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農林水産省

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(3)再生可能エネルギーの推進と新事業の創出 ア 再生可能エネルギーの活用


(農山漁村における再生可能エネルギーの現状)

太陽光、水力、風力、バイオマス(*1)、地熱等のエネルギー資源は、発電時や熱利用時に地球温暖化の原因となるCO2をほとんど排出しないという優れた特徴を有しており、これらの資源を変換して作られるエネルギーは「再生可能エネルギー(*2)」と呼ばれています。我が国の総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は10%程度となっていますが、その大部分は大規模水力発電によるもので、その他の太陽光、風力、バイオマス等は合計しても約1%に過ぎません(表4-3-3)。

しかしながら、再生可能エネルギーの普及は、国内エネルギー資源の拡大というエネルギー安全保障の強化、低炭素社会の創出に加え、新しいエネルギー関連産業の創出・雇用拡大等の観点からも重要です。また、平成23(2011)年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故を契機とする新たなエネルギー供給システム構築の手段として関心が高まっています。

このような中、平成24(2012)年8月にJA全中が20歳以上の男女を対象として行った「食・農・経済」に関する意識調査では、77%が「自然エネルギーに期待している」と回答しており、特に女性の割合が高くなっています(図4-3-15)。


*1 [用語の解説]を参照。
*2 化石燃料以外のエネルギー源のうち、永続的に利用することができるもの(太陽光、水力、風力、バイオマス、地熱、海洋(潮力、波力、温度差)等を含む)を利用したエネルギーのこと。
 

千葉大学倉阪研究室等の試算による平成22(2010)年度における都道府県別の再生可能エネルギー自給率((地域において再生可能エネルギーによって賄うことができる供給量)/(地域におけるエネルギー需要量)(*1))をみると、電力会社等の大規模な地熱発電所や水力発電所、風力発電所等を有している大分県(23%)、富山県(17%)、秋田県(16%)が高くなっています。これらの県のほか10%を上回る県は、青森県(13%)、長野県・鹿児島県(12%)、岩手県・島根県(11%)の5県となっており、全都道府県のうち約半数は5%未満となっています(図4-3-16)。


*1 この試算におけるエネルギー需要量は、その区域に住み続けるために必要なエネルギー需要として、民生用需要と食料生産用需要に絞って試算したもの。


しかしながら、我が国の国土の広い面積を占める農山漁村には、エネルギーとして利用可能な土地、水、バイオマスといった資源が未利用のまま豊富に存在しています。このような資源を活用した再生可能エネルギーの導入は、地域における安定的な電力供給や分散型エネルギーシステムの構築に寄与するとともに、農山漁村に新たな所得を生み出し、地域活性化につながることが期待されます。

このような中、平成24(2012)年7月1日、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)がスタートし、電気事業者は、太陽光、風力、中小水力、バイオマス等の再生可能エネルギー源を活用して発電された電気を、国が定める一定期間・一定価格で買い取ることが義務付けられました。これにより、再生可能エネルギーの導入が全国で進んでいくことが期待されます。

一方、再生可能エネルギー発電を地域の活性化に効果的につなげていくためには、農山漁村が、発電に必要な土地、水、バイオマス等の資源の提供者となるにとどまらず、農林漁業を始めとする地域の産業や暮らしとどのように連携していくか、また、農林漁業者を始めとする地域の関係者が再生可能エネルギー発電にどのように関与していくかという点が重要です。

(農業用水を活用した小水力発電)

農村地域には、農業水利施設(*1)が多数存在しています。農業水利施設は、用水を安全に通水するためにエネルギーを減じる落差工や減圧バルブ等の施設を有しており、これらを利用することによって様々な場所で発電することが可能となります(図4-3-17)。

農業用水を活用した小水力発電は、土地改良施設等の操作に必要な電力を供給することにより、施設の維持管理費の軽減に寄与しています。


*1 [用語の解説]を参照。

図4-3-17 農業用水を利用した小水力発電

平成24(2012)年度末までに、農業農村整備事業により29地区で小水力発電施設が整備されており、年間約1億700万kWhの電力(約2万5千世帯の年間消費電力に相当)が発電されています。

