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農林水産省

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(2)食料自給率の向上に向けた取組 エ 大豆


基本計画においては、大豆の生産量を平成20(2008)年産の26万tから平成32(2020)年産の60万tへ増加させる目標を定めています。

また、大豆についての克服すべき課題として、(1)水田の団地的な利用、(2)単収向上・安定化に資する栽培技術の普及、(3)国産大豆の良さを引き出した製品開発等が掲げられています。

平成23(2011)年産大豆の作付面積は、農業者戸別所得補償制度により、前年産に比べて北海道(2,000ha増)や九州(900ha増)で増加しました。一方、東日本大震災の影響により、宮城県(1,380ha減)や福島県(780ha減)で作付けが減少しました。この結果、全体としての作付面積は13万7千haとなり、平成20(2008)年産に比べて1万ha減少しています(表1-6)。このため、平成23(2011)年産大豆の生産量は、平成20(2008)年産に比べて4万2千t減少し、22万tとなりました。



(水田における作付けの推進)

水田における水稲の作付面積は6割程度であり、耕地の有効利用の観点からも、水田において大豆の作付けを進めることは重要な課題ですが、田における大豆の作付面積は減少傾向となっています(図1-17)。

このため、農業者戸別所得補償制度においては、水田で麦、大豆、米粉用米、飼料用米等の戦略作物を生産する農業者に対して、主食用米並みの所得を確保し得る水準の交付金を交付し、水田における大豆の生産拡大を推進しています。

また、大豆は湿害に弱く、排水性の悪い水田では著しい収量・品質の低下が発生するほか、気象条件による作柄の年次変動が大きい傾向があり、生産が拡大しない要因の一つとなっています。このため、農業生産基盤整備による排水対策の実施等を通じて、安定的な生産体制の整備を進めることも重要な課題となっており、このことについては、第3章第6節の「農業生産基盤の保全管理・整備」で詳しく述べることとします。


(単収向上・安定化に資する栽培技術等の普及)

大豆栽培については、これまで播種時期が梅雨と重なるため、湿害による発芽不良により、収量、品質の著しい低下が問題とされてきました。この解決を図るため、地域の気象条件や土壌条件に応じた播種等技術(大豆300A技術)が開発され、その普及が進められています。

大豆300A技術は、畝をたてて播種位置を高くすること等により、排水性を改善して湿害を回避する技術です。大豆300A技術をはじめとする播種等技術の導入面積は、平成20(2008)年産の2万1千haから平成22(2010)年産の3万2千haまで拡大しています(図1-18)。なお、大豆300A技術等の導入状況を地域別にみると、湿害の影響が大きい東北や北陸で導入が進んでいます。

また、大豆300A技術等の実証ほ場における単収(平成22(2010)年産)は、慣行栽培の15%増である181.5kg/10aという結果が得られており、大豆の単収向上に寄与しています。

さらに、大豆製品への加工適性が高く、コンバインによる収穫時のロスを低減する機械化適性を有する品種として、豆腐向けの「里のほほえみ」や「はつさやか」等の新たな品種の開発・普及が進められています。



(国産大豆の需要拡大)

大豆の国内需要は、油糧用・食品用を含めて400万t程度で、食品用はこのうち約100万tを占めています。国産大豆はほぼすべてが食品用で、用途別の国産割合は豆腐向け26%、煮豆・そう菜向け67%、納豆用向け23%、みそ・しょうゆ用向け11%となっています(図1-19)。生産拡大に向けて、国産割合の低い豆腐や納豆用で国産大豆の利用拡大を図る必要があります。

図1-19 大豆の用途別使用量と自給率(平成21(2009)年度)

日経POSデータ(平成21(2009)年1月)を踏まえた農林水産省(農林水産政策研究所)の研究結果(*1)では、全国の量販店315店舗で販売された豆腐製品(1,221製品)のうち、国産大豆使用表示がある豆腐製品は、表示のない豆腐製品と比べて重量(平均330g)は25g軽く、価格(平均94円)は27円高くなっており、同様の傾向が納豆についてもみられます。

国産大豆を使用した大豆加工品は、それ以外の大豆加工品に比べて高価格ですが、豆腐製品の販売に占める国産表示のある製品の割合についてみると、食品の安全性に対する消費者ニーズの高まりを背景として、平成20(2008)年の10%から平成22(2010)年の12%程度まで着実に伸びています(図1-20)。

このように、消費者の国産大豆製品に対するニーズがある一方で、国産大豆の供給面では、作柄の変動が大きく、品質のばらつきやロットがまとまりにくいなどの課題があります。このため、安定生産や品質の均質化に向けた生産面の取組を一層推進することが重要となっています。


図1-20 豆腐製品の販売額と国産表示のある製品の割合の推移

*1 農林水産政策研究所「農林水産政策研究所レビューNo.45」(平成24(2012)年1月)

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