食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査の概要
調査の目的
食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査(以下「本調査」という。)は、食品の安全と消費者の信頼の確保を図るための施策として、HACCP(危害要因分析・重要管理点)に沿った衛生管理の導入を推進していく必要があることから、HACCPに沿った衛生管理の導入状況等の実態を把握し、諸施策の企画・立案に必要な資料を得ることを目的とする。
調査の沿革
平成12、18年度:食品産業動向調査の一環として調査を実施。
平成22年度:以後毎年度調査を実施。
平成29年度:調査対象を変更し、従業者数4人以下の企業も含めて調査を実施。
令和4年度:令和3年度調査結果の公表をもって中止。
調査の根拠法令
統計法(平成19年法律第53号)第19条第1項に基づく総務大臣の承認を受けた一般統計調査として実施している。
調査の対象
日本標準産業分類に掲げる中分類「食料品製造業」及び「飲料・たばこ・飼料製造業(製氷業、たばこ製造業及び飼料・有機質肥料製造業を除く。)」を営む事業所。
抽出(選定)方法
- 事業所母集団データベースから上記「調査の対象」に該当する事業所を抽出(重複是正対象を除く。)した情報を用いて標本調査により実施している。
- 過去3年分の本調査結果(平均値)におけるHACCPに沿った衛生管理の導入率及び回収率を用い、食品製造業全体の導入率の目標精度を7%と設定して必要標本数を算出し、これを業種別従業者規模別に母集団情報の事業所数の割合等に応じて配分している。また、都道府県別の標本数も母集団情報の事業所数の割合に応じて配分している。
調査対象は、配分結果に基づいて母集団情報から無作為抽出している。
調査事項
- 食品の販売総額規模
- 従業者規模
- 製造している食品のうち販売金額の合計が最も多い品目
- 輸出の状況
- HACCPに沿った衛生管理の導入状況
- 導入しているHACCPに沿った衛生管理の手法
- 第三者認証等の取得状況
- 第三者認証取得の予定
- HACCPに沿った衛生管理の導入に当たっての問題点
- HACCPに沿った衛生管理の導入による効果(又は期待する効果)
- HACCPに沿った衛生管理の導入に当たって役に立った支援策(又は役に立つと考えられる支援策)
調査期日及び調査実施時期
- 調査期日
毎年10月1日現在。食品の販売総額規模に係る項目については、調査実施年の前年4月1日から当年3月31日までに到来した直近の決算日前1年間。
ただし、上記期間での記入が困難な場合は、記入可能な直近1年間。 - 調査実施時期
毎年10月下旬から11月下旬まで。
調査の方法
調査は、農林水産省―民間事業者(農林水産省が委託した民間事業者)―報告者の実施系統で実施している。
民間事業者が調査票を郵送により配布し、調査対象者が記入した調査票を郵送又はオンラインにより回収する自計調査の方法により実施している。
集計・推計方法
農林水産省が委託した民間事業者において、階層区分ごとに、次式により算出している。
用語の解説
- 食品製造業
本調査では、日本標準産業分類に掲げる中分類「食料品製造業」及び「飲料・たばこ・飼料製造業(製氷業、たばこ製造業及び飼料・有機質肥料製造業を除く。)」を営む事業所をいう。 - HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)
原料受入れから最終製品までの工程ごとに、微生物による汚染、金属の混入等の危害を予測(危害要因分析:Hazard Analysis)した上で、危害の防止につながる特に重要な工程(重要管理点:Critical Control Point、例えば加熱・殺菌、金属探知機による異物の検出等の工程)を継続的に監視・記録する工程管理のシステムをいう。 - HACCPに沿った衛生管理
「HACCPに基づく衛生管理」又は「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を満たす衛生管理をいう。
(1)「HACCPに基づく衛生管理」とは、国際機関であるコーデックス委員会のHACCP7原則に基づき、食品等事業者自らが、使用する原材料や製造方法等に応じ、衛生管理の計画を作成し、管理を行うもの。
(2)「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」とは、業界団体が作成し、厚生労働省が確認した手引書を参考に、国際機関であるコーデックス委員会のHACCP7原則の考え方を取り入れながらも、簡略化された手法による衛生管理を行うもの。 - 従業者数
本調査では、雇用期間を定めずに雇用されている者又は1か月以上の期間を定めて雇用されている者(常用雇用者)の人数とする。 - HACCPに沿った衛生管理の第三者認証
HACCPを含む食品安全管理の取組を、力量のある第三者である認証機関が一定の規格に基づいて審査し、その適合性を確認し、証明することをいう。 - JFS(日本発食品安全管理規格)・JFSーA規格、JFSーB規格又はJFSーC規格
一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM)が開発・運営している日本発の食品安全管理システムの認証プログラム。JFSーA規格、JFSーB規格又はJFSーC規格の要求事項に基づき認証・適合証明されたものをいう。 - FSSC22000
オランダに本拠地を置く食品安全認証財団が開発・運営している食品製造業、輸送・保管事業者等を対象とするISO22000を基礎とした食品安全管理システムの認証プログラム。ISO22000に一般的衛生管理の要求事項等を追加したものをいう。 - ISO22000
食品の安全の確保をより確実なものにするため、農家等の一次生産者、飼料生産者、食品製造業者、輸送・保管業者、小売業者、食品サービス事業者等のフードチェーンに関係したあらゆる組織の事業者を対象として、相互コミュニケーション、食品安全マネジメントシステム、一般的衛生管理プログラム及びHACCPの実施を行うシステムをいう。 - 対米国、対EU輸出水産食品の認定施設