これまでは、落差、流量の条件に恵まれ、発電出力の規模も比較的大きな地点での整備が中心となっていましたが、全国の農業水利施設には、小水力発電施設の設置が可能な地点が多数存在しています(図4-3-18)。

今後、農業用水の小水力エネルギーを最大限活用する観点から、低落差・低流量の地点での発電に取り組んでいくことが求められており、小型小水力発電機の開発や発電効率の検証の実証試験等が進められています。


図4-3-18 農業水利施設の出力別発電ポテンシャル

事例:「ひびきの」スマートビレッジ構想に基づく小水力発電の取組
群馬県藤岡市、埼玉県本庄市、美里町、神川町、上里町、深谷市

国営神流川(かんながわ)沿岸地区は、東京都心から100km圏内に位置する農村地帯で、群馬県藤岡市(ふじおかし)、埼玉県本庄市(ほんじょうし)を始めとする3市3町にまたがる4,019haの受益地では、米麦・野菜・果樹を組み合わせた複合経営が展開されています。

本地区は、一級河川利根川水系神流川から取水し地域に張り巡らされた農業用水を始め、年間日照時間が約2,000時間に及ぶ太陽光や家畜排せつ物等のバイオマス資源等の豊富な地域資源が存在しています。

本地区では、こうした地域の再生可能エネルギーを利活用し、農業・農村の振興を図るため、平成23(2011)年7月、本地域の通称である「ひびきの」を冠した「「ひびきの」スマートビレッジ構想」を有識者と地域関係者を交えた議論を踏まえて策定しました。本構想では、地域全体の農業・農業用施設に係る再生可能エネルギーの賦存量(関係市町全世帯の電力量の約2割に相当)や再生可能エネルギーによる発電可能箇所を確認するとともに、土地改良施設や農業用ハウス、植物工場、電気自動車用スタンド等の電力供給先が示されています。

本構想に基づき、小水力発電施設である「神流川沿岸発電所」が建設され、平成24(2012)年9月から運転が開始されており、その発電量(52.2万kWh/年)は、約160世帯の年間消費電力に相当します。当発電所は、平成25(2013)年度より埼玉北部土地改良区連合により管理・運営され、売電収入の充当による土地改良施設の維持・管理費の軽減に加え、災害時(停電時)の非常用電源としての活用が大いに期待されています。

今後は、関係機関と調整しつつ、小水力発電のほか、太陽光発電施設や蓄電池の設置、さらに、供給先を結び付けた電力網の構築等の検討を行い、再生可能エネルギーを基軸とする地域の活性化に取り組むこととしています。


神流川沿岸発電所
神流川沿岸発電所
設置された発電機
設置された発電機
 

(バイオマスを活用した取組)

バイオマスとは、動植物に由来する有機性資源(化石資源を除く)をいいますが、大気中の二酸化炭素を増加させない「カーボン・ニュートラル」と呼ばれる特性により、その活用は地球温暖化対策に有効であるとともに、地域の未利用資源の活用による地域活性化、循環型社会の形成、エネルギー供給源の多様化にも貢献できます。

バイオマスは、家畜排せつ物、下水汚泥、食品廃棄物等の廃棄物系、稲わら、間伐材等の未利用系、ソルガム等の資源作物、藻類等、多種多様なものがあり、発電や熱利用のほか、液体燃料や化学品の原料、素材等として幅広い用途に活用されています。

一方、多くのバイオマスは「広く薄く」存在しているため、その活用に当たっては経済性の向上が重要です。

バイオマスを有効に活用するためには、活用に適した熱、ガス、燃料、化学品等に変換する必要がありますが、そのための技術も直接燃焼等の既に実用化されているものから、ガス化・再合成等、研究・実証段階にあるものまで様々です。

現在、木質、食品廃棄物、下水汚泥、家畜排せつ物といったバイオマスを、直接燃焼、固体燃料化し利用する技術が実用化されており、地域のバイオマスの特質を活かした取組が全国各地で行われています(表4-3-4)。


表4-3-4 バイオマスの活用事例

(バイオマス活用の新たな取組)

