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農林水産省

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(2)農業経営の動向と農業生産を支える経営体・農地等をめぐる状況 イ 多様な農業者の確保

(農家、特に主業農家が大きく減少)

農業所得の減少が続くなか、販売農家数は、平成2年(1990年)の297万戸から平成21年(2009年)には170万戸に減少しています(図3-37)。特に、主業農家は82万戸から35万戸に減少し、この20年間で6割減少しています。また、準主業農家も95万戸から39万戸に減少し、主業農家同様、20年間で6割減少しています。一方、副業的農家や自給的農家(*1)は1~2割の減少幅にとどまっています。


*1 [用語の解説]を参照

図3-37 農家類型別の農家数等の推移

平成2年(1990年)から平成17年(2005年)の間における農家類型ごとの事由別増減戸数をみると、主業農家については、離農による減少が7万戸、準主業農家等への移動が32万戸となっています。また、準主業農家については、離農による減少が9万戸、副業的農家等への移動が42万戸となっています。副業的農家と自給的農家についてみると、離農による減少がそれぞれ42万戸、61万戸と大きくなっていますが、主業農家、準主業農家等からの移動による増加が32万戸、63万戸となっています。

他方、経営耕地面積の農家類型別割合をみると、平成7年(1995年)では主業農家53%、準主業農家19%となっていましたが、平成17年(2005年)では主業農家52%、準主業農家16%と減少しています(図3-38)。農家の戸数が大きく減少するなか、1戸当たりの経営耕地面積の拡大により、主業農家、準主業農家の割合はほぼ維持されていますが、若干ながら低下しています。



主な品目別に、それぞれの産出額に占める農家類型別の割合をみると、畑作物、野菜、果樹、畜産物では主業農家が大部分を占めています(図3-39)。

一方、米では主業農家の割合は4割弱にとどまっており、準主業農家等の兼業農家が過半を占めています。このように主業農家だけでなく兼業農家も重要な役割を果たしており、今後は、農業者の減少・高齢化が進むなか、地域農業の担い手が規模拡大等に取り組める環境を整えていくことが重要です。


図3-39 主な品目別農業産出額の農家類型別割合(2008年)

(水田集落には、稲作中心の主業農家や集落営農が不在の集落が多い状況)

我が国には7万1千の水田集落(*1)があり、そのうち稲作中心の主業農家や集落営農(*2)によって担われている集落は6割となっています(図3-40)。一方、4割の3万集落では、それら主業農家や集落営農が不在であり、兼業農家や小規模農家、高齢農家等による農業が行われている状況です。

地域別にみると、水田農業が主体で集落営農の組織化が進んでいる東北や北陸では、稲作中心の主業農家や集落営農が存在する割合が高くなっています。一方、都市的地域・中山間地域をかかえる東海、近畿、中山間地域が多い中国、四国等では、稲作中心の主業農家や集落営農が不在の割合が高く、このような地域で、今後とも水田農業を維持・発展させていくためには、兼業農家等による農業生産活動、集落営農の組織化を進めることも必要です。


*1 農業集落内の耕地面積に占める水田の割合が70%以上の農業集落
*2 [用語の解説]を参照


(将来に向けて多様な農業者の確保を図っていくことが必要)

地域農業(農地利用)の将来の見通しについて、全国の地域担い手協議会(*1)に対する調査でみると、「地域の全般または一部で耕作されない農地が増加」とする協議会が86%ある一方、「担い手が確保済みなので心配なし」はわずか4%にとどまっています(図3-41)。

地域別にみると、東北、関東、近畿、中国・四国で「地域の全般または一部で耕作されない農地が増加」とする協議会の割合が特に高くなっているとともに、「担い手が確保済みなので心配なし」とする協議会の割合は0%ないし非常に低くなっています。東海、九州・沖縄、北陸では「地域の全般または一部で耕作されない農地が増加」とする協議会の割合は比較的低くなっていますが、「集落営農があるが心配」とする協議会の割合は高くなっています。他方、北海道では「担い手が確保済みなので心配なし」とする協議会の割合が最も高くなっていますが、それでも14%と低水準にとどまっています。