米国や欧州連合へ水産食品を輸出するために、農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律(令和元年法律第57号)(以下「輸出促進法」という。)に基づき、HACCPによる衛生管理など輸出先国が定める要件に適合した施設として認定された施設をいう。認定に当たっては、輸出促進法に基づく取扱要綱に沿って国(農林水産省又は厚生労働省)や地方自治体等が審査・認定を行うものをいう。 - 対米国、対EU輸出食肉の認定施設
米国や欧州連合へ食肉を輸出するために、輸出促進法に基づき、HACCPによる衛生管理など輸出先国が定める要件に適合した施設として認定された施設をいう。認定に当たっては、輸出促進法に基づく取扱要綱に沿って国(厚生労働省)が審査・認定を行うものをいう。 - 地方公共団体によるHACCP認証
食品事業者の自主的な衛生管理を評価する制度として、HACCPによる衛生管理を基本とした基準を満たす施設を、地方公共団体が独自に認証するものをいう。 - 業界団体によるHACCP認証
業界団体が独自に実施している認証制度。団体が定める基準に則した衛生管理システムを導入する施設等を認証するものをいう。 - 食品衛生法に基づく総合衛生管理製造過程承認制度
食品衛生法(昭和22年法律第233号)に基づくHACCPによる食品衛生管理の認証制度で、厚生労働大臣が食品の製造又は加工施設ごとに承認するものをいう。 - HACCP支援法に基づく高度化計画の認定
食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法(平成10年法律第59号)(通称:HACCP支援法)に基づき、食品製造業者が作成した高度化計画について、食品ごとの事業者団体が指定認定機関となり、高度化基準(農林水産省と厚生労働省の両大臣が認定)に則っているかを確認し、施設ごとに認定するものをいう。 - 取引先(小売等)によるHACCP認証
取引先(小売等)との取引要件としてHACCP又は同等の衛生・品質管理に取り組んでいることが要求されているものをいう。
調査票
食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査票(PDF:628KB)
利用上の注意
- 統計数値については、表示単位未満を四捨五入しているため、合計値と内訳の計が一致しない場合がある。
- 統計表中に用いた記号は次のとおりである。
「-」: 事実のないもの
「…」: 事実不詳または調査を欠くもの
「nc」: 計算不能
利活用事例
食品の安全と消費者の信頼の確保を図るため、HACCPに沿った衛生管理の導入促進等の関連施策の企画・立案を行うための資料として利用
Q&A
- 食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査とは
Q.食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査はどのような調査ですか?
A.食料品製造業等を営む事業所を対象として、HACCPに沿った衛生管理の導入状況、HACCPに沿った衛生管理の導入に当たっての問題点や役に立った支援策等を把握し、導入促進等の関連施策の企画・立案に必要な資料を整備することを目的として実施している調査です。
Q.食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査の結果からどのようなことがわかるのですか?
A.食品製造業のHACCPに沿った衛生管理の導入状況、HACCPに沿った衛生管理の種類別導入状況等について、業種別や従業者規模別の状況が明らかになります。 - 調査方法について
Q.食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査はどのように行われているのですか?
A.農林水産省が委託した民間事業者が調査票を郵送により配布し、調査対象者が記入した調査票を郵送又はオンラインにより回収する自計調査の方法により実施しています。
Q.調査の対象はどのように選ばれるのですか?
A.事業所母集団データベースから日本標準産業分類に掲げる中分類「食料品製造業」及び「飲料・たばこ・飼料製造業(製氷業、たばこ製造業及び飼料・有機質肥料製造業を除く。)」に該当する事業所を抽出した母集団情報を用いて標本調査により実施しています。
食品製造業全体の導入率の目標精度を7%と設定して必要標本数を算出し、これを業種別従業者規模別に母集団情報の事業所数の割合等に応じて配分しています。また、都道府県別の標本数も母集団情報の事業所数の割合に応じて配分しています。
調査対象は、配分結果に基づいて母集団情報から無作為抽出しています。
Q.調査で使用している統計基準はありますか?
A.調査の対象は上記のとおり日本標準産業分類の中分類を使用しています。なお、標本の選定や集計結果の表章にあたっては日本標準産業分類の小分類を一部分割・統合して使用しています。詳細は以下を参照ください。
業種分類対応表(PDF:99KB) - 結果の公表について
Q.調査の結果はいつ頃公表されるのですか?
A.調査実施年の翌年の6月下旬までの公表を予定しています。
なお、本調査は令和3年度結果の公表を最後に中止になりました。 - プライバシーの保護について
Q.調査票に記入されたプライバシーは保護されるのでしょうか?
A.この調査は、「統計法」(平成19年法律第53号)に基づく統計調査として行われます。
統計調査に従事する者には統計法により守秘義務が課せられており、違反した場合には罰則(2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)が科せられます。また、過去に統計調査に従事していた者に対しても、同様の義務と罰則が規定されています(統計法第41条、第57条第2号)。
このように、統計調査の業務に従事する者、あるいは過去に従事していた者に対して守秘義務と厳しい罰則が設けられているのは、調査対象となる方々に、調査項目全てについて、安心して回答いただくためです。
この調査でいただいた回答(調査票)は、外部の人の目に触れないよう厳重に保管され、統計法で認められている統計の作成・分析の目的にのみ使用されます。統計以外の目的に使うことや、外部に出されることは一切ありませんので、安心してご記入ください。
お問合せ先
大臣官房統計部生産流通消費統計課消費統計室
担当者:価格・消費動向班
代表:03-3502-8111(内線3718)
ダイヤルイン:03-6744-2049