地域資源を活用した自立・分散型のエネルギー供給体制の強化が重要な課題となっています。地域資源であるバイオマスは、太陽光や風力に比べて出力が安定しており、また、地域産業創出や地域活性化、循環型社会形成等に貢献していますが、石油等の化石燃料と比べて価格競争力が劣位にあります。このため、平成24(2012)年7月に施行された固定価格買取制度(FIT制度)等も活用した投資家や事業者の参入を促し、需要の創出・拡大に向けた取組を通じたコスト低減と安定供給体制の確立等が重要です。

また、広く浅く存在するバイオマスを効率的・安定的かつ低コストで確保することも重要な課題です。特に、広域に存在するバイオマスの確保は、民間事業者の取組だけでは限界があり、収集・運搬システムの構築等における行政の支援や、多様なバイオマスの混合利用・組合せ(*1)等による原料の安定的確保が重要です。

このような状況を踏まえ、地域のバイオマスを活用した事業化・産業化を推進し、地域における産業創出と自立・分散型エネルギー供給体制の強化を実現していくための指針として、平成24(2012)年9月に「バイオマス事業化戦略」が策定されました(図4-3-19)。この戦略では、多種多様なバイオマス利用技術の到達レベルを横断的に評価し、これに基づく技術とバイオマスの選択と集中等により、バイオマスを活用した事業化を重点的に推進していくこととしています。また、関係府省が連携し、地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまち・むらづくりを目指すバイオマス産業都市の構築を推進していくこととしています。


*1 廃棄物系+未利用系、下水汚泥・家畜排せつ物+食品廃棄物等。

図4-3-19 バイオマス事業化戦略の概要

事例
バイオガスプラントを活用した乳用牛ふん尿のエネルギー利用
北海道士幌町
バイオガスプラント
バイオガスプラント

北海道士幌町(しほろちょう)は、畑作と酪農、畜産(肉用牛)を中心とした農業地帯であり、酪農では施設内を牛が自由に移動できるフリーストール方式の牛舎を早くから導入して搾乳・飼料給与の省力化を推進し、規模拡大を図ってきました。

一方、牛ふん尿の堆肥化に多大な労力を要するとともに、臭気等の問題が大きな課題となっていました。

このため、士幌町では、平成15(2003)年度に3戸の酪農家の協力を得て個別型バイオガスプラント実証施設を整備し、ふん尿処理に当たっての課題を検討してきました。この結果、バイオガスプラントにより、ふん尿処理の省力化、悪臭の大幅な低減が図られること、副産物であるメタン発酵後の消化液は肥料効果が高く、自ら利用するほかに、近隣の耕種農家でも利用され、化学肥料の削減によるコスト低減につながることが明らかとなりました。一方、施設の維持管理費が高く、余剰電力の売電収入(RPS法)も少ないことから、採算が合わず普及に向けた課題も明らかとなりました。

このような中、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故を背景に、再生可能エネルギーの導入の重要性が高まったことに加え、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が平成24(2012)年7月からスタートすることになり、平成23(2011)年6月に士幌町は、JA士幌町、商工会の3団体で「士幌町再生エネルギー利用推進協議会」を設置し、バイオガスプラントの普及等による再生可能エネルギーの利用拡大に向けた検討を開始しました。同協議会では、既存のバイオガスプラントにおける課題を踏まえ、構造がシンプルで低コストの新たなモデルが提案されました。このモデルでは、冬期のバイオガス発生量の低下に対応するため、発酵槽を高気密・高断熱構造とし、発電の廃熱による温水を発酵槽の保温に利用するほか、搾乳設備の洗浄や畜舎の暖房にも利用するよう計画しました。

このモデルに基づく新たなバイオガスプラントの建設が町内の酪農家4戸で進められ、平成24(2012)年度末に完成、平成25(2013)年春より稼働し、既存の3基のバイオガスプラントと合わせて、町内の乳用牛のふん尿の15%を処理し、一般家庭換算で400戸分(同町の農家数に相当)の電力(5,500kWh/日)を供給することとしています。

バイオガス発電は24時間安定した電力供給が可能であり、気象条件に左右される太陽光や風力発電を補完する再生可能エネルギーとして有効です。このため、新たなバイオガスプラントでは、バイオガス発生量の周年安定化技術、酪農経営における廃熱の利用、発電コスト等の検証を持続的に行うことにより、バイオガスプラントの普及促進を図ることとしています。

