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農林水産省

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(3)品目横断的経営安定対策の取組

(品目横断的経営安定対策の目的は農業の構造改革の加速化)

我が国農業の経営規模は欧米に比べ零細であり、ぜい弱性を内包しているものの、経営規模の拡大、経営の多角化、農地の利用集積の促進等により、経営の効率化が進められている。一方で、高齢化による離農等に伴う農業従事者数の減少、かい廃に伴う農地の減少と耕作放棄地の増加が進行しており、我が国の農業を取り巻く状況は悪化している。

このようななか、我が国農業の構造改革を加速化させることを目的に、19年産から品目横断的経営安定対策の実施が決定された。これは、これまで全農家を一律として品目ごとに講じられていた経営安定対策を見直し、担い手を明確化したうえで、その経営の安定を図るものとされている(図2-36)。

図2-36 品目横断的経営安定対策のポイント

(品目横断的経営安定対策に対応した地域の工夫)

品目横断的経営安定対策においては、中山間地域等の条件不利地域や地域の生産調整面積の過半を受託する組織について、都道府県知事からの申請に基づき経営規模要件が緩和される特例が設けられている。

具体的には、(1)物理的制約から規模拡大が困難な地域については、基本原則(認定農業者は4ha(北海道は10ha)以上、集落営農組織は20ha以上)の概ね8割(中山間地域の受託組織については5割)の範囲内で緩和、(2)地域の生産調整面積の過半を受託する組織については、20haに生産調整率を乗じた面積(中山間地域は、これに8分の5を乗じた面積)の範囲内で緩和することができることとされており、市町村や、旧市町村、集落ごとに緩和された経営規模の要件が定められている。

(農林水産省の試算を上回る秋まき麦の加入申請)

品目横断的経営安定対策の実施に向け、秋まき麦を作付ける農業者のうち、収入減少影響緩和対策に加入する者の加入申請が18年9~11月に行われた。この結果、計2万7,700経営体が申請を行い、これらの麦の作付計画面積は24万3,885haとなっている。この18年秋時点の申請だけでも18年産の4麦(*1)の作付面積の9割の水準であり、農林水産省で試算(*2)した面積を上回る水準となっている(表2-7)。

また、都道府県別の申請者数をみると、認定農業者では北海道が1万4,610経営体で最も多く、集落営農組織では佐賀県が463経営体で最も多くなっている(表2-8)。

*1 小麦、二条大麦、六条大麦、裸麦のこと。

*2 すべての地域の規模要件が一律に2割緩和されたものと仮定して、(1)個別経営については、田または畑の経営規模が都府県3ha以上、北海道8ha以上の経営体、(2)集落営農については、受託作業面積が16ha以上の作業受託組織が、それぞれ認定農業者または特定農業団体等一定の要件を満たすよう、構造改革のための努力を行ったとの前提をおいて、農林業センサス(17年)に基づき試算したもの。

(円滑な導入と定着が必要な品目横断的経営安定対策)

今後、品目横断的経営安定対策の円滑な導入と定着が図られるとともに、対象者要件を満たす担い手の育成・確保の取組を強化していくことが重要である。地域では、品目横断的経営安定対策を視野に入れた取組が進められている。

事例:旧村全6集落で設立した農事組合法人の品目横断的経営安定対策への対応

大規模な大麦の栽培

兵庫県加古川市北東部

兵庫県加古川市(かこがわし)北東部は、零細な兼業農家主体の地域で、昭和50年代後半に6つの集落ごとに農業機械の共同利用組織としての営農組合が作られていた。

しかしながら、6つの集落は高齢化と担い手不足が進むなか、地域農業の持続的発展を図り、一層の経営の効率化を目指すため、普及指導センターの強力な指導により、個々の営農組合が1つの農事組合法人に再編された。

農事組合法人には、全体の水田の約3分の1に当たる約100haが集積され、意欲的な集落内の農家と共存しつつ、水稲・大麦・大豆を中心とした営農が展開されている。3名のオペレーターを中心とした体制により、大型農業機械の稼働効率が飛躍的に向上している。農家レストラン経営や弁当、和洋菓子等の食品加工のほか、若者をオペレーターとして養成後、雇用するなど様々な取組が行われている。

品目横断的経営安定対策については、既に加入している。今後、農作業の安全面への配慮や営農技術の向上、受託面積拡大に伴う労働力不足等の問題を解消することが課題である。

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