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農林水産省

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(1)農業経済の現状

(17年の農業総産出額は8兆4,887億円)

近年の農業総産出額(*1)の動向をみると、9年以降は10兆円を下回って推移し、17年(概算)は8兆4,887億円と前年より2.6%減少した(図2-1)。このうち、主要品目では、米、野菜、果実が減少し、肉用牛や鶏卵の増加により、畜産が増加した。

最近10年間の農業総産出額の変化に対する品目別の寄与度をみると、冷害により価格が高騰した15年を除き、米が産出額の減少に寄与する状況が続いている。

*1 [用語の解説]を参照。

(日照不足や台風等により1,947億円の農作物被害が発生)

18年の4月から10月にかけて、日照不足や台風等により農作物生産に被害が発生し、その見込額は1,947億円となった。このうち水陸稲が1,264億円と全体の65%を占めている(図2-2)。

また、19年3月に発生した「平成19年能登半島地震」により、農林水産関係では農道等の損壊等の被害が生じ、その被害総額は53億円(4月23日現在)となった。

(17年の農業総産出額の減少は価格の低下が要因)

農業総産出額は、農産物の生産量に価格を乗じて計算される。このうち、生産量の指標である農業生産指数(総合)をみると、17年は前年より1.4%上昇した(表2-1)。これは、畜産物等の生産量が減少したが、一部地域を除き生育がおおむね順調であった米や、観測史上最多の台風上陸により前年作柄の悪かった野菜、果実等の収穫量が増加したためである。

一方、価格の指標である農産物価格指数(総合)をみると、17年は前年より5.7%低下した。これは肉用牛や鶏卵等の畜産物の価格は上昇したものの、収穫量の増加した米や、前年の台風被害等による価格高騰への反動から野菜、果実等の価格が低下したためである。

このように、17年の農業総産出額の減少は、生産量増加による上昇要因よりも、価格低下による減少要因が上回ったことによる。

表2-1 農業生産指数及び農産物価格指数の動向(12年=100)

(国内農業の体質強化の観点から生産コストの縮減が必要)

18年(概算)の農産物価格指数(総合)は、日照不足や大雨の影響を受けて野菜の価格が上昇したこと等により、前年より2.6%上昇した。一方、18年(概算)の農業生産資材価格指数(総合)は、飼料、肥料、光熱動力費等の上昇により、前年より2.1%上昇した。なかでも、光熱動力費は原油価格の影響を受けて上昇を続け、9月以降低下する傾向にあるものの、年平均では前年より12.9%上昇しており、施設利用型農業経営に対する影響が懸念される(図2-3)。

こうしたなかで、農産物価格と農業生産資材価格の相対的な関係を示す農業の交易条件指数は、18年(概算)は97.5と前年より0.4ポイント改善したが、依然、悪化基調にある。

国内農業の体質強化に向け、食料供給コストの縮減の一環として、さらなる低価格資材の供給や効率利用等による生産コストの縮減を図っていくことが課題となっている(*1)。

*1 第2章第3節(P119)参照

(農業所得の変動に左右されやすい主業農家の農家経済)

17年の主業農家(*1)1戸当たりの総所得は、前年より6.0%減少して539万円と、副業的農家(*2)を上回るものの、準主業農家(*3)を下回る水準となった(図2-4)。主業農家の所得は農業依存度が高いため、気象災害等に伴う農業所得の変動に左右されやすい状況にある。

一方、同年の主業農家1戸当たりの負債は、405万円と準主業農家を下回る水準であったが、このうち、短期(1年以内)で返済が必要な負債の割合は29.2%と準主業農家の6.8%と比べて高い水準にあり、毎年安定した現金収入が必要となる(図2-5)。

こうした状況を踏まえ、今後、主業農家をはじめとして、効率的かつ安定的な農業経営体の育成・確保が重要である。

*1~3 [用語の解説]を参照。

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