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農林水産省

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(1)福島県の避難指示区域等の復興に向けた取組


(避難指示区域の解除・見直し)

東電福島第一原発事故に伴い、周辺住民に対する避難指示が行われました。この避難指示の対象区域は、平成24(2012)年4月以降、「避難指示解除準備区域」、「居住制限区域」及び「帰還困難区域」の3つの避難指示区域に再編され、平成25(2013)年に、避難指示区域の見直しが完了しました。平成26(2014)年の田村市(たむらし)の避難指示解除、川内村(かわうちむら)の避難指示一部解除に続き、平成27(2015)年9月5日に楢葉町(ならはまち)の避難指示が解除されました(図4-2-1)。

平成28(2016)年3月現在、9市町村において避難指示区域が指定されているとともに、約4万3千人(*1)が福島県から県外へ避難している状況にあり、引き続き避難住民の早期帰還・定住に向けた取組を推進していく必要があります。


1 復興庁「全国の避難者等の数」

図4-2-1 避難指示区域の概要(平成27(2015)年9月5日現在)

(原子力災害からの福島復興の加速に向けた取組)

平成25(2013)年に「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」(以下「指針」という。)が閣議決定された後、田村市(たむらし)、川内村(かわうちむら)の避難指示解除の実現等が進捗したものの、長期避難に伴う課題の顕在化や長引く風評被害等、更なる復興加速に向けて対応すべき状況があります。これを踏まえ、平成27(2015)年6月、指針が改訂されました。改訂においては、避難指示解除準備区域や居住制限区域について、遅くとも事故から6年後の平成29(2017)年3月までに避難指示を解除できるよう、環境整備を加速することとし、平成27(2015)年9月、楢葉町(ならはまち)を避難指示解除しています。

また、原発事故による被災事業者等の生活再建、生業(なりわい)等の支援の実施に向け、自立支援の新たな実施主体を設置することとされたことを踏まえ、平成27(2015)年8月に、国、福島県、民間をメンバーとする福島相双復興官民協議会が原子力災害対策本部長決定で設置され、その下に、福島相双復興官民合同チームが設置されました。官民合同チームでは、今後2年間、被災12市町村の商工事業者・農業者の個別訪問等を行い要望・意向を把握し、事業再建計画や地域農業の将来像の策定支援等きめ細かに対応していくこととしています。また、農業は、農地利用や水管理等で地域的なまとまりが不可欠であることから、市町村が行う農業者の意向把握やこれらを踏まえた地域農業の将来像の策定と、その実現に向けた取組を支援するため、官民合同チーム内の営農再開グループにおいて、市町村、農業協同組合等との打合せや農業者を交えた懇談会を行っています。

さらに、避難指示区域等の地域においては、避難住民が帰還後速やかに営農再開できるよう、農林水産省では、除染の進捗状況に合わせた農業関連インフラの復旧、除染が終了した農地の保全管理、作付実証、大規模化や施設園芸の導入等の新たな農業への転換、放射性物質の吸収抑制対策、ため池等の放射性物質対策等の一連の取組を切れ目なく支援しています。平成27(2015)年には、南相馬市(みなみそうまし)、広野町(ひろのまち)、川内村(かわうちむら)、田村市(たむらし)の約1,500haで水稲の作付けが本格的に再開されるなど、営農再開に向けた取組が進んでいます。


(関係省庁等と連携し復興を推進)

長期避難者への支援から早期帰還への対応までを一括して支援することにより、福島の再生を加速化するため、福島再生加速化交付金が平成27(2015)年度も引き続き措置されました。また、福島県産農産物等の正しい理解の促進やブランド力の回復のためのPR等を行う風評被害対策や観光関連事業への支援も、引き続き措置されました。農林水産省は、関係省庁等と連携しながら福島の再生、復興まちづくり、産業の復興、被災者支援に引き続き取り組むこととしています。

事例:地元中心の着実な販路を積み上げた地鶏振興による復興に向けた取組

福島県川俣町
斎藤正博さん(左)と笠間英夫さん(右)
斎藤正博さん(左)と
笠間英夫さん(右)
肥育中の川俣シャモ
肥育中の川俣シャモ

福島県川俣町(かわまたまち)では、福島県養鶏試験場と協力して、シャモ独特の弾力のある食感を残しつつジューシーでコクのある川俣シャモを開発し、ブランドを築き上げてきました。一般的なブロイラーは肥育効率の良い生後50日程度で出荷されますが、川俣シャモはおいしさにこだわり独特の食感を出すため、100日以上かけて肥育しています。川俣シャモは株式会社川俣町農業振興公社(代表取締役:笠間英夫(かさま ひでお)さん)が生産計画立案や加工・販売を行い、有限会社川俣シャモファーム(代表取締役:斎藤正博(さいとう まさひろ)さん)が種鶏からの採卵や雛(ひな)生産等を行い、農家14戸に1週間ずつずらしてひなを供給することで安定出荷体制を構築してきました。

しかし、東日本大震災以降、東電福島第一原発事故の影響から、販売先の取引停止が相次ぎ、震災翌年の鶏肉で4割、加工品等も含めた全体の売上げは17%減少しました。

2年ほどは福島県産の食材を使用してもらえない状況が続きましたが、屋内型肥育鶏舎や育雛(いくすう)施設を整備するとともに、地道な営業活動等で粘り強く川俣シャモのおいしさや安全性を訴えて、新たな販売先を開拓しました。その結果、平成26(2014)年度の出荷羽数は震災前を上回る約6万5千羽となり、売上げも震災前を上回るまでに回復しました。

地元では、飲食店前に「川俣シャモ」ののぼり旗が多く並び、ラーメンや親子丼等の食材にも利用されるなど、地元消費者にも根付いています。今後は、現在の設備で対応可能な年間8万羽の出荷を目指し、着実に取引先を積み増すことで、川俣シャモの振興による復興を進めていきたいとしています。

 


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