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農林水産省

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(2)米粉利用の推進を含む米の消費拡大 イ 米粉利用の推進状況

(米粉は従来、せんべいや団子等に利用)

米粉は米を粉末に加工したものであり、古くから、せんべいや団子、和菓子等の材料として使われている。用途によって原料(もち米、うるち米)や製粉方法が異なる様々な種類の米粉が生産されており、その国内生産量(2008年)は11万1千tである(*1)。また、米粉を原材料とする食品の製造には、米粉に他の材料を混ぜた米粉調製品として輸入されるものも使われており、その輸入量は8万6千t(2008年)となっている(*2)。
*1 農林水産省「米麦加工食品生産動態等統計調査」 データ(エクセル:18KB)
*2 財務省「貿易統計」 データ(エクセル:18KB)

(製粉技術の発展により米粉の利用可能性が拡大)

米は外周部が固く、粉にすると粗くなることから、従来は小麦粉並み(100μm程度)の微粉末とすることは困難であり、用途が限定されていた。しかし、近年の製粉技術の改良により、小麦粉よりも微細な粒子に製粉することが可能となったこと等から、米粉の様々な食品への利用可能性が拡大している(図1-26)。その結果、パン、めん、洋菓子等といった新規用途用の原料米の需要量は、2003年度の1千tから2007年度には6千tに増加し、2008年度(推計)には9,500tに増加すると見込まれている。
米粉を使った食品に対する消費者ニーズも高まっており(*3)、小麦の輸入量が年間500万t程度あることを考慮すれば、今後の努力次第では、需要拡大の可能性は大きいと考えられる(図1-27)。
*3 農林水産省「米加工品等市場調査事業(平成18年度)」、「平成19年度食料品消費モニター第4回定期調査結果」 データ(エクセル:26KB)

図1-26 小麦粉と米粉の顕微鏡写真


(米粉の需要拡大には価格面の課題を解決する必要)

水田のフル活用を推進するうえでは、国産米を使用した米粉の需要を拡大・定着させることが重要な取組の一つである。しかし、原料や流通、製粉にかかるコストの違いから、一般に米粉は小麦粉に比べて割高であるため、価格面での課題を克服する必要がある。米粉の原料米は各地で様々な形で取引が行われており、その価格も様々であるが、米が小麦並みの価格で供給されれば、さらなる技術開発や製品開発が急速に進展すると考えられる。国産米粉の利用を継続的なものとしていくためには、原料米を小麦並みの価格で供給することを前提として、生産・流通の仕組みや支援の仕方を考える必要がある(図1-28)。


(米粉の普及には関係者の連携も重要)

このためにも、産地における低コスト生産のための取組(多収品種、直播、機械の効率利用等)を進めることが重要である。また、米産地、製粉業者、パンや菓子といった商品のメーカー、小売・外食業者等が連携して米粉を確実に利用する体制を確立することが重要である。
パンをはじめとする米粉利用のこれまでとこれから

米粉でパンをつくる試みは、過去から行われてきました。1960年代以降、米の生産が過剰基調となり、在庫が急増したことから、当時の政府は米粉をパンに使えないかということを関係業界に要請しました。しかし、当時の製粉技術ではパンの味が落ちるという理由から、関係者の理解が得られず、その構想はいったん立ち消えとなりました。
その後、1990年代ごろより新たな製粉技術として、気流粉砕機等の新たな微細粉機の開発や、製粉工程における焙煎(ばいせん)、酵素処理等を組み合わせた製粉方法が開発されたことにより、小麦粉並みの米粉の微細化が可能となり、利用可能性が拡大しました。現在では、小麦アレルギーの人でも食べられる米粉100%のパンや、吸水性が高い米粉の特性を活かした保存に優れたチルドパンへの利用等、様々な食品への利用が進められています。

(技術開発や米粉の認知度向上が必要)

米粉の利用を加速化するためには、低コストで原料米の供給を行う観点から、米粉を使った商品の製造を行う実需者の評価を踏まえ、用途ごとに加工適性の優れた多収品種を選定することも重要である。また、米粉の品質管理を行うために、加工適性を評価する技術の開発が求められている。さらに、現在、新規需要のうちパンの用途が最も多いが、小麦のパンに比べ時間が経つと硬くなりやすいことから、品質劣化を防止する技術の開発が必要である。国では、このような基礎となる技術の開発を推進している。これにより、米粉を使った製品の開発が活発化し、米粉の需要が拡大することが期待される。
米粉に対する消費者の認知度は、数年前に比べ向上しているものの、米粉を扱う事業者が中小規模であることもあり、十分とはいえない。したがって、米粉の特徴や機能について、米粉を利用した食品を実際に食べてもらうことで、理解をさらに深めてもらう必要がある。また、米粉の消費が伸びることで低迷している米の消費も増加し、水田の保全や食料自給率の向上にもつながるということについても、幅広く周知していく必要がある。
事例:全国各地で進む米粉を使った商品開発等の取組

現在、全国各地で、米粉を使ったパンが販売されているほか、パン以外の商品の開発も行われており、小麦の代替品ではない米の特長を活かした新たな商品を生み出す取組が進められている。

全国各地で進む米粉を使った商品開発等の取組

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