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農林水産省

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(5)果実


(新たな果樹農業振興基本方針に基づく取組の推進)

果樹の栽培面積は、生産者の高齢化が進展し、栽培農家が減少していること等から、緩やかな減少傾向にあり、平成26(2014)年は23万4千haとなりました(図2-3-11)。平成26(2014)年度の生産量は、主にりんごの生産量が増加したことから、前年を上回る310万tとなりました。

果実の一人一日当たり摂取量は、近年、横ばいで推移し、平成26(2014)年は105gとなっています。20歳以上の摂取量をみると、若い世代ほど少なく、60歳代の140gに対し、20歳代60g、30歳代53gと60歳代の半分以下となっています(*1)。

果実の需給構造をみると、近年、カットフルーツ等果実加工品の需要が増加しており、国内生産量に輸入量を加えた総需要量775万tのうち、生鮮用が6割、果汁等加工用が4割となっています(図2-3-12)。また、生鮮用の6割が国産である一方、果汁等加工用の国産の割合は1割となっています。


1 厚生労働省「国民健康・栄養調査」

 

我が国の果樹農業の振興に向けた基本的な方向として、果樹農業振興特別措置法に基づき、おおむね5年ごとに果樹農業振興基本方針を定めており、平成27(2015)年4月に新たな基本方針を定めました。新たな基本方針では、高品質果実の生産から始まる、所得向上に向けた好循環を形成するため、分野間や産地間といった連携の視点から果樹施策を推進することとしています。消費面の対策としては、食べやすさ等の消費者需要に対応した新たな供給体制の構築や、果実摂取量の少ない働き盛り世代に対する需要拡大対策を推進することとしています。生産面の対策としては、高品質果実の安定生産に向け、農地中間管理機構の活用等による園地集積や規模拡大、優良品目・品種への転換の加速化等を推進することとしています。近年では、消費者の需要の変化に応じた新品種が数多く育成され、皮ごと食べられ食味が良いぶどう「シャインマスカット」や渋皮がむきやすく甘みのあるくり「ぽろたん」等の栽培が広がっています。

平成25(2013)年から果実の輸出額はりんごを中心に増加しており、平成27(2015)年における生鮮果実の輸出額は約180億円となっています(*2)。新たな基本方針では、輸出面の対策として、オールジャパン体制の構築によるジャパン・ブランドの確立を通じた輸出拡大の戦略的な推進を図ることとしており、平成27(2015)年5月には生産者団体、商社及び市場関係者等からなる日本青果物輸出促進協議会が発足しました。今後、本協議会において関係者が連携し、輸出拡大を図っていくこととしています。

また、加工・業務用果実については、これまで、大半の産地は生食用の生産に特化し、規格外や生産過剰の果実を利用してきましたが、品質や供給量等に大きなばらつきが生じ、実需者に安定的に供給することが困難でした。このような中、新たな基本方針では、加工面の対策として、今後、輸入の濃縮還元果汁との差別化を図ることができる高品質なストレート果汁やカットフルーツ等の加工・業務用に適した果実の安定的な生産・供給に向け、専用品種や低コスト省力化栽培技術等の開発・普及を図っていくこととしています。


2 財務省「貿易統計」

事例:消費者の需要を生み出すカットフルーツ販売

愛知県名古屋市
生搾りジュースの販売の様子
生搾りジュースの販売の様子
「スマフルカット」の商品
「スマフルカット」の商品

愛知県名古屋市(なごやし)の果実専門店である株式会社弘法屋(こうぼうや)代表取締役の片岡利康(かたおか としやす)さんは、平成26(2014)年にカットフルーツや生搾りジュース、果実を使ったデザートの専門店を開店しました。商品開発や販売形態に工夫を凝らし、し好品と捉えられている果実が野菜のような毎日の食生活に欠かせない必需品となるような商品を提案しています。

健康的な食生活に望ましいとされている摂取量である1人1日200g(*)の果実を入れたミックスカットフルーツ「ワンデーパック」や、果実の機能性に注目し「リフレッシュ」や「スリム」といった目的に沿ったカットフルーツを組み合わせた「スマフルカット」等の商品を販売しています。消費者は、その日の気分や体調に合わせて手軽に果実を購入することができます。また、好みのカットフルーツから1杯ずつ作る生搾りジュースの販売形態が人気となっています。

さらに、同社では、加工用に向いた果実の商品開発にも取り組んでいます。加工用の果実には、変色しにくいことや、果汁が漏れ出しにくいといった生食用とは異なる品質が求められます。このため、生産者や流通業者等と連携し、果実がやや小さいことや果皮がやや厚いため、生食用には向かないが色が良く、風味が高いかんきつ類「かんきつ中間母本農6号」の研究会を発足し、生搾りジュース、カットフルーツ、ジャムに加工しています。今後も、消費者の新たな需要を生み出すような商品開発等を行っていきたいとのことです。

* 厚生労働省「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21(第2次))」


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