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農林水産省

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(1)農地の集積・集約化に向けた農地中間管理機構の取組


全国的に担い手の減少が進み、荒廃農地(*1)が発生する中で、地域の人と農地の問題を一体的に解決していくために、集落や地域における徹底的かつ継続的な話合いを通じて、地域農業を担う経営体や農地利用の将来像等を示した人・農地プランの作成と定期的な見直しを推進しています。この人・農地プランを前提に、信頼できる農地の中間的受皿である農地中間管理機構(以下「機構」という。)を活用することにより、地域の農地を任せられる者を見いだし、荒廃農地の発生抑制や農地集積につなげていくことが重要です。


1 [用語の解説]を参照

(農地中間管理機構の創設)

農業の成長産業化のためには、農地利用の担い手への集積・集約化が重要であることから、担い手が利用する農地面積を、現状の5割から8割に引き上げることを目標としています。この目標を達成するため、平成26(2014)年、各都道府県に機構が整備されました。


(農地中間管理機構を軌道に乗せていくことが重要)

機構の取組初年度である平成26(2014)年度の実績は、機構が借り入れた面積が2万9千ha、転貸した面積が2万4千ha(貸借・売買を合わせると機構に権利移転した面積が3万6千ha、機構から権利移転した面積が3万1千ha)となりました(表2-1-1)。また、平成26(2014)年度末の農地面積に占める担い手の利用面積の割合は、機構を整備したことの効果もあって、前年3月末から1.6%上昇し、50.3%と半分を超えた状況となりました(図2-1-1)。

 

このように、機構の整備等により、近年停滞していた農地流動化が再び動き出したところですが、機構の初年度の実績は、10年間で担い手に全農地面積の8割を集積するという目標を達成するには不十分であることから、全都道府県で機構を早期に軌道に乗せ、担い手への権利移動面積を大幅に拡大していくことが必要です。

このため、「「日本再興戦略」改訂2015」において決定された機構を軌道に乗せるための方策に基づき、各都道府県・機構において、機構の意識改革と体制の改善、現場でコーディネートを行う担当者の増員、地域の担い手との話合いの推進及び農地整備事業と機構事業の連携強化等を進めているところです。

また、平成25(2013)年の農地法改正により、機構は、遊休農地(*1)の解消にも活用することとされています。具体的には、(1)農業委員会が遊休農地の所有者等に対して利用意向調査を実施し、(2)所有者等が意向表明どおりに実行しない場合には、機構との協議を勧告し、最終的に都道府県知事の裁定により機構が農地中間管理権を取得できることとしています。

さらに、機構への農地貸付けを促し、遊休農地の解消と担い手への農地利用の集積・集約化を加速させていくことを目的として、平成28(2016)年度税制改正において、10a未満の自作地を除いて所有する全農地を、10年以上機構に貸し付けた場合の固定資産税を軽減することとしています。併せて、機構に貸し付ける意思や自ら耕作する意思が農地所有者等にないと認められ、機構と協議すべき旨の勧告を受けた遊休農地の固定資産税の課税を強化することとしています。

また、地域内の農業者の話合いを着実に進め、担い手がまとまった農地を借りられるようにするため、機構を活用した担い手への農地の集積・集約化、地域農業の将来像等を記載した人・農地プランの作成及び見直しを行い、農地の出し手の掘り起こしを行うことも重要です。平成27(2015)年6月末現在の人・農地プランの作成状況をみると、作成予定の1,575市町村、1万4,490地域のうち、1,538市町村(98%)、1万2,958地域(89%)が作成に至っており、見直しについては、平成26(2014)年中に7,882地域(68%)が行いました。

 

1 [用語の解説]を参照

事例:農地中間管理機構の活用による農地集積の取組

鳥取県大山町

鳥取県西伯郡大山町宮内(さいはくぐんだいせんちょうみやうち)地区は、農家28戸、農地27.7haがある中山間地域で、地区の多くの農作業を、若い担い手である馬田雄一郎(まだ ゆういちろう)さんが受託していました。

平成26(2014)年、地区の農家が人・農地プランを検討する中で、農地中間管理機構を活用し、作業受委託からもう一歩進め、農地の賃貸を行うこととしました。機構を活用することにより、農家20戸から15.5haを集約し、集積率が平成25(2013)年の9%から平成26(2014)年には56%に上昇しました。機構に農地を貸し出した地域に交付される地域集積協力金については、担い手の大型トラクターや田植機の購入等に充てることとしました。

また、農地の出し手は、集落全体の農地を保全していく観点から、宮内農地保全会を結成しました。保全会では、担い手の経営が成り立たなければ集落の農地維持もできないとの認識を皆が共有しており、作業量の多い農道・畦畔(けいはん)の草刈りは近隣の農家が分担していく等、担い手を支援していくこととしています。また、水路管理を一人の担い手が全て行うことは難しいため、自治会として毎年4月に水路清掃を行うこととするなど、集落一体となって担い手を支え、農地を守っていくこととしています。

 
人・農地プランの集落打合せ
人・農地プランの集落打合せ
機構を活用した担い手への農地集積(緑:機構活用前から借受、黄:機構活用後に新規追加)
機構を活用した担い手への農地集積
(緑:機構活用前から借受、黄:機構活用後に新規追加)
 


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