*1 集落営農等の担い手の育成・確保を図ることを目的に、全国・都道府県・地域の各段階に設置され、農業関係団体や地方公共団体等で構成されています。地域担い手協議会は1,499市町村(平成20年(2008年)12月末現在)に1,315協議会が存在


このような状況のなかで、地域における今後の担い手確保の方法については、「地域内に農業者組織を設立」の割合が各地域とも高く、全国でも84%で最も高くなっていますが、「他地域組織による耕作」23%、「農協・市町村主体の法人が耕作」45%、「地域内外企業が耕作」32%と他の方法も高くなっています(図3-42)。これを地域別にみると、北陸、中国・四国では「他地域組織による耕作」の割合が高く、関東、東海では「農協・市町村主体の法人が耕作」の割合が高いなど、若干の差異がみられますが、どの地域においても、将来に向けて多様な農業者を育成・確保することが重要と考えていることがうかがえます。



(家族農業経営は今後も地域農業の中心的存在)

既にみたように販売農家数は近年大きく減少していますが、平成22年(2010年)3月に新たに農林水産省で示した「農業構造の展望」にあるように、地域農業の中心的存在は今後とも家族農業経営と考えられます。

我が国には200万9千の農業を行っている経営体がありますが、そのうち家族で農業経営を行っている経営体(1戸1法人を含む)は、99%に当たる198万1千経営体となっています(図3-43)。また、24万6千の認定農業者のうち23万3千以上が家族農業経営となっているなど、我が国の農業経営体の大部分は家族農業経営となっています。

我が国よりも経営規模が大きい欧米諸国でも、全農業経営体に占める家族農業経営の割合は米国87%、フランス72%、ドイツ94%となっており、世界的にみても、農業経営は家族経営が中心となっています(表3-4)。

今後とも、我が国においては、地域農業の担い手の中心となる家族農業経営が一層発展できるような方策・環境づくりを行っていくことが重要です。


図3-43 我が国における家族農業経営体数等


(集落営農も地域農業の維持・発展に重要な役割)

我が国の農村では、昔から地域住民の生活全般にわたる相互扶助の一環として農地や農業用水の維持・管理が行われてきた実態があります。集落営農とは、そのような助け合い精神のもと、共同での農作業や農業機械の共同利用により、経費を節減し、地域ぐるみでより多くの収入を得ようとする取組です。

集落営農は、高齢化や兼業化が進んだ地域等において、農地を維持・管理する、あるいは兼業農家が主体となって地域ぐるみで経営発展を目指す取組として全国的に展開され、平成22年(2010年)2月現在では13,577となっています(図3-44)。地域別にみると、兼業農家が大部分で集落営農が盛んな北陸、水田主体の東北、転作組合の多い九州等、地域によって要因は異なるものの、全国的に増加傾向にあります。

集落営農が適切に運営されるためには、運営体制が整っていることが必要です。規約・定款の整備や経理の共同化等組織としての運営体制の整備状況をみると、平成17年(2005年)から平成22年(2010年)にかけて、特に「生産物販売経理の共同化」、「法人化計画策定」の割合が大きく上昇するなど、各組織で運営体制の整備が進んでいます(図3-45)。




集落営農の目的については、「地域の農地の維持・管理のため」とする組織が88%、「所得を上げて地域農業の担い手となるため」とする組織が64%となっており、経営発展を目指しつつも、主目的は農地の維持・管理という組織が多くなっています(図3-46)。

また、集落営農の経営についてみると、平成20年度(2008年度)決算が黒字であった組織が67%、差し引きゼロであった組織が18%であり、組織を運営していくうえで「支出が多かった」、「販売量が不足」等様々な課題があったものの、おおむね良好に運営されている状況です(図3-47)。

しかし、さらなる経営改善を図るため、新規作物の導入、直接販売等に取り組むことを考えている組織も多く、組織の活動目的が農地の維持・管理か経営発展であるかにかかわらず、経営改善に向けた活動を後押していくことも必要です。




