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農林水産省

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第1節 地方創生に向けた農村への新しいひとの流れ


農村は国民に食料を安定供給するとともに、国土の保全や水源の涵養(かんよう)等多面的な機能の発揮の場となっていますが、都市部に先駆けて高齢化や人口減少が進行し、地域によっては、集落機能や地域資源の維持に影響が生じることも懸念されています。一方で、近年、若者を中心に農村の魅力を見いだし、「田園回帰」ともいうべき流れが強まるなど、農業・農村の価値が再認識され、活性化につながる動きも出ています。

以下では、農村の現状と、農山漁村活性化ビジョンに即した施策の展開、移住・定住に向けた取組、インバウンド需要の変化、農泊の推進等地方創生に向けた動きについて記述します。

また、地域住民によるむらづくり等を行っている事例のうち、その内容が優れていて広く社会の賞賛に値するものについて、毎年度、天皇杯等が授与されています。平成28(2016)年度の受賞者は、292ページ以降で紹介しています。

(農村地域の高齢化率は31%に上昇)

国勢調査によると、平成27(2015)年10月における我が国の人口は1億2,709 万5千人となり、5年前と比べて0.8%減少しましたが、農村地域(*1)における人口減少は都市地域と比較して顕著であり、5年前に比べて4.1%減少しています(図表3-1-1)。65歳以上の高齢者の割合(以下「高齢化率」という。)も、都市地域が24%であるのに対して、農村地域では31%に達しています。今後も高齢化率の上昇が見込まれ、平成52(2040)年には都市地域で35%、農村地域で38%になると推計されています。

*1 国勢調査における人口集中地区を都市地域、それ以外を農村地域とした。

(農家戸数5戸以下の小規模農業集落の割合が増加)

我が国の農業集落(*1)は、農業用水路、農機具等の共同利用等農業生産に関わることのみならず、冠婚葬祭等生活面でも密接に結びついた共同体として機能してきましたが、農村地域の人口減少や高齢化の進行により、地域資源の保全や農業集落の持続的な存続に懸念が生じています。農林業センサスによると、我が国の農業集落のうち、農家戸数5戸以下の農業集落の割合はいずれの地域でも増加しています(図表3-1-2)。

*1 用語の解説3(1)を参照

(若い世代の都市住民が農山漁村を訪問)

総務省が東京都の特別区と政令市の都市住民を対象として平成29(2017)年1月に実施したアンケート調査によると、直近5年間で農山漁村地域を訪れたと回答した割合は56.8%となり、年代別では若い年代の方が農山漁村地域を訪れている割合が高い傾向となっています(図表3-1-3)。特に、「農作業や祭りなどの地域活動に参加するため」や「地域貢献活動やボランティア活動に参加するため」等の目的で農山漁村を訪問する割合は20歳代で最も高く、都市住民の若い世代で農山漁村の役に立ちたいといった意識が高まっています。

また、NPO法人(*1)の活動など、全国各地で地方創生につながる動きも見られるようになっています。

*1 用語の解説3(2)を参照

事例:NPO法人による農村活性化の動き

(1)各集落の農産物を少量からトラックで巡回集荷(京都府)

京都府京都市
京都村ロゴ

京都村ロゴ

共同配送された農産物

共同配送された農産物

平成24(2012)年2月に設立された京都府京都市(きょうとし)の特定非営利活動法人いのちの里京都村(以下「京都村」という。)は新たなビジネスの構築を通じて、農村の活性化を目指す取組を行っている団体です。

京都府の農村は、自給的な農産物の生産が主体の農家も多く、過疎化や高齢化の進行により集落内の生産量が減少し、農地の荒廃が進んでいます。

そこで京都村は、農村の活性化を目指して、平成25(2013)年8月から同府内の農村集落をトラックで巡回して、農産物を集荷し、都市へ共同配送する取組を始めました。この取組では、あらかじめ各集落から出荷できる農産物を確認し、都市の消費者とマッチングを行います。

この取組により、配送料が課題となり出荷が困難だった少量の農産物を都市の消費者へ届けることが可能となりました。各集落からは、「自らが生産した野菜が販売され、張り合いができた。」と好意的な反応も見られ、当初2集落であった参加集落は、平成28(2016)年末時点で6集落まで増加しています。

