このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

(1)地球温暖化対策への貢献


地球温暖化の防止を図るため、平成9(1997)年に京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)において京都議定書(*1)が採択されました。

本議定書においては、平成20(2008)年から平成24(2012)年までの期間中に、先進国全体の温室効果ガス(*2)の合計排出量を平成2(1990)年と比較して少なくとも5%削減する目標を設定し、我が国については6%の削減が求められています。

平成21(2009)年度における我が国の温室効果ガス総排出量(12億900万t-CO2)に占める農林水産業・食品製造業の割合は4%(*3)(5,100万t-CO2)ですが、目標の達成に向けた各種の取組を進めていく必要があります(図3-60)。

このため、基本計画においては、「政府の温室効果ガス排出削減目標の達成に貢献するため、農業及び食品産業において、省エネ施設・機械の導入や施肥の適正化、農地の炭素貯留量の増加につながる土壌管理等の営農活動を普及・推進する」としています。


*1、2 〔用語の解説〕を参照
*3 運輸・廃棄物に伴う排出量は除く。


(COP17において農林水産分野に関する一定の成果)

平成23(2011)年11月28日から12月11日にかけて、南アフリカのダーバンで気候変動枠組条約第17回締約国会議(COP17)が開催され、京都議定書の第一約束期間終了後の平成25(2013)年以降の枠組みを中心に議論が行われました。この結果、将来の枠組みについては、法的文書を作成するための「ダーバン・プラットフォーム特別作業部会」を立ち上げ、可能な限り早く、遅くとも平成27(2015)年に作業を終えて、議定書、法的文書または法的効力を有する合意成果を平成32(2020)年から発効させ、実施に移すこととされました。京都議定書については、平成25(2013)年からの第二約束期間の設定に向けた合意が採択されました。日本を含むいくつかの国は第二約束期間には参加しないことを明らかにし、こうした立場を反映した文書が採択されました。第二約束期間に参加する先進国の削減目標については、平成24(2012)年にドーハ(カタール)で開催予定のCOP18で設定することとなりました。

また、農林水産分野については、(1)先進国の森林・農地等吸収源の取扱い、(2)途上国における森林減少・劣化に由来する排出の削減等(REDD+)、(3)農業分野における温室効果ガスの排出削減活動の国際協力活動に関する議論がなされ、おおむね我が国の主張が受け入れられる結果となりました(図3-61)。


図3-61 農林水産分野におけるCOP17の成果

(省エネ農業用機械・施設の導入により、温室効果ガス排出量を削減)

温室効果ガス排出削減のためには、省エネルギー効果の高い農業用機械・施設を導入することも効果的な取組です。京都議定書による温室効果ガスの6%削減約束を確実に達成するために策定された「京都議定書目標達成計画」(平成20(2008)年3月改定)においては、施設園芸の省エネルギー推進や温室効果ガス排出削減に資する農業機械等の利用促進により、平成17(2005)年度を基準とする施設園芸・農業機械における温室効果ガスの排出量を、平成24(2012)年度までの累積量として23万8千t-CO2削減できると見込んでいます。

この計画を踏まえ、農林水産省は、施設園芸分野について、温室効果ガスの排出量を削減する観点から、省エネルギー対策のチェックシートの策定とその普及指導、木質バイオマス利用加温設備・ヒートポンプ等の導入への支援を行っています。また、農業機械分野については、平成19(2007)年6月に策定され、毎年、省エネルギー効率の高い取組内容が更新されている「農業機械の省エネ利用マニュアル」を通じて、温室効果ガス排出削減に資する農業機械の普及が推進されています。

これらの各種取組により、省エネ機器や省エネ農業用機械・施設の導入数は着実に増加しており、平成22(2010)年度における施設園芸・農業機械の温室効果ガス累積排出削減量は、31.9万t-CO2となっています(図3-62)。



(炭素貯留量の増加につながる土壌管理)

農地土壌に、たい肥や稲わら等の有機物を投入すると、それに含まれる炭素の一部はCO2に分解され、大気中に放出されますが、一部は分解されにくい腐植物質になり、土壌中に蓄積されていきます(図3-63)。これは、大気中のCO2の削減を意味しており、農地が炭素を貯留することにより、CO2の吸収源として機能していることとなります。土壌への炭素の貯留量は、有機物の種類によって大きく異なり、分解しにくい成分が多いほど、より多くの炭素が貯留されますが、土壌の種類や気候の条件等によっても大きく異なります。


図3-63 農地土壌における炭素貯留のしくみ

農地土壌に炭素を貯留する効果的な方法として、たい肥等の有機物の施用があげられます。たい肥施用の効果については、土壌の種類によって幅がありますが、水田に毎年1t/10aのたい肥を施用した場合、0.15~0.28t-CO2/10aの炭素貯留量の増加がみられたという試験結果があります(*1)。

農林水産省では、平成21(2009)年度から平成23(2011)年度にかけて、炭素貯留効果の高い営農活動(有機物施用等)を行う実証ほ場を設置し、収益性や炭素貯留効果についての調査等を実施しています。今後は、この調査等で得られた実証結果を基に、炭素貯留効果の高い営農活動の普及・拡大等を通じて、土壌への炭素貯留を促進し、地球温暖化防止の取組を推進していくこととしています。


*1 農林水産省「土壌環境基礎調査(基準点調査)」。単位については、炭素換算(kg/C/年)からCO2換算(t-CO2/10a)に変更

(CO2の見える化を通じて、温室効果ガス排出削減の取組を推進)

図3-64 カーボンフットプリントマーク

「CO2の見える化(*2)」は、CO2の排出量に関する農業者と消費者双方の意識を高める取組として有効です。特に農業者は、生産段階等のどの部分でCO2の排出が高くなっているのかを認識し、経営改善や効率的な排出削減を行うことが可能となります。このため、農林水産省では、平成23(2011)年6月から農業者がパソコン等を利用して、農産物生産で発生する温室効果ガスの排出量を簡単に計算できる「農産物のCO2簡易算定ツール」を公開しており、農業者の排出削減意欲の向上が期待されます。


*2 温室効果ガスの排出、排出削減や農業者の排出削減努力等を消費者にわかりやすくマーク表示等で示すこと

一方、消費者は、CO2の排出量をわかりやすく表示した農産物を選択することにより、地球温暖化対策に貢献することが可能となります。「CO2の見える化」の取組の一つであるカーボンフットプリント(*1)については、商品種別ごとの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでの温室効果ガス排出量を定量的に算定する基準である「商品種別算定基準(PCR)」の策定が着実に進んでいます。平成24(2012)年3月16日現在、農産物や加工食品等では107製品に、この算定基準に基づいたマークの使用が許諾されています(図3-64)。

今後も、「CO2の見える化」を通じて、農業者の温室効果ガス排出削減の取組への後押しや、きっかけづくりを推進していくとともに、消費者理解の醸成に向けた普及・啓発活動を行うことが重要です。


*1 「CO2の見える化」の代表的な取組で、製品のライフサイクル全体(原材料調達から廃棄・リサイクル)で排出される温室効果ガス排出量をCO2量に換算し表示するもの。平成21(2009)年度から関係省庁(農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省)が連携してカーボンフットプリント制度試行事業を行い、平成24(2012)年度から民間事業として開始

お問合せ先

大臣官房広報評価課情報分析室
代表:03-3502-8111(内線3260)
ダイヤルイン:03-3501-3883
FAX:03-6744-1526