事例:様々な取組を行う集落営農
(1)野菜の直売、コミュニティの形成
花きの収穫作業
花きの収穫作業
秋田県能代市(のしろし)
秋田県能代市(のしろし)の集落営農(平成15年(2003年)設立)
農業地域類型:
中間農業地域
構成農家戸数:
55戸
経営耕地面積:
60ha
品目:
米、大豆、花き、野菜等
経営形態:
農事組合法人(*1)
取組内容:
女性が中心となって花きや野菜の農作業を行い、農産物直売所への出荷のほか、軽トラックによる訪問販売も行っています。また、地域イベントでの生産物の販売や、地元小学校の農作業体験の受入れ等、農を通じた地域コミュニティづくりにも貢献しています。
(2)酒米の生産、若手後継者の育成
子どもの稲刈り体験
子どもの稲刈り体験
岐阜県中津川市(なかつがわし)
岐阜県中津川市(なかつがわし)の集落営農(平成18年(2006年)設立)
農業地域類型:
中間・山間農業地域
構成農家戸数:
74戸
経営耕地面積:
37ha
品目:
米、麦、大豆等
経営形態:
任意組織(特定農業団体(*2)と同様の要件を有する組織)
取組内容:
コシヒカリの生産に取り組むほか、収益向上を図るため、麦と酒米「五百万石」を生産し、地元酒造会社に焼酎・日本酒の原料として出荷しています。また、保育園や老人会とのコスモスのは種・観賞会や子どもを対象とした稲刈り体験の催し等を実施するなど、地域の活性化にも寄与しています。このほか、休日に農業用機械操作の講習会等を開催し、若手後継者の育成にも力を入れています。
(3)野菜の契約栽培・販売
白ねぎの出荷準備作業
白ねぎの出荷準備作業
島根県邑南町(おおなんちょう)
島根県邑南町(おおなんちょう)の集落営農(平成19年(2007年)設立)
農業地域類型:
山間農業地域
構成農家戸数:
15戸
経営耕地面積:
10ha
品目:
米、露地野菜(白ねぎ、なす、広島菜等)
経営形態:
農事組合法人(特定農業法人(*3) )
取組内容:
年間をとおして地元の加工業者との広島菜の契約栽培、白ねぎ、なす等の野菜生産・販売により、安定した収入を確保しています。この取組によって、年間を通じて女性の働く場を確保するとともに、集落内の高齢者の参加も得るなど、世代を越えた協力体制を確立しています。
(4)地域ブランド米の生産・直売
営農を支える担い手
営農を支える担い手
福岡県久留米市(くるめし)
福岡県久留米市(くるめし)の集落営農(平成18年(2006年)設立)
農業地域類型:
平地農業地域
構成農家戸数:
202戸
経営耕地面積:
170ha
品目:
米、麦、大豆
経営形態:
任意組織(特定農業団体と同様の要件を有する組織)
取組内容:
機械の共同利用による作業の効率化を推進し、米、麦、大豆170haを7台のコンバインで作業しています。また、周辺で酪農が多く営まれている特長を生かし、たい肥を利用した特別栽培米の作付けを進め、地域ブランド米「ほとめき」として地元農産物直売所で販売しています。
*1~3 [用語の解説]を参照

(農業生産法人は増加傾向)

農地を利用して自ら農業を行う農業生産法人(*1)(1戸1法人を含む)は、平成21年(2009年)には11,064法人となり、昭和60年(1985年)から3.5倍に増加しています(図3-48)。このうち6割の6,878法人は特例有限会社であり、3割弱の2,855法人が農事組合法人、1割の1,200法人が株式会社(特例有限会社除く)となっています。

株式会社(特例有限会社除く)形態の法人を設立母体別にみると、新規就農者、農業関係者が新たに設立したものが半数の638法人を占め、次いで食品メーカーや建設業者等が設立母体になっているものが3割の363法人、特例有限会社等からの組織変更が1割の199法人となっています。


*1 [用語の解説]を参照


事例:企業的な体制で有機栽培を行う家族農業経営
出荷準備作業
出荷準備作業
奈良県宇陀市(うだし)