京都村は、集落に残る原風景としての農業を持続可能なものにしていくことが重要であり、集落間の過度な競争を追求せず、各集落が豊かになりながら持続的に取り組めるよう支援していきたいと考えています。





(2)農業と観光の連携で鹿児島茶のファン作り(鹿児島県)

鹿児島県南九州市
茶農家ガイドとともに茶畑を歩く観光客

茶農家ガイドとともに茶畑を歩く観光客

平成19(2007)年2月に設立された特定非営利活動法人頴娃(えい)おこそ会は、鹿児島県南九州市(みなみきゅうしゅうし)において、観光・まちおこしの取組を積極的に展開していましたが、更なる観光客誘致による地域活性化を進めるためには、地域最大の産業である農業との連携が必要と感じていました。

そこで、平成23(2011)年から若手を中心とした21人の茶農家で構成される「茶寿会(ちゃじゅかい)」と協力し、茶畑に囲まれた景勝地・大野岳の整備に取り組むとともに、お茶をテーマにした「グリーン・ティーリズム」と称する観光誘致活動を行うこととしました。このグリーン・ティーリズムでは、茶畑を観光客に開放して、「茶畑を眺める・歩く」、「お茶を淹(い)れる・飲む」といったメニューがセットで体験でき、茶農家がガイドとなって、お茶や農業についての地域の取組を説明しています。

グリーン・ティーリズムに参加した観光客からは「本場のお茶はおいしい。」などといった感想が寄せられ、鹿児島茶のファンの増加が期待されています。この取組により、地域では、茶の販売収入のほか、茶葉を利用した加工品の開発・販売による収入やガイド収入も得られており、農村の活性化に向けた動きが進んでいます。

(農山漁村活性化ビジョンに即した施策の展開)

農村を活性化させ、魅力ある存在とするためには、そこに人が住んでいなければならず、そのためには「田園回帰」の対話型社会を実現し、若者や高齢者など全ての住民が安心して生きいきと暮らしていける環境を作り出すことが重要です。地方創生の深化に向けては、政府全体で取組を進めていくこととしており、食料・農業・農村基本計画では、まち・ひと・しごと創生総合戦略等を踏まえ、関係府省の連携の下、農村の振興に向けた取組を総合的に推進することとしています。

農林水産省においても、人口減少や高齢化などの農村を取り巻く環境の変化に的確に対応しつつ、活力ある農山漁村づくりの取組を進めていくために、食料・農業・農村基本計画と併せて「魅力ある農山漁村づくりに向けて」(以下「農山漁村活性化ビジョン」という。)を平成27(2015)年3月に策定し、<1>農山漁村にしごとをつくる、<2>集落間の結び付きを強める、<3>都市住民とのつながりを強めるという3点を基本的な視点として、農村の活性化に向けた施策の推進と地域の実践活動の後押しをすることとしています(図表3-1-4)。

図表3-1-4 農山漁村活性化ビジョン(イメージ)

それぞれの視点に基づく施策の推進状況を見ると、農山漁村にしごとをつくるという視点では、農村の豊かな地域資源の活用による雇用の創出や所得の向上に向けた地域の取組支援に加え、農村地域での立地ニーズが見込まれる産業導入により、農業者等の地域住民の就業の場を確保する観点から、農村地域工業等導入促進法の改正案を国会に提出しました。

集落間の結び付きを強めるという視点では、「小さな拠点」や周辺集落のネットワークの形成を推進する観点から、平成27(2015)年8月に施行された改正地域再生法により、生活関連施設の誘導を図る地域再生拠点を整備する際の土地利用規制に係る農地法等の特例措置を講じました。また、平成27(2015)年度から実施されている中山間地域等直接支払制度の第4期対策において、集落連携を促進するための交付単価の加算措置等を講じています。

都市住民とのつながりを強めるという視点では、都市と農山漁村の交流人口を増加させるための地域における活動や施設整備に対する支援とともに、平成28(2016)年3月に策定された「明日の日本を支える観光ビジョン」を踏まえ、インバウンド需要の取り込みを行う農泊ビジネスの体制構築等に対する支援を行っています。

