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農林水産省

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(4)野菜


(加工・業務用に適した野菜の生産を推進)

野菜の作付面積は緩やかな減少傾向にあり、平成26(2014)年産は前年産に比べやや減少し、40万haとなりました(図2-3-9)。生産量は、近年、横ばいで推移しており、平成26(2014)年産は1,201万tとなりました。野菜の消費動向について、成人の1日当たりの野菜の平均摂取量をみると、この10年間で大きな変化はなく、平成26(2014)年は292gとなりました(*1)。厚生労働省が推進する「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21(第2次))」(*2)では、成人の1日当たりの野菜の平均摂取量の目標を350g以上としており、現状は目標値を下回っています。


1 厚生労働省「国民健康・栄養調査」
*2 正式名称は「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」


 

また、近年、生活スタイルの変化や簡便化志向を背景として、需要が生鮮食品から加工食品へ変化していることから、加工・業務用野菜の需要に対応した生産・流通システムの構築が必要となっています。平成26(2014)年産の加工・業務用向け指定野菜の出荷量は前年に比べ増加し、87万3千tとなりました(図2-3-10)。特に、ねぎ、キャベツ、ほうれんそうで、平成22(2010)年の1.5倍から1.6倍に増加しました。一方、加工・業務用野菜は低コストで定時・定量の供給が求められるため、依然として、輸入野菜の利用も多い状況です。

農林水産省では、加工・業務用野菜の国産割合を高めるため、加工の際の歩留りが高いといった加工・業務用に適した品種や機械化一貫体系による生産技術の開発を進め、産地への導入を図るとともに、流通の効率化・合理化(*3)を進めています。これらの取組を受け、産地では、加工・業務用野菜の生産を強化する取組が増えてきています。また、レストラン等での需要を輸入で賄っていた西洋野菜といった新たな品目の産地化に取り組む動きもみられます。



事例:加工・業務用野菜の生産拡大に向けた取組

(1)加工・業務用野菜の生産・加工・流通を一貫したビジネスモデル

愛媛県大洲市
たいよう農園の皆さん
たいよう農園の皆さん

愛媛県大洲市(おおずし)にある農事組合法人(*1)たいよう農園代表取締役社長の本田和也(ほんだかずや)さんは、元々は養豚農家でしたが、堆肥の有効活用のために野菜生産に参入しました。この3年間で栽培面積を10haから150haに拡大し、加工・業務用キャベツ及びたまねぎを生産しています。生産・加工・流通を全て行うビジネスモデルを実現するため、最新鋭の機械を導入し、生産効率を上げ、巨大冷蔵庫・加工処理施設を設置するとともに、他産地との買付予約を行うことで、相場リスクや天候リスクの低減を図っています。

今後の課題は集荷量の確保であると考え、近隣農家から飼料用米を高く買い上げることによる裏作でのキャベツ・たまねぎの生産、専用機械を所有していない農家に対する農業機械のオペレーター付きリースの実施、たまねぎの買取価格の引き上げ等の方策を考えています。本田さんは、「限界集落に千人の雇用を生み出すことが目標。そこで育った若い人が全国にこのビジネスモデルを広めてほしい。」と考えています。

*1 [用語の解説]を参照

(2)加工・業務用キャベツの県域での周年出荷体制の構築

広島県
鉄コンテナでの出荷準備
鉄コンテナでの出荷準備

広島県とJA全農ひろしまは、平成17(2005)年度からキャベツ産地の育成に取り組み、平成22(2010)年度から加工・業務用の生産・販売を本格的に開始しました。県内の法人化した集落営農組織や農業参入企業等を中心に、機械化体系によるキャベツの大規模栽培を推進し、温暖な南部と冷涼な北部の気候特性を利用し、リレー出荷による周年供給体制の確立に取り組んでいます。

同県は、規模拡大を促進するため、作業受委託の取組への助成や遊休農地(*1)等を活用した大規模団地の整備を行うほか、生産者に対する排水対策等の栽培指導を徹底するなどにより、安定生産と単収の向上を図っています。平成26(2014)年度の栽培面積は133ha、生産量は2,900tとなり、平成32(2020)年度には、栽培面積を405ha、生産量を2万2,400tに拡大することを目指しています。

今後は、大規模団地での効率的な生産や鉄コンテナ出荷等による低コスト・省力化を図るとともに、契約取引の拡大を進め、持続可能な県域産地を確立していくこととしています。

*1 [用語の解説]を参照

(3)シェフ等と連携したレストラン向け西洋野菜の生産

埼玉県さいたま市
生産者、シェフ等の関係者の皆さん
生産者、シェフ等の
関係者の皆さん

埼玉県さいたま市の「さいたまヨーロッパ野菜研究会」は、市内の若手農家グループ、シェフ、種苗会社、食料品卸売会社等をメンバーとして、平成25(2013)年に設立されました。ヨーロッパの野菜が手に入らない、輸入品は高価で鮮度が低いというシェフの声を受け、10軒ほどの若手農家が西洋野菜の栽培を始めました。現在、年間を通じてイタリアなす、渦巻き模様のビーツ等の約40種の西洋野菜を生産し、県内を中心に千店舗以上のレストランに出荷しています。

年に数回、シェフ向けの農場見学会を開催し、野菜の紹介をするほか、シェフが求める品質や出荷した野菜の評判を聞き、栽培計画の参考としています。価格は、輸入品の価格を参考に、生産者自らが決めています。新しい品種を栽培する難しさはありますが、生産者間で情報交換するなどの工夫を重ね、同地域が西洋野菜の代表的な産地になることを目指し、若手農家が意欲的に取り組んでいます。

今後は、農事組合法人を設立し、取引先の拡大や新規就農者の採用、他産地と連携したリレー出荷による周年安定供給体制の構築等を目指していくこととしています。

 


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