このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

(2)農業従事者、新規就農者の動向 イ 新規就農者の動向

(増加傾向にある新規就農者)

新規就農者は、17年は10年前(7年)より64%増加し7万9千人となり、増加傾向にある(図2-9)。そのうち60歳以上が51%を占めており、39歳以下の新規就農青年(*1)は、1万2千人(新規学卒就農者2,500人を含む)と全体の15%にとどまっている。

*1 就業状態が「学生」から「農業が主」となった者(新規学卒就農者)と「勤務が主」から「農業が主」となった者(離職就農者)のうち、39歳以下の者。

(制度を活用しつつ資金・農地を確保する新規就業者)

新規就農に際しては、資金の確保では、9割の新規就業者が自己資金を用意しているほか、制度資金を活用している者も多い(図2-10)。また、農地の確保では、自ら確保する以外に農業委員会等からのあっせんを受ける割合が高く、これらの施策・制度は新規就農者の確保に一定の成果をあげていると考えられる。

(多様な能力を有する人材の確保が必要)

フリーターの就業意識調査によると、4割のフリーターが農業研修に興味をもっており(*1)、また、団塊世代(*2)のなかにも就農を志向する者がみられる(*3)。今後、農業労働力を確保していくため、女性や高齢者の活用をさらに図るだけでなく、若者や団塊世代等に農業の魅力を伝えることにより、農業に対する関心を高め、農業を職業として選択してもらうことで、多様な能力を有する人材を確保することが重要である。

*1 日本雇用創出機構「“フリーター”の就業意識をさぐる」(16年6月公表)。15~34歳で現在または過去にフリーターであった者等を対象に実施したインターネット調査(回答数408)。データ(エクセル:23KB)

*2 昭和22~24年生まれの世代で、その人口は、17年9月30日現在、683万人である。第二次世界大戦直後に生まれた出生数が突出して大きいこの人口グループは、堺屋太一氏によって「団塊の世代」と呼称された。

*3 P170参照

(農業従事者の確保と就農段階に応じた支援が必要)

若者や団塊世代等が新しい暮らし方を求めて、農村で再チャレンジすることに対し、経験がなくても農業に就業できるよう、情報提供・相談、体験・研修、参入準備から、就農後の定着までの各段階に対応した、きめ細かな支援が必要である。農林水産省では、23年度までに60歳以上の離職就農者数を15年の1.5倍の6万人にすることを目標に取組を進めている。

なお、欧米においても新規就農に対して様々な支援がなされており、例えば英国では、州政府が保有する農場を新規就農者に優先的に貸し付けており(*4)、また、デンマークでは、新規就農者に高度な農業技術を教育している(*5)。我が国においても、資金や農地の確保に向けた一層の支援や、技術力・経営管理能力の向上を図ることが重要である。

*4 内山智裕「新規就農の国際的潮流と我が国における課題-担い手としての期待-」(農政調査時報第556号)

*5 消費科学連合会「消費の道しるべ」第506号

(就農先として選ばれる農業法人)

新規就農者のなかには、農業法人の雇用者として就農することを選ぶ者もおり、農業法人にも、新規就農者に配慮した就業環境を整備しているところがある。

事例:若者の積極的な雇用による、農業経営の改善や地域農業の振興

田植え作業の様子

長野県東御市

長野県東御市(とうみし)の農業法人は、農業に意欲をもった若者の雇用と研修を通じた人材の育成に力を入れている。この農業法人は、法人化後の7年より年々規模を拡大し、18年には水稲30ha、小麦9ha、大豆8ha等の減農薬・減化学肥料栽培を行っている。

この農業法人では、自らのホームページ等で従業員を募集しており、現在20歳代3名を含む8名が活躍している。従業員への報酬は日給月給制で、交通費や諸手当も別途支給される。また、年間100日の休日が保証されているほか、長期休暇も取得可能である。さらに、従業員を地域の若手農業者の活動や研修会に参加させ、将来的に独立できるような人材として育成している。

今後、経営規模の拡大と農業に興味と意欲のある若者の育成を進めることとしている。

お問い合わせ先

大臣官房広報評価課情報分析室
代表:03-3502-8111(内線3260)
ダイヤルイン:03-3501-3883