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農林水産省

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序章


現在、我が国は、グローバル化の一層の進展、人口減少局面を迎え、未だ経験したことのない社会構造の変化に直面しており、大きな転換期を迎えている。

食料・農業・農村は、農地の減少や耕作放棄地の増加、農業従事者の高齢化が進行しており、農業構造のぜい弱化が進むとともに、「美しい国、日本」の原風景ともいえる農村集落に様々な影響を与えている。また、食料自給率(供給熱量ベース)は40%と主要国のなかでは最低水準になっている。

農業や農村は、食料の安定供給はもとより、国土や自然環境の保全、良好な景観の形成、生物多様性の保全といった多面的機能の発揮を通じて国民のくらしに重要な役割を果たしているが、これらの社会構造の変化に迅速かつ適切に対応しながら、農業・農村が有する潜在能力を最大限に引き出していくことにより、国民生活を一層豊かなものとする必要がある。また、固定観念にとらわれず、新たな発想や創意工夫により、農業の未来を切り拓き、成長力を強化し、農業を21世紀にふさわしい戦略産業として発展させていくことが重要である。

本年4月以降、新たな経営安定対策の導入、米政策改革推進対策の見直し、「農地・水・環境保全向上対策」の導入という、三つの柱からなる政策改革が一体的に実施される。いわば戦後農政の大転換期を迎えた本年を、農業の新生元年として、国内農業の体質強化に向けた取組や新境地の開拓を目指した新たな課題に挑戦していくことが重要である。

また、WTO農業交渉やEPA/FTA交渉の動向や、地球温暖化の進展などの食料・農業・農村をめぐる最近の国際情勢の変化に適切に対応していくことも重要である。


本報告書は、こうした最近の動きを踏まえ、食料・農業・農村の動向や主要施策の取組状況・課題について、国民的な関心と理解が一層深まることをねらいとして作成した。

本報告書の構成としては、冒頭に、「食料自給率向上の意義と効果」、「担い手への施策の集中化・重点化」、「農業・農村の新境地の開拓」及び「農村地域の活性化」をトピックスとして取り上げている。そのうえで、本編では、食料分野の「食料自給率の向上と食料の安定供給」、農業分野の「農業の体質強化と新境地の開拓」、農村分野の「農村地域の活性化と共生・対流の促進」の3章構成として、特に、以下の点について力点をおいて記述した。

食料分野 世界の食料需給の動向を踏まえて食料自給率の向上に取り組む意義と課題、食の安全確保、「日本型食生活」の実現、食品産業活性化に向けた取組
農業分野 担い手の育成・確保、一般企業を含めた新規参入の促進、食料供給コストの縮減等農業の体質強化のための取組、イノベーションの力の活用、バイオマスの利用の加速化と地球環境対策、農産物の輸出促進等の取組
農村分野 農業集落の動向分析や中山間地域を中心とした鳥獣被害の現状、農村地域の活性化に向けた食農連携や農村資源の保全・活用、若者や団塊世代の動向を踏まえた都市と農村の共生・対流を促進するための取組

本報告書の作成にあたっては、わかりやすく親しみやすいものとするため、単に動向等を紹介するのではなく、現状や課題についての分析を平易に解説し、体系的にかつ一定の整理のもと、1ページごとにまとまりをもった記述となるよう心がけた。また、本文中の小見出しを読むだけでも概要を理解できるよう配慮した。


食料・農業・農村に関する施策は、現場に密着した政策課題に対するものであるとともに、国民の毎日の生活に深くかかわっている。このため、生産現場の取組や消費者の声を積極的に施策に反映させながら、透明性の高い政策運営により、国民の信頼と支持が得られることが重要である。そのためには、国民の視点に立ったわかりやすい広報を展開していく必要がある。

本報告書が、食料・農業・農村の現状や課題、主要施策の取組状況等について、国民の理解と関心が高まることの一助となることを期待するものである。

背景:グローバル化の進展や人口減少局面を迎えた社会構造の変化

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