このように、農山漁村活性化ビジョンは、将来にわたり農村振興を進めていくための道しるべとなるものであり、今後、農村の現状や課題等を踏まえ、同ビジョンに盛り込まれた基本的な視点に則した施策の展開が行われることとなります。

コラム:町村職員を地域農政のリーダーとして育成する「地域農政未来塾」

地域農政未来塾の様子

地域農政未来塾の様子

多くの市町村では、事務事業の見直しや組織の合理化等により職員数が削減され、なかでも農林水産部門の職員数は一般行政部門や民生部門に比べて大きく減少しています。このような中にあっても、市町村職員には、農村の振興・活性化に向け、地域の課題を把握し、これを解決していくことで、地域の実情に合った政策を推進していくことが求められています。

このため、全国町村会では、平成28(2016)年5月に、町村の農政担当等の職員を対象とした「地域農政未来塾」を開講しました。全国の町村から19人の若手職員が参加し、平成29(2017)年1月にかけて、6回にわたり講義や研究発表が行われました。

19人の若手職員は、塾への参加や相互研さんを通じた能力の向上を図るとともに、同様の課題を抱える同世代の仲間とのつながりを構築でき、今後、地域農政の未来を担うリーダーとして、その力を発揮することが期待されます。

(田園回帰の動きを農村への移住・定住へと発展させる活動が活発化)

都市と農村の交流においては、それぞれの住民による相互理解を深めつつ、農村の価値を再評価することで、農村に人を呼び込み、新たな経済活動を創出する契機となることが期待されています。このような田園回帰の動きを都市と農村との一過性の交流に終わらせることなく、農村への移住・定住へと発展させる活動が全国各地で展開されています。

地方への移住希望者の面談やセミナーの開催、電話での問合せに応じている特定非営利活動法人ふるさと回帰支援センター(*1)によると、移住を検討している都市住民からの相談等の件数は増加傾向にあり、近年は20歳代・30歳代の相談者等の割合が増加しています(図表3-1-5、図表3-1-6)。また、総務省のアンケート調査においても、農山漁村に移住してみたいと回答した都市住民は3割となり、特に20歳代・30歳代では4割を占めています(図表3-1-7)。

*1 正式団体名は「特定非営利活動法人100万人のふるさと回帰・循環運動推進・支援センター」

このように農山漁村地域への移住に関心が寄せられる中、一般社団法人移住・交流推進機構の調査によれば、移住・交流の促進に関する施策を実施している市町村は51.4%となっており、平成21(2009)年度の39.3%から12.1ポイント増加しています。このような市町村のPR・情報発信の方法を見ると、「情報提供ウェブサイトの設置」67.2%、「PRパンフレット・ポスター等の媒体作成」58.5%、「移住交流説明会・相談会・セミナー等の実施」46.9%であり、移住・定住説明会・相談会・セミナー等を実施する市町村の数が増えていることがうかがわれます(図表3-1-8)。

移住・定住に向けた取組を戦略的に進めるためには、住居や就業機会の確保などを含め、きめ細かな相談体制の整備を図ることが重要です。

事例:新規就農者が地域の協力で規模拡大を実現(鹿児島県)

鹿児島県指宿市
秋葉泰光さんとオクラほ場

秋葉泰光さんとオクラほ場

鹿児島県指宿市(いぶすきし)の秋葉泰光(あきばやすみつ)さんは、地域の人とつながりをもつ農的生活に憧れて、平成24(2012)年に、37歳で千葉県から母親の出身地である同市に移住し、地域の主要農産物であるオクラの生産を始めました。

就農時には、集落内の農業者から農業機械を譲り受け、技術指導を受けながら10aの農地で施設栽培を開始し、その後、就農3年目には農地を50aにまで拡大し、露地栽培を含め、オクラ、スナップエンドウ、そらまめ、かぼちゃ等の生産に取り組んでいます。

秋葉さんは、農協青年部に所属することで地域の若手農業者とも積極的に交流を図っており、地域の将来を語れる同志が周りにいることに充実していると感じています。

今後は、雇用も行いながら、更なる経営規模の拡大と新たな作物の導入を目指していきたいとのことです。

(魅力ある住まいを提供し、人材確保も期待される農家住宅の推進)