 
生ごみバイオガス発電と低コスト・高付加価値農産物の生産・販売
新潟県村上市
発電の余熱を活用した温室
発電の余熱を活用した温室

新潟県村上市(むらかみし)にある(株)開成では、平成24(2012)年に地元温泉街の旅館や地方自治体と連携し、生ごみを分別収集し、下水汚泥と混合してバイオガスを製造する「瀬波(せなみ)バイオマスエネルギープラント」を設置し、同年9月にメタン発酵ガス発電として国内第1号となる固定価格買取制度の認定を受け、東北電力に売電しています。簡易なバイオガス発電施設と運営ノウハウの確立等により、5年程度の投資回収を目指しています。また、発電時の余熱を使用した温室での南国フルーツ栽培や、発酵残さを液肥利用した稲の栽培等も行っています。栽培する南国フルーツについては、耐寒性の品種改良と高収量の栽培技術の確立に取り組んだ結果、パッションフルーツで1年3作、糖度1.5倍を実現するとともに、その品質が評価され、銀座の高級果物専門店等で販売されています。

今後、農業者がリードする地域資源循環型のバイオマス活用のビジネスモデルとして普及していくこととしています。

 
イネを原料としたバイオエタノールの地域エネルギー循環モデルづくり
新潟県

全国農業協同組合連合会は、新潟県において、地域の協力を得ながら、原料イネの生産からバイオエタノールの製造、バイオエタノール混合ガソリンの販売・利用及び発酵残さの飼料・肥料利用の全てを一貫して県内で行う地域エネルギー循環の取組を行っています。

具体的には、(1)地域の水田の有効活用の観点から、産地資金を活用し農家の協力を得て転作作物として多収穫稲を栽培し、バイオエタノールを製造、(2)全農新潟石油基地でバイオエタノール混合ガソリンを製造し、県内の農協系ガソリンスタンドで「グリーンガソリン」として販売(バイオエタノール利用分はCO2排出削減量認証制度を活用しクレジット化)、(3)副産物の発酵残さは、液体飼料・肥料として地域の養豚農家や肥料工場に販売され、液体飼料で肥育した豚肉は、食味が良いなどブランド化して販売、(4)籾殻はガス化し、エタノール製造施設の熱源として利用等により、地域循環型のバイオマス利用を行っています。

[地域エネルギー循環モデルイメージ]

(風力・太陽光を活用した取組)

このほか、風力や太陽光に由来する再生可能エネルギーを地域活性化に活用する取組が各地で進められています。

高知県梼原町(ゆすはらちょう)では、平成11(1999)年に「梼原町エネルギービジョン」を策定し、風力発電を開始しました。町では、売電収入を町の基金に積み立てて、太陽光発電の普及や森林の保全等に活用するほか、小水力発電等の利用を進め、自然エネルギーを有効に活用した町づくりに取り組んでいます。

また、北海道浜中町(はまなかちょう)のJA浜中町では、これまでも景観保全のための植林や家畜排せつ物処理施設の整備、野生動物との共生等、環境保全に係る取組を行ってきました。平成22(2010)年には太陽光発電施設を酪農家105戸に導入し、自然環境と調和した地域で生産された農産物をエコ・ブランドとして付加価値を高める取組を進めています。

このように、再生可能エネルギー発電と農林漁業を結び付けた先駆的な事例が存在する一方で、このような取組は全国的にみれば、まだまだ点的なものにとどまっています。

農林漁業者を始めとする地域主導の再生可能エネルギー供給を拡大し、地域の農林漁業の発展につなげていくため、農林水産省では、再生可能エネルギー発電によって得られた収益を地域の農林漁業に還元するモデルの構築や、農林漁業者が中心となった再生可能エネルギー発電の立ち上げを支援するワンストップ窓口の設置等を行うこととしています。


