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(2)食料消費構造の変化 イ 世帯構造の変化と食料消費の構造


(単身世帯や高齢者世帯、共働き世帯が増加)

一般世帯(*1)数は、昭和55(1980)年以降増加を続け、平成22(2010)年においては平成17(2005)年に比べて6%増加し5,184万世帯となっています。一方、1世帯当たりの人員は年々減少し、平成22(2010)年においては平成17(2005)年に比べて5%減少し2.42人となっています(図2-3-7)。


*1 全世帯から社会施設の入居者や寮・寄宿舎の学生・生徒等の「施設等の世帯」を除いた世帯。


一般世帯の内訳を家族類型別にみると、単身世帯の割合は、昭和55(1980)年の20%から一貫して増加し、平成22(2010)年には32%を占めています。単身世帯以外の二人以上世帯については、夫婦のみの世帯やひとり親と子からなる世帯が増加しているものの、夫婦と子からなる世帯や三世代同居等のその他の世帯が大きく減少しており、今後もこのような傾向が続くことが見込まれています。

このように、単身世帯や夫婦のみの世帯のような少人数の世帯の増加が1世帯当たりの人員の減少に結び付いています(図2-3-8)。



このような中、65歳以上の高齢者がいる世帯数は、高齢化の進行等により年々増加しています。昭和55(1980)年における高齢者がいる世帯数は、813万世帯で一般世帯の23%であったものが、平成22(2010)年には1,934万世帯となり、一般世帯の37%を占めています(図2-3-9)。



また、共働き世帯(夫婦ともに雇用者である世帯)数も年々増加しており、平成9(1997)年以降は、専業主婦世帯(男性雇用者と無業の妻からなる世帯)数を上回っています。共働き世帯の増加の背景には、女性の社会進出に対する意識の変化や経済情勢の変化等があると考えられます(図2-3-10)。


(調理食品の消費支出割合が高まり、単身世帯では食の外部化が進行)

1世帯当たりの食料の実質年間支出金額指数の推移をみると、昭和55(1980)年から平成4(1992)年頃にかけて、食料(全体)はおおむね横ばいで推移する中、調理食品及び外食は上昇傾向で推移しています(図2-3-11)。

一方、平成4(1992)年以降は、食料(全体)及び外食が低下傾向であるのに対し、調理食品は上昇傾向で推移し、平成24(2012)年の調理食品の実質年間支出金額指数は、昭和55(1980)年の1.5倍になっています。

世帯員1人当たり食料消費支出の構成割合をみると、二人以上の世帯では、世帯主の年齢が高くなるに従って生鮮食品の割合が高くなりますが、調理食品と外食の割合は低くなる傾向がみられます(図2-3-12)。

一方、単身世帯では、二人以上の世帯よりも調理食品と外食の占める割合が高く、生鮮食品の割合は低くなっています。また、調理食品と外食の割合については、35歳未満層では男性72%、女性58%、60歳以上層でも男性45%、女性26%を占めており、二人以上の世帯に比べて「食の外部化(*1)や簡便化」が顕著に進んでいます。


*1 [用語の解説]を参照。
 

(収入の高い世帯及び単身世帯で食の外部化が顕著)

平成24(2012)年における1人1か月当たりの種類別食料支出額について、二人以上の世帯と単身世帯、収入の低い世帯(年間収入5分位のI階級)と収入の高い世帯(同V階級)それぞれに分けてみると、特徴的な支出行動がうかがえます。

まず、二人以上の世帯については、収入の低い世帯における米の支出額(889円/月)は、収入の高い世帯(702円/月)を27%上回っています(図2-3-13)。

一方、収入の高い世帯では、パンの支出額(827円/月)が収入の低い世帯(725円/月)を14%上回るとともに、主食的調理食品の支出額(1,253円/月)と外食の支出額(5,299円/月)は、収入の低い世帯の支出額のそれぞれ1.1倍、2.4倍となっています。

