このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

(1)農村の多様な資源と農業の多面的機能

(農村には多様な地域資源が存在)

農村には、農地・農業用水、多様な生態系、美しい農村景観といった様々な地域資源が存在し、特に、農地・農業用水等は、農業生産にとって最も基礎的な資源であり、食料の安定供給の確保や多面的機能の発揮に不可欠な社会共通資本である(図3-18)。

水田の区画整理、畑地でのかんがい施設や農道の整備等により、優良な生産基盤が整備されつつある。13~18年度に全国の水田を対象に行われた調査では、国内に生息する淡水魚の種類のうち、コイ科で69%、ドジョウ科で71%の種が確認されるなど、豊かな生態系を育んでいる(*1)。また、農業用水は、約40万kmに及ぶ農業用用排水路やダム、ため池等様々な農業水利施設を通じて利用され、地域の生態系を保全し、美しい景観を創出するなど、様々な役割を果たしている。

*1 農林水産省、環境省「田んぼの生きもの調査2006」

(国民全体が享受する農業の多面的機能の効果)

農業は、食料を供給する役割だけでなく、その生産活動を通じて国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、良好な景観の形成、気候の緩和、文化の伝承等様々な役割を有している(*1)。これらの効果は、地域住民をはじめ国民全体が享受し得るものであるが、その一方で、農業生産活動の停滞や集落機能の低下等により、多面的機能の発揮に支障を生じる事態が懸念されている。

*1 トピックス4(P14)参照

事例:水田の有する気候緩和機能にかかる調査・分析の例

水田地帯による低温域の分布状況
拡大図(別ウインドウで開きます)

埼玉県春日部市

農林水産省が埼玉県春日部市(かすかべし)で夏期に実施した、市街地とその周辺部の水田地帯における気温の調査によると、当該地域において水田地帯では市街地に比較して3.5~6.4℃低く、特に午後8時頃が最も差が大きくなった。また、気温の地域分布をみると、水田地帯からの比較的涼しい空気が、風向きによっては市街地へ流れ込んでいる状況が確認された(右図参照)。

また、観測データを基に、土地利用の変化に伴う気温への影響についてモデルにより試算したところ、市街地が拡大する以前の40年前の土地利用では、水田地帯の気温は現在とほとんど差はないが、市街地(春日部駅周辺)の午後9時の気温は現在より2.7℃低く、水田による気候緩和の効果と考えられる。

(農業の多面的機能の理解を一層促進させるための取組が重要)

農業の多面的機能に関する調査によると、7割に及ぶ市町村が住民は理解しているとした(*2)。一方、ほとんどの人が理解していないとした市町村では、理解を深めるためには、学校での農業体験学習や、都市住民向けの農業体験の実施といった事項が必要とした回答が多い(図3-19)。多面的機能の理解を一層促進するためには、これらの取組が重要である。

*2 農林水産省「「食」と「農」、多面的機能の発揮等に関する調査」(15年3月公表)。図3-19の注釈参照データ(エクセル:15KB)

お問い合わせ先

大臣官房広報評価課情報分析室
代表:03-3502-8111(内線3260)
ダイヤルイン:03-3501-3883