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農林水産省

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(3)「総合的なTPP関連政策大綱」の策定 ウ 政策大綱の実施に向けた動き


政策大綱のうち(1)の体質強化対策については、早急に実施し、経営マインドを持った農林漁業者の経営発展に向けた投資意欲を後押ししていく必要があることから、平成27(2015)年度補正予算に必要な予算が盛り込まれました。

また、(3)の検討継続項目については、輸出に関して、平成28(2016)年1月、「農林水産業・地域の活力創造本部」の下に、農林水産業の輸出力強化ワーキンググループが設置されるなど、検討が開始されたところです。

さらに、同年3月にはTPPの的確な実施のために必要となる関連国内法について整備する「環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案」を閣議決定し、TPPと併せて国会に提出しました。この法律案においては、<1>牛マルキン及び豚マルキンの法制化、<2>加糖調製品の糖価調整法に基づく調整金の対象への追加、<3>諸外国との間でGIを相互保護するための仕組みの導入等が規定されています。

TPP合意を受けた新たな国際環境の下において、我が国の農政は「農政新時代」というべき新たなステージを迎えています。生産者の持つ可能性と潜在力をいかんなく発揮できる環境を整え、「強くて豊かな農林水産業」及び「美しく活力ある農山漁村」を創りあげていくために、政策大綱に掲げられた政策を着実に実行していくこととしています。


総合的なTPP関連政策大綱(抜粋)

1.攻めの農林水産業への転換(体質強化対策)

関税削減による長期的な影響が懸念される中で、農林漁業者の将来への不安を払拭し、経営マインドを持った農林漁業者の経営発展に向けた投資意欲を後押しする以下の対策を集中的に講ずる。

次世代を担う経営感覚に優れた担い手の育成

農業者の減少・高齢化が進む中、今後の農業界を牽引する優れた経営感覚を備えた担い手を育成・支援することにより人材力強化を進め、力強く持続可能な農業構造を実現する。

国際競争力のある産地イノベーションの促進

水田・畑作・野菜・果樹の産地・担い手が創意工夫を活かして地域の強みを活かしたイノベーションを起こすのを支援することにより、農業の国際競争力の強化を図る。

畜産・酪農収益力強化総合プロジェクトの推進

省力化機械の整備等による生産コストの削減や品質向上など収益力・生産基盤を強化することにより、畜産・酪農の国際競争力の強化を図る。

高品質な我が国農林水産物の輸出等需要フロンティアの開拓

米・牛肉・青果物・茶・林産物・水産物など重点品目の全てで輸出先国の関税が撤廃される中、高品質な我が国農林水産物の一層の輸出拡大、輸出阻害要因の解消、6次産業化・地産地消による地域の収益力強化等により、攻めの農林水産業を推進する。

合板・製材の国際競争力の強化

原木供給の低コスト化を含めて合板・製材の生産コスト低減を進めることにより、合板・製材の国産シェアを拡大する。

持続可能な収益性の高い操業体制への転換

浜の広域的な機能再編等を通じて持続可能な収益性の高い操業体制への転換を進めることにより、水産業の体質強化を図る。

消費者との連携強化

消費者の国産農林水産物・食品に対する認知度をより一層高めることにより、安全・安心な国産農林水産物・食品に対する消費者の選択に資する。

規制改革・税制改正

攻めの農林水産業への転換を促進する規制や税制の在り方を検証し、実行する。

2.経営安定・安定供給のための備え(重要5品目関連)

関税削減等に対する農業者の懸念と不安を払拭し、TPP協定発効後の経営安定に万全を期すため、生産コスト削減や収益性向上への意欲を持続させることに配慮しつつ、協定発効に合わせて経営安定対策の充実等の措置を講ずる。

国別枠の輸入量の増加が国産の主食用米の需給及び価格に与える影響を遮断するため、消費者により鮮度の高い備蓄米を供給する観点も踏まえ、毎年の政府備蓄米の運営を見直し(原則5年の保管期間を3年程度に短縮)、国別枠の輸入量に相当する国産米を政府が備蓄米として買い入れる。

マークアップの引下げやそれに伴う国産麦価格が下落するおそれがある中で、国産麦の安定供給を図るため、引き続き、経営所得安定対策を着実に実施する。

牛肉・豚肉、乳製品

国産の牛肉・豚肉、乳製品の安定供給を図るため、畜産・酪農の経営安定対策を以下のとおり充実する。

  • 肉用牛肥育経営安定特別対策事業(牛マルキン)及び養豚経営安定対策事業(豚マルキン)を法制化する。
  • 牛・豚マルキンの補填率を引き上げるとともに(8割→9割)、豚マルキンの国庫負担水準を引き上げる(国1:生産者1→国3:生産者1)。
  • 肉用子牛保証基準価格を現在の経営の実情に即したものに見直す。
  • 生クリーム等の液状乳製品を加工原料乳生産者補給金制度の対象に追加し、補給金単価を一本化した(*)上で、当該単価を将来的な経済状況の変化を踏まえ適切に見直す。
※準備が整い次第、協定発効に先立って実施

甘味資源作物

国産甘味資源作物の安定供給を図るため、加糖調製品を新たに糖価調整法に基づく調整金の対象とする。

3.対策の進め方

農林水産分野の対策の財源については、TPP協定が発効し関税削減プロセスが実施されていく中で将来的に麦のマークアップや牛肉の関税が減少することにも鑑み、既存の農林水産予算に支障を来さないよう政府全体で責任を持って毎年の予算編成過程で確保するものとする。

また、機動的・効率的に対策が実施されることにより生産現場で安心して営農ができるよう、基金など弾力的な執行が可能となる仕組みを構築するものとする。

4.対策の効果検証・検討の継続

1.の施策については、政策目標を効果的、効率的に実現するという観点から、定量的な成果目標を設定し進捗管理を行うとともに、既存施策を含め不断の点検・見直しを行う。

検討の継続項目

  • 農政新時代に必要な人材力を強化するシステムの整備
  • 生産者の所得向上につながる生産資材(飼料、機械、肥料など)価格形成の仕組みの見直し
  • 生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通・加工の業界構造の確立
  • 真に必要な基盤整備を円滑に行うための土地改良制度の在り方の見直し
  • 戦略的輸出体制の整備
  • 原料原産地表示
  • チェックオフ制度の導入
  • 従前から行っている収入保険制度の導入に向けた検討の継続
  • 農家が安心して飼料用米に取り組めるよう、食料・農業・農村基本計画に明記された生産努力目標の確実な達成に向け、生産性を向上させながら、飼料用米を推進するための取組方策
  • 配合飼料価格安定制度の安定運営のための施策
  • 肉用牛・酪農の生産基盤の強化策の更なる検討
  • 農村地域における農業者の就業構造改善の仕組み


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