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農林水産省

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1 食料自給率向上の意義と効果

-我が国の食料自給率の現状-

食料自給率とは

食料自給率とは、食料消費が国内生産によってどのくらい賄えているかを示す指標です。

我が国では、一般的に供給熱量ベースの食料自給率が用いられています。ただし、比較的低カロリーである野菜、果実や、飼料の多くを輸入に依存しているため供給熱量ベースでは自給率が低く算出される畜産物について、国内生産動向を適切に捉える指標として、生産額ベースの食料自給率も有用です。このほか、個別品目ごとに重量ベースで表す品目別自給率も算出されています。

食料自給率の動向と低下の背景

我が国の供給熱量ベースの食料自給率は、昭和40年度に73%ありましたが、元年度に50%を切るなど、長期的には低下傾向が続いており、近年は40%で推移しています。この現在の食料自給率水準については、7割の国民が低いと認識している調査もあります(*1)。

食料自給率の低下は、食生活が大きく変化し、国内で自給可能な米の消費が減少する一方、国土条件の制約等から国内では生産が困難な飼料穀物(とうもろこし等)や油糧種子(大豆等)を使用する畜産物や油脂類の消費が増加したことが影響しています。

また、食の外部化の進展に伴う加工・業務用需要の高まりに、国内農業が十分対応し切れていないことも影響しています。

*1 内閣府「食料の供給に関する特別世論調査」(18年12月公表)。P31の脚注2参照データ(エクセル:15KB)

食料の多くを輸入に頼ることの危険性

世界の穀物需給は、近年、生産量が消費量を下回り、期末在庫率は低水準にあります。今後、世界的な人口増加や開発途上国の経済発展等に伴い、穀物等の需要増大が見込まれる一方、農業生産は水資源の不足、地球温暖化等多くの不安定要因をかかえています。また、米国をはじめとする世界的な燃料用エタノール需要の増大は、世界の食料需給に大きな影響を及ぼす可能性があり、世界の食料需給は中長期的にはひっ迫する可能性が指摘されています。

我が国は世界最大の農産物純輸入国であり、しかも、特定国への依存が高く、輸入先国における作柄、作付の変動等、世界の食料需給の影響を受けやすい状況にあります。

もし輸入が止まったら

輸入農産物の生産に必要な農地は約1,200万haと試算され、我が国の農地面積の約2.5倍に相当する農地を海外に依存した形になっています(*1)。

仮に不測の事態が発生して食料輸入が途絶するなどの事態に陥ったときに、肉類や野菜から、熱量効率の高いいも類等の作物に転換することで、国内生産のみで国民1人1日当たり2,020kcalの熱量供給が可能であるとの試算結果があります。この熱量で最低限必要な熱量は確保されますが、食事の中身は現在とかけ離れたものとなります。不測の事態に備え、平素から農地や農業用水を確保しつつ、農業の担い手の育成・確保、農業技術水準の向上等を図り、食料供給力を強化しておく必要があります。

*1 このほか、東京大学生産技術研究所の沖大幹教授等のグループによると、輸入農産物(穀物5品目、畜産物4品目)の生産を我が国で行った場合に必要となる水(バーチャルウォーター)の量は、627億m3(12年)と試算されている。これは、国内の農業用水使用量557億m3(15年、国土交通省調べ。)を上回っている。データ(エクセル:14KB)

P47参照

-食料自給率向上に向けて-

食料・農業・農村基本計画において目標を設定

食料自給率は国内生産の状況だけでなく、食料消費のあり方によっても左右されます。

このため、食料消費と農業生産の両面にわたる国民参加型の取組の指針として、食料・農業・農村基本計画(17年3月策定)において、食料自給率目標が設定されています。

同基本計画においては、基本的には食料として国民に供給される熱量の5割以上を国内生産で賄うことを目指しつつ、当面の実現可能性を考慮して、27年度の目標は供給熱量ベースで45%に設定されています。

食料自給率の目標

食料自給率向上協議会のもとで工程管理による取組を実施

同基本計画では、食料自給率の向上に向けて、重点的に取り組むべき事項を明確化し、食料消費と農業生産の両面の課題解決に向けた関係者の具体的な行動を呼び起こすこととされています。

そこで、政府、地方公共団体、農業者・農業団体、食品産業事業者、消費者・消費者団体等の関係者からなる食料自給率向上協議会が設立され(17年4月)、同協議会のもと、関係者の具体的な取組内容や取組目標を示した行動計画を策定し、定期的に状況の点検・検証を行って、工程管理が実施されています。

食料自給率向上協議会のもとでの取組

食料自給率向上に向けた取組による効果

食料自給率は国民一人ひとりの食生活によって変化する面もあり、日々の生活のなかで、食料自給率が身近なものとして認識されることが重要です。

昭和50年代半ばには、日本の気候風土に適した米を中心に多様な副食から構成される栄養バランスに優れた「日本型食生活(*1)」が実現しており、このころの供給熱量ベースの食料自給率は52~54%と現在より高くなっています。こうした栄養バランスに優れた「日本型食生活」は、脂質の過剰摂取をおさえられるなど、健康維持につながるものと考えられます。

*1 P67を参照

食事のメニューの栄養と食料自給率

また、国産農産物の消費拡大は、地域農業を応援するとともに、食料自給率向上に寄与します。例えば米の消費増が食料自給率に与える影響を試算したところ、ごはんを1食につきもう一口食べると供給熱量ベースで1%向上することになります(下表参照)。

さらに、国産農産物の消費拡大は、輸入による海上輸送に伴う温室効果ガス(二酸化炭素)排出量の削減にもつながることになり、地球温暖化の抑制にも寄与すると考えられます。

食料自給率目標の達成に向けて、平素から農地・農業用水等の農業資源の確保、農業の担い手の確保や育成、農業技術水準の向上等を推進し、食料供給力の強化を図ることは、国内生産の増大や不測時における食料の安定供給の確保につながります。

このように、自国の資源を有効利用して食料の安定供給を図ることは、世界の食料需給の安定につながることになります。

P47参照

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