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農林水産省

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3 農業・農村の新境地の開拓

-バイオマスの利用の加速化と地球環境対策-

バイオマスの利活用は農林水産業の新たな領域を開拓

バイオマスは、生物が作る有機性資源であり、エネルギーや製品として利用可能です。また、バイオマスを燃焼する際に発生する二酸化炭素は、生物の成長過程で大気から吸収されたものであるため、バイオマスには大気中の二酸化炭素を増加させない「カーボンニュートラル(*1)」と呼ばれる性質があります。このため、バイオマスの利活用は、化石資源への依存を減らし、地球温暖化の防止や循環型社会の形成に役立つものであり、地域の活性化や雇用の創出に加え、農林水産業の新たな領域を開拓するものと期待されています。

*1 [用語の解説]を参照。

世界のバイオ燃料の利用動向

各国のエタノール生産量の割合(2006年)
データ(エクセル:15KB)

近年、地球温暖化防止や原油価格の高騰等を背景に世界各国でバイオ燃料の生産・利用が進められています。主にとうもろこしやさとうきびから製造されるバイオエタノールは米国、ブラジルでの利用が多く、2か国で世界のエタノール生産量の約7割を占めています。

一方、欧州では主に菜種油や大豆油から製造されるバイオディーゼル燃料(BDF)の利用が進んでいます。

国産バイオ燃料の生産拡大に向けて

2006年11月に「国産バイオ燃料の大幅な生産拡大について関係府省一体で取り組むように」との総理の指示を受け、この実現に向け関係府省から成る「バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議(*2)」において技術や制度面の課題を整理し、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大に向けた工程表を作成し、2007年2月に総理に報告されました。今後、この工程表に基づき、有効な利用がなされていない稲わらや木材等のセルロース系原料や耕作放棄地を利用した資源作物からエタノールを高効率に生産する技術開発等を進めることが重要です。

諸外国では、利用を促進するために、政府による導入目標の提示、税制、補助等の支援策がとられています。我が国においても利用状況等を踏まえ、諸外国の動向も参考としつつ、多様な手法について検討することとされています。

*2 内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省の1府6省の局長レベルで構成。

バイオ燃料利用の取組

栽培された菜の花(愛知県田原市)

現在、全国6か所でバイオエタノールの実証試験が行われていますが、いずれも小規模なものにとどまっています。このため、農林水産省では、バイオ燃料の実用化に向け、安価に調達できる食料生産過程の副産物や規格外農産物等を活用した国産バイオ燃料の本格的導入を目指した取組を行うこととしており、2011年度には単年度で5万klの導入を目指しています。

また、全国各地で、菜の花を栽培して菜種油を作り、その廃食用油をBDF等に利用する「菜の花プロジェクト」の取組が行われています。

愛知県田原市(たはらし)では、耕作放棄地対策として菜の花の栽培を行い、耕作放棄地の有効利用と良好な景観形成を図るとともに、廃食用油からBDFを製造し、公用車の燃料として利用しています。

このほか、滋賀県等では一般事業者によるBDFの販売も行われるなど、取組の広がりがみられます。

温室効果ガス排出量の動向と京都議定書への対応

我が国の温室効果ガス排出量の推移
データ(エクセル:15KB)

温室効果ガス排出量について、京都議定書では、我が国は第一約束期間(2008~2012年)中に基準年(原則1990年)に比べ6%の削減を約束していますが、2005年度の排出量は基準年比で8.1%の増加となっています。

このような状況のなか、京都議定書の第一約束期間の開始を間近に控え、地球温暖化対策を強力に推進することが重要となっています。

京都議定書の目標達成に向けて、カーボンニュートラルという特性をもつバイオマスの利活用を積極的に進めることが重要となっています。

生物多様性保全施策の推進

土着天敵を利用した害虫駆除

農業は、動植物を対象とし、自然循環機能(*1)を利用することによって成り立つ活動であることから生物多様性に大きく依存しています。

また、農業生産活動が長期にわたり安定的に行われることにより、特有の自然環境が持続的に形成・維持されるといった特徴があります。

このため、農業生産活動における自然との調和や生態系の保全といった国土の生物多様性保全に取り組むことが重要です。

*1 [用語の解説]を参照。

P131参照

-農産物の輸出促進の動向-

我が国の農業をめぐる現状と海外市場の開拓を目指した取組

輸出促進ロゴマーク

我が国の農業総産出額は減少傾向で推移しており、また、少子高齢化の進展により人口が減少局面に入っているなか、国内市場の規模の縮小が懸念されており、新たな市場の開拓が重要となっています。

このため、農林水産業が21世紀にふさわしい戦略産業に成長することを目指し、我が国の農林水産物・食品は国内消費向けであるとの固定観念を打破し、海外に新たな市場を求めることが重要となっています。

政府は、2013年までに農林水産物・食品の輸出額を1兆円規模とすることを目標として、輸出促進ロゴマークの作成や、総合的な輸出戦略の策定、海外販路の拡大に向けた展示・商談会の開催といった取組が関係者一体となって行われています。

世界各地に輸出される我が国の農産物

近年、健康的であるなどのイメージやおいしさ、見た目の美しさといった理由から日本食が世界的なブームとなっています。また、我が国の農産物は、優れた品質をもち、国内をはじめ海外からも高い評価を得ています。こうしたことを背景に、我が国の農林水産物・食品の輸出は増加傾向にあり、2006年の輸出額は5年前より5割増加して3,739億円となっています。

現在、りんごや長いもに加え、しょう油等の加工食品の輸出が多く、アジアを中心に米国や欧州をはじめとした世界各地に向けて輸出されています。

世界に向けた日本食材の認知度向上の取組

提供された日本食(在シドニー総領事館の例)

在外公館において、各国の要人やオピニオンリーダーを対象に、日本からの品質の高い食材を用いた日本食を提供することにより、広くかつ効果的に日本食・日本食材の魅力を伝えることを目的とした「WASHOKU-Try Japan's Good Food」事業が2006年10月から世界各国で行われています。

海外の日本食レストランの推奨

海外における日本食レストランの展開状況
データ(エクセル:15KB)

海外における日本食レストランは2万店を超え、今後も増加するといわれています。

このように、世界的なブームとなっている日本食の普及を一層推進するため、2007年3月に海外日本食レストラン推奨有識者会議から「日本食レストラン推奨計画」が示され、今後、その具体化に向けて取り組むこととされています。

輸出事例 岩手県八幡平市(はちまんたいし)(旧安代町(あしろちょう))・EU等へのりんどうの輸出

りんどうの輸出促進へ向けた取組

〔きっかけ〕

技術・人材交流を行っていたニュージーランドの生産者の「なぜ輸出を行わないのか」との質問を契機に輸出について検討を開始しました。

〔苦労した点〕

輸送コストを1箱当たりの本数の増加により82%削減したほか、輸送中の品質低下を防止するため、コールドチェーン体制を整備するなど、輸送中の品質保持対策に取り組みました。

〔今後の取組〕

海外需要に対応した品種の開発や生産技術の向上、ブランドの確立が重要となっています。

P136参照

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