奈良県宇陀市(うだし)のY家族農業経営体は、ハウス85棟3.6ha、露地35aでみずな、こまつな、ハーブ等を栽培し、スーパーマーケットや百貨店に出荷しています。平成12年(2000年)に有機JAS認定を受け、有機野菜の販路を開拓しようとしましたが、一農家としての限界を感じ、平成17年(2005年)に法人化(1戸1法人)しました。社内に総務部や生産部等の分業体制を敷くことにより、効率的な経営を目指すとともに、営業部を設置し、販売先からの緊急の注文に対応できるようにするなど、取引先の信頼確保にも努めています。また、タイムカードによる従業員の労務時間の管理や、土曜日の完全休業等企業的なシステムの導入により、メリハリの利いた経営を展開しています。

 

(農地の利用規制の見直しによる新たな農業参入)

会社や特定非営利活動法人(*1)等が農業部門に参入する場合には、自ら農業を行うため農地を利用する形態や、農地は利用せずに野菜工場や畜産に参入する形態のほか、自ら農業は行わずに農家等への生産委託や農業生産法人へ出資するなどの形態があります(図3-49)。このうち、農地を利用する形態では、これまで農業生産法人を設立することが求められていました。

平成21年(2009年)12月に施行された「農地法等の一部を改正する法律」(改正農地法)では、この参入に関し、貸借による農地の権利取得をしやすくする、農業生産法人との連携をしやすくするという2つの点において制度の見直しが行われました(図3-50)。これにより、農業生産法人以外の法人等でも、農地を適正に利用していない場合に貸借を解除する旨の条件を契約に付すなど一定の条件を満たせば、貸借により農地を利用することが可能になりました。また、従来は4分の1以下(1事業者当たり10分の1以下)に制限されていた農業生産法人への出資制限が、連携事業者(*2)については2分の1未満まで緩和(1事業者当たりの要件は廃止)されました。

この改正を受けて、地域農業と調和し適正に農地を利用して農業を行う法人の設立または出資による農業参入等の動きが、各地でみられてくると考えられます。


*1 [用語の解説]を参照
*2 関連法令における認定計画に従って事業を行う食品製造業者等、農商工等連携事業者、バイオ燃料製造業者等、米粉製造業者等

図3-49 農業生産法人以外の法人等による農業参入の形態

図3-50 新たな農地制度による農地の利用規制の見直し

農業生産法人以外の法人等の農業への参入意向について、例えば、食品関連企業への調査でみると、農業に「既に参入している」と回答した企業の割合11%、「参入を検討または計画している」6%、「参入への関心はあるが、検討していない」28%と、いずれも3年前より増加しており、食品関連企業の農業への関心は高まっている状況にあります(図3-51)。

また、平成21年(2009年)まで行われていた特定法人貸付事業(農地リース方式)を活用した農業参入法人数は、平成18年(2006年)から3年間で大幅に増加し、414法人になりました(図3-52)。特に平成20年(2008年)から平成21年(2009年)の1年間では、平成16年(2004年)の調査開始以来最大の増加数となる94法人が参入し、近年における農業生産法人以外の法人等の農業への関心の高さがうかがえます。

