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農林水産省

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(4)米政策改革と主要品目の生産と政策 ア 米政策改革

(新たな需給調整システムに移行)

米については、食生活の変化に伴う継続的な消費量の減少等の環境変化に対応して、22年度までに米づくりの本来あるべき姿の実現を目指し、消費者重視・市場重視の考え方に立った需要に即応した米づくりが推進されている。

こうしたなか、品目横断的経営安定対策の導入にあわせて、19年産米から農業者・農業者団体の主体的な需給調整システムへ移行されることとなった(図2-37)。

(農業者・農業者団体が自らの販売戦略に即して生産を実施)

このシステムは、農業者・農業者団体が国・都道府県等から提供される需給に関する情報や市場のシグナルを基に、自らの販売戦略に即して生産に取り組むものである(図2-38)。

今後、新たな需給調整システムの定着が円滑に進むよう、地域における関係者の積極的な参加による地域水田農業推進協議会等の体制整備を進めるとともに、担い手の育成・確保対策の取組との十分な連携を図りながら、施策が推進されていくことが重要である。

(担い手育成に向けたビジョンの見直しが進展)

米政策改革の第1ステージ(16~18年産)では、地域の作物生産や販売戦略、水田の利活用等の産地づくりや担い手育成の設計図ともいうべき「地域水田農業ビジョン」が策定されている。18年度は2,072の地域水田農業推進協議会において策定され、各地域において産地づくり交付金を活かした創意工夫ある取組が行われている。

同ビジョンについては、毎年度、その実施状況の点検を行うこととされており、その結果18年度に向けて見直しを行った地域協議会は全体の6割となっている。見直しに当たり、取組の強化を図った点は、米以外の作物の生産拡大が多く、次いで認定農業者や集落型経営体の育成となっており、前年度に比べると担い手の育成に重点をおいた取組の進展がうかがわれる(図2-39)。

図2-39 地域水田農業ビジョンの見直しで強化を図った点

(18年産は不作となるも、需要見通しに均衡する水準を確保)

18年産の水稲の作柄は、登熟(*1)はおおむね順調であったが、九州を中心に台風第13号による潮風害等の被害が発生したため、全国の作況指数(*2)は96、生産量は前年産より5.7%減の855万トンとなった。特に、九州の作況指数は78と、凶作だった5年産の76に迫る低水準となった。

18年産は不作となったものの、18年7月から19年6月まで1年間の需要見通しの844万トンに対し、ほぼ需給が均衡する水準を確保している。しかし仮に、作況指数が100の平年作であった場合、主食用等の生産量は876万トンと推計され、18年産米の生産目標数量(833万トン)と比較して40万トン程度が生産過剰となった。この状況の一因として、過剰作付等、生産調整への取組が十分に行われていないことがあると推測される。

*1 開花・受精から成熟期までに子実が肥大、充実していくこと。

*2 [用語の解説]を参照。

(米の消費量は減少するも、外食・中食等における需要は増加)

米の消費量は減少を続けている。17年度の1人1年当たりの消費量は、前年度より0.1kg減の61.4kgと、ピーク時の昭和37年度(118.3kg)に比べ半分程度まで落ち込んでいる。

一方、食の外部化や消費者の簡便志向の強まり等を背景に、外食・中食等における米の需要は増加傾向で推移しており、生産者は販売戦略のうえで留意する必要がある(図2-40)。

(担い手の育成・確保と生産調整の的確な取組の加速が重要)

こうした需給動向を反映して、財団法人全国米穀取引・価格形成センターにおける18年産米の入札価格は、17年産(作況指数101)よりも作況指数が下回ったにもかかわらず、落札銘柄平均で前年産より下回る水準で推移している(図2-41)。

今後、こうした厳しい市場シグナルのもとで、担い手の育成・確保と生産調整の的確な取組が加速されていくとともに、外食・中食(*1)産業等のニーズにも対応した売れる米づくりが推進される必要がある。これとあわせて、食料自給率の向上や米を中心に栄養バランスに優れた「日本型食生活(*2)」の実現の観点から、食育の推進等を通じて我が国で自給可能な米の消費拡大につながる取組が行われていくことが重要である。

*1 [用語の解説]を参照。

*2 P67を参照

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