農林水産省では、農山漁村への移住・定住を促進するため、農家住宅を含む魅力ある生活環境の整備を推進しています。

人口減少・高齢化が急速に進行する農山漁村において、若者や女性を含む次世代の農業後継者を確保することは非常に重要な課題です。このような中、農林水産省では、国内において、資産価値が下がらず、おしゃれで快適な住宅の整備が若者の定住化へつながる事例に着目し、平成29(2017)年1月に農山漁村での魅力的なライフスタイルを提言するとともに、農家住宅を含む魅力ある生活環境の整備に向けた今後の取組方針を発表しました。

農家住宅の構想は、例えば、地域材を活用した木造住宅や長期に使用するための構造及び設備を有している住宅、古民家を改修し、冷暖房装置や生活器具等を最新設備に更新した住宅等のほか、広々とした庭での家庭菜園や井戸の設置、物資の備え等、自給自足にも対応していることが特徴です。

今後、農林水産省としては、関係省庁との連携による「農家住宅実践支援チーム」を創設したことを踏まえ、農家住宅の推進に取り組むモデル地区を選定の上、当該地区の構想づくりを支援するとともに、農家住宅に関する各種施策や事例の紹介等を行っていくこととしています。

事例:空き家の再生が契機となった移住(岐阜県)

岐阜県恵那市
古民家リフォーム塾の様子

古民家リフォーム塾の様子

岐阜県恵那市(えなし)では、都市へ移住した元住民の住居等が空き家となって点在し、その利活用が大きな課題となっていました。

平成22(2010)年に恵那市(えなし)、特定非営利活動法人奥矢作(おくやはぎ)森林塾等が構成員となって「奥矢作(おくやはぎ)移住定住促進協議会」が設立され、空き家等を地域資源として捉え、有効活用を進めることになりました。具体的には、地域への移住・定住を検討、希望している者を対象に、地元大工の指導のもと空き家のリフォームを技術的に指導する「古民家リフォーム塾」を年に10回開催しています。

平成28(2016)年度までの6年間で塾生の延べ人数は、約2,150人となり、この地域への移住者は65人、再生された空き家は24軒となり、移住者の住居等として利用されています。

この地域では、新規就農した移住者や、地元の食材やジビエを使った料理を提供する古民家カフェを開店する移住者も見られ、空き家の再生が地域農業の振興にもつながっています。(第3回「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」選定地区)

(インバウンド需要の変化)

日本政府観光局(JNTO)の調査によると、平成28(2016)年の訪日外国人旅行者数は2,404万人となり、過去最高を記録しました(図表3-1-9)。

訪日外国人旅行者の多くは東京から大阪を結ぶゴールデンルート上の都府県を中心に訪問する傾向に変わりはありませんが、平成28(2016)年は香川県や岡山県などで宿泊者数が大きく増加しており、地方への訪日外国人旅行者の誘致が進みつつあります(図表3-1-10)。

また、訪日外国人旅行者の増加に伴って、日本滞在中の旅行消費額も増加しており、平成28(2016)年は3兆7,476億円と平成27(2015)年の3兆4,771億円と比べて8%増加しました(図表3-1-11)。内訳をみると、買物代が減少する一方で、ほかのサービスへの消費額が増加しています。このようなモノからコトへの消費のシフトを踏まえ、訪日外国人旅行者の地方への誘致を進め、地方創生に結びつけることが期待されます。

事例:訪日外国人旅行者に地域の魅力を伝える農村体験ツアー(大分県)

大分県杵築市
ポールさん(右から3人目)とスタッフ

ポールさん(右から3人目)とスタッフ

14年前に大分県杵築市(きつきし)に移住したクリスティ・ポールさんは、日本の農村文化に強い関心を抱き、当初は、地域で野菜などを育てて田舎暮らしを楽しむことを想定していましたが、地域の魅力を訪日外国人旅行者に伝えたいとの思いから、平成22(2010)年に、旅行会社「株式会社ザ・ジャパン・トラベル・カンパニー」を設立しました。同社では、旅篭(はたご)に泊まりながら中山道(なかせんどう)を11日間歩き続けるツアーや、大分県国東(くにさき)半島の農村に滞在し、日本の田舎を体験するツアーなど、農村文化の体験が組み込まれたツアー等を企画・運営しています。