今後、これら農業生産法人以外の法人等も含め、多様な農業者の参入を促進していく必要があります。




事例:農業生産法人以外の法人による農業参入
(1)原料調達・観光型
農業体験
農業体験
北海道伊達市(だてし)
参入地域:
北海道伊達市(だてし)
参入企業:
地元観光会社
参入方法:
農業生産法人の設立による農地利用
経営規模:
50ha
品目:
そば、キャベツ、ブロッコリー、アスパラガス
内容:
北海道でホテル等を展開しているN社は、自社ホテルに安全な野菜を供給するために、農業生産法人を設立し、農業に参入しました。平成22年度(2010年度)には、修学旅行における農業体験機会の提供等、農業と観光を結び付けたビジネスも始めています。
(2)原料調達型
レタスの生産
レタスの生産
福島県白河市(しらかわし)
参入地域:
福島県白河市(しらかわし)
参入企業:
大手外食会社
参入方法:
農業生産法人の設立による農地利用、農家との契約栽培
経営規模:
40ha(自社農場分)
品目:
米、レタス、ルッコラ、イタリアンパセリ等
内容:
イタリアンレストランを展開するS社は、より安全な農産物を安定的に供給するため、平成12年(2000年)に土地を購入して、原料を調達する準備を始めました。現在では、全国800店舗で利用する野菜の40%を自社農場及び契約農家から賄っています。
(3)自社農産物販売型
キャベツの生産
キャベツの生産
茨城県牛久市(うしくし)
参入地域:
茨城県牛久市(うしくし)
参入企業:
大手流通会社
参入方法:
農地貸借による農地利用
経営規模:
2.6ha
品目:
キャベツ、はくさい、レタス、ほうれんそう、えだまめ等
内容:
スーパーマーケット等を展開するI社は、農産物の自社生産・自社流通を行っていくため、子会社を設立し、耕作放棄地を利用した農産物生産を始めました。自社生産による安全性と鮮度、自社流通による低価格を売りにして、収穫した農産物を農場の近隣店舗で販売しています。
(4)ビジネス維持・拡大型
いちごを生産しているハウス
いちごを生産しているハウス
長野県中野市(なかのし)
参入地域:
長野県中野市(なかのし)
参入企業:
大手化学会社
参入方法:
農地貸借による農地利用
経営規模:
1ha
品目:
いちご
内容:
グループで農薬や肥料等の農業生産資材の製造・販売を行っているS社は、農産物の販売を手掛けている子会社との共同出資で農業法人を設立し、耕作放棄地を借りて、いちごの生産を始めました。グループのもつ農業生産資材等の商材・農産物の売買等の機能・地域の人材を投入した農業生産モデルの構築を目指しています。
(5)雇用確保型
隠岐牛の放牧
隠岐牛の放牧
島根県海士町(あまちょう)
参入地域:
島根県海士町(あまちょう)
参入企業:
地元建設会社
参入方法:
農地貸借による農地利用
経営規模:
7.5ha(牧草)、50ha(放牧)
品目:
牧草、繁殖めす牛100頭、肥育牛300頭
内容:
海士町のH社は、公共事業の削減により経営の縮小が進んだことを受け、子会社を設立して隠岐牛の生産を始めました。粗飼料には自家生産の牧草や島内産の稲わらを使用するなど、島内一貫生産にこだわっており、平成20年(2008年)に出荷した125頭のうち8割が品質の良い4、5等級に格付けされています。
 

(兼業農家については、その実態等に応じた施策が必要)

我が国においては、農家数が減少するなかで、高度経済成長期以降、兼業農家(*1)はその8割弱を占め続けており、平成21年(2009年)では130万戸となっています(図3-53)。


*1 [用語の解説]を参照


兼業農家の農業所得と農外所得等の状況をみると、経営主65歳未満の農家では、農業所得の依存度が極めて高いものから、農業所得にほとんど依存しないものまで、多様な分布をしていることがわかります(図3-54)。一方、経営主65歳以上の農家でみると、総じて農業所得への依存度は低くなっています。

このように、兼業農家は、収入構成、兼業先の実態等からみて、「家計における農業所得への依存度が高く、今後とも一定程度農業所得に依存する意向の強いものが多いと考えられる農家群」(グループ(1))から、「家計における農外所得への依存度が高く、今後、場合によっては、農作業の委託や農地の貸出し等により農業依存度をさらに低下させていく意向のものが多いと考えられる農家群」(グループ(2))まで存在します。

このため、これら兼業農家については、一律的な位置付けを行うことは困難ですが、数の面では集落の大多数を占め、集落の維持や活性化、農業・農村の有する多面的機能(*2)の維持を図るうえで不可欠の存在であることから、今後、それぞれの経営実態や意向に即しつつ、きめ細やかな施策を用意していく必要があります。


*2 第4章(2)アを参照

図3-54 兼業農家の所得分布

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