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農林水産省

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(1)食品産業の役割と動向


(食品産業は食料の安定供給や国民の豊かな生活の実現等に貢献)

食品産業は、農林水産業とともに国民に対する食料の安定供給や国民の豊かな食生活の実現に貢献しています。また、国内農水産物等の3分の2が食品産業向けに供給されているほか、食品産業を通じた加工食品(外食を含む。)が国民の飲食料の最終消費の7割以上を占めるなど、食品産業は国産農林水産物の最大の需要者として国内農林水産業を支えています(*1)。

我が国における食品産業の国内生産額は、食料品価格の低下等により1990年代後半をピークに減少傾向にあり、近年においては80兆円程度で推移しています(図2-4-1)。平成22(2010)年度における食品産業の国内生産額は、前年度に比べて1%(6千億円)低下し79兆円となっており、全産業(906兆円)の9%を占めています。また、就業者数については、前年に比べて1%(10万人)上昇し817万人となっており、全産業(6,257万人)の13%を占めています(*2)。


*1 総務省他9府省庁「平成17年産業連関表」を基に農林水産省で試算。
*2 総務省「労働力調査」(平成22(2010)年)及び「平成17年国勢調査」を基に農林水産省で試算。

(食品製造業は地域経済の安定に重要な役割)

食品製造業は、農林水産物を加工して多種多様な食料品を製造し、消費者に安定的に供給するとともに、地域の農林水産業の大きな需要先として重要な役割を担っています。

食品製造業の事業所数は、全国に5万2千か所あり、従業員数が299人以下の中小零細企業の割合が99%を占めています(図2-4-2)。



また、北海道、鹿児島県、沖縄県においては、食品製造業の出荷額が全製造業の出荷額の3~4割、雇用面では全製造業の従業者の4~5割を占めており、地域経済の安定に重要な役割を果たしています(表2-4-1)。


(食品流通業は業種によって商品販売動向に違い)

食品流通業は、食品の流通行程において、食品の品質と安全性を保ちつつ、安定的かつ効率的に食品を消費者に供給するとともに、多様な消費者ニーズを生産者や食品製造業者に伝達する役割を担っています。

食品流通業のうち食品卸売業における事業所数は、近年、減少傾向にあり、平成21(2009)年の事業所数は、7万6千(農畜産物・水産物卸売業3万4千、食料・飲料卸売業4万2千)となっています(*1)。また、これら食品卸売業の商品販売額をみると、農畜産物・水産物卸売業は、平成2(1990)年の61兆円をピークとして、販売数量の減少や単価の下落等により、減少傾向で推移しており、平成23(2011)年の商品販売額は、ピーク時に比べて61%低下し24兆円となっています(図2-4-3)。一方、食料・飲料卸売業については、平成3(1991)年の50兆円をピークに、その後多少の増減があるものの、ほぼ横ばいで推移しており、平成23(2011)年の商品販売額は、東日本大震災の影響による備蓄需要の増加、内食(*2)の増加等により前年に比べて0.9兆円(2%)増加し39兆円となっています。

食品流通業のうち飲食料品小売業における事業所数も、食品卸売業と同様に減少傾向にあり、平成21(2009)年の事業所数は37万8千となっています(*3)。

飲食料品小売業全体の商品販売額をみると、平成23(2011)年は東日本大震災の影響による備蓄需要の増加、内食の増加等により、前年に比べて0.8兆円(2%)増加し43兆円となっています(図2-4-4)。次に業態別に食料品販売額の推移をみると、スーパーマーケット、コンビニエンスストアにおける平成23(2011)年の食料品販売額は、それぞれ8兆5千億円、5兆4千億円となっており、前年に比べて3千億円(3%)、2千億円(4%)増加しています。一方、百貨店における平成23(2011)年の商品販売額は、前年に比べて1千億円(2%)減少し1兆9千億円となっています。


*1 総務省「平成21年経済センサス-基礎調査」
*2 家庭内で調理して食べること。
*3 総務省「平成21年経済センサス-基礎調査」

(プライベートブランド商品の市場規模は拡大)

近年、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売企業等が自ら商品を企画・開発し、独自のブランド名を付けて販売するプライベートブランド(PB)の市場規模が拡大しています(図2-4-5)。

