算出した男女同一単価(当該地域で男女を問わず実際に支払われた平均賃金)を乗じて評価したものである。

  2. 自作地地代
    近傍類地(調査対象作物の作付地と地力等が類似している作付地)の小作料で評価したものである。

  3. 自己資本利子
    総資本額から借入資本額を差し引いた自己資本額に年利率4%を乗じて算出したものである。

調査票

利用上の注意

  1. 収益性指標(所得及び家族労働報酬)の計算
    収益性指標は本来、農業経営全体の経営計算から求めるべき性格のものであるが、ここでは調査作物と他作物との収益性を比較する指標として該当作物部門についてのみ取りまとめている。

    (1) 所得
    生産費総額から家族労働費、自己資本利子及び自作地地代を控除した額を粗収益から差し引いたものである。
    所得=粗収益-(生産費総額-(家族労働費+自己資本利子+自作地地代))
    ただし、生産費総額=費用合計+支払利子+支払地代+自己資本利子+自作地地代

    (2) 1日当たり所得
    所得を家族労働時間で除し、これに8(1日を8時間とみなす。)を乗じて算出したものである。
    1日当たり所得=所得÷家族労働時間×8時間(1日換算)

    (3) 家族労働報酬
    生産費総額から家族労働費を控除した額を粗収益から差し引いたものである。
    家族労働報酬=粗収益-(生産費総額-家族労働費)

    (4) 1日当たり家族労働報酬
    家族労働報酬を家族労働時間で除し、これに8(1日を8時間とみなす。) を乗じて算出したものである。
    1日当たり家族労働報酬=家族労働報酬÷家族労働時間×8時間(1日換算)

  2. 記号
    統計表中に用いた記号は、次のとおりである。
    「0 」: 単位に満たないもの(例:0.4円→0円)
    「0.0 」「0.00」: 単位に満たないもの(例:0.04%→0.0%、0.004時間→0.00時間)
    「-」: 事実のないもの
    「…」: 事実不詳又は調査を欠くもの
    「×」: 個人又は法人その他の団体に関する秘密を保護するため、統計数値を公表しないもの 
    「△」: 負数又は減少したもの

  3. 秘匿措置について
    統計調査結果について、集計経営体数が2以下の場合には調査結果の秘密保護の観点から、該当結果を「×」表示とする秘匿措置を施している。 

利活用事例

  1.  「日本再興戦略」において達成すべき成果目標として設定された「担い手のコメの生産コストを現状全国平均比4割削減」の進捗評価
  2. 「経営所得安定対策」における交付金単価算定資料
  3. 「中山間地域等直接支払制度」における中山間地域等の直接支払いの単価算定資料
  4. 「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づく、生産条件不利を補正するための交付金算定資料
  5. 「食料・農業・農村白書」における農業経済の現状分析資料 

その他

Q&A

1. 「農産物生産費統計」とは

Q. 「農産物生産費統計」はどのような調査なのですか?
A. 米、麦類、大豆、原料用かんしょ、原料用ばれいしょ、てんさい、さとうきび、なたね及びそばの生産に要した経費等の実態を調査し、各種政策の推進に必要な資料を整備することを目的として実施しています。

Q. 「農産物生産費統計」の結果からどのようなことがわかるのですか?
A. 農産物生産費統計からは、農産物一定単位の生産のために要した費用の合計等が分かります。
    ここでいう費用の合計とは、具体的に農産物の生産に要した材料(種苗、肥料、農業薬剤、その他の諸材料)、土地改良及び水利費、賃借料及び料金、物件税及び公課諸負担、労働費(家族・雇用)、固定資産(建物、自動車、農機具、生産管理機器)の財貨や用役等の合計をいいます。

Q. 「農産物生産費統計」ではどのようなことを調べるのですか?
A. 当該農作物の生産活動を維持・継続するために投入した費目別の費用、労働時間、品目別原単位量、主産物及び副産物の収穫量と価額や農業就業者数、経営耕地面積、作付実面積、投下資本額、農機具の所有台数等について調べています。

Q. 「農産物生産費統計」の結果はどのように利用されているのですか?
A. 経営所得安定対策の交付金単価算定資料として利用されているほか、各種政策の実施状況の把握や効果の検証等の資料としても利用されています。

Q. 調査にはどうしても答えなければならないのでしょうか?
A. もし、皆様から回答を頂けなかったり、正確な回答が頂けなかった場合、得られた統計が不正確なものとなってしまいます。そのようなことになれば、この調査の結果を利用して立案・実施されている様々な施策や将来計画が誤った方向に向かったり、行政の公平性や効率性が失われたりするおそれがあります。
正確な統計に基づいて、公正で効率的な行政を行うためには正確な回答が必要ですので、ご協力をお願いします。
なお、この調査は、統計法に基づく基幹統計調査として実施しており、調査対象者に調査票を記入・提出して頂く義務(報告義務)を課すとともに、報告を拒んだり、虚偽の報告をした場合の罰則も規定されています(統計法第13条、第61条第1号)。

2. 調査方法について

Q. 「農産物生産費統計」の調査方法はどのように行われているのですか?
A. 地方農政局等の職員が調査票を配布し、調査対象経営体の方に調査票を記入して頂き、職員の訪問、郵送又は調査対象経営体が所有する端末からインターネットを使用し、資料等を添付して送信することにより回収する方法を基本とし、職員による聞き取りや調査対象経営体で決算書類(調査対象経営体が磁気情報として作成しているものを含む。)を整備しており、これを提供頂ける場合は、当該書類を職員の訪問、郵送又は調査対象経営体が所有する端末からインターネットを使用し、資料等を添付して送信することにより提供頂く方法により実施しています。

Q. 「農産物生産費統計」の対象はどのように選ばれるのですか?
A. 2010年世界農林業センサス結果等を母集団として、都道府県別作物別に無作為に抽出しています。

3. 結果の公表について

Q. 調査の結果はいつ頃公表されるのですか。
A. 農林水産省のホームページで年間の公表予定を掲載していますので、大まかな時期はそちらを参考にして下さい。また、具体的な公表予定日時については、公表日を含む週の前週の金曜日に週間公表予定という形で掲載しますのでそちらで確認して下さい。(リンク先:農林水産統計公表予定

4. プライバシーの保護について

Q. 調査票に記入されたプライバシーは保護されるのでしょうか?
A. この調査は、「統計法」(平成19年法律第53号)に基づく統計調査として行われます。統計調査に従事する者には統計法により守秘義務が課せられており、違反した場合には罰則(2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)が科せられます。また、過去に統計調査に従事していた者に対しても、同様の義務と罰則が規定されています(統計法第41条、第57条第2号)。
    このように、統計調査の業務に従事する者、あるいは過去に従事していた者に対して守秘義務と厳しい罰則が設けられているのは、調査対象となる方々に、調査項目すべてについて、安心して回答いただくためです。
    この調査でいただいた回答(調査票)は、外部の人の目に触れないよう厳重に保管され、統計法で認められている統計の作成・分析の目的にのみ使用されます。統計以外の目的に使うことや、外部に出されることは一切ありませんので、安心してご記入ください。

お問い合わせ先

大臣官房統計部経営・構造統計課
担当者:農産物生産費統計班
代表:03-3502-8111(内線3631)
ダイヤルイン:03-6744-2040
FAX:03-5511-8772