事例:再生可能エネルギーの活用を通じた町づくり
高知県梼原町
四国カルストに設置した風車
四国カルストに設置した風車

高知県梼原町(ゆすはらちょう)は、「森(森林)と水」、「共生と循環」をキーワードとした町づくりを進めています。

平成13(2001)年度からの第5次梼原町総合振興計画の策定に当たっては、住民参加による計画づくりを推進するため、公募により15人の住民が計画づくりに参加し、「共生と循環」のまちづくりの一つの柱として、自然エネルギーの利用促進に取り組むこととしました。同計画においては、平成11(1999)年に風の通りの良い四国カルスト高原に町が設置した風力発電施設から得られた売電収入を、森林の間伐等の保全活動と町民が再生可能エネルギーを活用した設備を導入する際の助成金として活用することとされました。

5年間間伐を実施し、残った材木について10年間皆伐禁止の約束を遵守できる森林所有者に町から交付金を交付することにより、平成13(2001)年度から22(2010)年度の間に、6,409ha(間伐対象森林の約7割)の間伐が完了しました。また、平成24(2012)年度からは、ペレット向け間伐材の搬出費用も補助しています。

このように、再生可能エネルギー発電の収益を通じ、カルスト高原の「風」を地域の最大の資源である「森林」の活用に活かす取組を行っています。

これらの取組に加え、太陽熱温水器、木質ペレットストーブ、個人用太陽光・風力・水力発電機等の設置についての助成を行うほか、木質ペレットの製造施設の整備、地中熱エネルギーを活用した温水プールの設置、廃油の燃料利用等にも取り組んでいます。

また、同町は、市街地を流れる河川の河道改修によって生じた6mの落差を活用して、小水力発電所を設置しました。昼間は隣接する中学校に電気を供給し、中学校で使用する電力の9割を賄うとともに、夜間は町の街路灯82基に電気を供給しています。これらの取組により、街路灯の電気代への住民負担はなくなりました。

 

事例:太陽光発電を活用して地域の酪農業をイメージアップ
北海道浜中町

北海道のJA浜中町(はまなかちょう)では、自然環境と調和した生乳生産に取り組むため、酪農排水浄化槽の設置、ふん尿処理施設の整備、237haに及ぶ植林、野生動物が共生する緑の回廊づくり等の環境保全の取組と、スラリータワー(*)の整備による家畜ふん尿の100%回収を行い農地に還元するクリーンな循環型農業を実践してきました。

また、二酸化炭素の排出削減やエネルギーの地産地消による農業経費の削減等、幅広い環境保全への取組が将来にわたる農業生産活動の維持・発展への礎になるとの考えの下、クリーンエネルギーによる酪農業の先駆けとして、平成22(2010)年、浜中町と厚岸町(あっけしちょう)トライベツ地区の酪農家105戸に太陽光発電設備を設置しました。

酪農家の敷地に設置した太陽光発電設備
酪農家の敷地に設置した
太陽光発電設備

発電量のうち、5割を農業施設において自家消費し、残りの5割を北海道電力に売電しています。売電額は地区全体で年間2,600~2,700万円程度となり、また、1戸当たりの電力経費も年間20万円程度削減されました。固定価格買取制度も始まり、今後の太陽光発電設備設置に向けた追い風となっています。

JA浜中町は、太陽光発電等の自然エネルギーの活用と、これまで行ってきた環境保全の取組により、浜中町で生産した生乳をきれいな環境の下で生産した「エコ牛乳」としてPRし、浜中ブランドのイメージを一層高めるとともに、今後は、品質面の一層の向上に取り組むこととしています。


* 発酵等による処理をしたスラリー(ふん尿と水が混合した状態のもの)を牧場に散布するために一時的に貯留する施設。

(再生可能エネルギー導入に向けた課題と今後の取組)

農山漁村は、再生可能エネルギー供給の大きなポテンシャルを有しており、全国各地で様々な取組が行われていますが、一方、仮に再生可能エネルギー発電施設が無計画に整備された場合、農山漁村に存在する農林地や漁港、その周辺水域が果たしている食料生産や国土保全への重要な役割に支障を来す可能性があるのみならず、周辺環境に悪影響を与える可能性もあります。

このため、農山漁村における再生可能エネルギーによる発電の促進は、農林漁業の健全な発展との調和を図りながら、農林漁業者やその団体等が参画した再生可能エネルギー発電、発電事業によって得られた収益の地元還元、地域で発電した再生可能エネルギー電気の地域利用等、地域の農林漁業、農山漁村の活性化につながる形で推進していくことが重要です。



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