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農林水産省

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(5)経営所得安定対策の推進、収入保険制度導入の検討


(経営所得安定対策の着実な実施)

経営所得安定対策については、平成26(2014)年6月に「農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律の一部を改正する法律」が成立し、平成27(2015)年産からは、畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)及び米・畑作物の収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)について、認定農業者、集落営農、認定新規就農者という担い手を対象として、規模要件を課さずに実施しています。

畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)は、諸外国との生産条件から生じる不利がある麦、大豆、てんさい、でん粉原料用ばれいしょ、そば、なたねを生産する農業者に対して、標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分に相当する交付金を直接交付するものです。

平成27(2015)年度のゲタ対策への加入申請件数は、非担い手農業者の集落営農への加入等によって、4万6千件と、前年度の支払対象者数と比べ2万3千件減少していますが、平成27(2015)年度の作付計画面積は、主食用米から麦・大豆等への転換により49万4千haと前年度の支払面積と比べ1万1千ha増加しています。

米・畑作物の収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)は、米・畑作物の収入変動に対するセーフティネットとして、農業者の拠出を前提に、収入減少の9割を補填するものです。

平成27(2015)年産のナラシ対策への加入申請件数は11万2千件と前年産の加入件数と比べ4万2千件増加しており、加入申請面積は97万9千haと、前年産の加入面積と比べ14万1千ha増加しています。特に米は、平成26(2014)年度から実施してきた加入推進により、44万3千haから55万haに増加しています。

米の直接支払交付金は、平成29(2017)年産米までの時限措置として、米の生産数量目標に従って生産を行う農業者に対して、7,500円/10aを交付するものです。

平成27(2015)年度の加入申請件数は、主食用米から飼料用米等への転換が進んだこと等により84万1千件と、前年度の支払対象者数と比べ3万7千件減少し、作付計画面積も105万1千haと前年度の支払面積と比べ3万8千ha減少しています。


(収入保険制度導入に向けた調査の実施)

現行の農業共済制度は、自然災害による収量減少を対象とし、価格低下等は対象外です。また、対象品目は収量を確認できるものに限定されており、農業経営全体をカバーしていない等の課題があります。このため、全ての農作物を対象とし、農業経営全体の収入に着目した収入保険の導入について調査・検討を進めています。平成27(2015)年度は、平成26(2014)年度に引き続き、保険料や保険金等の水準設定等に必要な過去の農業者の収入データの収集を行うとともに、平成27(2015)年産を対象に、農業者の協力を得て、どのような仕組みであれば、的確な保険の運営ができるか等を調べる事業化調査を行いました。本調査は平成28(2016)年度までかけて実施する予定であり、引き続き制度の法制化に向け、調査・検討を進めることとしています。


コラム:クラウドファンディングの取組

インターネット等のICT(*1)を活用した取組として、クラウドファンディング(*2)による資金調達があります。クラウドファンディングとは、インターネットを利用して不特定多数の人々から資金調達を行うものです。クラウドファンディングの種類には、大きく分けて「投資型」、「購入型」、「寄付型」があります。投資型は、出資の見返りとして金銭が提供されるもので、金融商品取引法の対象となります。購入型は、出資の見返りとして、企業が出資者に対して商品やサービス等を提供しますが、寄付型では、出資者に対する見返りは必要ありません。平成27(2015)年に改訂された「日本再興戦略」においても、投資型クラウドファンディングに係る制度の活用や、各種クラウドファンディング利用の促進について言及されています。

クラウドファンディングによって資金調達を行う場合、資金調達プラットフォーム提供サイトで<1>掲載申込、<2>審査、<3>資金募集ページの作成、<4>資金募集の開始、<5>資金調達の達成、<6>プロジェクトの実行、<7>出資者への見返りの提供というプロセスを経ることが考えられます。プロジェクトページを見ることにより、閲覧者は取組の内容を詳細に知ることができ、インターネット上で出資ができます。

近年では、農業分野のプロジェクトもみられるようになってきています。プロジェクトで集めた出資金は、農業生産に必要な資材の購入や、新商品の開発、農村振興、地域の魅力を伝えるためのメディア等に使われています。農業分野の特徴として、投資型の特典や購入型の見返りは、プロジェクトにより実現した、野菜・果物等の農産物、チーズ、ドレッシングといった加工品、農場の見学といった農村を訪れる体験が多くなっています。

埼玉県深谷(ふかや)市に本社を置く「株式会社つばさグリーンファーム」は、トラクターの新規購入にあたり、平成26(2014)年度に投資型クラウドファンディングを活用して3か月で資金(約700万円)を集めました。

購入したトラクター
購入したトラクター

代表取締役の松本清(まつもと きよし)さんは、ホームページに掲載された、若い従業員達が頑張っている様子が共感を得たことや、特典の農産物の魅力が出資につながったのではないかと考えています。機械導入で作業効率が2割程向上し生産量が増えただけでなく、インターネットでプロジェクトをみた流通業者等からの照会が増えたことにより、売上も増加しました。また、ねぎを粉末化した新商品を開発しており、今後、出資者に試作品を送付して意見を聞くなどマーケティングにも活用したいと考えています。

このように、クラウドファンディングは農業経営においても、PR、マーケティングやファン作りに役立つことが考えられます。今後も、ICT(*)を活用した販路開拓等の新しい取組が広がることが期待されます。

*1 [用語の解説]を参照
*2 群集を意味する「crowd」と、資金調達を意味する「funding」を組み合わせて、クラウドファンディング(crowdfunding)と呼ばれている。


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