このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

(1)世界の食料事情と農産物貿易交渉 イ 我が国の農産物貿易の動向

(我が国の農産物輸入は過去最高の5兆41億円)

我が国の農産物輸入は、円高の進展や世界的な貿易自由化の流れのなか、国内の食料需要の増大、食生活の多様化の進展等を背景に、質・量ともに大きく変化を伴いながら増加し、2005年には4兆7,922億円、2006年には過去最高となる5兆41億円に達している(図1-9)。

一方、2006年の農産物輸出額は1,946億円(*1)であり、近年の世界的な日本食ブームや東アジアの経済発展等を背景として増加傾向にある。

*1 財務省「貿易統計」。たばこ、アルコール飲料を除いた額である。

(輸入に大きく偏った我が国の農産物貿易)

我が国は、多国間貿易交渉等を通じ、農産物貿易の自由化を進めてきた結果、世界最大の農産物純輸入国となっている。米国や欧州連合(EU)をはじめとする主要国の農産物貿易は、輸入、輸出ともに大きいが、我が国は輸入に大きく偏った構造となっている(図1-10)。

(多くを特定国に依存する我が国の農産物輸入構造)

我が国の農産物輸入は、米国、中国等上位5か国で6割強を占めており、特定国に依存した構造となっている(図1-11)。品目別では、小麦は米国とカナダ、大豆は米国とブラジルで8割を占め、とうもろこしでは米国、牛肉では豪州のみで8割以上を占めている(*1)。

*1 財務省「貿易統計」

(様々な要因が我が国の食料供給に影響を及ぼす可能性)

このような特徴を有する我が国の農産物輸入は、世界の農産物輸出が特定国により占有されている状況を踏まえると(*2)、一部の国における作柄や作付の変動、気象災害等の影響を受けやすいという問題がある。

また、近年の経済発展により中国等で農産物輸入の増加がみられるなか、我が国との間で競合関係が発生し、価格の高騰や必要量の確保が困難な状況となるおそれもある。さらに、BSE(*3)や高病原性鳥インフルエンザ(*4)の発生に伴う輸入禁止措置の影響といった様々な要因が我が国の食料供給に影響を及ぼす可能性がある。

*2 図1-3参照

*3、4 [用語の解説]を参照。

過去に起きた食料供給の混乱

過去、以下のような要因により、我が国の食料供給が混乱した事例があります。

また、国内においても、1993年の冷害による米の凶作で食料供給の混乱がみられました。

過去に起きた食料供給の混乱

(果実、肉類、牛乳・乳製品、野菜といった品目の輸入率が上昇)

主な食料の輸入率の推移をみると、とうもろこし、大豆、小麦では、1970年代ごろには既に8割以上と高い割合となっているが、1985年ごろから、果実、肉類、牛乳・乳製品、野菜といった品目の輸入率が上昇してきている(図1-12)。

その要因として、食生活の多様化の進展に国内生産が対応できなくなってきたことや、近年では加工食品類の輸入が増加したことも考えられる。

(食品輸入の小口化が進展)

このような変化の影響は、食品輸入の小口化にもあらわれている。

食品等の輸入届出件数と輸入数量をみると、1985年以降、届出件数の大幅な増加により、届出1件当たりの輸入重量が大きく減少し、その後も減少し続けている(図1-13)。これは、国際航空貨物の増加とともに、国内の市況や需要の変動に即し、加工食品等を小ロットで機動的に調達する傾向が強まったことが影響していると考えられる。

(加工食品類の輸入割合が上昇)

我が国の農産物輸入における加工食品類の割合は、近年、上昇傾向にあり、農産物輸入額全体の4割を占めるまでに拡大しており、特に、最近では、中国やタイをはじめとする東アジアからの輸入割合が上昇している(図1-14)。その要因として、安価に一定量を確保したいという食品産業のニーズに応じて、生産コストが安い東アジアで生産・加工されたものを製品形態や一次加工された形態で輸入するようになってきたことが考えられる。例えば、中国では、食品・農水産加工品製造業のうち、輸出分の70%以上を日本に輸出している企業は72.7%と、高い割合となっている(*1)。

*1 (独)日本貿易振興機構「在アジア日系製造企業の経営実態(2005年調査)」(18年3月公表)。中国、香港、台湾、韓国に進出している日系製造企業1,181社を対象として実施したアンケート調査。(回収率38.5%。中国分は、37.2%)データ(エクセル:15KB)

(食料安全保障に資する貿易ルールの確立が重要)

現在、我が国は世界最大の農産物純輸入国であるが、76.7%の国民が将来の食料供給に不安をいだいているという調査結果もある(*2)。このようななか、世界の食料需給がひっ迫する可能性や特定国に依存する我が国の農産物の輸入構造を考えれば、国内農業生産の向上を図りつつ、安定的な農産物輸入の確保を図ることが極めて重要な課題となっている。

このため、WTO(*3)農業交渉において、輸出国のみが恩恵を得られるような貿易ルールではなく、真に公平・公正な貿易ルールの確立を図ることが重要である。

また、経済連携協定(EPA)/自由貿易協定(FTA)(*4)についても、我が国の食料安全保障の確保、農林水産業の発展等に悪影響を与えないよう、十分留意するとともに、相手国との経済関係に応じて、経済連携の強化のための方策を幅広く柔軟に検討していく必要がある。

*2 内閣府「食料の供給に関する特別世論調査」(18年12月公表)。全国20歳以上の者3,000人を対象としたアンケート調査(回収率57.6%)。データ(エクセル:15KB)

*3、4 [用語の解説]を参照。

お問い合わせ先

大臣官房広報評価課情報分析室
代表:03-3502-8111(内線3260)
ダイヤルイン:03-3501-3883