このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

(2)米政策改革の取組―米価の下落とその対応―

(2007年産の米価下落に対応し、米緊急対策を実施)

主食用水稲作付面積は、2004年以降年々減少しているが、主食用米の需要量の減少に伴う生産目標数量の減少に見合うほどには作付面積が減少しなかった。

このため、2007年産については、約7万haの過剰作付けにより主食用の需要予測を21万t上回った。このように、1.米の消費量が年々減少するなかで生産調整の実効性が確保できていないこと、2.主たる売り手である全国農業協同組合連合会(全農)が概算金の取扱いを見直したこと、3.過当競争に陥りがちな流通業界の構造であること、4.消費者の米の購入動向として、低価格米への志向が強まっていること等から、当初、米の価格は大きく下落し、2007年10月には、前年産同時期と比較すると、一部の銘柄を除き、主な銘柄で約7~11%安の水準となった。

このような2007年の特殊な状況にかんがみ、2007年10月に「米緊急対策」が決定され、その具体的取組により価格の大幅な下落に歯止めがかかった。

(生産調整の実効性確保に向け、生産調整の進め方を見直し)

また、米価の安定を図るため、需給調整の実効性を確保する観点から、食糧法に基づく基本的枠組みは維持しつつ、生産調整の進め方が見直された(図1-17)。

図1-17 「米緊急対策」と「生産調整の進め方の見直し」のポイント

(産地づくり交付金の活用による生産調整の推進)

米政策改革推進のための対策として導入されている産地づくり対策では、地域の生産や販売戦略等の産地づくり、担い手育成等の設計図ともいうべき「地域水田農業ビジョン」を策定することとされており、2007年度は1,585の地域水田農業推進協議会(地域協議会)で策定された(*1)。

地域での産地づくり交付金の活用方法は、地域が主体的に設定できるようになっている(図1-18)。このため、各地域では創意工夫したビジョンに基づき、産地づくり交付金を活用して様々な取組が行われており、この交付金を活用して生産調整の的確な実施が図られている(表1-3)。
*1 市町村合併等により地域協議会の範囲が変更されるなど、地域協議会は2005年に比べて487減少


米政策の経緯と現状

(米政策には大きく二つの時期)
米政策の時期は大きく二つに分けることができる。一つは、食糧管理法のもと、国による全量管理を基本とした1942~95年の約50年間である。もう一つは、「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」(主要食糧法)のもと、民間主導の仕組みが導入された1995年以降である。

(過剰米問題の深刻化により生産調整を開始)
食糧管理法のもとでは、政府への売渡義務や厳格な流通規制等、国による全量管理を基本として、戦中戦後の食糧難に際し、米の需給と価格の安定、国民生活の安定に大きな役割を果たしてきた。しかしながら、1960年代に入ると米の消費量が1962年にピークを迎える一方、生産量は生産性の向上等により1967年から3年連続で1,400万tを超える豊作となるなど、大幅な生産過剰基調となり、政府米在庫量も増大したため、1971年から本格的に生産調整が開始された。

(自主流通米について市場原理が活かされるよう入札取引を開始)
その後、国民の食生活の向上に伴う良質米志向の高まりを背景に、食糧管理の運営では、民間流通の長所を活かし、政府を通さない米の流通を可能とする自主流通米制度が1969年に開始され、その価格決定は、集荷業者と卸売業者からなる協議会による値決め方式がとられた。1988年には自主流通米が米流通の過半を超える状況となるなか、農業者・農業者団体からも市場実勢を的確に反映した国民にわかりやすい価格形成や流通の思いきった弾力化が求められた。このような意見を踏まえ、銘柄ごとの需給動向や品質を価格に反映させる観点から、1990年に自主流通米価格形成機構が設立され、入札取引が開始された。また、数次にわたる流通改善が実施され、集荷・販売業者の新規参入等が実施された。

このように、食糧管理制度は、農業者・農業者団体からの要請も踏まえ、消費者ニーズを的確に反映した価格形成や米流通における競争条件の一層の導入を図り、実情に合わせながら運営を変化させてきた。


(食糧管理法から主要食糧法へ、民間主導の仕組みへ移行)
1993年産米の未曾有の不作に伴う緊急輸入の実施や、ウルグアイ・ラウンド(UR)農業合意によるミニマム・アクセス(*1)の受入れという新たな国際的規律への対応が必要となったことを契機に、1995年に食糧管理法が廃止され、新たに主要食糧法が制定された。

主要食糧法のもと、米の流通は、民間流通を基本に厳格な流通規制が緩和され、政府の役割は、備蓄とミニマム・アクセスの運営に限定された。また、入札を通じて米取引の指標となる適正な価格形成を図るため、自主流通米価格形成センターが法律に位置付けられ、これまでの国による全量管理から民間主導の仕組みへと大きく移行された。
*1 [用語の解説]を参照

(需要に応じた米づくりを目指し、米政策改革を開始)
一方、その後も米の消費は減少し続け、生産調整の取組についての閉塞感も募ったため、消費者、農業者・農業団体、学識者、行政により1年をかけて議論が行われた。その結果、水田農業経営の安定・発展、水田の利活用の促進等を通じた自給率向上施策への重点化・集中化を図るなどの観点から、2004年より米政策改革が実施された。また、流通については食糧法改正により計画流通制度が廃止され、原則、流通規制が撤廃された。

(米政策改革のポイントは、農業者や地域の主体的判断と創意工夫)
この改革では、農業者や地域の主体的判断と創意工夫により、消費者重視、市場重視の需要への対応を通じて水田農業経営の安定と発展を図ることを目的とし、2004年より改革の第1ステージとして、国が一律的に転作面積を配分する方式から、販売実績を基礎としてつくる数量を配分する方式に転換された。

また、第2ステージとして、2007年産から国等から提供される需給に関する情報や市場シグナルを基に、農業者・農業者団体が主体的に需給調整を行うシステムへ移行された。その後、2008年産の生産調整の実効性を確保する観点から、前述のとおり進め方の見直しが行われた。



お問い合わせ先

お問い合わせ先

大臣官房広報評価課情報分析室
代表:03-3502-8111(内線3260)
ダイヤルイン:03-3501-3883