平成22(2010)年における市場規模は2兆4千億円となっており、平成19(2007)年(1兆6千億円)の1.5倍まで拡大しています。今後も拡大が見込まれており、平成27(2015)年には3兆円を超えると予測されています。

PB商品の拡大は、消費者の低価格志向に加え、食品製造業者と小売業者等との共同による商品開発の取組もみられるなどPB品目の多様化等が進み、消費者の幅広い支持を得てきているものと考えられます。

また、PB商品の製造や販売に取り組む事業者においては、更なる市場拡大に向けて、付加価値を充実させた高付加価値PB商品や各地域の特色を取り入れた地域限定商品の開発、海外への販路開拓等の取組がみられます。



このような中、日本公庫が食品関係企業を対象に行った調査から、今後のPB商品の取扱いに関する意向をみると、食品産業全体においては「現在の扱いを増やしたい」とする回答が最も高く、前回の調査結果(平成21(2009)年)から4ポイント上昇し37%となりました(図2-4-6)。また、「現在の扱いを維持したい」(29%)、「今後扱ってみたい」(9%)まで合わせると、全体の8割がPB商品の取扱いに前向きな意向がうかがえます。

業種別にみると、食品卸売業においてはPB商品の取扱いに前向きな意向を持つ企業の割合が前回の調査結果から減少していますが、PB商品の受託生産を行う食品製造業やPB商品の販売者となる食品小売業、飲食店においては、取扱いに前向きな意向がいずれも増加しています。


(外食産業等の動向)

外食産業は、消費者の多様な食志向に対応したメニューや快適な空間を家庭の外で提供することにより、豊かな食生活の実現に大きな役割を担っています。

外食産業の市場規模は、高度経済成長期以降、急速に拡大してきましたが、平成10(1998)年の29兆1千億円をピークに減少傾向で推移しており、平成23(2011)年はピーク時に比べて6兆1千億円(21%)減少し23兆円となっています(図2-4-7)。一方、持ち帰り弁当店やそう菜店、テイクアウト主体のファストフード店等の料理品小売業を中心とする中食産業の市場規模は、世帯構造の変化や食の外部化の進展等により緩やかな増加傾向で推移しており、平成23(2011)年は5.8兆円となっています。

外食産業と中食産業の従業者は、それぞれ317万7千人、68万4千人となっており、大きな雇用機会を創出しています(表2-4-2)。しかしながら、常用雇用者に占める正社員・正職員以外の雇用者の割合をみると、外食産業は78%、中食産業79%と、他の産業に比べて高い傾向にあります。中でも、ハンバーガー店は95%と高い割合を示しており、常用雇用者のほとんどが正社員・正職員以外で構成されています。

 

コラム:フード・コミュニケーション・プロジェクト(FCP)

フード・コミュニケーション・プロジェクト(FCP)は、食品が食卓に上がるまでのフードチェーンの一貫した流れの中で食品関連事業者の取組を「見える化」し、消費者を始めとする関係者からの食に対する信頼を高めるため、食品関連事業者や地方公共団体等と農林水産省が協働で取り組んでいるプロジェクトです。

フードチェーン全体を見渡す取組であるFCPは、業種(製造、卸売、小売等)や企業規模、企業内の部署等にかかわらず、「消費者の信頼向上のため、食品事業者であれば誰でも気をつけるべきこと」を「協働の着眼点」(食品の品質管理や消費者への情報提供等16の大項目と小項目(製造版の場合121))として取りまとめ、業種を越えて共有しています。

FCPの目指す姿 フードチェーン全体での「食」の信頼確保のための取組

FCPでは、多様な食品関連事業者の現場の発想に基づき、食品に関するビジネス活動の情報を「見える化」して、事業者間のコミュニケーションを円滑に行い情報を消費者まで伝えていくためのツールの開発と普及を行っています。例えば、事業者が自らの業務を振り返り、消費者との信頼を築くために必要なポイントがチェックできる「ベーシック16」、商品の特性を効率的・効果的にPRする「FCP展示会・商談会シート」、食品工場の衛生・品質管理を行うために必要な「FCP共通工場監査項目」等のツールです。

企業・商品の「見える化」

FCPの活動を通じて、消費者が、「安心して食品を買いたい」と思ったときに、食品企業の取組を比較して、納得できる買い物や商品選択ができることが期待されています。

 



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