次に、単身世帯については、収入の低い世帯における米の支出額(914円/月)は、収入の高い世帯(543円/月)の1.7倍となっています。また、生鮮食材(4,813円/月)、加工食材(3,575円/月)、油脂・調味料(1,187円/月)についても、収入の高い世帯の支出額をそれぞれ39%、24%、19%上回っており、収入の高い世帯に比べて食材を購入しそれを調理して食事する傾向が高いことがうかがえます。

一方、収入の高い世帯では、パンの支出額(1,135円/月)が収入の低い世帯(929円/月)を22%上回るとともに、主食的調理食品の支出額(4,485円/月)と外食の支出額(24,718円/月)は、収入の低い世帯の支出額のそれぞれ2.3倍、5.0倍となっています。

このように、収入の高い世帯は、収入の低い世帯に比べて、米よりパンへの支出が多いほか、主食的調理食品や外食への支出が多く、食の外部化の傾向がみられます。この傾向は、二人以上の世帯より単身世帯において一層顕著となっています。



コラム:家計調査にみる米とパンへの支出額の変化

家計調査(二人以上の世帯)によると、これまで米への支出額が減少する中、平成20(2008)年以降、パン類(食パン、菓子パン、調理パン等)への年間の支出額が米への支出額を上回り、平成24(2012)年のパン類への支出額(32,335円)は、米への支出額(28,731円)を13%(3,604円)上回っています。しかしながら、米に弁当、すし(弁当)、おにぎり等の弁当類を加えた平成24(2012)年の支出額(57,958円)は、パン類への支出額を79%(25,623円)上回っています。

パン類への支出額の内訳をみると、支出額の4分の1を占める食パンは緩やかな減少傾向で推移し、平成24(2012)年の支出額は8,525円となっています。しかしながら、メロンパンやカレーパン等の菓子パンとサンドイッチ等の調理パン等を加えたパン類は増加傾向で推移しており、平成24(2012)年の支出額は32,335円となっています。食パンは、サラダや目玉焼き等の副食を伴う場合や、ジャムやバターを塗ったり、焼いて食べる場合等があります。一方、菓子パンや調理パンは、手間をかけずに手軽に食事ができることが、食パンに比べて支出額が増加している背景にあると考えられます。また、パン類の1人当たり支出額を世帯主年齢階層別にみると、60歳代(主として1940年代生まれ)が最も多く、平成24(2012)年の支出額は11,358円(平均は10,533円)となっています。

これに対し、米への支出額の推移は、パン類と比較した場合、大きく減少しています。米の購入量の減少(99.2kg/年(平成12(2000)年)→78.8kg/年(平成24(2012)年))とともに、価格の下落(405.6円/kg(平成12(2000)年)→364.7円/kg(平成24(2012)年))も進んでいますが、とりわけ購入量の減少が支出額の減少に大きな影響を与えています。このような中、弁当類への支出額は、増加傾向で推移しており、平成24(2012)年には29,227円となっています。その背景には、副食等を含め家庭での調理を必要とする米と比べて、弁当やおにぎり等は、調理の必要がなく手軽に食事ができるという利便性があると考えられます。このように、米の消費形態も多様化してきている傾向がうかがえます。



コラム:家計収入の増減に伴い外食支出も増減

昭和45(1970)年から平成24(2012)年における二人以上の世帯(勤労者世帯)の世帯員1人当たりの実質実収入と実質外食支出額の関係をみると、実質実収入の増加に伴い、実質外食支出額が増加する傾向がみられます。


また、二人以上の世帯(勤労者世帯)の家計消費支出の食料とその内訳項目について、支出弾力性(*)をみると、食料は1.00を下回ることから基礎的支出(必需品)に分類されていますが、このうち外食のみが1.00を超えており、消費支出総額が伸びるときに大きく伸びる選択的支出(贅沢品)に分類できます。このことは、家計支出の増減が外食支出の増減に大きな影響を与えることを示しています。


* 支出弾力性とは、消費支出総額が1%変化する時に各財・サービスが何%変化するかを示した指標。



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