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農林水産省

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農地の権利移動・借賃等調査結果の概要

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調査の目的

農業委員会が農地法第52条に基づき、農地の農業上の利用の増進及び農地の利用関係の調整に資するため、農地等の権利移動及び転用等の状況、借賃等の動向等の基礎的な情報を収集、整理、分析及び提供すること。

調査の対象

農地法、農業経営基盤強化促進法及び農地中間管理事業の推進に関する法律(以下「農地中間管理事業法」という。)に基づき、権利の設定・移動がされた農地等、賃借が終了した農地等及び転用された農地等の全て。

調査事項

  1. 農地法第3条に基づく許可・届出、第3条の3、第37条~第40条及び第43条並びに農業経営基盤強化促進法第19条に基づく農用地利用集積計画の公告、農地中間管理事業法第18条に基づく農用地利用配分計画の公告に係る農地等の耕作目的の権利移動の状況

  2. 農地法第3条の2及び第18条に基づく許可の取消し・許可・通知に係る農地賃貸借の終了並びに農業経営基盤強化促進法第20条の2に基づく農用地利用集積計画の取消し及び期間満了による利用権の終了の状況、農地中間管理事業法に基づく賃借権又は使用貸借による権利の終了

  3. 農地法第4条又は第5条に基づく許可・届出・協議に係る農地等の転用及び同法の許可を要しない農地等の転用(農用地利用集積計画の公告に係るものを含む。)の状況

調査の時期

当該年の1月1日から12月31日の1年間

調査の方法

農地法第52条に基づき、農業委員会が情報収集を行っている

集計・推計方法

全国の農業委員会から情報提供を受け、単純集計を行っている

用語の解説

農地法、農業経営基盤強化促進法及び農地中間管理事業法による権利移動実績であることから、用いられている用語は、農地法、農業経営基盤強化促進法及び農地中間管理事業法上の用語であり、その定義もこれらの法律の定義にしたがっている。

〔件 数〕

農地法による場合は、許可・届出申請事案の件数のことであり、農業経営基盤強化促進法及び農地中間管理事業法による場合は、農用地利用集積計画の各筆明細に記入された当事者ごとを件数としている。
このため、筆数や人数という概念とは異なり、法第5条の許可申請において時々みられる関係者が数十人という場合においても1件である。

〔面 積〕

農地法に基づく処理の場合、許可(通知、届出)された土地の面積の合計であり、原則として土地登記簿の地積である(法第56条)。
ただし、法第4、5条該当(許可及び届出)以外の農地転用については、「許可(届出)」の行為がないため、必ずしも土地登記簿の面積であるとは限らない場合がある。
農業経営基盤強化促進法及び農地中間管理事業法による場合には、公告された面積で同じように原則として土地登記簿の面積としている。

〔農地、採草放牧地、農用地、混牧林地、開発農用地〕

農地法は農地と採草放牧地を統制の対象としている。
農地法で「農地」とは、「耕作の目的に供される土地」、「採草放牧地」とは「農地以外の土地で、主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるもの」と定義されている(法第2条)。

農業経営基盤強化促進法では、農地法上の農地と採草放牧地を「農用地」と定義している(「農用地」とは耕作の目的又は主として耕作若しくは養畜の事業のための採草若しくは家畜の放牧の目的に供される土地をいう(農業経営基盤強化促進法第4条第1項第1号))。
また、農業経営基盤強化促進法に基づく利用権設定等促進事業(同法第4条第4項第1号)では「木材の生育に供され併せて耕作若しくは養畜の事業のための採草若しくは家畜の放牧の目的に供される土地」を事業の対象にしているが、これらの土地をここでは便宜「混牧林地」と称する。同様にこの事業では「開発して農用地若しくは農業用施設の用に供される土地」も事業の対象としているが、この土地を「開発農用地」と称する。

〔所有権耕作地と所有権以外耕作地〕

農地法及び農業経営基盤強化促進法上での定義はないが、本調査における「所有権耕作地」を「耕作の事業を行うものが所有権に基づいてその事業に供している土地」と、「所有権以外耕作地」を、「耕作の事業を行う者が所有権以外の権原に基づいてその事業に供している農地」と定義している。「所有権耕作地」と「所有権以外耕作地」の区別は、すべて農地法の許可申請時(移動前)の状態によっている。
なお、「所有権耕作地でも所有権以外耕作地でもない農地」は、すべて所有権耕作地に含めている。

〔農地法による権利移動〕

(1) 所有権耕作地の有償所有権移転

所有権耕作地を、売買等によって所有権移転することをいう。
交換や借金との相殺、所有権の出資など、たとえ現金の授受がなくても、何らかの形での対価、代償があるものはすべて有償所有権移転である。

