ホーム > 組織・政策 > 白書情報 > 平成18年度 食料・農業・農村白書 > 平成18年度 食料・農業・農村の動向 > 第1部 食料・農業・農村の動向 > 第3章 農村地域の活性化と共生・対流の促進 > 第4節 共生・対流の促進を通じた農村地域の活性化 > (1)都市農業の重要性


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(1)都市農業の重要性

(全国の農業生産の3割を占める都市農業)

都市とその周辺地域(農業地域類型における都市的地域を指す。)では、17年の農業産出額が2兆8千億円、耕地面積が128万ha、総農家戸数が68万6千戸と、それぞれ全国の31%、27%、24%を占めており(図3-26)、都市住民への農産物の供給に大きな役割を果たしている。

(野菜の農業産出額は全国の4割を占める)

都市的地域の農業産出額は、作物別では野菜が最も多く、また、花き、野菜、果実の農業産出額は、いずれも全国の4割を占めている(図3-27)。都市的地域では比較的付加価値の高い野菜や花きによる農業産出額の割合が多いことから、10アール当たりの農業産出額は、全国平均より2万7千円多い21万5千円となっており、例えば、東京都の都市的地域では全国平均の約2倍の35万円となっている。

(こまつな等の生産の多くを担っている都市農業)

都市的地域の品目別農業産出額をみると、野菜はトマト、ねぎ等、果実はみかん、りんご等が多く、全国に占める割合ではこまつなが8割と最も高い(図3-28)。また、例えば、東京都ではこまつな(36億円)、神奈川県はだいこん(78億円)、大阪府はぶどう(33億円)といった品目の農業産出額が多くなっている(*1)。

*1 農林水産省「生産農業所得統計」(組替集計)データ(エクセル:16KB)

(農家戸数の16%を占める野菜農家)

営農類型別に都市的地域の単一経営体数(販売農家)をみると、露地や施設の野菜農家の割合が高く、全国の1.5倍となっている。また、販売金額規模別では、50万円未満の農家が約半数を占めているが、500万円以上の農家は13%と全国並みである(図3-29)。東京都江戸川区(えどがわく)で高品質セロリを栽培する農家は、大田市場において40年以上連続して日本一の市場評価を得ており、高い販売額を実現している。さらに、その農家から栽培指導を受けた農業者は茨城県板東市(ばんどうし)や山形県山形市(やまがたし)等で産地化に取り組み、地域農業の振興にも貢献している。

(生産だけでなく様々な役割を有する都市農業)

都市農業は、新鮮な農産物の供給といった生産面のみならず、身近な農業体験や農家と都市住民との交流の場、災害時のオープンスペースの提供等の様々な役割を発揮している。このことから、多くの消費者が都市の農業・農地について維持・保全を希望しており、農業・農地を残すために、地元農産物を購入する意向等をもっている(図3-30)。

こういった消費者の意向を踏まえて、新鮮な農産物の安定的な供給のための都市農地の整備や、地産地消の推進を図る直売所の整備、農地保全に対する都市住民の理解の促進といった取組も進められており、引き続き、都市農業の振興を図ることが重要である。

(農業体験の場として重要な役割を果たす市民農園)

市民農園は、都市住民にとって身近に土とふれあい、農業を体験できる場であり、農家と都市住民との交流において重要な役割を果たしている。

市民農園の開設数は、17年度末には全国で3,124か所、総面積1,072haとなり、12年度末よりそれぞれ24%、32%と大きく増加し、開設主体別では地方公共団体が多い(図3-31)。

なお、開設主体を拡大する構造改革特区の特例措置が17年9月より全国展開されたことから、構造改革特区計画の認定を受けていなくても、農地を所有しない個人や企業、NPO法人等も農地を借り受けて市民農園を開設することが可能となっている。

(都市部における市民農園の整備促進が重要)

市民農園の開設主体に対する調査によると、農園を開設した効果として、利用者の農業・農村地域への理解の促進、耕作放棄地の発生防止、生産者と消費者のふれあい・交流の深まり等があげられている(図3-32)。

しかしながら、市民農園の8割が設置されている都市的地域では、利用希望者の応募倍率が2倍以上となった農園が15.4%あることから、都市住民のニーズに応じた市民農園の整備促進が重要である(図3-33)。

事例:都会で農作業が体験できる市民農園の取組

利用者への農家の栽培指導

神奈川県横浜市

神奈川県横浜市(よこはまし)では、都市農業の保全と振興が推進されており、その取組の一つとして5年4月から、農家が園主として農園利用方式で運営する市民農園(栽培収穫体験ファーム)が開設されている。

農園利用方式のため、利用者にとっては初心者でも園主の栽培指導によって安定した作物の収穫が期待できる一方、園主にとっては契約時に入園料と農作物の代金をあわせて徴収でき、経営の安定を図れる利点がある。18年度末現在、この農園は、85か所11.5ha設置されているが、例年順番待ちが出るほど希望者は多く、農園開設が需要に追いつかない状況である。

また、園主をはじめ経験豊かな利用者も初心者への栽培指導や助言を行うなど、園主を中心とした交流が活発で、農業への理解が深まる場となっている。

お問い合わせ先

大臣官房政策課情報分析室
代表:03-3502-8111(内線3260)
ダイヤルイン:03-3501-3883

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