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農林水産省

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(2)輸出促進等に向けた日本食や食文化の海外展開


(日本食・食文化の海外普及)

世界の食市場の獲得のためには、日本食・食文化の魅力を正しく普及していくことが重要です。そのためには、日本食・食文化が海外において定着していくような仕組みを構築することが必要です。

平成27(2015)年5月1日にはミラノ国際博覧会が開幕し、10月31日までの184日間、万博としては初の「食」をテーマに開催されました。日本館では、「Harmonious Diversity-共存する多様性-」をテーマに出展が行われ、228万人が訪れました。

海外の日本食レストランの数は着実に増加しており、農林水産省が外務省と協力して行った調査によると、平成27(2015)年7月時点で、前回調査(平成25(2013)年1月時点)の約1.6倍に相当する約8万9千店に増加しました(図1-9)。しかしながら、日本食は生ものの取扱いが多いにも関わらず、食品衛生管理や調理方法に関する知識不足から課題があるレストランもみられます。このため、農林水産省では、日本料理の基本的な食品衛生管理に関する知識や調理技能が一定のレベルに達した海外の日本食の料理人を民間が認定する取組や、日本産食材を積極的に使用する海外の飲食店や小売店を民間が日本産食材サポーター店として認定する取組を新たに創設し、平成28(2016)年度からの運用を目指しています。


図1-9 海外における日本食レストランの数

(日本食・食文化の海外展開の推進)

平成27(2015)年9月には、ニューヨークの国連総会に併せて開催された和食レセプションにおいて、安倍内閣総理大臣が各国首脳に対して日本食のPRを行いました。また、平成28(2016)年1月にシンガポールで行われた日・シンガポール外交関係樹立50周年記念イベントでは、森山農林水産大臣が日本産食材のPR等を行いました。このように、内閣総理大臣、農林水産大臣等の外遊の機会を捉え、日本食・食文化のトップセールス等が行われており、今後も平成28(2016)年に開催される伊勢志摩サミットといった機会等を積極的に活用していきます。

また、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下「2020年東京大会」という。)では、世界各地から多数の大会関係者や観光客等が来日することが想定されます。このため、2020年東京大会の開催に向けて、GAPやHACCP等の取組の普及・拡大を図り、安全や環境に配慮した高品質な日本産食材の生産・供給体制を整備すること等により、日本産食材について、大会関係者等への供給を通じてアピールし、海外での日本食・食文化の定着を戦略的に推進していくことが必要です。


コラム:2015年ミラノ国際博覧会における日本食・食文化の魅力発信

「ジャパンデー」の日本館の様子
「ジャパンデー」の日本館の様子
レセプションでの鏡開き
レセプションでの鏡開き
シーン2「多様性の滝」
シーン2「多様性の滝」
フードコートで供された「トンカツ」
フードコートで供された「トンカツ」
展示デザイン部門において受賞した「金賞楯」
展示デザイン部門において
受賞した「金賞楯」

2015年ミラノ国際博覧会(以下「ミラノ万博」という。)は、イタリア・ミラノで「地球に食料を、生命にエネルギーを」をテーマに184日間の会期で行われ、145か国、3国際機関が参加し、総来場者数は2,150万人に上りました。

日本館では、「Harmonious Diversity-共存する多様性-」をテーマに、日本の農林水産業や食を取り巻く様々な取組、日本食・食文化に詰め込まれた様々な知恵と技が、人類共通の課題解決に貢献していくことをアピールしました。館内には1から5のシーンがあり、シーン2では、産地から食卓まで多種多彩なコンテンツが流れ落ちる「多様性の滝」が展示されました。滝つぼに漂うコンテンツに手を触れると、関連する様々な情報が映し出されるようになっていました。日本館アプリをインストールしたスマートフォンで、興味のある画像にタッチをするとその画像がスマートフォンに取り込めるようになっており、退館後も閲覧できます。このように、日本の最先端の技術も駆使し、様々な工夫を凝らした展示が行われました。

平成27(2015)年7月11日には、日本のナショナルデーである「ジャパンデー」を開催し、東北の伝統的な10の祭りが一堂に会したパレードやレセプション等を行いました。

また、ミラノ市内のステッリーネ宮殿で日本館第二の拠点「ジャパンサローネ」を期間限定で開催しました。そこでは、商談会やシンポジウム、試食イベント等を実施し、19日間の開催期間中約3万人を集客しました。

ミラノ万博では、多くのパビリオンでレストランが設置されており、日本館においては、本格日本食レストラン及びフードコートを設置し、日本食・食文化を紹介しました。また、日本館のイベント広場で、58の地方公共団体・団体が各地域の伝統的な食品の展示や飲食の提供を行いました。そこでは、通常EU域内への輸出ができない日本産食材の持ち込みについて特例措置が認められ、だしを取るための「かつおぶし」、山口県のイベントで使用した「フグ」、トンカツとして提供した「豚肉」等の万博会場内での使用が実現しました。

万博会場内でも有数の人気パビリオンとなった日本館は、総来場者数の1割を超える、228万人に上る来館者を迎えました。来館者へのアンケートでも、日本館の総合評価は4項目のうち上位2項目(「良かった」、「まあ良かった」)が98%に上ったほか、「日本への理解・興味が深まったか」という調査では、同じく上位2項目が92%を占める結果となりました。

博覧会国際事務局が主催し、優秀なパビリオンを決定する褒賞制度では、日本館が展示デザイン部門で「金賞」を受賞しました。自然と技術の「調和」が評価され、平成27(2015)年10月30日の授賞式で表彰されました。5年ごとに行われる大規模博覧会における日本館の「金賞」受賞は史上初の快挙となりました。

日本館の金賞受賞や多くの媒体での高評価は、我が国の農林水産業や食文化の魅力が世界の人々に理解された表れであると考えられます。また、今回の出展が農業者を始めとする関係者の自信につながり、日本の農林水産物・食品の輸出が更に増大することが期待されます。

 


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