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農林水産省

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(3)農産物輸出の一層の促進

(農林水産物・食品の輸出は増加傾向)

近年、健康的であるなどのイメージやおいしさ、見た目の美しさ等の理由から日本食が世界的なブームとなっている。海外の日本食レストランは2万店を超え(*1)、また、近年は訪日する外国人が増加しているが、その動機の上位に「日本食」を食べることがあげられるなど(*2)、海外での日本食人気は今後も高まるものと思われる。このような状況のなか、我が国の農林水産物・食品の輸出は増加傾向にあり、2006年の輸出額は3,739億円と5年前に比べ5割の増加となっている(図2-69)。

*1 キッコーマン(株)の調査・推計によると、2004年時点で、海外の日本食レストラン数は2万4千店、世界で1年間に1回以上日本食を食べる人口は6億人とされている。データ(エクセル:14KB)

*2 (独)国際観光振興機構「訪日外国人旅行者調査2003-2004」(17年3月公表)データ(エクセル:15KB)

(アジア向け輸出の増加が顕著)

輸出先としては米国、アジアが中心となっており、経済発展に伴う高額所得者層の増加が著しい中国を中心としたアジア向けの輸出の伸びが顕著である。輸出額上位20か国に占めるアジア諸国の割合は、2001年の66%から2006年には71%へと上昇しており、なかでも中国向けの輸出は2001年の12%から2006年は17%へ大幅に上昇している(図2-70)。

(農作物に加え加工食品の輸出が増加)

2006年においては、りんご、長いも等に加え、緑茶、しょう油等の加工食品の輸出が拡大しており、アジア、米国、EUをはじめ、世界各地に輸出されている(表2-18)。

(輸出による新たな市場開拓が重要)

我が国の農業総産出額は減少傾向で推移しており、また、少子高齢化の進展により人口が減少局面に入ったとみられるなか、国内市場の規模の縮小が懸念され、新たな市場の開拓が重要となっている。

このため、海外に新たな市場を求め、農林水産業が21世紀にふさわしい戦略産業に成長することを目指し、新境地の開拓という視点に立った輸出促進に取り組むことが重要である。

政府は、「21世紀新農政2006」において、農林水産物・食品の輸出額を2004年からの5年で倍増する目標を掲げたが、第165回国会の総理大臣所信表明演説では、2013年に輸出額を1兆円規模とする目標が新たに示され、その実現に向けた取組が行われている(図2-71)。

また、都道府県も海外において自治体主催の産品フェアを行うなど、輸出の促進に向け関係者が一体となって積極的な取組が行われている。

図2-71 我が国の農林水産物・食品輸出目標額

(輸出拡大に向けて海外販路を開拓)

農林水産物・食品の輸出目標の達成に向けて、政府等による海外市場の調査・分析、情報収集等が行われ、国内セミナー等を通じた情報提供が行われている。また、海外において展示・商談会等が行われており、2006年度には中国、タイ等において常設店舗が設置されたほか、欧州、米国等において展示・商談会が開催された(図2-72)。

図2-72 展示・商談会開催、常設店舗設置都市(2006年度)

(需要拡大を目指して日本食・日本食材を海外発信)

農林水産物・食品の輸出を一層促進するためには、我が国の食文化や農林水産物・食品をブランドとして確立することにより、日本食や日本食材に対する需要がさらに拡大することが期待されることから、日本食・日本食材の海外発信を積極的に進めることが重要である。

その一環として、2007年3月に海外日本食レストラン推奨有識者会議から「日本食レストラン推奨計画」が提言され、今後、現地での調査や料理講習会を実施するなど、同推奨計画を推進するための支援を行うこととされている。

(関係者が一体となった日本食・日本食材の広告・宣伝活動)

民間企業では海外における日本食文化の普及に向けた取組を行っているほか、JAグループでは成田空港に販売店舗を設置し、外国人旅行者等に対して、精米や茶、青果物といった特産品の販売を行うなど、我が国の農産物・食品の認知度向上に努めている。

また、各国の要人やオピニオンリーダーに我が国からの品質の高い食材を用いた日本食を提供することにより、広くかつ効果的に日本食・日本食材の魅力を伝えることを目的とした「WASHOKU-Try Japan's Good Food」事業が世界各国で行われている。

成田空港に設置された店舗の様子提供された日本食の例

(日本産農産物は海外でも高評価)

我が国の輸出農産物に対する海外での評価は高く、例えば、中国でも経済発展の著しい上海での調査によると、他国産のりんごに比べ日本産のりんごは品質や安全性の面で大変満足とする回答が多くなっている(表2-19)。また、タイにおいては日本産果実に対するイメージとして「価格が高い」「安全・安心」「おいしい」と回答されており、高級で価格は高いが安全でおいしいとのイメージをもつことがうかがわれる。また、実際に日本産果実を食べた感想では8割以上の者がおいしいと回答するなど、高い評価となっている(図2-73)。

(総合的な輸出戦略が必要)

農林水産物・食品の輸出を促進するうえでは、生産・流通・加工の各段階における基盤の強化、輸出相手国・地域(相手国)の安全性等の基準への対応等の解決すべき様々な課題が国内外に存在するが、これらの内容は品目ごとに異なっている。

このため、2013年までに1兆円規模を目指す輸出目標の達成に向け、品目ごとに、輸出先として期待される国等を明確にしつつ、課題の解決に向けた方策を具体化した総合的な輸出戦略を策定することが必要である。

(輸出相手国への輸入解禁要請等の輸出環境の整備)

相手国の検疫措置により我が国の農産物・食品を輸出できない場合があり、輸出促進を図るうえでの阻害要因の一つとなり得る(表2-20)。

これら農産物・食品の輸出解禁に向けて、当該相手国に対しては、科学的根拠に基づいた協議が行われている。また、特に輸出の拡大が期待される品目については、相手国の衛生検疫制度の変更をチェックしつつ、優先的に輸出阻害要因の解決に取り組む必要がある。

表2-20 主要品目の主要相手国・地域別輸出入状況

(輸出促進に向けた生産体制等の整備が重要)

農産物・食品の輸出には、国内市場の需給調整といった側面もみられるものの、長期にわたり安定した輸出を行い、我が国の優れた農産物・食品の魅力を海外の人々に理解してもらうには、相手国の需要に応じた、輸出を目的とする生産体制等の整備が重要である。

農林水産物・食品の輸出の拡大は、我が国の農林水産業や食品産業への経済効果にとどまらず、これらの産業に携わる人々に勇気と活力をもたらすものであり、関係者が一体となった強固な協力体制を構築し、輸出促進に取り組むことが重要である(表2-21)。

表2-21 我が国農産物の輸出取組事例

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