平成28(2016)年のツアー客数は、平成23(2011)年の事業開始当初に比べ約4倍となっており、訪日外国人旅行者の中で素朴な日本の農村風景や農村での生活に関心が高まっていることがうかがえます。

ポールさんは、農村と観光とを組み合わせることにより、農村の振興を図ることが可能と考えており、自らの役割として農村の魅力を発信できる活動を続けていきたいと考えています。

(ビジネスとして農泊に取り組む地域を平成32年までに500地域創出)

「日本再興戦略2016」(平成28(2016)年6月閣議決定)では、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される平成32(2020)年までに、訪日外国人旅行者数4千万人、訪日外国人による旅行消費額8兆円、地方部での外国人延べ宿泊者数7千万人泊等の目標が定められています。政府では、滞在を伴うインバウンド需要を農山漁村に呼び込むため、日本ならではの伝統的生活体験や農山漁村地域の人々との交流を楽しむ滞在である「農泊」の推進を図ることとして、ビジネスとして農泊に取り組む地域を500地域創出する目標を掲げています。農林水産省としては、世界農業遺産や日本農業遺産、棚田百選の選定地域を始めとした優れた景観や伝統的な農林水産業等の観光資源を活用し、農泊の推進に意欲ある地域を対象に、現場実施体制の構築、農林漁業体験プログラムの開発、古民家の改修など、地域資源の魅力ある観光コンテンツとしての磨き上げに対し支援を行うこととしています。

また、優良な農泊地域を国内外の旅行会社等に情報発信することや海外のバイヤー等を対象としたファムトリップ(*1)などの実施についても積極的に取り組むこととしており、これらの取組により訪日外国人旅行者を含めた観光客を農山漁村地域に呼び込み、地域の自立的発展を促すことで、所得向上を目指します。

*1 Familiarization Trip の略。旅行会社やメディア等を招待して行う視察旅行

事例:古民家宿泊施設が農泊の受皿に(兵庫県)

兵庫県篠山市
古民家を改修した宿泊施設

古民家を改修した宿泊施設

丸山集落

丸山集落

兵庫県篠山市(ささやまし)では、空き家や古民家等地域資源を活用して地域の活性化を目指しています。

同市の旧畑村丸山(はたむらまるやま)集落は、平成20(2008)年時点で12軒の住宅のうち、7軒が空き家となり、各種集落活動の意欲が低下し、活性化に向けた取組が急務となっていました。

そこで、住民は集落の将来像等を検討するために、一般社団法人ノオトをはじめとする協力者の支援のもと、ワークショップを複数回開催し、議論を重ねてきました。その結果、地域の魅力として古民家再生を通じた集落活性化の方向性を共有することができ、住民により設立された特定非営利活動法人集落丸山とノオトにより農泊実施組織を設立し、滞在型施設の整備を含む地域活性化に向けた事業実施体制を構築しました。

同組織では、平成21(2009)年から、ノオトの地域再生のノウハウを活用しつつ、古民家を改修した宿泊施設の運営等を行い、現在、古民家宿泊施設の年間利用者数は宿泊者単価数万円で700人弱にまで増加しています。このように、交流が盛んになる中で、集落内に地元食材を活用した本格フレンチレストランがオープンし、1世帯4人がUターン移住しました。また、宿泊施設利用者等による農作業体験需要に応える形で、荒廃農地の再生も進んでいます。

(ディスカバー農山漁村(むら)の宝選定地区による、初めてとなる展示・即売会の開催)

展示・即売会の様子

展示・即売会の様子

ディスカバー農山漁村(むら)の宝とは、農山漁村の有するポテンシャルを引き出すことにより、地域の活性化、所得向上に取り組んでいる優良地区を選定し、全国に発信するもので、平成26(2014)年度から毎年実施しています。

農林水産省では、選定地区の知名度向上を図るため、平成28(2016)年12月に、東京都内で、選定地区が参加する展示・即売会を新たな試みとして開催しました。

この会には3万人強の来場者があり、参加した地区からは、「自分の商品の認知度が高くなっていることに喜びを感じた。」、「消費者の声を直接聞くことができて満足した。」、「他の選定団体と交流ができて良かった。」等の声が聞かれました。



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