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農林水産省

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(4)米政策改革と主要品目の生産と政策 イ 麦、大豆、野菜、果実の生産と政策

(横ばい傾向の国内産麦の生産)

18年産の国内産麦(4麦)の作付面積は、27万2千haで前年より1.4%の増加となった。生産量については、近年は横ばい傾向で推移しているが、18年産については、天候不順の影響により小麦や大麦の生産量が減少したことから、前年より4.4%減少し101万1千トンとなった(*1)。

*1 農林水産省「耕地及び作付面積統計」、「作物統計」データ(エクセル:17KB)

(品質、生産性向上が課題)

小麦は、18年産の生産量が83万7千トンで、基本計画の生産努力目標数量86万トンにほぼ達しているものの、外国産小麦に比べたんぱく質含量にばらつきがみられるなど、品質の向上が課題となっている(図2-42)。また、生産コストについても、北海道では14年以降横ばいであり、都府県では経営規模の拡大や集落営農の組織化等により低減傾向にあるものの、依然として高水準にある(図2-43)。このため、品質の向上を図るとともに、担い手育成の加速化等により生産コストの低減を進めることが重要である。

また、大麦・裸麦は、18年産の生産量が17万4千トンと基本計画の目標数量35万トンの半分程度にとどまっており、増産や品質向上、生産の安定等が課題となっている。

(麦政策の見直しの着実な推進が重要)

麦政策については、品目横断的経営安定対策の導入に伴い国による無制限買入制度が廃止されるとともに、外国産麦についても政府が年間固定の売渡価格を定める標準売渡価格制度が廃止され、海外からの輸入価格に連動した価格で売り渡す新たな制度への移行や品質評価基準の見直しが行われた。また、品質の向上、生産の安定をはじめとした課題の解決に向け、産地強化計画の策定、新品種開発・生産対策の推進等が行われている。

今後もこうした麦政策の見直しを着実に進め、需要に応じた麦生産を行うことが重要である。

(大豆の作付面積は他作物からの転換によって6%増加)

17年産大豆の作付面積は、前年より2.0%減少して13万4千haとなったが、全国的におおむね天候に恵まれ、生育は順調で被害の発生が少なかったため、生産量は22万5千トンと前年より37.9%の大幅な増加となった(*1)。18年産の作付面積は、北海道において小豆、いんげんからの転換があったこと等から、前年より6%増加し14万2千haとなった。

*1 農林水産省「作物統計」データ(エクセル:16KB)

(安定生産とコスト削減が課題)

大豆生産は、気象条件や土壌条件等の影響を受けやすいため、10アール当たり収量は、年次変動や地域格差が大きく全国的には伸び悩んでおり、実需者から安定供給が強く求められている(図2-44)。また、生産組織への作業集積の進展等により、10アール当たり生産費は微減しているが、基本計画に定めた27年度までに生産コストの3割程度低減に向けて、新技術の導入等による10アール当たり収量の向上や経営規模の拡大が必要である(図2-45)。

(大豆は産地改革の推進が重要)

安定生産やコスト削減、品質向上、需要拡大に向けて、新たな栽培技術や実需者ニーズに応じた新品種の導入、産地と実需者の安定的な取引関係の構築等の産地改革を着実に進めていくことが重要である。

(野菜の自給率は、輸入増加に伴い低下傾向)

野菜の産出額は、約2兆円(17年)と米や畜産に匹敵する規模である。近年、生産量は減少しており、17年産は天候不順だった前年より1.1%増の1,248万トンとなったものの、5年前より8.9%減となるなど、減少傾向にある。需要量も1,583万トンと前年より2.2%増となったが、5年前より6.0%減となった。17年の輸入量は過去最高の252万トンであり、野菜の自給率は79%まで低下した(図2-46)。

また、18年夏には、日照不足等により価格が高騰したが、秋以降の好天により露地野菜の価格が下落し、冬キャベツの産地廃棄等緊急需給調整が実施された。こうした産地廃棄は「もったいない」との批判が寄せられたことに対応し、有識者による委員会で検討が行われた。今後、その提言(*1)に基づき過剰時の野菜の有効利用等に取り組むこととされている。

*1 「野菜の緊急需給調整手法に関する検討委員会」報告書(19年3月)

(果実加工品の輸入増加に伴い、果実の自給率は低下傾向)

果実と果実加工品の需要量は、近年800~900万トンで推移するなか、国内生産量は減少し、果汁等加工品の輸入増加により、果実の自給率は低下傾向にある(図2-47)。

なお、17年産の果実の栽培面積は、26万5千haと前年より1.1%減少した。

(担い手を中心とした産地の体質強化に向けた新たな野菜対策)

野菜の国内生産は、主に主業農家が担っているが、高齢化に伴う離農等により、作付面積や生産量が減少している。また、加工・業務用野菜を中心に輸入が増加するなか、野菜を安定的に供給できる産地づくりと加工・業務用野菜の国産シェア拡大が重要な課題となっている。

このため、19年度からの新たな野菜対策として、担い手の所得を安定的に確保するなどの観点から、契約取引、需給調整の的確な実施を一層推進するとともに、価格安定制度にも担い手の育成・確保への取組を奨励する仕組みを導入することとされている(図2-48)。

今後、新たな対策に加え、高性能機械のリレー利用等によるコストの低減、低コスト植物工場技術の確立等が重要である。

図2-48 新たな野菜対策の概要

(消費者ニーズに即した産地の競争力の強化に向けた新たな果樹対策)

果樹産地は、後継者不足や高齢化の進展、基盤整備や担い手の規模拡大の遅れ等から、生産基盤・産地のぜい弱化が進行し、産地の構造改革や担い手への経営支援が喫緊の課題となっている。

このため、19年産からの新たな果樹対策として、これまでの果樹経営安定対策を廃止し、産地自らが策定した「果樹産地構造改革計画」に基づき、消費者ニーズに対応した優良品目・品種への転換等に前向きに取り組む産地・担い手を支援する果樹経営支援対策を導入することとされている(図2-49)。今後、競争力の強い産地の実現に向け、高い品質で味にばらつきがなく、消費者に信頼と値頃感を与える安定供給体制を構築することが重要である。

図2-49 新たな果樹対策の概要

(野菜・果実のいずれも摂取目標量に達していない状況)

野菜、果実について、「健康日本21(*1)」や「毎日くだもの200グラム運動指針(*2)」による摂取目標量と実際の摂取量を比べると、食の外部化の進展等を背景に、すべての年齢層で目標値を下回り、特に若年層での不足が顕著となっている(図2-50)。

このため、食育活動の一環として、「野菜1日5皿分(350g)以上」、「毎日くだもの200グラム運動」といった取組が官民一体となって行われている。今後、「食事バランスガイド」等を通して健全な食生活を実践するなかで、野菜や果実の摂取増大を推進することが必要である。

*1 健康寿命の延伸等を実現するため、2010年度を目途に具体的な目標等を提示した「21世紀における国民健康づくり運動」のこと。

*2 生産、流通、消費の関係団体並びに農学、医学、栄養学、料理等の関係者から構成された「果物のある食生活推進全国協議会」が策定した指針であり、新しい科学的知見等に応じて随時見直すこととしている。

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