(2) 所有権耕作地の無償所有権移転

所有権耕作地であるものを、何らかの反対給付なしに他に所有権移転することをいう。
生前贈与、分家などへの親族間の贈与のほか、純粋な寄付もこれに含んでいる。

(3) 所有権以外耕作地の所有権移転

所有権以外耕作地を賃借人等に所有権移転するものである。

(4) 賃借権の設定

所有権耕作地であるものを他者に賃貸するものである。

(5) 使用貸借による権利の設定

所有権耕作地であるものを他者に使用貸借させるものである。
なお、使用貸借による権利の解約等は、法第18条の統制の対象とはならない(地上権、永小作権の解約等についても同様)。

(6) 賃借権の移転、使用貸借による権利の移転

いずれも移動の前後とも所有権以外耕作地であって、借人が他の借人に変わるものをいう。

(7) 農協への経営委託に伴う権利の設定、移転

農協による組合員からの経営の委託に伴う使用収益権の設定・移転である。

(8) 農地の相続等による届出

農地法第3条の3に基づき、相続(遺産分割、包括遺贈を含む)等により農地の権利を取得し農業委員会に届け出た実績。

(9) 農地等の賃貸借の解約等

法第18条の統制はその第2項において、5つの許可該当要件(賃借人の信義違反、かい廃相当、賃貸人の耕作相当、農地所有適格法人の欠格等、その他正当な事由)を定めており、これは申請事由と深くかかわりあってはいるが、必ずしも一致するのではない。そこで本調査では、許可該当条項と解約等通知を調査している。

(10) 農地等の転用

農地を農地以外、採草放牧地を採草放牧地以外(農地にする場合を除く。)にすることであり、この調査では次の3つに分けて把握している。

ア 法第4条、第5条の許可によるもの(原則として「市街化区域外」)
イ 法第4条、第5条の届出によるもの(「市街化区域内」)
ウ 法第4条、第5条の協議によるもの
エ 法第4条、第5条の許可、届出、協議以外のもの(「市街化区域内」、「市街化区域外」に区分)

1. 農地等転用における法第4条及び第5条該当の知事許可及び指定市町村許可

法第5条は権利の設定、移転を伴うものである。第4条は農地だけを対象としているのに対し、第5条は採草放牧地をも対象としているので、第5条の許可実績には採草放牧地が含まれる。

2. 平成21年の農地法改正により、国又は都道府県が病院、学校等の公共施設へ転用する場合、許可不要から協議制に変更された。

3. 農地転用における法第4条、第5条該当以外

法第4条及び第5条では、いくつかの許可除外を設けており、これは、その適用除外等を別途、農業委員会が把握したものである。

〔農業経営基盤強化促進法による権利移動〕

(1) 利用権の設定

農業経営基盤強化促進法では、「利用権」とは、「農業上の利用を目的とする賃借権若しくは使用貸借による権利又は農業の経営の委託を受けることにより取得される使用及び収益を目的とする権利」と定義しており、その権利の内容は、農地法の「賃借権」、「使用貸借による権利」及び「農業経営の委託を受けることにより取得する権利」に当たる。

この場合、その賃借権の期間満了に際しては農地法第17条(賃借権の法定更新)の適用を受けない。

(2) 利用権の移転

(1)の利用権の移転であり、農地法に基づく賃借権の移転、使用貸借による権利の移転等と変わらない。

(3) 所有権の移転

この法律に基づく所有権の移転は、「所有権耕作地有償所有権移転」、「所有権耕作地無償所有権移転」、「所有権以外耕作地所有権移転」に大別できるが、その権利の内容は、農地法による権利移動の(1)、(2)、(3)と変わらない。

(4) 利用権の終了

利用権の終了に際しては、それが賃借権であっても農地法第17条(賃借権の法定更新)の適用を受けず、したがって、農地法第18条(農地又は採草放牧地の賃貸借の解約等の制限)の適用を受けない。

なお、利用権を中途解約したものについては農地法による賃貸借の解約等の実績として別途把握されている。

(5) 利用権の再設定

利用権が終了した農地について、引き続き利用権(再設定前後の権利の種類が違う場合も含む。)が設定されるものである。
なお、「再設定した」とは、終了と同一年間に再設定したもののみが該当し、利用権が終了してもその年に再設定されずその翌年に再設定されたか、または、再設定されることが明らかなものは「再設定する予定」に区分している。

(6) 農業用施設用地への転用

農業経営基盤強化促進法に基づく利用権設定等促進事業においては、「農業用施設用地」に限定して農用地の転用を認めている(農地法第4条、5条の手続不用)。

(7) 混牧林地、開発農用地の権利移動

混牧林地、開発農用地の権利移動については、農地法上は統制の対象とならないが、農業経営基盤強化促進法では事業の対象としているため、本調査において把握を行っている。

 〔農地中間管理事業法による権利移動〕

(1) 利用権の設定、移転
いずれも、農業経営基盤強化促進法に準じている。

調査票

農地の権利移動・借賃等調査(様式1~3)(PDF : 164KB)

お問合せ先

経営局農地政策課

担当者:調査グループ
代表:03-3502-8111(内線5176)
ダイヤルイン:03-3592-0305