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農林水産省

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(2)食料自給率の向上に向けた取組 ウ 小麦


基本計画においては、小麦の生産量を平成20(2008)年産の88万tから平成32(2020)年産の180万tへ増加させる目標を定めています。

また、小麦についての克服すべき課題として、(1)パン・中華めん用小麦の生産拡大、(2)良質な水稲晩生(おくて)品種の育成による広範な水田二毛作の普及等が掲げられています。

平成23(2011)年産小麦の作付面積は21万2千haで、平成20(2008)年産に比べて3千ha増加しました(表1-3)。また、生産量は、天候不順の影響から74万6千tと作柄の良かった平成20(2008)年産(88万1千t)を下回っています。



(パン・中華めん用小麦の生産拡大)

国産の小麦は日本めん(うどん)用が中心ですが、日本で開発された小麦品種は、オーストラリアで開発された小麦銘柄であるASW(オーストラリア・スタンダード・ホワイト)に比べると、色や品質面で同等の評価を得るには至っていません。このような中、小麦生産の7割(平成23(2011)年産)を占める北海道では、ASWを目指した研究開発が進められた結果、うどんの色・食感がASW並みに優れ、主力品種であった「ホクシン」よりも2割多収で病気や穂発芽(*1)にも強い「きたほなみ」が平成18(2006)年に育成されました。

現在、「ホクシン」から「きたほなみ」への作付転換が進められており、平成23(2011)年産においては、北海道で作付けされている日本めん用小麦品種の98%が「きたほなみ」となっています。

日本めん用の国産シェアは既に6割に達しているものの、パンや中華めん用の国産シェアは低く、これらの用途で国産小麦の利用拡大を図ることが課題となっています(図1-16)。


図1-16 小麦の用途別使用量と自給率(平成21(2009)年度)

パン用・中華めん用小麦の国産シェアが低い背景には、国産小麦の品種はたんぱく含量が中程度の日本めん用に適した品種が主であり、たんぱく含量の高いパン・中華めん用に適した品種は、北海道の単収の低い春まき品種等に限られていたことがあります。

このような状況を踏まえ、北海道向けの高単収春まき品種「春よ恋」や都府県向けの「ゆきちから」、「ミナミノカオリ」等のパン・中華めん用品種が開発され、普及が進められています。

また、たんぱく含量の極めて高い品種「ゆめちから」は、従来の日本めん用品種とブレンドしてパン・中華めんに適した小麦粉をつくることができ、日本めん用小麦の用途がパン・中華めん用にも拡大することから、小麦の自給率向上への貢献が期待されています。「ゆめちから」は平成19(2007)年に育成された後、平成21(2009)年に北海道の優良品種に認定され、試験的な栽培等を通じて、鋭意、普及が進められてきました。平成24(2012)年産からは、本格的な作付けが開始されており、北海道を中心に約1千haが作付けされています。

このような品種開発と普及活動の展開により、パン・中華めん用小麦品種の小麦全体の作付面積に占める割合は、平成20(2008)年産の8%から平成23(2011)年産には10%に増加しており、徐々に作付けが広がっています(表1-4)。



(水田二毛作の推進)

水稲の早生(わせ)品種の導入による田植えの早期化に伴い、水稲の田植え時期と小麦の収穫時期が重なることにより、二毛作が推進できないという課題があります。

このため、都府県の排水良好田において、高温耐性があり、遅植えに適する水稲品種への転換による二毛作や二年三作体系の拡大を推進しています。

例えば、九州地方では、夏の高温の影響による米の品質低下が問題となっていることから、高温耐性を有し、良食味で遅植えに適する品種の導入を進めており、「ヒノヒカリ」等の中生(なかて)品種や「コシヒカリ」等の早生品種から、「ヒノヒカリ」と同様の作期で、麦の収穫後にも栽培可能な「にこまる」等への転換・普及が徐々に進んでいます(表1-5)。

また、関東地方や東海地方等において二毛作を拡大するためには、「コシヒカリ」等を中心とした地域の作付体系を見直す必要があることから、「あさひの夢」等の麦の収穫後にも栽培可能な品種の普及を進めており、さらに、「コシヒカリ」と同等の食味をもち、遅植えが可能な水稲品種の育成に取り組んでいるところです。

こうした二毛作による麦の生産拡大の動きを加速化するため、農業者戸別所得補償制度(水田活用の所得補償交付金)においては、水田で麦、大豆、米粉用米、飼料用米等の戦略作物を生産する農業者に対して、主食用米並みの所得を確保し得る水準の交付金が交付されるとともに、水田における主食用米と戦略作物、戦略作物同士の組合せによる二毛作を行った場合、10a当たり1万5千円が助成されました。

 

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