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農林水産省

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(1)担い手と農業経営の動向 イ 農業構造の分析

(農業地域ごとに異なる販売農家の規模拡大傾向)

近年、経営規模の小さな農家が減少する一方、5.0ha以上の農家戸数は増加する傾向にある。都府県における経営規模ごとの販売農家戸数について、農業地域類型別に12~17年の増減率でみると、5.0ha未満層は減少、5.0ha以上層は増加しているが、10.0ha未満の各層の増減率は地域間で大差はない。一方、10.0ha層以上の販売農家戸数は、特に都市的地域や平地農業地域で増加率が大きい反面、中山間農業地域では都市的地域や平地農業地域より増加率が小さく、特に、山間農業地域では15.0ha以上層の増加率が大幅に低い(図2-23)。

(伸び率が鈍化した5.0ha以上層の農家数)

新たに5.0ha以上層に属した農家数は、2~7年と7~12年でほぼ同数であったが、12~17年では増加している。一方、5.0ha以上層から5.0ha未満層(*1)に移行した農家数は増加傾向にあり、5.0ha以上層への加入農家数と5.0ha以上層からの離脱農家数の差は減少している。その結果、5.0ha以上層の農家数の伸びは鈍化してきている(図2-24)。

*1 5.0ha未満層には、自給的農家及び例外規定を含む。

(拡大が進む水稲作の作業受託面積)

また、水稲作の農作業受託面積規模別の販売農家戸数をみると、5.0haを境にそれ以上の層では、農作業を受託する農家がふえており、大規模農家は作業受託に積極的に取り組んでいる。このように、農家の経営規模の拡大の動きが引き続きみられるが、特に15.0ha以上層で顕著である(図2-25)。

(大規模層ほど高い稲作部門の安定性・収益力)

稲作単一経営の安定性について、水田作作付延べ面積規模別に損益分岐点分析(*1)を行ってみると、規模が大きいほど規模拡大効果が現れ、損益分岐点比率(*2)が低くなる傾向があり、大規模層は効率的で収益力が高い経営を行っていることがわかる(図2-26)。

*1、2 [用語の解説]を参照。

(販売金額と相関がみられる契約栽培の実施)

農業経営の安定化を図るためには、経営規模の拡大とともに経営の多角化や農産物の高付加価値化、経費の節減に向けた取組を行うことが必要になる。農業経営においては、販売金額と契約栽培の実施に相関がみられるとともに、販売金額の少ない層を中心に直接販売の取組の増加が顕著である(図2-27)。

(経営の多角化や高付加価値化により、消費者に選ばれる農産物の生産が重要)

我が国の農業では、経営規模の拡大が大規模層を中心に進むとともに、経営の多角化や高付加価値化等の様々な取組が行われている。農業経営の安定に向け、輸入農産物との差別化を図り、消費者に選ばれる農産物を生産していくことが重要である。

事例:付加価値の向上に重点を置いた認定農業者の農業経営

しそ巻きの製造の様子

山形県三川町

山形県三川町(みかわまち)で4haの農地を所有し稲作を専業としている認定農業者は、一時は規模拡大も行ったが、農業機械費やほ場間の移動時間の増加等のデメリットを考慮し、4haの経営に戻し、稲の高付加価値化や農産加工の充実に力を入れている。

稲作は消費者ニーズを考慮し、アイガモ等による有機栽培と減農薬・減化学肥料の特別栽培の2種類に取り組んでいる。作った米は、仲間の生産者の分とともに、独自ルートで有利販売をしている。

また、地元で食べられていた「しそ巻き」を、同氏の妻が製造し、近隣の直売所等で販売している。「しそ巻き」の原材料も、自家製の無農薬の「しそ」をはじめ、なるべく国産のものを使用している。

本地域は地代が高く、利用集積が進めづらいこともあり、今後も付加価値の高い米の生産や「しそ巻き」の改良を通して所得の向上を目指すこととしている。

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