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農林水産省

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(2)農村資源の維持保全と地域環境保全活動

(農家戸数の減少や混住化の進展が、集落主体の維持保全を困難化)

農道や農業用用排水路の維持管理については、農家戸数の少ない集落ほど集落で行う割合が低く、複数集落で取り組む割合が高くなっている(図3-20)。また、混住化率の高い集落ほど維持管理を行う集落の割合が低下している。農家戸数の減少や混住化の進展等、農業集落の構造変化により、集落を主体とする共同作業による維持保全が困難な状況がうかがわれる。

(非農家の参画により共同作業時間が減少)

農業用用排水路の維持管理については、1回当たりの共同作業時間が2時間を超える集落の割合は、非農家も参画する集落の方が、農家のみ参画する集落より低くなっており、参画範囲が作業時間に影響していると考えられる(図3-21)。山間農業地域では、2時間を超える集落の割合が高く、同時に5年前より参加者が減少した集落の割合も最も高く、作業の負担が大きくなっていることがうかがわれる。

(集落管理が困難となると農地のかい廃に影響)

農業用用排水路の維持管理形態について、集落管理から非集落管理に移行した集落は、非集落管理から集落管理に移行した集落に比べ農地の減少が大きい。共同作業が困難となることに伴う非集落管理への移行は、農地のかい廃に影響を及ぼしていることがうかがわれる(図3-22)。

(さらなる活発化が期待される生態系保全活動)

地域環境の保全活動については、全国の半数を超える集落が景観の保全・形成活動に取り組んでいる(*1)。また、7%の集落が自然動植物の保護活動に取り組み、その割合は近年増加傾向にあり、自然保護活動への高い意識(*2)により今後の活発化が期待される。

*1 農林水産省「農林業センサス付帯調査 農村集落調査」(17年)データ(エクセル:15KB)

*2 内閣府「自然の保護と利用に関する世論調査」(18年9月公表)。全国20歳以上の者3,000人を対象とした調査(回答率61.1%)。美化清掃活動や野生生物保護活動等の自然保護活動に71%が参加したいと回答。データ(エクセル:16KB)

(地域住民の意識の醸成を通じた地域一体の取組が重要)

農地や農業用用排水路等は多様な役割を有しており、地域において、里山・棚田、水路の景観や生態系等の保全・活用に向けた様々な取組がみられる。農地や農業用用排水路等を地域の貴重な資産として地域一体で守っていく住民意識の醸成が重要である。

事例:用水路の「疎水百選」への選定を契機に、地域一体となった保全・活用の取組の活性化

小学生への自然教育の様子

鳥取県鳥取市

鳥取県鳥取市(とっとりし)では、歴史ある地域の大井手(おおいで)用水路が、農業のみならず豊かな生態系を保全し、憩いの空間を提供するなど、地域住民の日常生活に欠かせない用水路となっており、地域住民による水路の保全活動を通じコミュニティの醸成にも役立ってきた。高齢化等により保全活動が難しくなるなか、後世に残したい全国の代表的な用水である「疎水百選(*3)」に選定された。これを契機に、改めて用水路の果たす役割が再認識され、子どもへの自然教育、地域の史跡探訪、農家と市民の交流による食育活動といった各種イベントの開催による啓発活動や水路の保全・活用を図る取組の活性化がみられる。今後、地域における活動の広がりにより、地域の活性化にも寄与していくことが期待される。

*3 国民共有の資産として後世に残したい疎水について、応募のあった農業用水路のなかから、インターネットによる投票結果等を踏まえ選考委員会が110地区を選定し、18年2月に「疎水百選」として認定された。

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