このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

(1)農業労働力の現状 ウ 農業における外国人研修生・技能実習生の動向

(研修・技能実習制度は最長3年の研修・技能実習が可能)

我が国では、開発途上国の「人づくり」に一層協力するため、外国人研修・技能実習制度(*1)を創設し、毎年多くの研修生・技能実習生が母国で役立つ技術を学んでいる。この制度に基づき来日した研修生は、企業や農協等の団体が受け入れ、最長で1年間の研修を受ける(図2-60)。所定の技能評価試験による研修成果の評価をはじめとする要件を満たした者は、技能実習生として研修期間と合わせ最長3年間在留することができる。技能実習の対象は62職種114作業に上っており、農業関係では耕種農業と畜産農業の2職種5業種(*2)が対象となっている。
*1 1989年に在留資格「研修」が設けられた後、1993年に技能実習制度が創設され、1997年にはその滞在期間が延長されて、現行の研修・技能実習制度となった。
*2 耕種農業には、施設園芸と畑作・野菜の2作業が、畜産農業には、養豚、養鶏、酪農の3作業がある。このほかに食品製造業では、缶詰巻締等11作業が対象となっている。

図2-60 外国人研修・技能実習制度の仕組み

(農業・食品分野の研修生は約2万人と増加傾向)

研修を目的とした新規入国者や技能実習への移行者は、年々増加しており、2006年の入国者は約9万3千人、技能実習移行者は4万1千人となっている。農業・食品産業分野の研修生数も増加傾向にあり、2006年度では約2万人(約1万2千人が食品産業、約7,500人が農業分野)と全職種の2割を超えている。また、技能実習移行申請者は約1万人(2006年度)で、農業分野では施設園芸が過半を占めている(図2-61)。


(受入機関による適切な運営が必要)

外国人研修・技能実習制度は、制度創設後14年が経過し、研修生・技能実習生の受入人数は増加する一方、法務省による受入機関の不正行為認定件数も増加しており、制度運営の適正化が求められている(図2-62)。

関係府省では制度適正化のための検討を開始しており、また、規制改革会議における「規制改革推進のための第2次答申」(2007年12月)や、この答申を踏まえて改訂された「規制改革推進のための3か年計画(改訂)」(2008年3月閣議決定)のなかで、実務研修中の研修生に労働関係法令を適用することが示されるなど、制度の見直しが進められている。

農業分野において、今後も研修生・技能実習生の増加が見込まれるなか、研修生の所定時間外作業や技能実習生に対する労働関係法規違反等の不適正事例も散見されている。こうした事例のなかには、制度の不十分な理解によるものも多く、受入機関における制度の正しい理解と適切な運用が求められている。


(農業の実態に合った研修等を求める声)

農業分野には、農繁期や農閑期の存在といった農業特有の特性があることから、例えば、年間を通じた継続的な研修の実施や通常の作業時間帯に合わせた研修期間の設定が困難な場合があるなど、農業の実態に合った研修等の実施を求める声がある。

このため、研修生に対する処遇上の観点にも十分に配慮したうえで、こうした農業の特性を踏まえつつ、効果的な技能修得がなされるよう、的確な運営を図っていく必要がある。

(制度の改善・充実に向けた取組の必要性)

農業分野では、研修・技能実習を通じて我が国農業技術が高いレベルで技能移転されるなど、研修生や技能実習生の母国から高く評価されている。しかしながら、安定した雇用労働力の確保が課題となっている地域や経営体では、研修・技能実習制度の目的に反し、研修生等が労働力として期待されている面もあり、前述のような不適正な行為が見受けられる。

このため、農業分野への受入れに当たっての仕組みづくりや、受入農家・関係団体の意識の醸成を通じ、我が国の行う重要な国際貢献として制度運営の適正化・充実を図ることにより、研修生・技能実習生が我が国で修得した農業技術を母国で活用できるようにすることが必要である。

このように、農業分野の研修・技能実習制度の適正化に向けて、管理体制の充実や、運用の改善、制度の見直し等について、関係団体や関係府省と十分に連携して取り組むことが重要となっている。

お問合せ先

お問い合わせ先

大臣官房広報評価課情報分析室
代表:03-3502-8111(内線3260)
ダイヤルイン:03-3501-3883